必見◆バイク事故の後遺症(後遺障害)認定や慰謝料相場や保険金について弁護士が解説

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必見◆バイク事故の後遺症(後遺障害)認定や慰謝料相場や保険金について弁護士が解説

バイク事故で怪我を負い、残念なことに後遺症後遺障害)が残ってしまったとしたら…。

そのことに対し、相手側の保険会社から適切な損害賠償を受けるべきです!

しかし、いざ示談交渉するにあたっては、

  • 通常の自動車事故の場合と何か違いはあるの?
  • 後遺症(後遺障害)の認定等級はどうなるの?
  • 提示された慰謝料適正なの?
  • 慰謝料以外の損害賠償は?保険金示談金賠償金の内容は?

など、わからないことだらけではないかと思います。

そこで今回このページでは、

バイク事故で後遺症(後遺障害)が残った場合の等級認定や慰謝料など保険金の相場

について、お悩みの皆さまと一緒に学んでいければと思っています。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

バイク事故により後遺症(後遺障害)が残ってしまった場合、ご本人はもちろん、ご家族の方への負担も非常に大きいものと考えられます。

実際に、後遺症(後遺障害)に悩むご本人やご家族の方から多くの相談を受けてきました。

その経験に基づき、具体例も交えながら、わかりやすく解説していきたいと思います。

バイクは自動車とは違い、生身で走るものです。

よって、自動車以上に大怪我を負ってしまう可能性も高そうです…。

プロテクションパンツやジャケットなど、身を守るものもありますが、着ずに走っている方もたまに見かけますよね。

たとえプロテクションスーツを着ていたとしても、大きな事故に巻き込まれれば、重症を負ってしまう可能性も大いに考えられます。

では、バイク事故では、どのような後遺症後遺障害)が残ってしまう可能性があるのでしょうか。

ここから一緒に見ていきましょう。

バイク事故による後遺症(後遺障害)の具体例

バイク事故による後遺症(後遺障害)の具体例

2chから知るバイク事故の後遺症(後遺障害)

もしもバイクで走行中に事故に巻き込まれたら…。

バイク事故による後遺症(後遺障害)にはどのようなものがあるのか…2chなどの声を除いてみました。

一生車椅子生活が決まった

本当にむなしい 普通に歩くこともできない

○ぬまで一生だよ あまりにリスクが大きすぎる

トラックや自動車と一緒に道路上を生身で走るって馬鹿だよ

今考えるとありえない

雨の日に滑って電柱激突

両手骨折、頭蓋骨骨折、脳挫傷、意識不明

未だに頭にボルト入ってるよ

左カーブでバンク中後輪が横滑り、横転。

左腕から着地、その瞬間脊髄(胸椎4番5番)を脱臼骨折したと思われる。

(略)

左前腕骨折、左鎖骨骨折、そして今後長い戦いになる脊髄損傷を受傷。

内臓出血がひどかったため、事故から2週間後ようやく金属固定手術。

後遺症で、胸下&両下肢完全麻痺。排泄障害。

車椅子生活…意識不明…頭にボルト…完全麻痺…脳萎縮…肩が上がらない…。

どれも非常に重いものばかりですね。

もちろん、自動車に乗っているときでも同じような怪我や後遺症(後遺障害)が残ってしまう可能性はあります。

しかし、やはり生身で走る分、怪我の重症度や残ってしまう後遺症も非常に重くなってしまう確率も高いようです…。

バイク事故で怪我しやすい箇所とは

そもそも、バイク事故では、どのような怪我を負いやすいのでしょうか。

自動車での事故の場合、むちうちになるという話をよく聞いたことがあるのですが…。

怪我①足や腕

調べてみたところ、最も怪我をしやすい部位はとなるようです。

これは転倒時にまず手や肘、膝を着くことが多いからだと考えられますね。

また足に関しては、転倒時にバイクと地面の間に挟まれてしまうことも多いようです…。

怪我②顎

続いて、意外に多いのが(あご)なのだそうです。

そもそも、頭は人間の体の中でも非常に重い部位なので、転倒時にぶつけやすいそうです。

ですが、バイクに乗る場合、ヘルメットをしていれば、多少の衝撃であれば守ってくれるでしょう。

顎部を負傷してしまうのは、多くがフルフェイスヘルメットを着用していない場合なのだそうです。

参考までに、最近では怪我の確率を示したヘルメットも販売されているようです。

このヘルメットの確率を見ても、確かに顎部分の怪我の割合が高くなっています。

少しでも怪我の度合いを下げるためにも、バイク走行時にはフルフェイスヘルメットが望ましいのではないかと思います。

怪我③頭部外傷や脊髄損傷などの重症

以上に加え、バイク事故では非常に重症の怪我を負いやすいイメージがあります。

例えば、脳挫傷脊髄損傷です。

上記のような重症を負った場合、最悪の場合は死亡してしまうかもしれません。

幸い一命をとりとめたとしても、意識不明状態が続いてしまうかもしれません。

また、本当に幸いなことに意識が回復したとしても、身体に重度の麻痺が残ってしまうことが考えられます。

特に、交通事故が原因で半身不随となってしまった方のうち、バイク事故によるケースが非常に多いそうなのです。

以下に、バイク事故による怪我や、それによる後遺症(後遺障害)の一例をまとめてみましたので、参考までにご覧ください。

バイク事故による怪我と後遺症(一例)
怪我 怪我による後遺症
足の骨折 股関節・大腿骨の骨折
膝の骨折
脛骨・腓骨の骨折
足首の骨折
など
・関節の可動域制限
・骨の欠損障害
・骨の変形障害
・骨折部周辺の神経障害
など
手の骨折 上腕骨骨折
上腕骨顆上骨折
肘の骨折
手首の骨折
など
神経損傷 脊髄損傷
腕神経叢損傷
など
・身体の麻痺
頭部外傷 頭蓋骨骨折
脳挫傷
硬膜下血腫
びまん性軸索損傷
など
・高次脳機能障害
・身体の麻痺
など
顔面部損傷 顎の骨折・脱臼
鼻骨骨折
眼窩底骨折など
顔の傷
・咀嚼機能、言語機能、歯牙、味覚、嚥下機能障害など
・嗅覚傷害、鼻呼吸困難など
・視力、眼球の調節、運動機能、視野障害など
・外貌醜状
・局部の神経症状
など

バイク事故による後遺症(後遺障害)の等級認定の流れについて解説

バイク事故による後遺症(後遺障害)の等級認定の流れについて解説

では、バイク事故で実際に上記のような後遺症(後遺障害)が残ってしまった場合、どのような対応をすれば良いのでしょうか。

事故の相手から、しっかりとした補償を受け取るべきだと思うのですが…。

後遺症(後遺障害)の等級認定を受ける

まず、後遺症(後遺障害)に対する補償を受けるためには、後遺症の等級認定を受ける必要があるということです。

ということで、認定の流れについて詳しく見ていきましょう。

後遺症等級認定の流れ①申請

バイク事故で怪我を負った場合、病院などに入通院する必要がありますね。

事故による怪我の治療の流れについては、こちらの記事で詳しく説明されていますので、ご覧になってみてください。

そのようにして、交通事故による治療を一定期間継続した後も、残念ながら痛みなどの症状が残ってしまうことがあります。

そうなった場合、後遺症(後遺障害)として認定してもらう必要があり、以下のような流れで進むことになります。

後遺障害等級認定の流れ

ここで重要になってくるのが、症状固定です。

症状固定とは、以下のような意味になっています。

症状固定
  • 医学上一般に承認された治療方法をもってしても、その効果が期待し得ない状態
  • かつ、残存する症状が、自然的経過によって到達すると認められる最終の状態

に達したときのこと。

簡単に言うと、これ以上治療の効果が見込めず、あとは時間の経過による自然治癒を待つのみとなった状態ということですね。

症状固定とは、痛みなどの症状がなくなった段階のことではないという点には注意が必要です。

そして、後遺症(後遺障害)の申請は原則として、自賠責保険に対して行うことになるそうです。

自賠責保険に対する後遺症の認定申請には、

  • 事前認定
  • 被害者請求

という2つの方法があります。

事前認定

事前認定とは、簡単に言うと、

相手側の任意保険会社が窓口となって、被害者の方の後遺症の等級認定を事前に確認する

方法のことになります。

事前認定の流れ

被害者請求

一方の被害者請求とは、簡単に言うと、

被害者ご本人が直接相手の自賠責保険に後遺症の等級認定を請求する

方法のことです。

被害者請求の流れ

以上のような2つの方法ですが、事前認定の場合、「手続が不透明」というデメリットが挙げられるそうです。

つまり、保険会社が提出した書類の内容や時期を被害者が把握できないということです。

具体的には、事案によってですが、

後遺症が認められにくい方向に働く内容の顧問医の意見書

を付けて被害者の後遺症の等級の認定を損害保険料率算出機構に依頼することがあるようです。

また、保険会社の担当者は多くの案件を抱えているため、申請を後回しにされてしまうケースもあるようです。

事前認定の場合、相手側の任意保険会社は必要最低限の書類しか提出してくれません。

一方の被害者請求の場合、必要資料以外に認定に有利な医療関係の資料や意見書の添付も可能となっています。

そのため、後遺症の等級認定に争いのあるケースでは、被害者請求の方が望ましいと言えます。

とはいえ、ご本人だけで被害者請求を行うことはなかなか難しいように感じます。

そのような場合、弁護士に依頼をすれば、

  • 書類収集の手間が省ける
  • 認定に有利となる医療関係の資料や意見書の収集やアドバイスを受けられる

というメリットがあるそうです。

被害者請求をする場合には、特に弁護士に依頼するメリットが大きいと言えるかもしれません。

後遺症等級認定の流れ②通知

自賠責保険に対して後遺症(後遺障害)の申請を行うと、損害保険料率算出機構による審査を経て、後遺症の等級の通知が来ます。

事前認定の場合

後遺症の等級の通知は相手側の方任意保険会社に届きます。

よって被害者の方は、相手側の任意保険会社を通じて結果を確認することになります。

被害者請求の場合

この場合には、等級の通知は直接被害者に届きます。

よって、被害者は自ら結果を確認することになります。

後遺症等級認定の流れ③支払い

等級の通知を受けたあと、その等級に応じた損害賠償額が支払われることになります。

金額の相場については、後ほど詳しく説明します。

事前認定の場合

加害者請求という方法の場合、相手側の任意保険会社が自賠責から支払われる保険金分をあらかじめ確認することになるため、

相手側の任意保険会社から被害者に金銭が支払われる

ことになります。

被害者請求の場合

この場合には、自賠責保険への損害賠償額の請求を含むかたちになるため、

自賠責保険から被害者の方に直接金銭が支払われる

ことになります。

事前認定と被害者請求の後遺症認定の流れ
事前認定 被害者請求
申請主体 任意保険会社 被害者
認定機関 損害保険料率算出機構
通知 任意保険会社に 被害者に直接
支払い 示談金支払い後任意保険会社に 認定後直ちに被害者に

後遺症(後遺障害)の等級認定についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧になってみてください。

バイク事故の後遺症(後遺障害)に対する慰謝料の相場とは!?

バイク事故の後遺症(後遺障害)に対する慰謝料の相場とは!?

後遺症(後遺障害)認定の流れがわかったところで、後遺症に対して支払われる慰謝料相場について勉強してみましょう。

慰謝料の相場に関しては、認定される後遺症の等級によって定められているそうなのです。

後遺症の等級は1級~14級に分けられ、それぞれに認定基準が定められています。

様々な後遺症等級の認定基準については、こちらの記事で詳しく解説されていますので、ご覧になってみてください。

そして認定された等級に応じて、慰謝料が支払われることになります。

その前に、慰謝料には3つの基準があるってご存知でしたか?

慰謝料増額に向けて知っておきたい基礎知識~3つの慰謝料相場の基準~

慰謝料には、

  • 自賠責保険に請求する場合
  • 任意保険会社が提示する場合
  • 弁護士が相手側や保険会社に請求する場合

の3つの基準が存在しているそうなのです。

自賠責基準

自賠責保険会社の慰謝料とは、自賠法に基づく省令により設定されているものです。

自賠法は、交通事故の被害者が最低限の補償を受けるためのものであり、その金額は低く設定されています。

任意保険基準

保険会社でも、任意保険会社による慰謝料基準も存在しています。

ただし、任意保険会社は営利企業のため、もちろん少ない金額で済ませたいと考えているハズですよね。

よって、自賠責の基準よりは高いものの、慰謝料の金額は少ないことが多いということです。

弁護士基準

保険会社の基準と比較して、最も高い基準となっているのが、裁判所や弁護士の基準です。

これは、裁判を行った場合や相手側と示談をする場合に用いられる基準のこと。

ただし、自分ひとりで裁判を起こし、相手側と争うのは、どう考えても難しいですよね…。

よって、高額の慰謝料を獲得するためには、弁護士に依頼をして示談や裁判を行うことが必要ということになるのです。

慰謝料金額の基準
自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準
内容 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの 営利企業の保険会社が支払うもの 弁護士を付けて裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの
金額 金額は低め 自賠責基準よりは高いが、金額は低め 自賠責基準や任意保険基準よりも高い

バイク事故の後遺症(後遺障害)に対する慰謝料の相場

では、それぞれの基準ごとの後遺症(後遺障害)慰謝料の相場について、以下の表に示しました。

等級ごとの後遺症慰謝料※1
等級 自賠責基準※2 任意保険基準※3 弁護士基準
1 1100
1600
1300 2800
2 958
1163
1120 2370
3 829 950 1990
4 712 800 1670
5 599 700 1400
6 498 600 1180
7 409 500 1000
8 324 400 830
9 245 300 690
10 187 200 550
11 135 150 420
12 93 100 290
13 57 60 180
14 32 40 110

※1 単位:万円

※2 被扶養者がいる場合や要介護の場合には金額が異なるケースがある。

  ()内は要介護の場合の金額。

※3 旧任意保険支払基準による。

一目瞭然ですが、しっかりとした補償を受けるためには、弁護士基準での慰謝料を受け取るべきですよね。

ただし、被害者ご本人だけで保険会社と交渉しても、低い示談金しか提示してもらえないことがほとんどということです。

加害者が任意保険に入っている場合には、弁護士に依頼して交渉してもらうと、弁護士基準の慰謝料を回収できることがほとんどです。

弁護士基準の慰謝料を獲得するためにも、ぜひ弁護士に相談いただければと思います!

バイク事故と自動車事故では過失割合が異なる!?

ところで、損害賠償にあたっては、過失割合というものも重要となってくるようです。

交通事故における過失割合とは、交通事故の結果に対する責任の割合のことです。

この過失割合は、交通事故の損害賠償と密接な関係があります。

というのも、もしも被害者側に過失がある場合、その過失割合分は相手側に請求出来る損害賠償額から減額されてしまうことになるのです。

では、「バイク対自動車事故」の場合、「自動車対自動車」の場合と比べて、何か違いがあるのでしょうか?

バイクの方が過失割合が低いという声もあるようですが…。

確かに、バイク対自動車事故の場合、自動車同士の事故の場合に比べてバイク側の過失割合が低く判断されることが多いです。

たとえば、自動車同士の右直事故の直進車の基本過失割合は20%ですが、直進車がバイクであった場合の基本過失割合は15%となっています。

これは、バイク対自動車事故の場合、事故の衝撃を直接受けるバイク側の方が重大な損害を被る可能性が高いことが理由の1つと考えられています。

被害者側の過失割合が高いと、その分相手に請求できる損害賠償額が減ってしまうということになります。

バイクの方が交通事故の被害に遭った場合には、過失割合が低く認定されるということなので、多くの損害賠償を受け取ることができる可能性が高いということですね。

以上のような傾向があるということを踏まえて、過失割合について納得いかない点がある場合にも、弁護士などに相談してみた方が良いかもしれません。

バイク事故に対するその他損害賠償|保険金・示談金・賠償金の内容とは

バイク事故に対するその他損害賠償|保険金・示談金・賠償金の内容とは

ここまでで、バイク事故で後遺症(後遺障害)が残ってしまった場合の等級認定や慰謝料について理解を深めていただけたでしょうか。

ところで、バイク事故で怪我や後遺症が残った場合、受け取れる損害賠償は後遺症慰謝料だけではありません。

ということでここからは、後遺症に対する慰謝料以外に受け取れる保険金示談金賠償金の内容について詳しく見ていきましょう。

①治療費

まず、幸い後遺症(後遺障害)が残らなかったとしても、バイク事故で怪我を負った場合、病院へ入院、もしくは通院することになるはずです。

その際の治療費について、相手側から補償してもらうことができるんです。

とはいえ、バイク事故による怪我の治療をする場合であっても、病院との関係では、治療費の支払義務は患者である被害者の方にあることになるそうです。

よって、原則的な治療費の支払い方法としては、被害者の方が病院に治療費を立替え、立替えた治療費を加害者側に請求するという形になります。

ただし、加害者側が任意保険会社に加入している場合、治療費を相手側の保険会社から治療機関に直接支払うという一括対応という手続きがあります。

この場合、被害者の方は病院の窓口で治療費を立て替える必要がなくなります

交通事故でも健康保険で通院できる!?

また、交通事故の治療に健康保険などの保険を使用するかどうかを決める必要があります。

ところで、交通事故では健康保険を使用できないと誤解されていらっしゃる方も多いようですね。

しかし、厚生労働省は、以下のように交通事故でも健康保険を使えるという通達(通知)を出しています。

犯罪や自動車事故等の被害を受けたことにより生じた傷病は、医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律)において、一般の保険事故と同様に、医療保険の給付の対象とされています

ただし、健康保険を使用する場合には、病院に対して健康保険証を呈示し、健康保険を使用する意思を伝える必要があるとのことです。

健康保険証の呈示だけではなく、使用の意思をはっきりと伝えるのがポイントということです。

ここで、健康保険を使わない自由診療と、健康保険診療との違いをまとめてみましたので、良ければ参考にしてみてください。

自由診療と健康保険診療との比較
自由診療 健康保険診療
費用 高額 低額
治療方法 制限なし 制限有り

病院によっては、健康保険の使用を拒否したり、一括対応に応じてくれないところもあります。

そういった場合に、弁護士が介入することにより、病院の対応が変わった事例もあります。

病院での対応にお困りの方は、弁護士に相談だけでもしてみた方が良いかもしれませんね!

支払いが困難な場合には…

しかし、バイク事故による怪我の治療が長引いた場合、支払いが困難になってしまうことも考えられます。

そういった場合には、どうすれば良いのでしょうか?

被害者ご本人が傷害保険に加入している場合、過失割合に関係なく契約に応じた保険金が支払われます。

また、加害者が加入している自賠責保険の仮渡金制度を利用するという方法もあります。

仮渡金制度とは、

損害賠償金の確定前に、被害者の方が相手側の自賠責保険会社に前もって治療費を請求できる

という仕組みのことです。

ただし、最終的な賠償額よりも多い金額を受け取ってしまった場合には、差額を返却する必要がある点には注意が必要です。

②入通院慰謝料

治療費の他に、怪我の痛みや治療による苦痛に対する補償である入通院慰謝料というものも支払われます。

この入通院慰謝料は、治療にかかった期間が、慰謝料のほぼ唯一の基準となっているということです。

以下に、入通院慰謝料相場を示しましたので、ご覧になってみてください。

重症の場合

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

むちうち・軽症の場合

軽症・むちうちの慰謝料算定表

軽症・むちうちの慰謝料算定表

表の見方としては、たとえば重症で入院6ヶ月、通院3ヶ月の場合には、267万円の入通院慰謝料が支払われることになります。

ちなみに、自賠責保険からの入通院慰謝料の計算方法は、以下のいずれか短い方に、4200円をかけるという方法になるそうです。

  • 入院日数と、実通院日数の2倍の合計
  • 総治療期間

長期間通院すれば良いワケじゃない!?通院頻度と慰謝料の関係をお教えします!

では、治療の日数により慰謝料が決まるということであれば、通院頻度を低く、長い期間通った方が高い慰謝料をもらえるのか!?という疑問があります。

しかし、通院頻度が少ない場合には、慰謝料が減額されてしまうケースもあるということなのです。

通院頻度と慰謝料の関係
  1. ① 通院が1年以上にわたり、通院頻度が1ヶ月あたり2~3回程度にも達しない場合
  2. ② 通院を継続しているものの、治療よりも検査や治癒経過観察の意味合いが強い場合

の場合には、通院期間を限度にして、実治療日数の3.5倍程度の日数を基準として慰謝料を計算する。

もう少し具体的に説明しますね。

たとえば、①のケースを考えてみます。

極端な例ですが、通院期間が半年で、実通院日数が8日しかなかったとしましょう。

通院期間が基準であるならば、半年通院=慰謝料116万円もらえるのかというと違います。

この場合、通院頻度が1ヶ月あたり2回に達していないので、8×3.5=28日(≒1ヶ月)が適用され、慰謝料は28万円ということになってしまうのです。

通院慰謝料の算定ルール
原則 例外
通院期間により算定 通院期間を限度として、実治療日数の3.5倍程度により算定

このように、慰謝料の算定には例外ルールなどもあり、被害者ご本人だけではわからないことも多くあると思います。

適正な慰謝料獲得に向けて、少しでも不明点がある場合には、ぜひ弁護士に相談してみてください。

③休業損害

また、怪我の治療で入通院することになった場合には、仕事を休まざるを得ない状況も出てくるでしょう。

その間に収入などを失ってしまうことを休業損害と言います。

休業損害

交通事故により本来得られるはずであった収入や利益を失うこと。

その休業損害についても、補償してもらうことができます。

では、休業損害の計算方法について見ていきたいと思います。

自賠責保険での計算方法

自賠責保険に対して、休業損害を請求する場合の計算方法は、5700円×休業日数ということです。

ただし、1日の休業損害が5700円を超えることを資料などで証明できれば、19000円までは日額の増額が認められています。

上限がありますが、日額が5700円以下の方でも、休業による収入の減収さえあれば、日額5700円で計算されるので、収入の低い人にとっては有利となりますね。

任意保険での計算方法

一方、任意保険や裁判所に対して、休業損害を請求する場合の計算方法は以下の通りということです。

1日あたりの基礎収入×休業日数

1日あたりの基礎収入をどうやって割り出すかは職業別に異なります。

日額5700円未満の人は実際の日額で計算される反面、証明できれば、19000円を超える日額も認められるので、収入の高い人にとって有利となります。

この話の中で誤解されがちですが、休業損害の請求において、日額が最低5700円になるわけでは必ずしもないということは注意しましょう。

よく自賠責保険は最低限の補償をする保険と言われるため、日額が自賠責で定められた5700円以下になるのはおかしいとおっしゃる方がいます。

しかし、自賠責保険の基準が用いられるのは、治療費や慰謝料などを合わせた損害賠償の総額が120万円以内の場合のみとなります。

損害賠償の総額が120万円を超えた場合には自賠責保険の基準は用いられなくなり、任意保険基準や弁護士基準が用いられることになるそうです。

「他の項目では任意保険基準や弁護士基準を用い、休業損害の項目だけ自賠責保険の基準を用いる」というように、良い基準だけ採用することはできないので注意が必要です。

休業損害の日額
自賠責保険 任意保険
原則 5700 1日あたりの基礎収入
上限 19000

職業別の基礎収入など、休業損害についてはこちらの記事で詳しく説明されていますので、良ければご覧ください。

④逸失利益

その他、後遺症(後遺障害)が残ってしまったことが原因で、収入などが減少してしまう可能性も考えられます。

そのような場合には、逸失利益として補償してもらうことができます。

逸失利益

後遺症により労働能力が失われてしまった場合に、本来得られるはずだった収入の減額分を補償するための損害賠償。

まず、逸失利益で最初に争いになるのは、現在、現実に収入の減額が発生しているかどうからしいですね。

後遺症認定の時点ですでに減収が発生している場合には、将来的にもその減収の継続が見込まれるため、逸失利益は認められやすいです。

また、後遺症が原因で、

  • 会社の部署を異動させられた
  • 職業選択の幅が狭くなった
  • 積極的な対人関係や対外的な活動が不可能になった

など、労働環境や能力に支障が出ていることが認定されれば、逸失利益が認められることになります。

一方で、実際に後遺症が残っていても、労働能力に与える影響が小さく、逸失利益が十分に得られないこともあるそうです。

すると、被害者の方は逸失利益を得られず、実際に残っている後遺症に対する補償として明らかに不十分になってしまいます。

そのような場合には、後遺症の慰謝料を相場よりも増額させることで、賠償のバランスが取られることもあるそうです。

ただし、そのような証明や交渉を自分ひとりで行うのは難しいですよね。

この場合も、弁護士に相談すれば適切なアドバイスをもらえると思います!

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以上、バイク事故の後遺症(後遺障害)に対する等級認定や、示談金・保険金・賠償金などについて理解を深めていただけたでしょうか。

しっかりとした補償を受け取るため、今すぐ弁護士に相談したい!と思われた方もいらっしゃるはずです。

しかし、弁護士の知り合いなんていないし、全国に約4万人いる弁護士の中から、誰に相談すれば良いのかなんてわかりませんよね。

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また、重い後遺症(後遺障害)が残った場合など、弁護士事務所に訪問できない方を対象に、無料出張相談も行っているそうです。

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きっと、被害者の方が取るべき対応について、適切なアドバイスをしてくれるはずです。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、バイク事故の後遺症(後遺障害)に関してお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!

まずは、医師の診断を受け、じっくり療養し、お大事になさってください。

それでも残念なことにバイク事故による後遺症(後遺障害)が残ってしまった場合は、弁護士に相談することをお勧めします。

なぜなら、日常生活に支障が及ぶような後遺症が残るような場合、適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

  • バイク事故で負いやすい怪我後遺症後遺障害)の具体例
  • バイク事故の怪我による後遺症(後遺障害)の認定等級
  • バイク事故で怪我を負った場合の慰謝料賠償金保険金示談金

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

また、保険会社との交渉に関しては、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるでしょう。

自宅から出られない方や、時間のない方は、便利なスマホで無料相談を利用するのがおすすめです!

そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。

また、このホームページでは、交通事故の後遺症に関するその他関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください!

バイク事故による後遺症についてのQ&A

バイク事故でけがしやすい箇所とは?

バイク事故で発生しやすいけがは、①足や腕のけが②顎のけが③頭部外傷や脊髄損傷です。後遺症は、足や腕の怪我であれば、関節の可動域制限や骨の欠損・変形障害、顎であれば、咀嚼・言語機能などの障害、頭部や脊髄であれば、身体の麻痺などがあります。 バイク事故によるけがと後遺症

後遺症の等級認定の流れは?

事前認定被害者請求の2つの申請方法があります。事前認定は相手側の任意保険会社に必要書類を提出し、保険会社が窓口となって後遺障害申請を行います。被害者請求は被害者が直接相手の自賠責保険に必要書類を提出して後遺障害申請を行います。事前認定の場合、通知は任意保険会社へ/支払いは任意保険会社から被害者へとなります。被害者請求の場合、通知は被害者へ/支払いは自賠責保険から被害者へとなります。 後遺症の等級認定の流れ

3つの慰謝料相場の基準とは?

慰謝料の相場に関しては、基準ごとに異なります。基準は自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあります。自賠責基準は、自賠法に基づいているため金額は少なく、任意保険基準も自賠責基準より高いが金額は少ないです。しかし、この2つに比べて最も高い基準となっているのが、弁護士基準です。高額の慰謝料を得るためには、弁護士に依頼をして示談や裁判を行うことが必要になります。 慰謝料相場の3基準

バイク事故に対するその他の損害賠償は?

バイク事故で後遺症が残った場合、受け取れるものは慰謝料だけではありません。治療費に関しては幸い後遺症が残らなくても入通院することになったのであれば相手側に補償してもらえます。他にも治療などによる精神的苦痛に対する補償として入通院慰謝料も支払われます。また、交通事故により本来得られるはずだった収入や、後遺症が原因で減少した将来的な収入もそれぞれ休業損害逸失利益として補償してもらえます。 バイク事故に対するその他の損害賠償

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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