後遺障害2級の交通事故慰謝料|2億1823万円の判例を弁護士が解説
このページでは、後遺障害2級の判例についてご紹介します。
1級と2級は、ほかの等級とは違い、介護の必要性の程度によって等級が判断されており、自力で生活するのは非常に難しいといえます。
被害者やご家族の気持ちを考えると、十分な慰謝料が支払われるべきといえます。
ここでは、後遺障害2級が認定された実際の裁判例では、慰謝料などの損害賠償金はどのようにして算定されたのか見ていきましょう。
法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。
目次
それではまず、交通事故の内容から見てみましょう。
障害等級2級(男・症状固定時26歳)損害額2億1823万6519円の判例
こちらは、大阪地方裁判所の判決、平成18年(ワ)第2506号事件です。
この事故での主な怪我の内容は、右側頭部脳挫傷となります。
交通事故の基本情報
事故の内容は「黄色信号に従って交差点手前で停止した被害自動二輪車に加害普通貨物自動車が追突した。」というものです。
交通事故の基本情報は?
属性 | 給与所得者 |
---|---|
性別 | 男 |
年齢 | 症状固定時26歳 |
事故の内容 | 黄色信号に従って交差点手前で停止した被害自動二輪車に加害普通貨物自動車が追突した。 |
傷害の内容 | 右側頭部脳挫傷、びまん性軸索損傷、頭部外傷後高次脳機能障害など |
後遺障害等級 | 併合2級(高次脳機能障害:3級3号、難聴:10級4号) |
入院 | 16日 |
被害者は、後遺障害によって随時看視や見守りが必要な状況となってしまいました。
判例で認められた賠償金・慰謝料
それでは、認められた損害額を見てみましょう。
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 | 2億1823万6519円 |
---|---|
うち慰謝料 | 2626万円 |
うち将来の看護費等 | 7148万5358円 |
うち逸失利益 | 1億1392万6201円 |
損害総額は2億1823万6519円でした。
ざっくりまとめると…
被害者の損害額は総額2億1823万6519円になりました。
- 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が226万円、後遺障害の慰謝料が2400万円認められました。
- 将来の看護費等としては、被害者母・職業介護人による随時看視や見守りが必要な状況であるとして、7148万5358円が認められました。
- 逸失利益としては、基礎収入は男子大卒全年齢平均年収658万7500円、労働能力喪失割合は100%、労働能力喪失期間は67歳までの41年間として算定されました。
弁護士による解説
弁護士先生、こちらの男性は高次脳機能障害と難聴の併合で2級の後遺障害が残ってしまったようです。
この判例のポイントはどのような点になりますか?
2級の障害を負った場合、日常生活で随時介護が必要であることが通常であり、本件でも将来看護費が損害として認められております。
看護費用の算出にあたっては、被害者の母が67歳になるまでは母による看護を、それ以降は職業介護人による介護を受けることを前提として計算されております。
一般的な就労可能年数が67歳であることを前提として上記計算がされたものということができるでしょう。
交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい
はじめての慰謝料計算
交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。
ポイントを整理すると、
- 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
- 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
- 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。
の三点が重要です。
慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。
記事の構成は、
- 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
- 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
- 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?
となっています^^
慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利
また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。
計算ソフトの利用をおすすめするのは、
- 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
- 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
- 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい
といった人たちです。
かんたん1分!慰謝料計算機
通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!あなたが保険会社から提示されている慰謝料は正しいですか?
思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。
保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。
弁護士に無料相談してみてはどうでしょう?
こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。
いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。
電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。
※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。
広告主:アトム法律事務所弁護士法人
代表岡野武志(第二東京弁護士会)
仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。
地元で無料相談できる弁護士を探すなら
弁護士に会って、直接相談したい方には、こちらの全国弁護士検索のご利用をおすすめします。
当サイトでは、交通事故でお悩みの方に役立つ情報をお届けするため、
- ①交通事故専門のサイトを設け交通事故解決に注力している
- ②交通事故の無料相談のサービスを行っている
弁護士を特選して、47都道府県別にまとめています。
頼りになる弁護士ばかりを紹介しているので、安心してお選びください。
何人かの弁護士と無料相談した上で、相性が良くて頼みやすい弁護士を選ぶ、というのもおすすめの利用法です!
後遺障害2級の慰謝料計算の特徴は?
2級の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?
一口に2級と言っても各号ごとに症状は様々ですが、原則として慰謝料は等級に応じて定められ、2級の場合、裁判基準では2,370万円となっております。
また、2級の場合には、被害者の近親者の方の慰謝料請求が認められる可能性が高いです。
さらに、別表Ⅰ第2級1号の高次脳機能障害の場合には、将来介護費を請求できます。
もっとも、その金額には争いがあり、どこで誰がどのような看護をするか等の具体的看護の状況によって金額が変わってきますので、その点をしっかりと主張する必要があります。
ただし、今申し上げたポイントは一般的・総論的なお話であり、上に挙げられている裁判例のように、事故に遭われた方のご事情は様々ですので、まずは弁護士等の専門家に相談してみるのが良いかと思います。
まとめ
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。