後遺障害4級の交通事故慰謝料|1億4577万円の判例を弁護士が解説

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後遺障害4級の交通事故慰謝料|1億4577万円の判例を弁護士が解説

このページでは、 後遺障害4級の判例についてご紹介します。

4級は、部位や症状によって1~7号までの7種類に分けられます。

後遺障害4級に認定された場合、基本的に92%の労働能力が喪失したとされますが、被害者の状況や後遺症の状態によって変動することがあるようです。

実際の裁判では、どのような点が考慮され、慰謝料逸失利益が算定されているのか見ていきましょう。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見てみましょう。

障害等級4級(男・症状固定時32歳)損害額1億4577万2972円の判例

障害等級4級(男・症状固定時32歳)損害額1億4577万2972円の判例

こちらは、神戸地方裁判所の判決、平成16年(ワ)第1145号事件です。

この事故での主な怪我の内容は、会社員の男性が頭部外傷となります。

交通事故の基本情報

事故の内容は「T字路交差点において、被害車(大型自動二輪車)が急に右折しようとして右側に進路変更したため、被害車の右側を追い越そうとしていた加害車(普通乗用自動車)が衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 会社員
性別
年齢 症状固定時32歳
事故の内容 T字路交差点において、被害車(大型自動二輪車)が急に右折しようとして右側に進路変更したため、被害車の右側を追い越そうとしていた加害車(普通乗用自動車)が衝突した事故。
傷害の内容 左大腿部切断、頭部外傷、後頭部挫創、びまん性軸索損傷、脳内出血、意識障害、呼吸不全、四肢麻痺、失語、外傷性多発性軸索障害、脳挫傷など
後遺障害等級 4級5号
入院 1839日

被害者は、後方不確認および合図が遅れた点において50%の過失があるとされました。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 1億4577万2972円
うち慰謝料 2200万円
うち休業損害 2262万8016円
うち逸失利益 7550万5068円

損害総額は1億4577万2972円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額1億4577万2972円になりました。

  • 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が600万円、後遺障害の慰謝料が1600万円認められました。
  • 休業損害としては、2294日を休業期間と認められ、事故前年の被害者の収入は360万0406円であるから、1日当たり9864円として算定されました。
  • 逸失利益は、男性の大卒全年齢平均年収額658万7500円を基礎収入とし、労働能力喪失率は70%、32歳から67歳までの35年間労働能力を喪失したとして算定されました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの男性は事故後、義肢装具士の国家資格を取得するために専門学校に入学されたようです。

この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件では、労働能力喪失率について、4級にしては低い70%との判断がなされております。

これは、被害者が片脚を失ったもののそれ以降も自動車の運転ができ、かつ将来的に資格を取得した上で実際に就職するのは困難ではない等の事情を考慮して労働能力喪失に与える影響を比較的小さく評価したものということができます。

このように、労働能力喪失率の判断自体は個別的な要素が大きいため、主張立証の仕方によって結果が大きく異なるといえそうです。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

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また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

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思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。

保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

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仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

後遺障害4級の慰謝料計算の特徴は?

4級の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

一口に4級と言っても各号ごとに症状は様々ですが、原則として慰謝料は等級に応じて定められ、4級の場合、裁判基準では1,670万円となっております。

特に争いになりやすいのは逸失利益の項目であり、4級の場合、自賠責基準では計算の基礎となる労働能力喪失率を92%としていますが、実際にはそこまでの仕事への支障がないとして、保険会社が自賠責基準よりも低く主張してくることもあります。

上に挙げられている裁判例のように、職務内容により、片腕や片脚を失った(4級4号及び5号)としても、仕事がほとんどできなくなったとまでは言えない場合がある反面、運転手の両目の視力が0.06以下(4級1号)になれば、運転手は続けられないなど、職務内容や職務にどのような支障が出ているかを具体的に主張することが必要となります。

ただし、今申し上げたポイントは一般的・総論的なお話であり、事故に遭われた方のご事情は様々ですので、まずは弁護士等の専門家に相談してみるのが良いかと思います。

まとめ

いかがでしたか?

後遺障害4級の交通事故慰謝料について、弁護士の岡野先生と一緒にお送りしました。

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