後遺障害6級の交通事故慰謝料|8680万円の判例を弁護士が解説

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後遺障害6級の交通事故慰謝料|8680万円の判例を弁護士が解説

このページでは、後遺障害6級の判例についてご紹介します。

後遺症を負ってしまったことによって今までのような生活を送れなくなってしまったストレスは、被害者にとって大きな負担となります。

こちらの判例の被害者は、6級の後遺障害が残ってしまい、損害総額は8680万円となりました。

金額算定においてどのような点がポイントになったのか、弁護士の先生の解説とともに見ていきましょう。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。

障害等級6級(女・26歳 症状固定時31歳)損害額8680万1278円の判例

障害等級6級(女・26歳 症状固定時31歳)損害額8680万1278円の判例

こちらは、名古屋地方裁判所の判決、平成16年(ワ)第2574号事件です。

この事故による主な怪我の内容は、脳挫傷となります。

交通事故の基本情報

事故の内容は「交差点において、直進していた被害車の右側面に、対向車線から右折しようとし加害告車が衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 会社員・プログラマー
性別
年齢 26歳(症状固定時31歳)
事故の内容 交差点において、直進していた被害車の右側面に、対向車線から右折しようとし加害告車が衝突した。
傷害の内容 脳挫傷、肺挫傷、下顎骨骨折、右股関節脱臼骨折、両鎖骨骨折、肋骨骨折、右動眼神経麻など
後遺障害等級 併合6級(神経系統の機能又は精神に障害:7級4号、右動眼神経麻痺による正面視で複視12級および右眼羞明12級について併合11級相当)
入院 121日

被害者は事故の5年後に症状固定となったようです。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 8680万1278円
うち慰謝料 1500万円
うち休業損害 1344万8754円
うち逸失利益 5541万1096円

損害総額は8680万1278円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額8680万1278円になりました。

  • 慰謝料としては、傷害慰謝料が300万円、後遺障害の慰謝料が1200万円認められました。
  • 休業損害としては、事故前の給与所得である328万4669円から基礎収入を算定し、症状固定まで1594日間を休業日数として算定され、アルバイト待遇で復職していた期間の収入については控除されました。
  • 逸失利益としては、大卒女子の学歴別全年齢平均賃金年収446万5000円を基礎とし、労働能力喪失割合は75%、労働能力喪失期間は36年として算定されました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの女性は事故によって記憶力と記銘力の障害が強く残ってしまったようです。

この判例のポイントはどのような点になりますか?

この女性は、記憶力・記銘力に障害が残る反面、それ以外の能力は良好に保たれているとの認定がされています。

しかしながら、記憶力・記銘力の障害が相当重度であったため、認定された6級に相当する労働能力喪失率より高い75%と認定されました。

このように労働能力喪失率の認定では、被害者の具体的な業務内容や障害の軽重等により基準と異なる認定がされることも少なくないです。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

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また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

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思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。

保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

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仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

後遺障害6級の慰謝料計算の特徴は?

6級の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

一口に6級と言っても各号ごとに症状は様々ですが、原則として慰謝料は等級に応じて定められ、6級の場合、裁判基準では1,180万円となっております。

特に争いになりやすいのは逸失利益の項目であり、6級3号の咀嚼障害の場合、仕事には支障がないとして、逸失利益を保険会社が否定してくることも多いです。

また、6級の場合、自賠責基準では計算の基礎となる労働能力喪失率を67%としていますが、実際にはそこまでの仕事への支障がないとして、保険会社が自賠責基準よりも低く主張してくることもあります。

そのような場合には、職務内容や職務にどのような支障が出ているかを具体的に主張する必要があることがポイントです。

ただし、今申し上げたポイントは一般的・総論的なお話であり、上に挙げられている裁判例のように、事故に遭われた方のご事情は様々ですので、まずは弁護士等の専門家に相談してみるのが良いかと思います。

まとめ

いかがでしたか?

後遺障害6級の交通事故慰謝料について、弁護士の岡野先生と一緒にお送りしました。

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