後遺障害8級の交通事故慰謝料|5548万円の判例を弁護士が解説

  • 後遺障害,8級,慰謝料

後遺障害8級の交通事故慰謝料|5548万円の判例を弁護士が解説

このページでは、後遺障害8級の判例についてご紹介します。

8級は、部位や症状によって1~10号に分けられています。

8級の後遺障害となると、日常生活や仕事にも大きな支障が出てしまい、つらい思いをすることになります。

被害者としては、今後のために十分な慰謝料は支払ってもらえるのか不安になりますよね。

この判例では、総額5548万円の損害賠償金が認められたようですが、算定においてどのような点がポイントになったのでしょうか。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。

障害等級8級(男・23歳)損害額5548万4955円の判例

障害等級8級(男・23歳)損害額5548万4955円の判例

こちらは、東京地方裁判所の民事第27部の判決、平成23年(ワ)12752号事件です。

この事故による主な怪我の内容は、右肘・腰部挫傷となります。

交通事故の基本情報

事故の内容は「信号機による交通整理の行われていない交差点で、南北道路を南進する被害者運転の自転車と東西道路を東進する加害者車両が出合い頭に衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 大学4年生
性別
年齢 23歳
事故の内容 信号機による交通整理の行われていない交差点で、南北道路を南進する被害者運転の自転車と東西道路を東進する加害者車両が出合い頭に衝突した。
傷害の内容 右肘・腰部挫傷、右肩・頭部挫傷、脳挫傷
後遺障害等級 併合8級(高次脳機能障害:9級10号、嗅覚障害:12級)
入院 0日

被害者は一旦停止義務を怠ったことなどから、被害者の過失は40%とされたようです。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 5548万4955円
うち慰謝料 1005万円
うち休業損害 93万5420円
うち逸失利益 4345万6895円

損害総額は5548万4955円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額5548万4955円になりました。

  • 慰謝料としては、通院に対する慰謝料が175万円、後遺障害の慰謝料が830万円認められました。
  • 休業損害としては、居酒屋のアルバイトで1日当たり少なくとも8630円の収入を得ていたことが認められ、また、大学卒業後の試用期間の満了から症状固定までの4か月間についても休業損害の発生が認められました。
  • 逸失利益は、被害者が症状固定時24歳であったことから男子の学歴計全年齢平均賃金550万3900円を基礎収入とし、労働能力喪失率は後遺障害が併合8級であることから45%、労働能力喪失期間は症状固定時24歳から67歳までの43年間として算定されました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの男子大学生は事故によって高次脳機能障害になってしまったようです。

この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件は、後遺障害の慰謝料および労働能力喪失率ともに8級の基準に沿って認定されています。

このように多くの事例では、認定された等級によって慰謝料や逸失利益の労働能力喪失率が決まってくることになり、高次脳機能障害のような精神障害でも原則として同様です。

したがって、適正な等級を認定してもらうことが非常に重要ということがよく分かりますね。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利

また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

慰謝料計算機

かんたん1分!慰謝料計算機

開く

通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!あなたが保険会社から提示されている慰謝料は正しいですか?

慰謝料計算機

慰謝料計算機 通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!

慰謝料計算機はこちら

思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。

保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

弁護士に無料相談してみてはどうでしょう?

こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。

いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。

電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。

弁護士に無料相談はこちら

※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。

仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

後遺障害8級の慰謝料計算の特徴は?

8級の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

一口に8級と言っても各号ごとに症状は様々ですが、原則として慰謝料は等級に応じて定められ、8級の場合、裁判基準では830万円となっております。

特に争いになりやすいのは逸失利益の項目であり、8級の場合、自賠責基準では計算の基礎となる労働能力喪失率を45%としています

しかし、実際にはそこまでの仕事への支障がないとして、保険会社が自賠責基準よりも低く主張してくることも多いです。

そのような場合には、職務内容や職務にどのような支障が出ているかを具体的に主張する必要があることがポイントです。

ただし、これらのポイントはあくまで一般論であり、事故に遭われた方ごとに事情は異なることから、それが当然慰謝料の金額にも影響します。

そこで、交通事故での後遺症に関する詳しい慰謝料の金額をお知りになりたい場合には、専門家である弁護士に相談することがおススメです。

まとめ

いかがでしたか?

後遺障害8級の交通事故慰謝料について、弁護士の岡野先生と一緒にお送りしました。

当サイト「交通事故弁護士カタログ」には、他にも皆さんのお役に立てるコンテンツが満載です。

  • 下に表示されている関連記事
  • お手元のスマホで手軽にできる無料相談
  • カンタン5秒でできる慰謝料自動計算機

これらのコンテンツを活用してみましょう。

交通事故は心身ともに大きな負担がかかってしまいますよね。

弁護士とともに、あなたのお悩みを解決しませんか?

8級の関連記事

後遺障害/慰謝料のまとめ