18歳大学生の交通事故慰謝料｜2億4798万円の判例を弁護士が解説
このページでは、18歳男子大学生の判例についてご紹介します。
交通事故に遭ってしまうと、入院や通院、後遺障害など身体的にも精神的にも大きな負担がかかってしまいます。
今後のことを考えると、被害者に対する賠償は十分にされなければなりません。
こちらの判例では 2億4798万円超の損害総額が認められましたが、金額算定のポイントについて見ていきます。
法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。
目次
それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。
大学生（男・18歳）損害額2億4798万1541円の判例
こちらは、名古屋地方裁判所の判決、平成16年（ワ）第4390号事件です。
この事故での主な怪我の内容は、脳挫傷となっています。
交通事故の基本情報
事故の内容は「信号機のない交差点で、被害運転の原付自転車が、加害運転の普通乗用車と出会い頭に衝突した。」というものです。
交通事故の基本情報は？
| 属性 | 大学生 |
|---|---|
| 性別 | 男 |
| 年齢 | 18歳 |
| 事故の内容 | 信号機のない交差点において、被害運転の原付自転車が、加害運転の普通乗用車と出会い頭に衝突した。 |
| 傷害の内容 | 脳挫傷、左鎖骨骨折、右肩鎖関節脱臼 |
| 入院 | 556日 |
この事故は、見通しの悪い信号がない交差点で発生し、被害者は非優先道路を走行していた点が特徴のようです。
判例で認められた賠償金・慰謝料
それでは、認められた損害額を見てみましょう。
判例で認められた賠償金・慰謝料は？
| 損害総額 | 2億4798万1541円 |
|---|---|
| うち慰謝料 | 3500万円 |
| うち休業損害 | 0円 |
| うち逸失利益 | 1億1558万3616円 |
損害総額は2億4798万1541円でした。
ざっくりまとめると…
被害者は保険会社から総額2億4798万1541円の損害賠償金を受け取りました。
- 慰謝料としては、本人への慰謝料が3100万円、両親固有の慰謝料が各200万円認められました。
- また、逸失利益は、大卒平均賃金である年収658万7500円とし、労働能力は100％の喪失を認め、労働能力喪失期間を症状固定時である24歳から67歳に至るまでの43年間とし、1億1558万3616円が認められました。
弁護士による解説
弁護士先生、この判例のポイントはどのような点になりますか？
この判例のケースでは、総損害額が2億4798万1541円と認定されていますが、被害者に過失が6割あったため、判決認容額は約6483万円となっています。
このように、被害者の過失が大きい事故においては、相手に対する損害賠償請求と併用して、人身傷害保険を利用することが有効といえます。
事故時にご自身や家族が人身傷害特約に加入していれば、自分に過失のある事故であっても、人身傷害保険金が過失分の損害を補填してくれるという大きなメリットがあります。
交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい
はじめての慰謝料計算
交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。
ポイントを整理すると、
- 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
- 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
- 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。
の三点が重要です。
慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。
記事の構成は、
- 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
- 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの？
- 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの？
となっています^^
慰謝料自動計算機（計算ソフト）を使うと便利
また、慰謝料自動計算機（計算ソフト）を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。
計算ソフトの利用をおすすめするのは、
- 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
- 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
- 相手方に請求できる（または相手方から請求される）慰謝料の金額を知りたい
といった人たちです。
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保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。
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大学生の慰謝料計算の特徴は？
大学生の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか？
大学生の場合、年齢としては18歳～22歳の方が一番多いと思われますが、一生にわたって残る後遺症が残った場合、若年者として慰謝料を増額すべきではないか問題となります。
現在の実務上とられている慰謝料の算定基準によれば、後遺障害の部位と程度だけで慰謝料の相場水準が決められています。
しかし、大学生のような若年者については、後遺障害の継続期間が長く、それだけ精神的苦痛の量も大きくなるため、通常の相場水準の20%ほど増額して計算すべきではないかという考え方も提唱されているようです。
また，例えばその後遺症で単位がとれなかったり，留年したということが証明できれば，裁判において慰謝料を増額する要因となりえます。
いずれにしても，正確な慰謝料の相場をお知りになりたい場合には，一度専門家である弁護士にご相談されることをおすすめします。
まとめ
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