交通事故慰謝料は高齢者や老人だと何か違うの?孫は慰謝料請求できる!?

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交通事故慰謝料は高齢者や老人だと何か違うの?孫は慰謝料請求できる!?

「おじいちゃんが交通事故にあってしまったけど慰謝料高齢者老人だと何か違うの?」

「交通事故でおばあちゃんが死亡してしまい、おばあちゃん子だった孫がとても悲しんでいるけれど、その分の慰謝料は支払ってもらえないの?」

高齢者の方が交通事故にあわれると、重篤な結果を招くことも多いのに、慰謝料のことまで考えなければならず、お困りの方もいらっしゃると思います。

交通事故に巻き込まれるというのは、はじめての方が多いでしょうから慰謝料が高齢者の場合に何か違いがあるかなんて知らなくて当然かと思います。

このページでは、そんな方のために

  • 交通事故の慰謝料は高齢者や老人だと何か違いがあるか?
  • 交通事故の慰謝料を高齢者の家族がもらえることがあるか?
  • 弁護士に高齢者や老人の慰謝料請求を任せるとどんなメリットがあるのか?

といった疑問を解消すべく、徹底的に調査してきました!

専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。

弁護士の岡野です。よろしくお願いします。

交通事故慰謝料高齢者老人の場合に何か違うのかという疑問にしっかり回答していきたいと思います。

また、慰謝料請求を弁護士に依頼することのメリットも詳しくご紹介していければと考えています。

高齢者老人の方の特色といえば

  • 交通事故とは関係なく体の調子が悪い傾向にある
  • 人生経験が豊富

といったことがあげられると思います。

こういった特色が慰謝料に影響するのかどうか、まずは、慰謝料がどんな損害かを確認していきましょう。

交通事故の慰謝料は高齢者だとなにか違う?

交通事故の慰謝料は高齢者だとなにか違う?

慰謝料には三種類ある

慰謝料とは、精神的苦痛をなぐさめるために支払われる金銭の事をいいます。

高齢者老人であっても、交通事故にあえば、精神的に辛い思いをしますので、当然高齢者や老人も慰謝料はもらえることになります。

そして、慰謝料は大きく

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料

の三種類に分けられます。

それぞれの慰謝料は別個に請求できるので、混同しないよう注意しましょう。

入通院慰謝料の計算方法は原則同じ

入通院慰謝料とは

被害者が交通事故の怪我の治療のために入通院をしなければならなかった精神的苦痛をなぐさめるために支払われる金銭

のことをいいます。

入通院をしなければならなかった精神的苦痛は高齢者老人であってもなくても変わらないので、他の場合と同じように

入通院慰謝料の計算方法は入通院期間を基礎に計算される

ことになります。

ただし、高齢者や老人の場合、事故前からの症状(既往症)が入通院に影響しているとして

素因減額

を主張される場合があります。

確かに、相手方の素因減額が正当な場合もありますが、素因減額すべきでない場合にも素因減額が主張される場合もあります。

相手方から素因減額を主張されている場合には、そのまま示談せず、まずは弁護士に相談してみて下さい。

後遺障害慰謝料の相場も同じ

後遺障害慰謝料とは

事故によるケガが原因で後遺障害が残存したことにより、生活上の不便を強いられるなどの精神的苦痛に対して支払われる金銭

のことをいいます。

後遺障害が残存したことによる生活上の不便の程度は高齢者老人であってもなくても変わらないので、

後遺障害慰謝料の相場は同じ

といえます。

ただし、入通院慰謝料同様、相手方から素因減額を主張される場合があります。

また、後遺障害が認定されると逸失利益という損害も請求できるところ、逸失利益は

  • 収入
  • 年齢(若いほうが高額になりやすい)

が影響するため、仕事をリタイヤされた方が多い高齢者逸失利益の金額は低額になる傾向にあります。

死亡慰謝料は高齢者の立場により異なる

死亡慰謝料とは

被害者の死亡に伴う精神的苦痛に対して支払われる金銭

のことをいいます。

任意保険基準や弁護士基準では以下の表のとおり、被害者の立場に応じて慰謝料の金額が異なる形になっています。

高齢者老人の中でも、家庭内における立場は様々なので、高齢者や老人の死亡慰謝料は

被害者である高齢者や老人の立場により異なることになります。

任意保険基準と弁護士基準の死亡慰謝料の検証
被害者の立場 任意保険基準 弁護士基準
一家の支柱 1500万〜2000万 2800万
母親、配偶者 1200万〜1500万 2500万
その他 1300万〜1600万 2000万〜2500万

なお、高齢者であることを理由に、相手方から死亡慰謝料を基準の下限付近や基準以下で提示される場合があります。

これは、高齢者は人生を享受している割合が大きいため、精神的苦痛の程度が、若者よりも小さいという考えに基づくものです。

確かに、かつてはこういった考えを取る裁判例もありましたが、現在は

死亡に伴う精神的苦痛は高齢者かどうかで変わりはない

として、高齢者であることを慰謝料減額の理由にしないとするのが通常です。

相手方から高齢者であることを理由に慰謝料減額を主張されている場合には、そのまま示談せず、まずは弁護士に相談してみて下さい。

交通事故の慰謝料は高齢者の家族がもらえることも・・・

交通事故の慰謝料は高齢者の家族がもらえることも・・・

自賠責基準編

死亡した場合の慰謝料には

  • 死亡してしまった被害者本人の慰謝料
  • 遺族の慰謝料

の二種類があります。

そして、自賠責基準においては、下記表のとおり、遺族固有の慰謝料を定めています。

遺族の死亡慰謝料の自賠責基準
請求権者 父母、配偶者、子
金額※ 1人の場合:550万
2人の場合:650万
3人以上の場合:750万

※被害者に養われていた人がいるときは+200万

弁護士基準等の死亡慰謝料は二種類を合計した金額なのに対し、自賠責基準は二種類を別個に規定するという基準の定め方の違いによるものです。

裁判編

また、裁判においては高齢者死亡したり、重度の後遺障害が残った場合、親族固有の慰謝料を認めているケースが見られます。

具体的な裁判例を表にまとめてみましたので、ご覧下さい。

高齢者の親族固有の慰謝料が認められた裁判例
事件番号 子供の年齢・被害 金額
名古屋地判H17.1.14 76歳・死亡 妻:200万
子3人:各67万
東京地判H18.2.22 子2人:各100万
大阪地判H22.2.9 75歳・死亡 夫:100万
子2人:各50万
孫:50万
知的障害を持つ孫:300万
大阪地判H23.11.25 88歳・死亡 妻:100万
子3人:各50万
名古屋高判H22.11.26 67歳・1級1号 妻:400万
子2人:各200万
東京地判H2.8.23 68歳・3級(四肢麻痺等) 妻:100万
子:100万
横浜地判H6.6.6 72歳・7級(歩行障害) 夫:100万

これらの裁判例では配偶者固有の慰謝料として各100万〜400万円ほど認められています。

また、にも50〜200万の固有の慰謝料がみとめられています。

さらに、大阪地判H22.2.9はにも固有の慰謝料を認めています。

なお、知的障害を持つ孫に300万円という高額の慰謝料が認められているのは

  • 生前この孫の世話を主に被害者がしていた
  • 被害者の死亡により、この孫が施設への入所を余儀なくされた

という事情を考慮したものであると考えられます。

なお、保険会社は、裁判前の示談交渉では親族固有の慰謝料を認めない傾向にあります。

しかし、死亡事例や重度の後遺障害事例では、裁判まで行かなくても、弁護士に依頼することで、親族固有の慰謝料が認められる場合もあります。

死亡事例や重度の後遺障害事例では、示談する前にどの親族が固有の慰謝料請求の余地があるか弁護士に相談だけでもしてみることをおすすめします。

適正額の交通事故の慰謝料を高齢者・老人が受け取るには?

適正額の交通事故の慰謝料を高齢者・老人が受け取るには?

適正額の交通事故の慰謝料を受け取るには弁護士に依頼が一番!

ここまで見てきたとおり、高齢者老人慰謝料請求には

  • 相手方から減額を主張される場合がある
  • 親族固有の慰謝料を請求できる場合がある

ため、適正額の交通事故の慰謝料を受け取るには、適正な主張のできる交通事故に強い弁護士に依頼することが一番確実といえます。

そして、弁護士に慰謝料等の賠償請求を依頼すると、裁判をしなくても慰謝料額が大幅に増額するようです!

弁護士に依頼すると慰謝料が増額する理由

被害者の方がご本人で慰謝料を請求しても、相手方保険会社は自社の任意保険基準に基づいた慰謝料しか提示しません。

そして、弁護士に依頼すると、弁護士は弁護士基準という任意保険基準よりも大幅に高額な基準を用いて慰謝料の示談交渉をします。

弁護士基準とは過去の判例を基礎に作成されたものです。

弁護士が交渉する場合、示談が成立しなければ裁判を提起することになります。

そして、裁判が提起されれば、過去の判例を基礎に作成された弁護士基準の金額の判決が出る可能性が高いです。

どちらにせよ支払う金額が変わらないのであればということで、相手方保険会社は、弁護士が交渉すると

裁判をしなくても弁護士基準を基礎にした示談

に応じ、慰謝料が大幅に増額するのです。

弁護士に依頼すればこんなメリットも・・・

慰謝料以外の項目の増額

さらに、損害賠償の項目は慰謝料以外にもあり、弁護士に依頼すると

介護費用・休業損害・逸失利益

といった項目も大幅に増額する可能性があります。

手続き的なメリット

老人・高齢者が、相手方保険会社の担当者とやり取りをするのは、時間も取られ、心理的負担を感じることも多く、ケガのリハビリ等に専念できません。

この点、弁護士に依頼すれば、煩わしい相手方保険会社とのやりとりからも逃れられる ため、ケガのリハビリ等に専念することができます。

適切な後遺障害申請ができる

後遺障害慰謝料や逸失利益を請求するには後遺障害等級が認定される必要があります。

この点、弁護士に依頼すると、後遺障害診断書の記載方法や必要な検査方法等について、弁護士からのアドバイスを受けることにより

適切な後遺障害申請ができ、後遺障害等級認定の可能性が高まる

などのメリットもあります。

弁護士費用特約を使用できる

場合には、弁護士費用の負担なく弁護士に依頼する事が可能ですので、弁護士に依頼すべきでしょう。

また、弁護士費用特約が使用できない場合でも

  • 死亡事故や後遺障害が認定されている交通事故
  • 長期の入院をした交通事故

の場合には、増額の幅が大きく、弁護士費用を差し引いてもお手元に残る金額が増える可能性が高いので、弁護士に依頼すべきでしょう。

弁護士に相談してみれば、増額の見込と弁護士費用を教えてくれることも多いので、まずは相談だけでもしてみましょう。

弁護士に依頼することによる違い
自身や家族が交渉 弁護士に依頼
相手方との交渉 時間的・心理的負担 負担から解放
ケガのリハビリ 交渉等に時間取られ専念できない 専念できる
慰謝料 相手方の提示が基本 大幅に増額
慰謝料以外の損害 ・介護費用
・休業損害
・逸失利益
等も大幅に増額
後遺障害等級認定 不十分な申請の可能性 適切な申請が可能
弁護士費用 なし ・あり
・弁護士特約なら実質負担なし

高齢者の交通事故の慰謝料でお悩みの方は弁護士に無料相談を!

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手軽にスマホで相談するなら

ここまで、高齢者交通事故慰謝料についてご説明してきました。

なるべく詳しくかつ分かりやすくお伝えしてきたつもりですが、読んだだけではわからない疑問が浮かんできた人もいるのではないでしょうか?

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こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。

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仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

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最後に一言アドバイス

では、岡野弁護士、最後にまとめの一言をお願いします。

高齢者交通事故慰謝料は基準自体は他と変わりませんが、高齢者であることを減額を主張される場合があります。

相手の言い分をそのまま受け入れて示談してしまえば、後で追加の慰謝料請求をすることはできません

適正な慰謝料を受け取るためにも、示談する前に、まずは弁護士に相談してみましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

このページを最後までご覧になってくださった方は

  • 交通事故の慰謝料の基準は高齢者や老人でも同じだが、高齢者や老人であることを理由に減額を主張される場合がある
  • 死亡事故や重度の後遺障害が残る事故の場合、家族固有の慰謝料がもらえる場合がある
  • 弁護士に依頼すると慰謝料の大幅な増額をはじめ、様々なメリットがある

ことについて、理解が深まったのではないでしょうか。

このページだけではわからなかったことがあるという方は

も利用してみてください。

このページが、少しでも交通事故に遭われた方のお役に立てれば何よりです。

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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