70歳高齢者・老人の交通事故の死亡慰謝料|5647万円の判例を弁護士が解説

  • 交通事故,死亡,慰謝料,老人
  • 30 | 3466文字

弁護士事務所の掲載順と弁護士の力量とは無関係です。相性を考慮して、ご自身に合った弁護士をお探しください。

70歳高齢者・老人の交通事故の死亡慰謝料|5647万円の判例を弁護士が解説

このページでは、70歳男性の死亡事故の判例についてご紹介します。

ご家族や身近な方を交通事故で亡くしてしまうのは非常につらいものです。

こちらの男性の判例では、5647万円の損害額が認められたようですが、算定のポイントについて事故の内容を踏まえながら専門の先生にお話を聞いてみましょう。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

回答者:アトム法律事務所の岡野弁護士

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。

事業所得者(男・70歳)損害額5647万4625円の判例

事業所得者(男・70歳)損害額5647万4625円の判例

こちらは、東京地方裁判所の民事第27部の判決、平成23年(ワ)41714号事件です。

この事故で被害者の男性は、重症頭部外傷により死亡しています。

交通事故の基本情報

事故の内容は「信号のある交差点を右折進行した加害車両が、右折先道路を横断中の被害自転車に衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 高齢者
性別
年齢 70歳
事故の内容 信号のある交差点を右折進行した加害車両が、右折先道路を横断中の被害自転車に衝突した。
傷害の内容 重症頭部外傷、骨盤骨折、血気胸など
入院 6日

被害者は事故の6日後に死亡したとのことです。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 5647万4625円
うち慰謝料 2813万円
うち葬儀関係費 150万円
うち逸失利益 2663万8489円

損害総額は5647万4625円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額5647万4625円になりました。

慰謝料としては、傷害慰謝料が13万円、亡くなったことに対する本人への慰謝料が2400万円、妻の慰謝料が100万円、子2名の慰謝料が各100万円、母の慰謝料が100万円認められました。

葬儀関係費は、150万円となりました。

逸失利益は、基礎収入は休業損害と同じく学歴計70歳以上男子平均賃金348万600円の60%相当である208万8360円、就労可能期間は7年として845万8860円、また年金受給分として1817万9629円が認められました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの70歳の男性は、お母様の介護や不動産管理をされていたようですね。

この判例のポイントはどのような点になりますか?

回答者:アトム法律事務所の岡野弁護士

本件では、死亡逸失利益を算定するにあたり、被害者の基礎収入をいくらとして認定するかが争点になりました。

被害者は、不動産管理業務、会社の所長としての業務、母親の在宅介護を行っていましたが、これらの業務の対価として報酬を一切受け取っていませんでした。

裁判所は、業務や介護の内容を経済的に評価して、同年代の平均賃金の6割である約208万円を基礎収入として認定しました。

また、高齢ではあるものの家族を扶養していたため、死亡慰謝料は2800万円と高額な認定がなされました。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。

法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。

正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

弁護士介入後に慰謝料が増額する理由

交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?

慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

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保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい

相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

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保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

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高齢者・老人の死亡慰謝料計算の特徴は?

高齢者・老人の死亡慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

回答者:アトム法律事務所の岡野弁護士

高齢者や老人と一口にいっても、それぞれのケースに応じて立場は異なります。

一人暮らしの高齢者の場合、裁判例の傾向としては2000万円~2200万円が慰謝料相場といえそうです。

一方、配偶者と一緒に暮らしていたり、他の家族の扶養や家事全般を担っていたりする場合には、相場水準は2500万円~2800万円という高い基準として判断されることになります。

結局、死亡慰謝料の金額は,被害者の年齢というよりは、家庭内で果たす役割によって慰謝料の計算方法は異なるということを理解しましょう。

また、逸失利益につき、年金を受給している場合には、受給している年金の内容によって、逸失利益として認められるかどうかが変わってくることにも注意が必要です。

さらに、被害者が亡くなられた場合の逸失利益を計算する場合には、生きていれば生活費として使われていたであろう割合が差し引かれますが、年金の場合は、差し引かれる割合を高くされる例が多いことにも注意が必要です。

ただし、今申し上げたポイントは一般的・総論的なお話であり、生活費として使われていたであろう割合は被害者の収入や貯金の状況によっても異なる等、事故に遭われた方のご事情は様々ですので、まずは一度弁護士等の専門家に相談してみるのがよいかと思います。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、70歳男性の交通事故の死亡慰謝料についての調査結果をお届けしました。

当サイト「交通事故の弁護士カタログ」には、他にも皆さんのお役に立てるコンテンツが満載です。

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交通事故は専門的な用語ばかりで、分からないことも多いですよね。

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この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

(アトム法律事務所弁護士法人)

第二東京弁護士会所属弁護士。大阪府生。高校卒業後渡米。ニューヨークから帰国後、司法試験に合格し、アトム東京法律事務所を設立。誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応するために、全国体制の弁護士法人を構築。年中無休24時間体制で活動を続けている。

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