交通事故の死亡慰謝料は誰が相続する?相続人や遺産分割を弁護士が解説

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交通事故の死亡慰謝料は誰が相続する?相続人や遺産分割を弁護士が解説

交通事故でご家族が死亡された場合、その悲しみは想像もできません。

その悲しみを少しでも補償するために、死亡慰謝料が支払われることになります。

しかし、その慰謝料は

  • 誰に対して相続されるの?
  • どのような割合で支払われるの?

と、わからないことばかりです。

悲しいことですが、相続問題での争いという話もよく耳にしますよね。

悲しみに加え、そのような事態で争わないためにも、交通事故による死亡慰謝料の相続について、一緒に勉強しておきましょう。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

ご家族が交通事故で亡くなられてしまうのは突然のことで、お辛いことと存じます。

また、相続については複雑なことも多く、保険会社からの慰謝料を受け取られた後も悩みが続いている方もいらっしゃるはずです。

そのような負担や悩みを少しでも軽減できるよう、具体例も交えながら、わかりやすく解説していきたいと思います。

ご家族が亡くなられてしまった場合、いろいろな手続きに、保険会社との交渉もあり、非常に辛い思いをされていることと思います。

さらに、お金の心配も加わると胃が痛くなってしまいますね。

交通死亡事故被害者遺族です。

昨年、母が交通事故で亡くなりました。

(略)

1)法律の規定では、法定相続人は誰になり、それぞれの割合はどのようになりますか?

2)賠償金は、それぞれどのような割合が妥当でしょうか?

(略)

お金が絡むだけに不安であり、はっきりすっきり解決したいと思っています。

そう、お金が絡むことなので、問題なくすっきりと解決したいところです。

ということで、詳しく勉強しておきましょう。

死亡慰謝料の相続人や相続分について解説

死亡慰謝料の相続人や相続分について解説

死亡慰謝料の相続対象は配偶者?子供?両親?

交通事故でご家族が亡くなられた場合、加害者に対する損害賠償請求権は相続の対象となります。

そのため、相続人が保険会社に損害賠償を請求することになるようです。

そのうちの死亡慰謝料は、精神的苦痛に対する賠償ですが、当然、相続の対象となります。

では、死亡慰謝料は一体誰が相続することになるのでしょうか?

相続人については、遺族であれば誰でもなれるわけではなく、法律で相続人になれる立場の人が定められています。

被害者の方ご本人に夫や妻などの配偶者がいる場合、その方が常に第1順位の相続人となります。

配偶者以外では、

子→直系尊属(父母・祖父母)→兄弟姉妹

の順番で相続人となります。

重要

死亡慰謝料の相続人

配偶者がいる場合 配偶者以外
1位 配偶者 1位
2位 直系尊属
3位 兄弟姉妹

死亡慰謝料の相続分は立場によって違う?

死亡慰謝料を受け取れる相続人については理解できました。

では、それぞれの相続人はどういった割合で慰謝料を相続できるのでしょうか?

その相続する割合のことは、相続分と言うそうです。

相続分については、誰が相続人になるかによっても変わってきます。

相続分についてはいろいろなケースが考えられるということですね。

ここで、配偶者がいる場合といない場合の相続分をまとめました。

配偶者がいる場合の死亡慰謝料の相続分
配偶者 直系尊属 兄弟姉妹
1/2 1/2 0 0
2/3 1/3 0
3/4 1/4
配偶者がいない場合の死亡慰謝料の相続分
直系尊属 兄弟姉妹
1 0 0
1 0
1

基本的には上の通りですが、遺言があったり、生前贈与が以前にあった場合には、具体的な相続分は変わってくるそうです。

そのような場合には、後々揉めてしまう可能性も否定できません…。

そういったも揉め事を防ぐためにも、一度弁護士に相談してみた方が良いかもしれません。

実際に相続できる死亡慰謝料の計算方法

実際に相続できる死亡慰謝料の計算方法

実際に受け取ることができる慰謝料の金額

慰謝料の相続人や相続分についてはわかってきました。

ところで、繰り返しになりますが、交通事故でご家族が死亡してしまった場合、ご遺族の方の悲しみは計り知れません。

そのような悲しみを背負わされたご遺族の方に対しては、何も補償はないのでしょうか?

慰謝料の相続分が受け取れるだけなのでしょうか…。

死亡慰謝料としては、ご本人に対して以外に、ご遺族の方に対する慰謝料が支払われる可能性もあります。

その場合、本人の慰謝料のみが相続分に応じて相続され、それとは別に遺族に対する慰謝料が受け取れることになります。

やはり、ご遺族の方に対する慰謝料も存在しているのですね。

では、それらを合わせると、実際には誰がいくらの慰謝料を受け取れるようになるのでしょうか?

死亡慰謝料の相続例

ここで、一家の大黒柱である父親が亡くなられたケースを見てみましょう。

たとえば、亡くなられたご本人に対する慰謝料が2500万円で、その他、妻に200万円、子供2人に各150万円、父母に各50万円の死亡慰謝料が認められたとします。

この場合の相続人は、配偶者である妻と子供の2人になりますね。

よって、本人分の慰謝料2500万円が相続分に応じて振り分けられます。

つまり、相続分とご遺族への慰謝料から計算すると、最終的に妻1450万円、子供が各775万円、父母が各50万円の慰謝料を請求できるということになります。

死亡慰謝料の相続例
子供2人 父母
遺族固有の慰謝料 200 各150 各50
本人の慰謝料の相続分 1/2 各1/4 各0
本人の慰謝料(2500万円)の相続額 1250 各625 各0
合計 1450 各775 各50

※ 単位:万円

より正確に知りたい場合は弁護士に相談を

このように見ればわかりやすい計算ですが、実際には、慰謝料以外の損害も相続の対象となるため、もっと複雑な計算になるようです。

そういったことも考えると、やはり、弁護士のサポートがあれば心強いですね。

また、「慰謝料を相続した場合には相続税がかかるの?」といった疑問も出てくるかと思います。

慰謝料の相続税には、こちらの記事で解説されていますので、良ければご覧になってみてください。

【番外編】相続人の一部が示談条件に反対したら…

【番外編】相続人の一部が示談条件に反対したら…

死亡事故は反対する相続人以外で個別の示談が可能

ところで、交通事故に限らず、遺産の相続などで遺族同士が揉めるという話もよく聞きますよね。

交通事故による死亡事故の場合であっても、相続人同士で揉めてしまうケースもなくはないようです。

弁護士に依頼して、慰謝料額を大幅にアップすることができ、示談がまとまりそうであっても、一部の相続人が条件などに反対した場合はどうなるのでしょうか?

そういった場合には、反対している相続人を除く相続人だけで交渉を行うのが適切な対策となります。

ただし通常、保険会社は相続争いに巻き込まれることを嫌がります。

よって、相続人全員と一括して合意できなければ、示談できないことが多いでしょう。

その場合には、個別に訴訟提起するしかありません。

死亡事故の損害については、遺産分割を待たずに相続分に応じて相続されるそうです。

遺産分割とは、一旦、相続人全員の共有財産となった遺産を、各相続人へ話し合いによって具体的に分配していくことです。

よって、反対する相続人を除いて保険会社と個別に示談をしても問題はないということです。

ケース別

相続の解決方法

全相続人で示談方針が一致 一部の相続人が反対
保険会社と示談内容を合意 全相続人で示談 反対者を除き個別に示談
保険会社と示談内容を不合意 全相続人で裁判を起こす 反対者を除き個別に裁判を起こす

円満な示談交渉に向けては弁護士に相談を

死亡事故の場合、相続問題も絡んできます。

問題は解決できなくはないですが、裁判になる可能性が高く、手間がかかることに違いありません。

亡くなられた被害者のためにも、できればご遺族同士では円満に相続してほしいところです。

とはいえ、自分たちだけではうまくまとまらないこともあるかもしれません。

そのような場合には、ぜひ弁護士に相談してみてくださいね。

問題は早急に解決し、ご遺族の皆様には、ご家族を失った悲しみや過去の思い出と向き合う時間を大切にしてもらえればと願っています。

死亡慰謝料の相続について弁護士に無料相談したい方はこちら

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ここまでで、交通事故による死亡慰謝料の相続について理解いただけましたでしょうか。

スムーズに交渉を進めるためには、弁護士に相談した方が良いということもおわかりいただけたと思います。

しかし、弁護士の知り合いがいるわけでもなく、相談したくても誰に相談すれば良いのかわかりませんよね。

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弁護士相談にあたって参考になれば幸いです。

最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、死亡慰謝料の相続についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

交通事故で大切なご家族を亡くされ、さらに保険会社との交渉や相続に関する悩みも抱え、辛い思いをされていることと思います。

そんなときは、迷わず弁護士に相談することをおすすめします。

非常に辛い思いをしたご遺族の皆様は、全員が適正な金額の補償を受けるべきです。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

相続人同士での争いが長引けば、保険会社との示談も難航してしまうかもしれません。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

精神的負担も大きい面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

このページを最後までお読みの方は、

  • 死亡慰謝料はどのように相続されるのか
  • 相続人相続分はどのようになっているのか
  • 相続人同士で方針が一致しない場合にはどうしたら良いのか

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

解決に向けて、今すぐ弁護士に相談した方が良いと思った方も多いはずです。

自宅から出られない方や、時間のない方は、便利なスマホで無料相談を利用するのがおすすめです!

そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。

また、このホームページでは、交通事故の慰謝料に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!

皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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