後遺障害7級の慰謝料相場と5つの判例での賠償総額を弁護士がポイント解説!

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後遺障害7級の慰謝料相場と5つの判例での賠償総額を弁護士がポイント解説!

このページをご覧になっているということは、ご自身またはご家族が交通事故の被害に遭われて、後遺障害7級のお怪我を負われたということでしょうか。

突然の出来事で、ご本人もご家族の方も大変な思いをされていると思います。

7級という重い後遺障害が残ってしまったことにより、今後の生活も大きく変わってしまいますよね。

慰謝料や示談金のことなど、初めてのことで分からない方も多いのではないでしょうか。

このページでは、後遺障害7級の慰謝料でお悩みの方のお役に立つように、私たち弁護士カタログの編集部が行なった判例調査の結果をまとめてあります。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それでは、後遺障害7級の慰謝料の相場をみてみましょう!

後遺障害7級の交通事故の慰謝料相場を判例をもとにまとめました!

後遺障害7級の交通事故の慰謝料相場を判例をもとにまとめました!

そもそも交通事故の慰謝料はどうやって決まるの?

交通事故にあった場合、慰謝料がもらえるというのをご存知のかたは多いかと思います。

でも、ちょっと待ってください。

最初に保険会社から提示された慰謝料の金額って、どういう基準で決められているのでしょうか?

おそらく、慰謝料の決まり方を知らない人がほとんどだと思います。

慰謝料の金額がどうやって決まるか、専門家の先生に聞いてみましょう。

慰謝料の決まり方には、3つの種類があります。

自賠責基準、②任意保険基準、③弁護士基準と呼ばれるものです。

慰謝料の計算方法を自賠責保険の基準に拠るのか、任意保険の基準に拠るのか、弁護士(裁判所)の基準に拠るのかによって①②③の違いが生じます。

慰謝料の計算の基礎になるのは、ケガや後遺障害の程度といった事実関係です。

慰謝料の計算の仕方にもいろいろとあるのですね。

後遺障害が残ってしまった場合、今後の人生にも大きく影響してきますよね。

交通事故の被害者としては、被害者にとって一番有利な基準を採用して欲しいものです。

簡単に慰謝料の計算をしてみたい方は、以下の「交通事故慰謝料の相場計算機」を試してみてください^^

この相場計算機は、③の弁護士基準を採用するものなので、保険会社が提示する慰謝料よりも大きな金額になる可能性が大きいです!

任意保険基準と慰謝料相場の関係は?

慰謝料の決まり方には3つの種類があるということが分かりました。

ここで興味があるのは、私たち事故の被害者にとって一番有利な基準はどれなのか?ということですよね。

7級の後遺障害が残ってしまうということは、日常生活にもかなり支障が出てきます。

被害者にとって一番有利な慰謝料の基準を教えてください。

裁判所でも採用される弁護士基準が被害者の方にとって一番有利です。

③の弁護士基準は、民事裁判になった時も採用される、一番公平で、かつ公正な基準です。

これに対して、②の任意保険基準は、保険会社が業界で勝手に採用する基準です。

任意保険基準は、支払われる慰謝料などが低くなる点で、被害者にとって不利です。

慰謝料や示談金の増額が可能なのは、弁護士が示談交渉をすることで、②の任意保険基準から③の弁護士基準に慰謝料の計算方法を変えることが可能だからです。

裁判所も採用する弁護士基準が、私たち事故の被害者にとっては一番有利ということなんですね。

弁護士基準だと、民事裁判になったときも採用されるということで、安心ですよね。

慰謝料の計算基準についてより詳しく知りたい方のために、以下に関連ページをまとめておきました。


後遺障害7級の慰謝料の計算方法は?

慰謝料相場や慰謝料計算の一般論についてはよく分かりました。

後遺障害7級に特化したポイントは、どのような点になるのでしょう?

後遺障害7級は、以下の表にあるように13種類に分けられ、7級の認定を受けられるパターンとしては次の2つとなります。

1つ目が、7級未満の等級の後遺障害が複数残ったため併合7級の認定を受けられる場合、2つ目が7級の後遺障害そのものに該当する場合です。

その中でも、神経系統の障害で7級4号に認定されるケースが多く、代表的な例としては高次脳機能障害があります。

後遺障害7級に該当するケガには、つぎの13パターンがあるようです。

後遺障害7級
1 一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
2 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
3 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
4 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
6 一手のおや指を含み三の手指を失ったもの又はおや指以外の四の手指を失ったもの
7 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
8 一足をリスフラン関節以上で失ったもの
9 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
10 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11 両足の足指の全部の用を廃したもの
12 外貌に著しい醜状を残すもの
13 両側の睾丸を失ったもの

後遺障害の慰謝料は、等級ごとに相場が決められています。

7級の慰謝料の相場は弁護士基準で1000万円とされています。

もし、被害者が弁護士をつけずに保険会社と交渉した場合、7級の慰謝料としてその半額の500万円程度の提示を受けることが多く、弁護士基準の半分の金額となっています。

被害者は保険会社の説得に惑わされず、最低でも慰謝料相場である1000万円を確保できるように解決に向けた戦略を練る必要があります。

被害者としては、一生背負い続ける後遺障害に対して適正な補償を受けなければなりません。

7級の慰謝料を少しでも多く獲得できるように、信頼できる弁護士と協力関係を築き、事案に応じた最善の解決方法をとるべきでしょう。

そんなに増額する可能性があるんですね。

後遺障害7級の慰謝料の相場や計算についてより詳しく知りたい方のために、関連ページをまとめておきました。


判例から厳選した後遺障害7級の交通事故の慰謝料ランク5選

判例から厳選した後遺障害7級の交通事故の慰謝料ランク5選

①障害等級7級(男・症状固定時40歳)損害額9312万6906円の判例

まず、大阪地方裁判所の判決、平成20年(ワ)第11692号事件をご紹介します。

会社員の男性が、腹部多発性交通外傷などのケガを負った事故です。

交通事故の基本情報は?
属性 会社員
性別
年齢 症状固定時40歳
事故の内容 信号のある交差点における右折普通乗用車(加害車)と対向直進自動二輪車(被害車)が衝突した。
傷害の内容 腹部多発性交通外傷、腸壁創し開など
後遺障害等級 7級5号
入院 189日
賠償金・慰謝料の基本情報は?
損害総額 9312万6906円
うち慰謝料 1420万円
うち休業損害 1314万3146円
うち逸失利益 4553万1108円

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額9312万6906円になりました。

  • 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が390万円、後遺障害の慰謝料が1030万円認められました。
  • 休業損害としては、事故発生から症状固定までの基準賃金555万2520円から、合計1314万3146円の休業損害が発生したものと認められました。
  • 逸失利益としては、学歴計男性労働者全35~39歳平均賃金は571万0500円であり、同全年齢男性平均賃金は554万7200円であるから、基礎収入は555万2520円とし、労働能力喪失率は56%、労働能力喪失期間は67歳までの27年として算定されました。

弁護士先生、こちらの男性は大腸部分切除・人工肛門造設により腹胸部臓器の機能障害として7級5号が認定されたようです。

この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件で認定された後遺障害の慰謝料と労働能力喪失率は、認定された7級での基準に沿った形で認められています。

なお、本件事故は青信号を直進中の被害者バイクに右折対向車が衝突したというものですが、被害者にも5%の過失が認められています。

このように、全面的に加害者に過失がありそうな事案でも、具体的な事故との関係で被害者にも過失が認定される可能性があることが分かると思います。

②障害等級7級(男・26歳)損害額7880万4087円の判例

次に、大阪地方裁判所の第15民事部の判決、平成23年(ワ)13126号事件をご紹介します。

会社員の男性が、骨盤骨折などのケガを負った事故です。

交通事故の基本情報は?
属性 会社員(製造作業)
性別
年齢 26歳
事故の内容 加害車両が中央分離帯を乗り越え、対向3車線の1番左側車線を直進していた被害車両と正面衝突した。
傷害の内容 出血性ショック、骨盤骨折、右橈骨・尺骨骨折、右上腕骨骨折、骨盤腔内出血、仙骨神経障害、後頭部・顔面打撲、頸椎捻挫など
後遺障害等級 併合7級(右上腕骨の偽関節:8級8号、右上腕骨骨折に伴う右肩関節の機能障害等:12級6号、骨盤骨折に伴う左股関節の機能障害:12級7号、右前腕部の疼痛:14級9号)
入院 115日
賠償金・慰謝料の基本情報は?
損害総額 7880万4087円
うち慰謝料 1450万円
うち休業損害 841万4550円
うち逸失利益 4940万4301円

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額7880万4087円になりました。

  • 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が400万円、後遺障害の慰謝料が1050万円認められました。
  • 休業損害は、基礎収入を日額1万0385円とし、合計36.83か月の休業があったものと認め、月の平均稼働日数が22日として算定されました。
  • 逸失利益は、基礎収入を男性の学歴計全年齢平均収入523万0200円とし、労働能力喪失率は56%、労働能力喪失期間は症状固定時29歳から67歳の38年として算定されました。

弁護士先生、こちらの男性は、事故後会社を退職し、求職活動の後パソコン入力のアルバイトをはじめられたようです。

この判例のポイントはどのような点になりますか?

逸失利益の計算について、途中で症状の改善が見込める障害の場合は労働能力喪失期間が67歳より短縮されたり、数年で労働能力喪失率が軽減されたりして逸失利益が減額されることがあります。

しかし、本件ではその後長期間経っても偽関節部分を中心とした骨のゆ合が見込めないとの判断の下、逸失利益が減額されませんでした。

逸失利益の計算方法をチェックする場合には、このように将来的な損害が減額されていないかどうかに着目することも重要といえるでしょう。

③障害等級7級(女・症状固定時27歳)損害額7403万9081円の判例

3つ目に、名古屋地方裁判所の判決、平成14年(ワ)第2708号事件をご紹介します。

女性が、頸部挫傷などのケガを負った事故です。

交通事故の基本情報は?
属性 アルバイト・内職・家事従事
性別
年齢 症状固定時27歳
事故の内容 交差点入口付近で左折のため停止中の被害車(普通乗用自動車)に加害車(普通乗用自動車)が追突した。
傷害の内容 頸部挫傷、左上肢外傷性末梢神経障害
後遺障害等級 7級4号
入院 29日
賠償金・慰謝料の基本情報は?
損害総額 7403万9081円
うち慰謝料 1600万円
うち将来の介護費 682万5135円
うち逸失利益 4742万0234円

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額7403万9081円になりました。

  • 慰謝料としては、傷害慰謝料が250万円、後遺障害の慰謝料が1350万円が認められました。
  • 将来の介護費としては、一定の限度で介護の必要性があると認められ、その介護のための費用は1日当たり1000円、被害者の平均余命は女子平均余命に照らし、症状固定後56年間として算定されました。
  • 逸失利益としては、27歳から67歳までの40年間にわたり、労働能力の79%を喪失したと認められ、基礎収入は女性の学歴計全年齢平均賃金である349万8200円として算定されました。

弁護士先生、こちらの女性は左上肢のしびれ・痛み、筋力・知覚の著しい低下などによって7級4号が認定されたようですが、この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件の被害者は、事故による頚部挫傷により、まず左上肢に7級4号の障害が認定されたものの、その症状固定後に左下肢にも同様の障害を発症しております。

そして本件判決では、この左下肢の障害についても交通事故によるものと認め、これらを併合して5級2号の障害と認められ、後遺障害慰謝料、労働能力喪失率ともに5級の相場に増額されています。。

このように、事故から相当期間経って新たな症状が発生する場合には、事故との因果関係が争われることが多く、それが本件のように客観的に異常が確認しづらい非器質的なものですと困難を伴います。

しかし、適切な主張をすることで裁判において後遺障害と認められることもあります。

④障害等級7級(男・症状固定時36歳)損害額7382万6090円の判例

4つ目に、東京地方裁判所の判決、平成17年(ワ)第16031号事件をご紹介します。

配達員の男性が左前腕骨骨折などのケガを負った事故です。

交通事故の基本情報は?
属性 米販売店の配達員
性別
年齢 症状固定時36歳
事故の内容 客を見つけて片側三車線の第二車線からウィンカーを出すことなく第一車線に減速しながら車線変更しようとした加害タクシーと、これに追従し、第一車線から追い抜こうとした被害自動二輪車が、第一第二の車線区分線上で衝突した。
傷害の内容 左前腕骨骨折、左尺骨脱臼、右肩甲骨骨折、右肘部打撲擦過傷、右膝部打撲擦過傷、右股関節打撲傷、腰椎捻挫、頚椎捻挫、歯冠破折など
後遺障害等級 併合7級
入院 201日
賠償金・慰謝料の基本情報は?
損害総額 7382万6090円
うち慰謝料 1300万円
うち休業損害 2154万0291円
うち逸失利益 2969万0312円

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額7382万6090円になりました。

  • 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が500万円、後遺障害の慰謝料が800万円認められました。
  • 休業損害としては、基礎収入は318万5659円、休業日数は症状固定までの2468日間が認められました。
  • 逸失利益としては労働能力喪失率は40%程度と認められ、労働能力喪失期間は67歳までの31年間として算定されました。

弁護士先生、こちらの男性は、父親経営の米店で勤務していたようですね。

この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件で争点の一つになったのが、逸失利益(後遺障害により失われた将来の収入)の計算をする上で用いる基礎収入です。

事故当時、被害男性は父親経営の米店で勤務しておりましたが、実質上は被害男性が米店を切り盛りしていました。

そこで本判決では、低額に留まる被害男性の実際の収入ではなく、上記事情から米店経営者として見込まれる収入を基礎として逸失利益を計算した点がポイントとなります。

⑤障害等級7級(男・症状固定時22歳)損害額7270万1341円の判例

最後に、名古屋地方裁判所の民事第3部の判決、平成22年(ワ)5225号・平成22年(ワ)6121号事件をご紹介します。

男子大学生が、脳挫傷などのケガを負った事故です。

交通事故の基本情報は?
属性 大学生
性別
年齢 症状固定時22歳
事故の内容 被害者運転の原付自転車が、片側1車線の道路を走行中、右折のために道路中央に進路を変えたところ、後方から加害者運転の普通自動車が追突した。
傷害の内容 脳挫傷、頭蓋骨骨折、気脳症、頸部挫傷、内耳震盪症
後遺障害等級 7級4号
入院 18日
賠償金・慰謝料の基本情報は?
損害総額 7270万1341円
うち慰謝料 1090万円
うち付添看護費 185万2480円
うち逸失利益 5971万8063円

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額7270万1341円になりました。

  • 慰謝料としては、傷害慰謝料が90万円、後遺障害の慰謝料が1000万円認められました。
  • 付添看護費としては、被害者の症状から付添看護が必要であることから1日当たり6300円、入院雑費などについては1日当たり1500円、交通事故証明取得料600円が損害として認められました。
  • 逸失利益としては、5971万8063円が認められました。

弁護士先生、こちらの男子大学生は高次脳機能障害によって7級4号が認定されたようですが、この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件のように高次脳機能障害で7級4号と認定される場合、まずは交通事故による脳の異常がレントゲン等で確認できること、事故後意識障害があったこと等が前提になります。

また、高次脳機能障害の症状は多様ですが、本件では記銘力低下、知的機能低下や情緒不安定といった点があげられています。

これらの症状は周りからもなかなか障害とはとらえられず見逃してしまうことも多いので、事故後これらの症状が現れたら弁護士に相談してみるとよいでしょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

交通事故弁護士カタログ編集部による「後遺障害7級の交通事故の慰謝料相場ランク、判例から厳選した5選」でした。

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この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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