交通事故による骨折の慰謝料を大調査!後遺障害と相場の関係とは?
交通事故で骨折してしまった場合、その部分が変形していたり、骨折した足が短くなってしまったり、また関節の動きが制限されてしまったりと骨折による後遺障害も様々考えられます。
後遺障害が残ると、仕事に支障が出てしまったり、今までのような生活が送れなくなってしまうかもしれません。
このページでは、見逃されがちな骨折後の後遺障害に関し、後遺障害となる原因や等級、慰謝料相場等について簡単にご説明いたします。
目次
骨折で後遺障害が残ってしまう原因とは?
骨折で後遺障害が残ることはあるの?
骨折の場合、よほど重度でなければ骨がくっついて従前の状態に回復するから、骨折と後遺障害は無縁、とのイメージをお持ちの方も多いと思います。
しかし、骨折して骨が変形した形でくっついてしまったり、骨折完治後に左右の足の長さが違ってしまったり、関節がうまく曲がらなくなったりと、骨折の場合も様々な後遺障害につながる可能性があります。
骨折の後遺障害の主な原因
多くの場合、骨折による後遺障害の原因は、骨折箇所に何らかのゆ合不全(元の状態に戻っていない状態)が生じることに起因します。それでは、骨折の場合に想定される代表的な後遺障害の種類について、簡単にご紹介いたします。
骨折による短縮障害
骨折後の短縮障害とは、骨折した骨がゆ合したが、例えば脚の長さが左右で違ってしまう障害となります。
短縮障害の原因となる骨折の代表例は、股関節の脱臼骨折や、大腿骨、すね部分の骨(脛骨、腓骨)の粉砕骨折や開放骨折があります。
骨折による機能障害
骨折後の機能障害とは、骨折後の骨のゆ合不全が影響して関節の可動域が制限されてしまう障害となります。認定される可能性がある障害としては、関節の用廃、可動域制限、あるいは人工関節の置換が挙げられます。
機能障害の場合は、下半身の骨の三大関節(股関節、ひざ関節、足関節)周辺部分での、粉砕骨折や開放骨折が原因となることが多いです。
骨折による変形障害
骨折後の変形障害とは、やはり骨片間のゆ合不全により従前の状態に戻らず、偽関節やその他変形を残してしまったものをいいます。
「偽関節」とは、骨片間の結合に異常が生じて骨が完全にくっつかない状態となり、本来曲がらない関節以外の部分が異常可動を示すものをいいます。
骨折による変形障害を残す原因は、粉砕骨折や開放骨折後の治療における血行不良、治療中の不十分な固定に起因して骨のゆ合が完全に停止してしまうことが挙げられます。
骨折後の主な後遺障害
分類 | 内容 | 主な原因 |
---|---|---|
短縮障害 | 骨折の治療後に下肢が正常な方、又は所定の基準より短縮 | 股関節の脱臼骨折、粉砕・開放骨折等によるゆ合不全 |
機能障害 | 骨折の治療後に、関節の用廃、可動域(角度)制限、人工関節等の挿入置換がある | 下半身の関節に参加する骨の骨折・粉砕・開放骨折等によるゆ合不全 |
変形障害 | 骨折の治療後に、骨に偽関節やその他変形を残すもの | 上肢や下肢の骨の粉砕・開放骨折後のゆ合不全 |
骨折の慰謝料の計算方法
後遺障害慰謝料とは
後遺障害慰謝料とは、交通事故が原因と認められる後遺障害を負ったことによる精神的苦痛に対する賠償金のことをいいます。
交通事故の後遺障害とは、基本的に、交通事故による外傷に起因する後遺障害のうちで、自賠法施行令の等級に該当するものをいいます。
後遺障害等級と後遺障害慰謝料の深い関係
後遺障害慰謝料を算定する上で、各事案の適正かつ迅速な解決や公平性の観点から、ある程度客観的な基準が必要になります。この役割を果たすのが、自賠法施行令に基づく後遺障害等級認定制度です。
この後遺障害の認定の際には、後遺障害を発症した部位や種類、程度に応じて最も重い1級から軽度とされる14級に分類し認定します。
そして、認定された等級ごとに、後遺障害慰謝料の基準額が存在しており、これが算定の基礎になります。
こうして算出された基準額を、個別具体的なケースごとに、事故の過失割合や障害の程度、生活での支障といった事情により慰謝料を増減額して最終的な慰謝料額を計算します。
したがって、後遺障害慰謝料を受ける上で、適正な等級認定を受けることはほぼ必須になります。
慰謝料の3つの基準とは?
後遺障害慰謝料の算定の際には、手続の段階や補償の目的ごとに、異なる3つの基準が存在します。それが、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判所基準)です。
自賠責基準
自賠責基準とは、自賠責保険における賠償額の基準のことをいいます。自動車運転者は、自賠責保険への加入が義務付けられています。
この基準は、事故による損害に対して迅速に必要最低限の補償を受ける目的で定められたものですので、明確な基準の下限度額も決まっており、3つの基準の中で最も低額な基準となります。
任意保険基準
任意保険基準とは、任意に加入する自動車損害保険における賠償額の基準です。
こちら任意保険は、自賠責による補償を超える部分について補償する目的となりますので、一般的に自賠責基準より高額となり、3基準の中で、その補償額は中間ということになります。
ですが、この基準は各保険会社の内部基準であり、ほとんどの保険会社が公表していません。
また、保険会社も営利団体ですので、保険金支払いを低額に抑えるために、場合によっては、自賠責と変わらないくらいの金額を提示されることもあるようです。
弁護士基準(裁判所基準)
こちらは、過去の裁判例を分析してまとめられた基準となり、通称「赤い本」に記載されています。実際の裁判実務では、この基準を非常に重視して慰謝料額が算定されることになります。
最終的な紛争解決手段としての裁判所の基準となりますので、3つの基準の中では最も高額で、任意保険基準(推定)と検証しても、等級によっては2倍以上高額となります。
慰謝料額の3つの基準
基準 | 特徴 |
---|---|
自賠責基準 | 自賠責保険(強制加入)での基準。最低補償を目的とした必要最小限の基準 |
任意保険基準 | 保険会社の任意自動車損害保険における基準。基準非公開 |
弁護士基準 | 過去の判例を基にした裁判での基準。3つの中で圧倒的に高額 |
後遺障害慰謝料の相場
等級 | 自賠責基準 | 任意保険基準(推定) | 弁護士基準 |
---|---|---|---|
1級 | 1100万円 | 1300万円 | 2800万円 |
2級 | 958万円 | 1120万円 | 2370万円 |
3級 | 829万円 | 950万円 | 1990万円 |
4級 | 712万円 | 800万円 | 1670万円 |
5級 | 599万円 | 700万円 | 1400万円 |
6級 | 498万円 | 600万円 | 1180万円 |
7級 | 409万円 | 500万円 | 1000万円 |
8級 | 324万円 | 400万円 | 830万円 |
9級 | 255万円 | 300万円 | 690万円 |
10級 | 187万円 | 200万円 | 550万円 |
11級 | 135万円 | 150万円 | 420万円 |
12級 | 93万円 | 100万円 | 290万円 |
13級 | 57万円 | 60万円 | 180万円 |
14級 | 32万円 | 40万円 | 110万円 |
骨折の後遺障害の慰謝料を獲得するポイント
充実した内容の後遺障害申請を行う
上で説明した通り、後遺障害慰謝料の額は、認定された等級によって相場が決まってきます。そのため、その後遺障害にあった適正な等級認定を受けることが最重要になります。
例えば、同じ骨折後のひざ関節の機能障害(用廃を除く可動域制限)でも、等級は10級と12級があり、その制限の程度を少し異なって認定されるだけで得られる慰謝料の相場は大きく異なります。
そして、等級認定は、第三者機関である自賠責調査事務所というところで、基本的に提出された資料のみに基づいて審査の上判断されることになります。
そのため、負った後遺障害に対して適正な認定を受けるためには、ケースによってはできるだけ充実した内容の資料を添付して提出することが非常に重要になります。
後遺障害診断書・画像検査結果が重要
適切な内容とは、認定基準に基づいた障害ごとの必要十分な検査を受け、その検査結果を提出すると共に、後遺障害診断書にも後遺障害の存在をできるだけ具体的に書いてもらうことが第一となります。
補強資料の提出
また、客観的な損傷・異常を確認しづらいケースについては、弁護士の意見書といった適宜有効な資料を作成して提出することも考えられます。
弁護士が加害者側と交渉する
適正な認定を受けることができた場合でも、被害者が直接相手方保険会社と示談額の交渉をした場合、弁護士基準で合意に至ることはほぼありません。
しかし、弁護士が介入して交渉すると、裁判を前提とした交渉が可能となり、弁護士基準に基づく慰謝料額での交渉が可能となります。
弁護士に交渉を依頼すれば、それだけで慰謝料額の大幅な増額を見込めるケースは非常に多いです。
裁判において適切な主張・立証をする
また、仮に交渉がまとまらず、裁判になったとしても、交通事故の実績豊富な弁護士であれば、慰謝料増額のために適切な主張・立証を行うことができ、慰謝料額を判断する裁判官に増額の必要性を認めてもらいやすくなります。
この適切な裁判対応によって、裁判官が基準以上の慰謝料が必要と判断すれば、相場以上の金額を獲得できることもあります。
このように、交通事故による骨折後の後遺障害については、弁護士に相談・依頼することによるメリットは非常に大きいといえます。
後遺障害慰謝料を獲得するために
手続 | 弁護士に相談・依頼するメリット |
---|---|
等級認定前 | ・認定を受けるために必要な検査や資料、対応を適切にアドバイスすることが可能
・場合によっては、医療機関と連携可能 |
示談交渉 | ・弁護士が交渉することで、弁護士基準を前提とした交渉により示談金額が増額 |
裁判 | ・交通事故に強い弁護士であれば、裁判での適切な主張・立証により、ケースによっては基準以上の慰謝料額を受けられる |
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いかがでしたか?
この記事をお読みの方には、「交通事故による骨折の慰謝料を大調査!後遺障害と相場の関係とは?」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないかと思います。
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この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
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