被害者に左手指切断、手指の運動制限等の後遺障害
認容額 | 1000万2993円 |
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年齢 | 49歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 音楽教室の講師(事故前まで) |
傷病名 | 左示指切断、左手挫創 |
障害名 | 左示指切断 |
後遺障害等級 | 10級 |
判決日 | 平成11年7月29日 |
裁判所 | 大阪地方裁判所 |
交通事故の概要
平成5年3月22日午後1時50分頃、大阪市東成区の信号機による交通整理の行われていない交差点内(なお横断歩道が設置されている。)において、加害者は、普通貨物自動車を運転して、進行道路の制限速度が時速20キロメートルであるにもかかわらず、時速約40キロメートルの速度で減速することなく同交差点に進入し、被害者を前方11・1メートルの地点で初めて発見して急制動をかけたが間に合わず、加害者の車両の左側面部を被害者の左手付近に衝突させた。
被害者の入通院治療の経過
被害者(本件事故当時49歳)は、本件事故の結果、左示指切断、左手挫創の傷害を負った。
被害者は、本件事故当日である平成5年3月22日、救急車にてH病院に搬送され、同日から同年8月1日まで入院した。入院期間中、皮膚形成・左示指断端形成術が施行され、退院後も同病院、B病院に平成7年11月20日まで通院を続けた。
後遺障害の内容
H病院の医師は、平成7年11月16日に、被害者の症状が固定した旨の後遺障害診断書を作成した。この診断書は、左示指切断を内容とするものであり、手指の運動制限、知覚鈍麻等の有無について十分な記載はなかった。自賠責保険会社は、自算会を通じて資料を検討した結果、被害者の後遺障害は後遺障害等級表10級6号(一手のひとさし指を失ったもの又はおや指及びひとさし指以外の二の手指を失ったもの)に該当すると認定した。
判決の概要
信号機による交通整理が行われていない交差点で、東西道路を西進してきた加害者の車両(普通貨物自動車)と南北道路を北進してきた被害者の車両(自転車)との衝突した。本件事故において、加害者及び被害者が、本件交差点に進入するにあたり、それぞれ交差道路を進行してくる車両の動静を注視し、その安全を確認して進行すべき業務上の注意義務があるにもかかわらず、右注意義務を怠ったまま漫然と進行した過失が競合して起きたものである。本件事故現場の状況及び本件事故の態様にかんがみると、加害者と被害者の過失割合は7対3の関係にあるとみるのが相当である。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 82万2180円 |
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入院雑費 | 17万2900円 |
通院交通費 | 1万5000円 |
休業損害 | 674万9781円 |
逸失利益 | 454万198円 |
慰謝料 | 875万円 |
装具費 | 3万 6902円 |
入院中の洗髪代 | 1万 3330円 |
損害の填補分控除 | - 566万 7210円 |
弁護士費用 | 90万円 |
過失相殺 | - 633万88円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。