上腕骨欠損等による痛みで後遺障害で12級認定

IT 2016年7月13日 | 上肢の切断
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認容額 1355万531円
年齢 39歳
性別 女性
職業 主婦
傷病名

左上腕骨粉砕骨折等

障害名 上腕骨欠損等
後遺障害等級 12級
判決日 平成6年8月30日
裁判所 京都地方裁判所

交通事故の概要

昭和62年8月3日午前4時45分ころ、京都府宇治市木幡北山畑の路上において、本件道路を南進中の加害者の普通乗用自動車が、対向車線に進出し、本件道路を北進してきた被害者の普通乗用自動車に正面衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者Aは、本件事故により、左上腕骨粉砕骨折等の傷害を負い、R病院において、昭和62年8月3日から同月28日まで、同年9月16日から同年12月2日まで、及び平成2年5月10日から同年7月11日まで(合計167日間)入院して治療を受けた。さらに、昭和62年2月29日から平成3年9月10日まで(前記入院期間を除く。)通院して(実日数合計368日間)、治療を受けた。

後遺障害の内容

被害者Aには、症状固定した後も、頑固な左上腕部痛等の後遺障害が残った。すなわち、自覚症状として、頑固な左上腕部痛、左肘関節部痛及び運動制限、左前腕部痛、左手のしびれ感、筋力低下等の症状が認められる。また、他覚的所見として、X線写真にて左上腕骨遠位1/3部の変形治癒(化骨形成が悪く骨癒合はかろうじて得られている程度)が認められ、握力は右20キログラム、左13.5キログラムに低下していることが認められる。
被害者Aの左上腕部痛は、左上腕部粉砕骨折部の癒合不良によるものと認められ、この症状は単に痛みのみならず、力が加わることにより再度骨折する危険性を有しているため、被害者Aの労働能力を制限しているものと認められる。従って、この後遺障害は、自賠法施行令別表第12級第12号に相当する後遺障害と認めるのが相当である。

判決の概要

被害者らが同乗しており道路を北進していた普通乗用自動車に、同道路を南進していた加害者Aが運転していた普通乗用自動車が対向車線に進出することで正面衝突した交通事故につき、加害者Aに対し不法行為責任による損害賠償を求めた。また、加害者が運転していた普通乗用自動車の運行供用者である加害者Bに対し自動車損害賠償保障法3条に基づく損害賠償を求めた。
母である被害者Aが後遺傷害を負ったことで、脳性麻痺で肢体不自由児である息子の被害者Bに十分な介護ができなくなった。よって、被害者Bに車いすでの生活を余儀なくさせ、自宅の改造が必要であった。しかし、被害者Bは将来的に車いすでの生活は避けられなかったのであり、事故と自宅改造との間には相当因果関係がないとして、請求を一部認容し、一部棄却した。

認容された損害額の内訳

入院雑費 21万7100円
通院交通費 8万8320円
休業損害 392万3089円
逸失利益 425万3782円
慰謝料 500万円
装具代金 2万 5340円
看護者費用 44万 2900円
損害の填補 - 140万 円
弁護士費用 100万円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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