圧迫骨折による脊柱の変形障害で後遺障害11級認定

KHR 2016年12月2日 | 圧迫骨折
medical 5
認容額 1395万5757円
性別 男性
職業 トラック運転手
傷病名

左手舟状骨骨折,左大腿骨骨挫傷,左脛骨骨挫傷,腰椎圧迫骨折等

障害名 脊柱の変形障害
後遺障害等級 11級
判決日 平成26年1月29日
裁判所 東京地方裁判所

交通事故の概要

平成22年1月31日午前4時43分ころ、千葉県鎌ケ谷市くぬぎ山3丁目12番24号で加害者Y1が運転し,加害者Y2が保有する普通乗用自動車(以下「加害車」という。)が道路右側の路外駐車場(以下「本件路外駐車場」という。)に向けて右折進行するに際し,対向車線を直進進行してきた被害者が運転する大型自動二輪車(以下「被害二輪」という。)と衝突した交通事故。

被害者の入通院治療の経過

被害者は以下のとおり、治療を行った。
ア 鎌ケ谷総合病院
被害者は,平成22年1月31日,鎌ケ谷総合病院に搬送され,同病院において,後頚部違和感,左手関節痛,腰部痛,左膝痛を訴え,頚椎,腰椎,左手関節,左膝関節及び左足関節の各レントゲン検査を受けたが,明らかな骨折は認められなかった。同年8月6日にも同病院に通院した。
イ 医療法人社団A整形外科(以下「A整形外科」という。)
被害者は,平成22年2月1日,A整形外科を受診し,左手舟状骨骨折,左橈骨下端骨折,左大腿骨外側顆骨折,左脛骨近位端骨折,第12胸椎圧迫骨折等との診断を受け,A整形外科において,同日から同年9月24日まで通院治療を受けた(実通院日数143日)。被害者は,A整形外科において,当初,左手関節及び左膝をギプス固定され,その除去後は,他の部位と同様に消炎措置等の保存療法を受けた。
ウ 医療法人社団Bクリニック(以下「Bクリニック」という。)
被害者は,平成22年2月13日から平成23年6月30日まで,Bクリニックにおいて,手舟状骨骨折,左大腿骨骨挫傷,外傷性頚部腰部症候群との診断の下,通院治療を受けた(実通院日数67日)。被害者は,Bクリニックにおいて,当初は骨折に対する治療を受けたが,骨折が軽快した平成22年9月25日以降,外傷性頚部腰部症候群に対するリハビリテーション治療が継続された。
なお,被害者は,Bクリニックの医師の紹介により,千葉大学医学部附属病院脳神経外科を受診したが,平成22年7月9日付けで,低随液圧症候群とは認められず,外傷性頚部腰部症候群,繊維筋痛症疑いと診断された。
エ C病院心療内科
被害者は,平成22年7月15日,C病院心療内科を受診し,傷病名不詳(繊維筋痛症疑い)との診断を受け,同病院において,同日から同年12月2日まで,通院治療を受けた(実通院日数4日)。
オ 財団法人D病院(以下「D病院」という。)
被害者は,C病院の医師の紹介により,繊維筋痛症(交通外傷後)との診断の下,平成23年1月6日から同年2月10日まで,D病院において,入院治療を受けた(入院期間36日)。
カ 財団法人E病院(以下「E病院」という。)心療内科
被害者は,D病院の医師の紹介により,平成23年2月12日,E病院心療内科を受診し,繊維筋痛症等との診断を受け,同日から平成24年1月28日まで,E病院において,通院治療を受けた(実通院日数6日)。

後遺障害の内容

被害者は,平成23年12月6日ころ,損害保険料率算出機構において,脊柱の変形障害については,第1腰椎圧迫骨折が認められることから,「脊柱に変形を残す」ものとして後遺障害別等級表第11級7号に該当し(背部の疲労感,両臀部のしびれ等の症状については,同等級に含まれる。),左手舟状骨骨折後の左手掌の痛みについては,骨折部の癒合が良好であること等から,「局部に神経症状を残すもの」として同表第14級9号に該当し,併合11級と判断された。

判決の概要

本件事故について被害者が,加害者Y1に対して民法709条の規定に基づいて,加害者Y2に対して自動車損害賠償保障法3条の規定に基づいて,本件事故により原告が被った損害(ただし,被害者Y2に対しては物的損害を除く。)の賠償を求めるとともに,被害二輪について自動車保険契約(無保険車傷害保険契約)を締結していた保険会社である加害者Y3に対し,同契約に基づいて,本件事故により原告が被った人身損害相当額(物的損害及び弁護士費用相当額を除いたもの。)の保険金の支払を求めた事案で、裁判所は,加害車が右折の合図を出し,時速約10kmで進行したこと,被害車が時速約30kmまで減速したものの加害車の動静を十分に把握せず走行し衝突したことから,原告に10%の過失相殺を認め,損害額を算定し,請求の一部を認容(Y1,Y2は擬制自白)した。

認容された損害額の内訳

治療関係費 221万3357円
入院雑費 5万4000円
通院交通費 32万6470円
休業損害 493万9180円
逸失利益 725万8354円
慰謝料 640万円
通信費その他 1万 4270円
損害のてん補 - 854万 9874円
弁護士費用 130万円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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