妊娠中の交通事故慰謝料|1618万円の判例を弁護士が解説

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妊娠中の交通事故慰謝料|1618万円の判例を弁護士が解説

このページでは、妊娠中の事故の判例についてご紹介します。

妊婦の方はお1人の身体ではありません。

もし交通事故に巻き込まれてしまったとしたら、胎児への影響は大丈夫なのかとても不安になってしまいますよね。

こちらの判例では、総額1618万円の損害賠償金が認められましたが、算定においてどのような点がポイントになったのか、弁護士の先生の解説とともに見ていきましょう。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見てみましょう。

妊婦(女・28歳)損害額1618万4672円の判例

妊婦(女・28歳)損害額1618万4672円の判例

こちらは、東京地方裁判所の判決、平成14年(ワ)第27303号事件です。

この事故での主な怪我の内容は、全身打撲挫創となっています。

交通事故の基本情報

事故の内容は「子供2人を乗せて青信号で横断歩道を走行中の被害自転車に赤信号無視の乗用車が衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 妊婦
性別
年齢 28歳
事故の内容 子供2人を乗せて青信号で横断歩道を走行中の被害自転車に赤信号無視の乗用車が衝突。
傷害の内容 全身打撲挫創・右腎損傷・頭部顔面外傷・右手指骨折・左外傷後尖足拘縮・頸椎捻挫など
後遺障害等級 12級7号
入院 15日

加害者は赤信号無視に加えて、多量の飲酒により酒酔い運転をしていたとのことです。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 1618万4672円
うち慰謝料 450万円
うち休業損害 300万1277円
うち逸失利益 839万1695円

損害総額は1618万4672円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額1618万4672円になりました。

  • 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が160万円、後遺障害の慰謝料が290万円認められました。
  • 休業損害としては、300万1277円が認められました。
  • 逸失利益としては、労働能力喪失期間としては症状固定時の28歳から67歳までの39年間、14%の労働能力を喪失したとして、839万1695円が認められました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの妊婦の方は、出産により通院できない期間もあったようですが、この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件では、出産の時期と重なった期間中に被害者がリハビリの時間をとれなかったことが影響し、関節拘縮となり12級の関節機能障害の後遺症が残りました。

加害者側は、被害者がリハビリを怠った点を損害賠償の減額の理由として主張しました。

しかし、裁判所は、そもそも事故当時に妊娠していたこと、出産という生理現象を理由にリハビリが中断することはやむを得ないことなどから、加害者側の主張を否定しました。

被害者が出産を理由に通院を中断した点が、賠償に影響しないという判断は極めて妥当なものといえます。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利

また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

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思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。

保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

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こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。

いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。

電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。

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妊娠中の慰謝料計算の特徴は?

妊娠中の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

妊婦の方が交通事故に遭うと、流産や早産など胎児への影響が起きる点が問題になります。

交通事故が原因で流産してしまった場合に、慰謝料についてどう考えるのかについて整理しておく必要がありますね。

また、母親の健康に支障がなくても、胎児に障害が残ってしまった場合の補償をどのように考えるかも難しい問題といえます。

妊婦の方本人の問題としては、特に出産前後は治療に行きたくても行けずに、治療の間隔が空いてしまったり、実通院日数が少なくなったりして、保険会社から提示される賠償額が減らされることがあります。

そのような場合は、出産が理由で通院できなかったことをしっかりと反論する必要があります。

また、妊婦の方は、レントゲン撮影ができず、後遺障害申請の際、その事が不利に働く場合がありますが、妊娠が理由でレントゲンが撮影できなかったことをしっかりと主張する必要があります。

ただし、今申し上げたポイントは一般的・総論的なお話であり、上に挙げられている判例のように、事故に遭われた方々にはさまざまな事情があるかと思います。

ご自身のお悩みについて具体的なアドバイスをお聞きになりたい場合は、まずは一度弁護士等の専門家に相談してみるのが良いかと思います。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、妊娠中の交通事故慰謝料についての調査結果をお届けしました。

当サイト「交通事故弁護士カタログ」には、他にも皆さんのお役に立てるコンテンツが満載です。

これらを活用して、あなたの慰謝料はいったいいくらになるのか調べてみましょう。

交通事故は専門的な用語ばかりで、分からないことも多いですよね。

頼れる弁護士に一度相談してみませんか?

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