交通事故後寝れない原因はPTSD・パニック障害?後遺症認定されるには?

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交通事故後寝れない原因はPTSD・パニック障害?後遺症認定されるには?

皆様はPTSDという言葉をご存知でしょうか。

PTSDとは、心的外傷後ストレス障害のこと。

大型トラックとの交通事故に遭い、死の恐怖を感じた…。

交通事故で重傷に…事故の状況がフラッシュバックして眠れない…。

交通事故がきっかけとなり、深刻な精神の不調に悩まされる被害者の方も多くいらっしゃるのです。

そのうえ、

  • PTSDは交通事故の後遺症として認定されるのだろうか…
  • 後遺症認定等級はどうなっているのだろうか…
  • 保険会社から提示された示談金は適正?慰謝料相場はどの程度なのだろうか…

と、わからないことばかりで、さらにストレスを感じてしまうことでしょう。

そこで今回、交通事故によるPTSDに焦点を当て、後遺症認定の等級や慰謝料相場などについて一緒に見ていきたいと思います。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

PTSDの後遺症が残ってしまった場合、ご本人への負担は非常に大きいものです。

実際に、交通事故によるPTSDでお悩みの方から、これまでに相談を受けてきた経験があります。

その経験を踏まえ、具体例なども交えながら、しっかりと解説していきたいと思います。

個人差はあると思いますが、PTSDになってしまうと、事故のフラッシュバックでパニック障害に陥る以外にも、様々な支障が出てくるんですね…。

そのように、日常生活にも支障が出るものですから、適切な補償を受けるべきです!

そのためにも、まずはPTSDの基礎知識から勉強していきましょう。

後遺症認定に向けて知っておきたいPTSDの基礎知識

後遺症認定に向けて知っておきたいPTSDの基礎知識

PTSDについては、交通事故が重大な事故であればあるほど、発症する確率が高まってしまうということです。

よって、PTSD以外にも重大なケガを負っていることが予想されますね。

体だけではなく心にまで傷を負ってしまうなんて…本当に辛いものだと思います。

恐怖、不安、ストレス…交通事故によりPTSDを発症する理由とは

交通事故の被害に遭った場合、事故による外部からの力や衝撃により、恐怖や大きな驚きの感情を抱くことが多いハズです。

それに加え、

  • 大きなケガを負ったり、後遺症が残ってしまったことによる苦しみ
  • それに伴う将来への不安
  • 事故の加害者や保険会社との示談や賠償をめぐる争い

などによるストレスも受けることになり、結果としてPTSDを発症してしまう方も多いということです。

PTSDの主な3つの症状

PTSDをより専門的にいうと、過去に経験した恐怖や絶望的な体験などを、継続的に思い出すことを可能な限り回避する精神障害です。

交通事故が原因のPTSDでは、交通事故に遭ってから数週間~数ヶ月の潜伏期間を経て、精神症状が現れることが多いそうです。

PTSDの症状には以下のようなものが挙げられます。

《PTSDの症状》

  1. ①追体験(フラッシュバック):心的外傷体験が自分の意志に反して反復される
  2. ②回避:心的外傷に起因したものを無意識のうちに回避してしまう
  3. ③過覚醒:眠れない、怒りっぽくなる、集中できなくなる

また、PTSDではパニック障害の合併がみられることが多く、交通事故を思い出してパニック発作が出現することがあります。

PTSDに対する治療法やリハビリは?

PTSDに対する治療やリハビリとしては主に、認知行動療法薬物療法の2つがあるとのことです。

発症から数ヶ月経っても症状が改善しない場合、精神科医の先生と相談しながらこれらの治療法を行っていくことになるようです。

認知行動療法

PTSDを発症してしまった場合、辛い体験を思い出したり考えたりすることを回避してしまうという症状が現れます。

認知行動療法の1つに、その傾向を見直し、別の視点から物事を考えられるよう導く方法があります(認知処理療法)。

他にも、医師やカウンセラーの指導のもと、安全な環境で敢えて辛い体験を思い出させ、その恐怖に慣れさせることでトラウマを乗り越えさせる方法もあるそうです(持続エクスポージャー療法)。

薬物療法

薬物療法により、PTSDの精神症状を軽減させるという方法も一般的ということです。

その場合、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や抗うつ薬、抗不安薬が処方されることが一般的なようです。

まとめ
PTSDの症状や治療法
原因 ・交通事故の恐怖感
・将来の不安やストレス
など
症状 ・フラッシュバック
・回避
・過覚醒
治療 ・認知行動療法
・薬物療法

【注目】PTSDの後遺症認定の等級と基準について解説

【注目】PTSDの後遺症認定の等級と基準について解説

ここまでで、PTSDの原因や症状、治療法についてわかってきましたね。

症状を見ると、非常に辛いものだということが伝わってきます…。

辛い症状が残ってしまうものなので、適切な補償を受けたいところです。

しかし、交通事故によりPTSDが発症してしまった場合、どのようなケースでも後遺症として認定されるのでしょうか?

PTSDが交通事故の後遺症として認定されるためには、

  • ある程度長期間の治療期間が経過したこと
  • 症状が一定の基準を満たしていること

の2点が必要になります。

つまり、交通事故が原因でPTSDを発症したとしても、100%後遺症として認定されるという訳ではないのですね…。

では、ここからさらに詳しく見ていきましょう。

時間をかければ治るPTSD…後遺症申請に必要な治療期間とは?

PTSDの症状が非常に重いものであっても、時間が経過すれば症状は大幅に改善する余地があると考えられています。

具体的には、多くのケースでは半年~1年、長くても2年~3年の治療期間が経てば、完治することがほとんどと考えられているようです。

よって、一時的には症状に大幅な改善が見られない状態であったとします。

それでも、治療期間がまだ数ヶ月と短い場合は、経過観察などの措置をとり、療養を継続すれば、改善する可能性が高いものなのです。

となると、どれくらいの治療期間が経過すれば、後遺症の認定申請が行えるのでしょうか?

PTSDの治療期間が1年半~2年を超えた場合には、主治医の先生と相談した上で症状固定の診断を受け、後遺症の申請を行うことが多いです。

長くても2~3年で完治するケースがほとんどということですが。

それまでの辛い期間を考えれば、1年半~2年で後遺症の申請が行えるのは当たり前かもしれませんね。

PTSDの「後遺症認定基準」について弁護士が解説!

では次に、PTSDが後遺症として認定される基準についても見ていきましょう。

PTSDの後遺症認定では、下の表に示した

  • A:精神症状の有無
  • B:能力項目の欠如または制限の状況

を評価し、適切な等級が判断されることになるそうです。

少なくとも、

  • Aの項目のうち1つ以上の精神症状がある
  • Bの能力のうち1つ以上の障害が認められる

ことが後遺症の認定条件となっています。

PTSDの後遺症認定に必要な項目
A:精神症状 B:能力項目
①抑うつ状態
②不安状態
③意欲低下の上体
④慢性化した幻覚・妄想性の状態
⑤記憶または知的能力の障害
⑥その他の障害(侵入・回避・過覚醒・感情麻痺)
①身辺日常生活
②仕事・生活における積極性・関心
③通勤・勤務時間の順守
④作業持続性
⑤意思伝達
⑥対人関係・協調性
⑦身辺の安全保持・危機の回避
⑧困難・失敗への対応能力

自賠責保険で用いられている認定基準では、後遺症の等級1級14級まで定められており、等級毎に認定基準が定められているそうですね。

残存する症状が重ければ重いほど、数字の低い等級に該当するとも聞きました。

上記のAとBの項目を総合評価し、さらに、以下の評価基準に基づいて等級認定がなされることになります。

PTSDの後遺症に対する認定基準
症状の状態 後遺症認定等級
軽微な障害を残す場合 14級
多少の障害を残す場合 12級
就労可能な職種が相当程度制限される場合 9級

争点となる交通事故とPTSDとの「因果関係」

ところで、交通事故が原因のPTSDでは、相手側の保険会社と因果関係について争われることが多くなっているようですね。

  • 交通事故から1年以上経った後でPTSDを発症したケース
  • 交通事故以外に職場などでもストレス因子が存在するケース
  • 交通事故やケガの程度が比較的軽いものであったケース

では、そもそもPTSDの発症自体が否定される、もしくは因果関係が否定され、後遺症としては認定されないことが多いようです。

教えて!PTSDの後遺症に対する慰謝料の相場とは?

教えて!PTSDの後遺症に対する慰謝料の相場とは?

PTSDが交通事故の後遺症として認定されるには様々な条件がありましたが、条件を満たしていればしっかりと認定されることになります。

では、PTSDが後遺症として認定された場合、慰謝料相場はどのようになっているのでしょうか。

保険会社から提示される示談金が適正なものなのか確認するためにも知っておきたいところです。

具体的なケースごとに異なりますが、約300万円800万円の慰謝料を認めるものが多くなっています。

これ以外にも、逸失利益が認められることもあります。

逸失利益とは

ちなみに逸失利益とは、後遺症により労働能力が失われてしまった場合に、本来得られるはずだった収入の減額分を補償するための損害賠償のことです。

PTSDが原因で、

  • 部署を異動させられた
  • 職業選択の幅が狭くなってしまった
  • 対人関係や対外的な活動が積極的にできなくなってしまった

など、労働環境や能力に支障が出ていると認定されれば、慰謝料の加算理由として考慮されることになるそうです。

過去の判例から学ぶPTSDの慰謝料相場

では実際に、過去の判例をまとめてみましたので、ご覧になってみてください。

下記は、PTSDの診断を受けたもののうち、裁判でもPTSDまたはPTSDに近い精神障害として認定された例になっています。

PTSDの後遺症に関する判例
後遺症認定等級 慰謝料
併合12級 280万円
12級 290万円
11級 400万円
9級 500万円
9級 690万円
併合8級 830万円

PTSDの場合、最も重いケースも9級の後遺症等級認定ということでしたよね。

しかし、他の後遺症と合わせて併合8級が認定されているケースもありますね。

一方で、

  • そもそもPTSDが精神障害として認定されないケース
  • 交通事故との因果関係を否定されるケース

も多いということは覚えておいてください。

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PTSDの後遺症を弁護士に相談するメリット

ということで、交通事故が原因でPTSDを発症したとしても、自賠責保険や裁判所で後遺症と認定されるのは、なかなか難しいということがおわかりいただけたかと思います。

実際に適切な後遺症認定を受けるためには、裁判で適切かつ十分な主張をすることが必要不可欠です。

しかし、ご自身やご家族の皆様だけで、そのような主張を行うことは難しいハズです…。

まずは、自力で対応しようとせず、無料相談のサービスなどを利用して、弁護士に相談してみるのはいかがでしょうか。

実際に、弁護士に依頼したことによる慰謝料増額事例が紹介されているページもあります。

「PTSD」に関しての記事を絞り込めば、関連する事例を読むことが可能です。

とはいえ、弁護士費用について不安をお持ちの方もいらっしゃるハズ…。

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ここまでで、PTSDの後遺症についておわかりいただけましたでしょうか。

しかし、実際に交通事故でPTSDを発症してしまった場合、因果関係の証明や、等級が何級になるかなど、様々な困難がありそうです。

もし、後遺症と認定されても、保険会社に慰謝料を請求していくのはハードルが高いですよね…。

そんなとき、頼りになるのが、弁護士の無料相談サービス。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、PTSDの後遺症でお悩みの方に一言アドバイスをお願いできますか?

まずは、きちんと療養し、お大事になさってください。

それでも残念なことにPTSDの後遺症が残ってしまった場合、ぜひ一度、弁護士に相談してみてください。

なぜなら、日常生活にも支障が出るような後遺症が残る場合は、適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがでしたか?

最後までお読みいただけた方には、

  • PTSDの症状治療法
  • PTSDの後遺症認定等級基準
  • PTSDに対する慰謝料相場

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

また、PTSDの後遺症が残ってしまった場合は、弁護士に相談した方が良いと思った方も多いハズです。

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この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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