自転車事故の慰謝料の相場は?損害賠償金や示談金との関係・示談までの流れもご紹介!
「自転車事故に高校生の子供があっていろいろと調べたのだけれど、慰謝料・損害賠償金・示談金の違いが分からない・・・」
「自転車事故の慰謝料の相場ってどれくらいなの?」
「自転車事故で示談するまでの流れはどうなっているの?」
ご自身やお子様等がはじめて自転車事故の被害者になられた方の多くは、自転車事故の慰謝料などに関し、詳しくご存じでないのではないでしょうか?
このページでは、そんな方のために
- 自転車事故の慰謝料の基礎知識や損害賠償金・示談金との関係
- 自転車事故の慰謝料の相場
- 自転車事故の示談までの流れ
といった事柄について、徹底的に調査してきました!
専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。
弁護士の岡野です。よろしくお願いします。
自転車事故の慰謝料の相場を知らずに、保険会社のいわれるがままに示談してしまう被害者の方はまだまだ多いです。
一度示談をしてしまうと、その後に追加で請求することはできません。
保険会社の提案内容で示談してしまった後に後悔することが無いよう、自転車事故の慰謝料の相場をしっかり理解しておきましょう。
目次
そもそも、自転車事故の場合、車両同士の事故などの場合と慰謝料に何か違いはあるのでしょうか?
また、交通事故では慰謝料以外に示談金や損害賠償金といった言葉もよく聞きますが、これらは慰謝料とは別物なのでしょうか?
慰謝料の相場を確認する前に、まずはそういった基礎知識を押さえていきましょう!
自転車事故の慰謝料の基礎知識や示談金等との関係
自転車事故とは
自転車事故の件数についての統計
自転車事故の件数自体は減少傾向
そもそも、自転車事故は毎年どれくらい発生し、交通事故においてどれくらいの割合を占めているのでしょうか?
以下のページから確認できる警察庁交通局が発表する統計データから、自転車事故の件数の推移がわかります。
昨今、自転車事故に関するニュースをよく聞きますが、統計上、自転車事故の発生件数は減少傾向にあるようです。
とはいっても、直近の平成30年でも自転車が関与する事故は約8万5000件も発生しており、交通事故の約2割が自転車が関与する事故になっています。
自転車と歩行者の事故は増加傾向
また、自転車事故の件数は、減少しているものの、自転車と歩行者の事故は反対に増加傾向にあるようです。
2000年と2010年の比較では、交通事故の総件数は約2割減少しましたが、自転車対歩行者の事故は約1.5倍に増加しました。
このことが、自転車事故自体の件数は減少しているにもかかわらず、自転車事故のニュースはよく聞かれるようになった原因の一つと考えられます。
死傷者は未成年者と高齢者に多い
そして、以下のページに掲載されているグラフのとおり、自転車事故の死傷者は、未成年者と65歳以上の高齢者で全体の過半数を占めています。
ご家族に自転車に乗られる子供や高齢者がおられるご家庭の方は、特に自転車事故に注意しなければいけませんね。
傾向 | |
---|---|
自転車事故全体の件数 | 減少 |
自転車と歩行者の事故 | 増加 |
死傷者 | 未成年・高齢者に多い |
自転車事故の類型
先ほどの統計の話の際にも少し触れましたが、一言に自転車事故といっても、その中にはいくつかの類型があります。
類型①車と自転車の事故
まず、被害者が自転車走行中に加害者側が運転する車と衝突するような類型の自転車事故が考えられます。
類型②自転車同士の事故
また、被害者も加害者もともに自転車という類型の自転車事故も考えられます。
類型③自転車と歩行者の事故
さらに、被害者が歩行者であり、加害者が運転する自転車に轢かれるような類型の自転車事故も考えられます。
類型① | 類型② | 類型③ | |
---|---|---|---|
被害者 | 自転車 | 自転車 | 歩行者 |
加害者 | 車 | 自転車 | 自転車 |
自転車事故の特徴
①加害者が保険未加入の場合が多い
加害者が車の場合、車は自賠責保険への加入が、以下の条文のとおり法律上義務付けられています。
自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(略)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。
そして、車の所有者の多くは、強制加入である自賠責保険に加えて、任意の自動車保険にも別途加入しています。
具体的な任意保険の加入率の統計は以下のページに掲載されているとおりですが、対人賠償保険の加入率は88.0%(2018年3月末時点)となっています。
一方、加害者が自転車の場合、車の自賠責保険のような強制的に加入が義務付けられている保険は存在していません。
また、高額な賠償金が命じられたニュース等により、徐々に認知度は高まっているものの、実際の自転車保険の加入率は2割程度のようです。
全体(1,000人)でみると、自転車保険に加入しているのは176人(17.6%)となり、まだ加入者は少ないという傾向が明らかになった。
出典:https://www.au-sonpo.co.jp/corporate/news/detail-136.html
このように、加害者が自転車の場合に、加害者が保険未加入の場合が多いことが、自転車事故の特徴の一つといえます。
ただし、自転車事故の加害者が保険未加入でも使える保険がある場合もあるので、よく確認しましょう。
②過失割合が問題になりやすい
上記の類型①のほとんどの場合は、けがを負うのは自転車に乗っていた被害者だけになります。
しかし、自転車は道路交通法上は車両として扱われ、車と同様の規制に服するため、
過失割合は単車よりは有利に修正されるが、歩行者と同等程度までには修正されない
ことになります。
しかし、自転車が車両として扱われるという意識に乏しく、自分だけがけがをしているということもあり、被害者が過失割合に納得しないことも多いです。
次に、上記の類型②の場合、裁判例の集積に乏しく、車両同士の事故の場合を参考にしますが、車両同士の事故とは当然異なる面もあります。
そのため、当事者双方が中々過失割合に納得せず、問題になりやすいといえます。
そして、上記の類型③の場合、類型①の場合同様、自転車は道路交通法上は車両として扱われ、車と同様の規制に服するため、
過失割合は車と歩行者の事故の場合よりは自転車に有利に修正されるが、歩行者が自転車より有利に扱われることには変わりはない
ことになります。
しかし、自転車が車両として扱われるという意識に乏しく、歩行者と自転車にそれほどの差はないと考え、加害者が過失割合に納得しないことも多いです。
実際、自転車事故の過失割合に関する判例でも、当事者の主張が大きく食い違い、争いになっているケースも多いです。
③後遺障害を認定する機関がない
加害者が車の場合、被害者に後遺症が残った場合には、加害者の加入する自賠責保険会社を通じて、
損害保険料率算出機構が後遺障害の有無及び等級を認定
することになります。
一方、加害者が自転車の場合、車の損害保険料率算出機構のような中立的な立場から後遺障害の有無及び等級を認定する機関は存在していません。
そのため、被害者は、
医療記録などの資料を根拠に自身の後遺障害の有無や程度を主張
しますが、第三者機関が認定しているわけではないため、加害者側も容易には納得せず争いになることが多いのが、自転車事故の特徴の一つです。
このような自転車事故の特徴から、その他の類型の交通事故以上に自転車事故は弁護士に依頼すべき必要性が高いといえます。
ただし、後ほど詳しく説明しますが、加害者側が保険未加入の場合、慰謝料などの賠償金が回収できない可能性があります。
そのため、弁護士に依頼するかどうかは、賠償金の回収の見込みも考えたうえで検討する必要があります。
自転車対車 | 自転車同士 | 歩行者と自転車 | |
---|---|---|---|
加害者が保険未加入 | 少ない | 多い | 多い |
過失割合 | 争いになりやすい | ||
後遺障害認定機関 | あり | なし | なし |
自転車事故と車の事故との慰謝料
慰謝料とは何か
まず、交通事故における慰謝料は、主に以下のように定義されます。
慰謝料
事故でのケガ等により辛い思いをすることになった精神的苦痛を填補するために支払われる金銭
慰謝料の種類や相場は変わらない
そして、事故でのケガ等により辛い思いをすることになった精神的苦痛は、自転車事故であっても自動車事故であっても変わらないので、
慰謝料の種類や相場は自動車事故の場合と変わらない
ことになります。
慰謝料は三種類
さらに、交通事故による慰謝料は大きく
- 傷害による慰謝料
- 後遺障害による慰謝料
- 死亡による慰謝料
の三種類に分けられます。
それぞれの慰謝料は別個に請求できるので、混同しないよう注意しましょう。
示談金や損害賠償金との関係は?
ここまでは、慰謝料についてご説明してきました。
ここからは、交通事故において、慰謝料と同じようによく聞く損害賠償金や示談金について説明していきたいと思います!
損害賠償金とは何か
まず、交通事故における損害賠償金は、主に以下のように定義されます。
損害賠償金
違法行為によって他人に与えた損害を填補(埋め合わせ)するために加害者から被害者に支払われる金銭
示談金とは何か
次に、交通事故における示談金は、主に以下のように定義されます。
示談金
当事者間の合意の上で、事件が解決したことを確認するために加害者から被害者に支払われる金銭
慰謝料との関係
各用語の定義は、ご紹介してきたとおりですが、定義を聞いても、慰謝料・損害賠償金・示談金の関係がよくわからない方もいるかもしれません。
慰謝料と損害賠償金の関係
先ほどもお伝えしたとおり、慰謝料とは精神的損害を填補(埋め合わせ)するために支払われる金銭のことです。
しかし、交通事故による損害は、精神的損害だけでなく、財産的損害もあり、損害賠償金は財産的損害を填補(埋め合わせ)するためにも支払われます。
つまり、慰謝料は、交通事故による損害賠償金の一項目であるという関係になります。
慰謝料と示談金の関係
慰謝料とは精神的損害を填補(埋め合わせ)するために支払われる金銭のことです。
そして、損害賠償金同様、示談金の算定に当たっては、精神的損害だけでなく、財産的損害も考慮されることになります。
つまり、慰謝料は、交通事故による示談金の一考慮要素であるという関係になります。
損害賠償金と示談金の関係
生じた損害を填補(埋め合わせ)できなければ、当事者間の合意の上で、事件が解決させるのは困難であることから、通常
交通事故の示談金とは、基本的に交通事故による損害賠償金の意味合いを持つことが多いです。
しかし、当事者間が合意さえすれば、その金額は、損害の填補に不足していても、反対に損害の填補に必要な金額以上でも構いません。
実際、当事者間で交通事故によって生じた損害賠償金に争いはあるが、早期解決のため、妥協して示談金が決定されることはあります。
つまり、損害賠償金は示談金を決定する上での指標のような関係にあるといえます。
中々複雑でわかりにくいかと思いますが、少なくとも
- 慰謝料以外にも受け取れる賠償金の項目がある
- 一度示談してしまうと、その後に慰謝料や損害賠償金を請求することはできない
ということだけは覚えておきましょう。
対象 | 関係 | |
---|---|---|
① | 慰謝料と損害賠償金 | 前者が後者の一項目 |
② | 慰謝料と示談金 | 前者が後者の一考慮要素 |
③ | 損害賠償金と示談金 | 前者が後者の指標 |
自転車事故の慰謝料の相場とは?
自転車事故の慰謝料の基礎知識を確認したところで、続いては、自転車事故の慰謝料の相場を確認していきたいと思います!
先ほどもお伝えしたとおり、事故による精神的苦痛は自転車事故もその他の交通事故も変わらないので、相場は通常の交通事故と同じになります。
また、相場という言葉はよく耳にしますが、一般的には次のように定義されます。
相場
ある物事について、社会通念上妥当とされる金額
そして、慰謝料の金額に争いが生じた場合、最終的には裁判により慰謝料金額が決定されることから、ここからは
裁判の場における慰謝料の相場
について、先ほどお伝えした慰謝料の種類ごとにご紹介していきたいと思います!
入通院慰謝料
打撲など軽傷の入通院慰謝料相場
まず、傷害による慰謝料は基本的に入通院期間に応じて金額が決まってきます。
そして、打撲やむちうちで他覚的所見のない場合など、比較的軽傷の場合の入通院慰謝料の相場は以下の表のとおりです。
骨折など重傷の入通院慰謝料相場
一方、骨折など、比較的重傷の場合の入通院慰謝料の相場は以下の表のとおりです。
お伝えしたとおり、傷害による慰謝料は、基本的に入通院期間に応じて金額が決まりますが、通院が長期にわたる場合には
実通院日数の3〜3.5倍
を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることがあります。
ただし、あくまで入通院期間が原則ですので、実通院日数の3〜3.5倍を通院期間として算定すると主張された場合、正当か弁護士に相談しましょう。
後遺障害慰謝料
自転車事故による脊髄損傷で麻痺が残る場合など、自転車事故でも後遺症が残ってしまうことがあります。
そういった場合、後遺障害申請というものを行い、第三者機関によって、残っている症状が後遺障害に該当するかを判断されます。
後遺障害が認定された場合、後遺障害の残存により、生活上の不便を強いられる等の精神的苦痛を補填するための後遺障害慰謝料が別途請求できます。
後遺障害には1級から14級までの等級があり、どの等級かによって、慰謝料の相場が決まります。
具体的な後遺障害の慰謝料の相場は以下の表のとおりです。
ただし、自転車事故の特徴のところでお伝えしたとおり、加害者が自転車の場合、車の損害保険料率算出機構のような
中立的な立場から後遺障害の有無及び等級を認定する機関は存在していません。
そのため、後遺障害の有無及び等級自体が通常の交通事故より争いになりやすい 点が、自転車事故と通常事故の違いといえます。
死亡慰謝料
自転車事故により死亡してしまった場合にも、被害者本人や遺族の精神的苦痛を補填するための慰謝料請求が認められます。
そして、死亡した場合の慰謝料の相場は以下の表のとおりであり、被害者の立場によって、相場の金額が変わってきます。
また、表の金額は、死亡してしまった被害者本人の慰謝料と遺族の慰謝料を合計した相場の金額になります。
ここまでご紹介してきた金額は、冒頭でお伝えしたとおり、裁判の場における相場の金額になります。
しかし、保険会社や加害者から提示される示談金は、ご紹介してきた相場の金額よりも低額であることが多いので注意が必要です。
弁護士に依頼した場合には、裁判をしなくてもご紹介した相場に近い金額で示談できることも多いので、まずは弁護士に相談してみましょう。
被害者の立場 | 金額 |
---|---|
一家の支柱 | 2800万 |
母親、配偶者 | 2500万 |
その他 | 2000万〜2500万 |
自転車事故の示談までの流れは?
流れ自体は他の類型の事故と同じ
ここまでで、自転車事故の慰謝料の相場についてはお分かりいただけたのではないかと思います。
しかし、実際に慰謝料を受け取るためには、示談や裁判をする必要があります。
そして、自転車事故の場合も、示談までの流れについては、基本的には他の交通事故の場合と変わりがありません。
交通事故における示談までの流れは大まかに以下の表のようになります。
自転車事故の場合の流れで違う点
もっとも、自転車事故の場合、他の交通事故の場合と異なる部分もあります。
まず、冒頭の自転車事故の特徴でもお伝えしたとおり、加害者が自転車の場合、後遺障害を認定してくれる中立的な機関がありません。
また、こちらも特徴のところでお伝えしましたが、自転車事故の場合、加害者が自転車の場合に、加害者が保険未加入の場合が多いです。
そのため、交渉相手は保険会社ではなく、加害者本人となることも多いです。
車と自転車の事故以外の類型は慰謝料回収が困難!?
自転車事故の類型のところでお伝えしたとおり、一言に自転車事故といっても、具体的にはいくつかの類型があります。
そして、車と自転車の事故の類型の場合には、慰謝料などの回収可能性も通常の交通事故と変わりがありません。
しかし、車と自転車の事故以外の類型の加害者が自転車となる自転車事故の場合、以下の点から慰謝料などの回収が通常より困難となります。
損害賠償金額に争いが生じやすい
後遺障害による損害
先ほどお伝えしたとおり、加害者が自転車の場合、中立的な立場から後遺障害の有無及び等級を認定する機関は存在していません。
そのため、被害者は、
医療記録などの資料を根拠に自身の後遺障害の有無や程度を主張
しますが、第三者機関が認定しているわけではないため、加害者側も容易には納得せず、後遺障害による損害賠償金に争いが生じやすくなります。
過失割合
また、冒頭の特徴のところでもお伝えしたとおり、自転車事故では過失割合に争いが生じやすいです。
過失割合は、最終的に支払われるべき損害賠償金額に影響するため、損害賠償金に争いが生じやすくなります。
示談金の支払方法が争われやすい
もっとも、程度の違いはあれ、損害賠償金額に争いが生じることがあるのは、通常の交通事故の場合も同様です。
しかし、加害者が車の交通事故の場合には、加害者側が任意保険会社に加入している場合が多いです。
そして、加害者側が任意保険会社に加入している場合、損害賠償金額がまとまりさえすれば、示談金として一括で支払う示談が通常可能です。
一方、加害者が自転車の交通事故の場合には、加害者側に使用できる保険がない場合も多いです。
その場合、損害賠償金額がまとまったとしても、加害者の資力の問題から、示談金の支払方法で別途争いが生じやすいです。
具体的には、賠償金が一括で払えないため、長期の分割払の提案が加害者からあるものの、被害者が了承せず示談に至らない場合も多いです。
裁判が効果的ではない場合もある
上記の流れの表のとおり、損害賠償金額や支払方法などが理由で、示談不成立となった場合には、裁判などをすることになります。
もっとも、通常の交通事故の場合でも、損害賠償金額や過失割合などの争点で折り合いがつかず、裁判に至る場合もあります。
しかし、加害者側が任意保険会社に加入している場合、裁判の結果、命じられた賠償金額については、任意保険会社から支払われます。
つまり、加害者側が任意保険会社に加入している場合、裁判は最終的な解決手段として効果的といえます。
一方、加害者が自転車の交通事故で、加害者側に使用できる保険がない場合、裁判で命じられた賠償金を加害者が任意で支払うとは限りません。
加害者が任意に支払わない場合、裁判の結果をもとに強制執行(差し押さえ)をすることになります。
しかし、強制執行(差し押さえ)の手続をとっても、加害者にお金がない場合には、実際に慰謝料などの賠償金を回収することはできません。
つまり、加害者側に使用できる保険がないことも多い自転車事故の場合、裁判が最終的な解決手段として必ずしも効果的ではないといえます。
理由 | 詳細 | |
---|---|---|
① | 損害賠償金額が争われやすい | ・後遺障害認定機関がない ・過失割合に争い生じやすい |
② | 示談金の支払方法が争われやすい | 加害者の資力の問題 |
③ | 裁判が効果的でない場合がある | 加害者の資力の問題 |
自転車事故の示談は弁護士や司法書士に頼むべき!?
このように、自転車事故の場合、示談までの流れに異なる部分もあり、慰謝料などの回収が通常よりも困難な場合が多いです。
では、自転車事故の示談交渉は、弁護士などの専門家に依頼したほうが良いのでしょうか?
弁護士に依頼をすれば
- 加害者本人との示談交渉を代理してくれる
- 争いが生じやすい過失割合について的確な主張をしてもらえる
- 後遺障害について的確な主張をしてもらえる
といったメリットがあります。
一方、弁護士に依頼しても加害者の資力の問題は残るため、回収できない可能性があり、弁護士費用を賄えないおそれがあるのがデメリットです。
なお、交通事故案件を多く取り扱う認定司法書士に依頼するという方法もありますが、140万円以下の案件に限られるという条件があります。
自転車事故の場合には、弁護士を依頼すべき必要性が通常の交通事故の場合よりも高いといえます。
一方で、通常の交通事故の場合よりも、賠償金が回収できず、弁護士費用を賠償金で賄えないリスクが高いという側面もあります。
両者をよく検討した上で、弁護士に依頼すべきか決定すべきですが、依頼したほうが良いかどうかも含めて一度弁護士に相談してみるといいでしょう。
弁護士 | 司法書士※ | |
---|---|---|
メリット | ・加害者本人との交渉代理 ・過失割合の的確な主張 ・後遺障害の的確な主張 ・事案の制限なく交渉可能 |
・加害者本人との交渉代理 ・過失割合の的確な主張 ・後遺障害の的確な主張 |
デメリット | ・費用の問題 ・賠償金回収できず費用賄えない可能性 |
・費用の問題 ・賠償金回収できず費用賄えない可能性 ・交渉できる事案が限定 |
※交通事故案件を多く取り扱う認定司法書士を想定
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自転車事故の慰謝料の相場自体は通常の場合と変わりませんが、後遺障害の認定や実際の回収可能性など異なる点もあります。
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まとめ
いかがだったでしょうか。
このページを最後までお読みの方は、
- 自転車事故の慰謝料は損害賠償金・示談金の一項目である
- 自転車事故の慰謝料の相場
- 自転車事故の示談までの流れは基本的には通常の事故と同じだが、自転車事故特有の部分もある
という点について、理解を深めていただけたのではないかと思います。
今すぐ、弁護士に相談した方が良いと思った方も多いハズです。
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また、このホームページでは、交通事故に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!
皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。
自転車事故の慰謝料についてのQ&A
自転車事故ってどんな事故?
自転車事故は①車と自転車の事故②自転車同時の事故③自転車と歩行者の事故に分類されます。そして、自転車相手に損害賠償を求める時は、特に注意が必要です。というのも、自動車には自賠責保険という強制加入の保険があり、限度はあるものの、必ずその保険から損害賠償金を受けとることができます。しかし、自転車の運転者には、法律で定められた強制加入保険はなく、何の保険にも入っていない可能性があるからです。 自転車事故とは|自動車事故との違いも解説
自転車事故は自動車事故より慰謝料が低い?
慰謝料の相場は自転車でも自動車でも変わりません。それは、慰謝料が交通事故での怪我などで負った精神的苦痛のことをいい、その苦痛は同じだからです。ちなみに「示談金」と「慰謝料」は違うものをさします。示談金は、損害賠償金のトータルのこといいますので、慰謝料だけではなく、物的被害(自転車等の修理費)も含みます。慰謝料は、示談金の一部なのです。 自転車事故の慰謝料|弁護士依頼時の相場
自転車事故は慰謝料の回収が難しいって本当?
加害者が自転車となる自転車事故の場合、慰謝料などの回収が通常より困難となるケースがあります。特に、加害者が保険に入っていない場合は慰謝料等について加害者本人と交渉しなければならないため、争いになってしまうことも少なくなりません。なお、車と自転車の慰謝料などの回収可能性については、通常の交通事故と同様です。 自転車相手の慰謝料回収が難しいワケ
自転車事故の示談は弁護士に頼むべき?
自転車事故の場合には、専門家に依頼すべき必要性が通常の交通事故の場合よりも高いといえます。示談までの流れがケースによって異なり、慰謝料などの回収も通常よりも困難な場合が多いからです。しかし、弁護士費用を賠償金で賄えないリスクもありますので、依頼したほうが良いかどうかも含めて一度弁護士に相談してみるといいでしょう。 示談交渉を弁護士に依頼するメリット
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。