子供が交通事故に…慰謝料相場は?追突事故で幼児が同乗者の場合は?

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子供が交通事故に…慰謝料相場は?追突事故で幼児が同乗者の場合は?

子供交通事故にあってしまったけど慰謝料相場は大人と何か違うの?」

「交通事故で子供に重い障害が残ってしまい、私たち夫婦はとても悲しんでいるけれど、その分の慰謝料は支払ってもらえないの?」

お子様が交通事故にあわれたことで辛い思いをなさっているのに、慰謝料のことまで考えなければならず、お困りの方もいらっしゃると思います。

お子様が交通事故に巻き込まれるというのは、はじめての方が多いでしょうから慰謝料が大人の場合と違いがあるかなんて知らなくて当然かと思います。

このページでは、そんな方のために

  • 交通事故の慰謝料は子供だと大人と何か違うか?
  • 交通事故の慰謝料を子供の家族がもらえることがあるか?
  • 弁護士に子供の慰謝料請求を任せるとどんなメリットがあるのか?

といった疑問を解消すべく、徹底的に調査してきました!

専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。

弁護士の岡野です。よろしくお願いします。

子供交通事故慰謝料相場が大人と何か違うのかという疑問にしっかり回答していきたいと思います。

慰謝料に関する疑問を解決することや弁護士に慰謝料請求を任せることでお子様の看護に専念できるようにしましょう。

子供と大人では、法律上扱いが違う場合があります。

では、交通事故慰謝料の場合には、子供と大人とで何か扱いが違うのでしょうか?

子供だと交通事故の慰謝料の相場は変わる?

子供だと交通事故の慰謝料の相場は変わる?

交通事故の同乗者が子供でも慰謝料はもらえる

慰謝料とは、精神的苦痛をなぐさめるために支払われる金銭の事をいいます。

そして、子供であっても、大人同様、交通事故にあえば、精神的に辛い思いをしますので、子供でも慰謝料はもらえることになります。

また、交通事故にあった際、同乗者に子供がいた場合、慰謝料は、同乗者の子供にも個別に発生します。

子供が未成年の場合、慰謝料請求は親権者である両親が行うことになります。

もっとも、両親は請求を代理して行っているに過ぎず、請求している慰謝料は同乗者である子供固有のものといえます。

慰謝料には三種類ある

そして、慰謝料は

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料

の三種類に分けられます。

それぞれの慰謝料は別個に請求できるので、混同しないよう注意しましょう。

入通院慰謝料の計算方法は原則同じ

入通院慰謝料とは

被害者が交通事故の怪我の治療のために入通院をしなければならなかった精神的苦痛をなぐさめるために支払われる金銭

のことをいいます。

そして入通院をしなければならなくなったことによる精神的苦痛の程度は子供でも大人でも変わらないので、

子供と大人とで入通院慰謝料の計算方法は原則同じ

といえます。

骨折等をした場合の入通院慰謝料の金額

具体的には、子供骨折等をして入通院した場合の慰謝料入通院期間を基礎に以下の表に基づいて計算されます。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

表の見方としては、たとえば入院を5ヶ月、通院を12ヶ月した場合には、280万円の入通院慰謝料が支払われることになります。

なお、上の表は裁判となった場合の基準になっています。

ご両親自身が保険会社に子供の慰謝料を請求した場合は、より低い任意保険基準で慰謝料が提示されることになります。

むち打ち等の場合の入通院慰謝料の金額

一方、他覚所見のないむち打ちや打撲によって、入通院した場合には以下の表が用いられます。

軽症・むちうちの慰謝料算定表

軽症・むちうちの慰謝料算定表

表の見方としては、たとえば入院はせず(入院0ヶ月)、通院を1ヶ月した場合には、19万円の入通院慰謝料が支払われることになります。

先ほどの表に比べて、金額がやや安くなっています。

入通院慰謝料の計算をする際には、症状に応じて表を使い分け、違う表の方で計算しないよう注意しましょう!

岡野弁護士、子供の入通院慰謝料に関し、実務上何か他に注意すべき点はありますか?

レポートにあるとおり、入通院慰謝料の計算方法自体は子供と大人とで違いはないです。

もっとも、子供は体が柔らかく、回復力が高いため、怪我の治りが早く、大人に比べて入通院期間が短くて済む傾向にあります。

それ自体は喜ばしいことですが、入通院期間を基礎に慰謝料が計算されるため、結果的に大人に比べて入通院慰謝料が少なくなる傾向にあります。

また、子供は病院などへの通院を嫌がったり面倒臭がったりすることがありますが

実際の通院日数が少ないと、通院期間を基礎に表で算出される金額よりも慰謝料が少なくなる

場合がありますので、慰謝料との関係では、子供にしっかりと通院させることが重要になります。

後遺障害慰謝料の相場も同じ

後遺障害慰謝料とは

事故によるケガが原因で後遺障害が残存したことにより、生活上の不便を強いられるなどの精神的苦痛に対して支払われる金銭

のことをいいます。

後遺障害が残存したことによる生活上の不便の程度は子供でも大人でも変わらないので、

後遺障害慰謝料の相場は同じ

といえます。

ただし、後遺障害が認定されると逸失利益という損害も請求できるところ、逸失利益は年齢が若いほうが高額になりやすいため

逸失利益の金額は子供のほうが大人より高くなる傾向

にあります。

死亡慰謝料の相場はやや低い

死亡慰謝料には二種類ある

死亡慰謝料とは

被害者の死亡に伴う精神的苦痛に対して支払われる金銭

のことをいいます。

死亡した場合の慰謝料には

  • 死亡してしまった被害者本人の慰謝料
  • 遺族の慰謝料

の二種類があります。

裁判基準の死亡慰謝料

裁判基準の死亡慰謝料は二種類を合計した金額であるところ、子供の場合

  • 家族の生活が主に被害者の収入で維持されている一家の支柱(主に父親)
  • 家庭の家事や育児の中心をなす母親

に比べて

家庭内で果たしていた役割が小さい

ことから死亡慰謝料の相場が両親よりやや低めの2000〜2500万と定められています。

上記の金額は裁判基準の金額ですので、保険会社からの提示額はもっと低い金額であることが多いです。

後ほど詳しく説明しますが、慰謝料請求を弁護士に任せると大幅な増額が期待できるので、示談する前に弁護士に相談することをおすすめします。

最後にここまで見てきた子供と大人を代表して両親との三種類の弁護士基準の慰謝料の表を作ってみましたので、ご参照下さい。

交通事故の慰謝料相場
子供 両親
入通院慰謝料 入通院期間を基礎に計算
後遺障害慰謝料 認定された等級に応じて一定額
死亡慰謝料 2000〜2500万 一家の支柱:2800万
母親:2500万

交通事故の慰謝料は子供の家族がもらえることも・・・

交通事故の慰謝料は子供の家族がもらえることも・・・

自賠責基準編

先ほどお伝えしたとおり、死亡した場合の慰謝料には

  • 死亡してしまった被害者本人の慰謝料
  • 遺族の慰謝料

の二種類があります。

そして、自賠責基準では、下記表のとおり、遺族の慰謝料を定めており、子供の両親固有の慰謝料が支払われます。

子供の遺族の死亡慰謝料の自賠責基準
請求権者 父母(養父母含む)
金額 1人の場合:550万
2人の場合:650万
3人以上の場合:750万

裁判編

また、裁判においては子供死亡したり、重度の後遺障害が残った場合、親族固有の慰謝料を認めているケースが見られます。

具体的な裁判例を表にまとめてみましたので、ご覧下さい。

子供の親族固有の慰謝料が認められた裁判例
事件番号 子供の年齢・被害 金額
東京地判八王子支部H19.9.19 8歳・死亡 両親:各200万
兄(11歳):100万※
東京地判H21.7.8 3歳・死亡 両親:各300万
兄(4歳):200万※
名古屋地判H22.6.4 6歳・死亡 両親:各200万
兄弟3名:各30万
同居の祖母:50万
非同居の祖父母:各30万
京都地判H24.10.24 5歳・死亡 両親:各300万
弟:100万
名古屋地判H24.11.27 5歳・死亡 両親:各300万
姉:100万
鹿児島地判地鹿屋支部H21.1.29 15歳・2級1号(高次脳機能障害) 両親:各150万
妹:50万
福岡地判H22.7.15 19歳・2級1号(高次脳機能障害) 両親:各200万
兄弟3名:各80万

※事故や事故直後の被害者を目撃

これらの裁判例では両親固有の慰謝料として各150万〜300万円ほど認められています。

また、兄弟姉妹にも30〜200万の固有の慰謝料がみとめられています。

さらに、祖父母にも固有の慰謝料を認めた裁判例もあります。

反対にいうと、保険会社は、子供のご両親による裁判前の示談交渉では親族固有の慰謝料を認めない傾向にあります。

死亡事例や重度の後遺障害事例では、裁判まで行かなくても、弁護士に慰謝料請求を任せることで、親族固有の慰謝料が認められる場合もあります。

死亡事例や重度の後遺障害事例では、示談する前に弁護士に相談だけでもしてみることをおすすめします。

弁護士に子供の慰謝料請求を任せるとどんなメリットがあるの?

弁護士に子供の慰謝料請求を任せるとどんなメリットがあるの?

慰謝料額が大幅に増額!

子供のご両親がいくら精神的苦痛の大きさを強く訴えても、残念ながらそのことで慰謝料は増額しないようです。

一方、弁護士に子供の慰謝料請求を任せると、裁判をしなくても裁判基準を基礎にした示談ができ、慰謝料額が大幅に増額するようです!

弁護士が交渉する場合、示談が成立しなければ裁判を提起することになります。

そして、裁判が提起されれば、過去の判例を基礎に作成された裁判基準の金額の判決が出る可能性が高いです。

そのため、どちらにせよ支払う金額が変わらないのであればということで、相手方保険会社は、弁護士が交渉すると

裁判をしなくても裁判基準を基礎にした示談

に応じるのです。

慰謝料以外にもこんなメリットが・・・

さらに、損害賠償の項目は慰謝料以外にもあり、弁護士に依頼すると

介護費用・休業損害・逸失利益

といった項目も大幅に増額する可能性があります。

また、弁護士に依頼すれば、

煩わしい相手方保険会社とのやりとりからも逃れられる

ため、ご両親は子供の看護に専念することができます。

そして、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求するには後遺障害等級が認定される必要がありますが、弁護士に依頼した方が

適切な後遺障害申請ができ、後遺障害等級認定の可能性が高まる

などのメリットもあります。

弁護士費用特約を使用できる

場合には、弁護士費用の負担なく弁護士に依頼する事が可能ですので、弁護士に依頼すべきでしょう。

また、弁護士費用特約が使用できない場合でも

  • 死亡事故や後遺障害が認定されている交通事故
  • 長期の入院をした交通事故

の場合には、増額の幅が大きく、弁護士費用を差し引いてもお手元に残る金額が増える可能性が高いので、弁護士に依頼すべきでしょう。

弁護士に相談してみれば、増額の見込と弁護士費用を教えてくれることも多いので、まずは相談だけでもしてみましょう。

弁護士に任せることによる違い
両親で交渉 弁護士に任せる
相手方との交渉 時間的・心理的負担 負担から解放
子供の看護 交渉等に時間取られ専念できない 専念できる
慰謝料 相手方の提示が基本 大幅に増額
慰謝料以外の損害 ・介護費用
・休業損害
・逸失利益
等も大幅に増額
後遺障害等級認定 不十分な申請の可能性 適切な申請が可能
弁護士費用 なし ・あり
・弁護士特約なら実質負担なし

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最後に一言アドバイス

では、岡野弁護士、最後にまとめの一言をお願いします。

子供交通事故慰謝料は大人とあまり変わりありませんが、弁護士に請求を任せることで大幅な増額が見込めることがあります。

弁護士に請求を任せることによりお子様の看護に専念できるなどのメリットもありますので、まずは弁護士に相談だけでもしてみましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

このページを最後までご覧になってくださった方は

  • 交通事故の慰謝料は子供でも大人と基本的には同じだが違う部分も若干ある
  • 死亡事故や重度の後遺障害が残る事故の場合、家族固有の慰謝料がもらえる場合がある
  • 弁護士に慰謝料請求を任せると慰謝料の大幅な増額子供の看護に専念できるといったメリットがある

ことについて、理解が深まったのではないでしょうか。

このページだけではわからなかったことがあるという方は

も利用してみてください。

このページが、少しでもお子様が交通事故に遭われた方のお役に立てれば何よりです。

子供の慰謝料についてのQ&A

子供が交通事故に巻き込まれた場合の慰謝料は?

子供であっても大人同様に交通事故にあえば、慰謝料は発生します。また、交通事故で同乗者に子供がいた場合も、慰謝料は個別で発生します。請求している慰謝料は子供固有のものですが、親権者である両親が子供の代理人として慰謝料請求を行うことになります。 子供の交通事故での慰謝料相場

子供の慰謝料を家族がもらえることもある?

裁判では、交通事故で子供が死亡、もしくは重度の後遺障害が残った場合、両親だけでなく兄弟姉妹や祖父母など親族固有の慰謝料を認めているケースが見られます。一方で、保険会社は示談交渉において親族固有の慰謝料を認めない傾向にあります。 子供の慰謝料を家族がもらえる場合

子供の慰謝料を弁護士に相談するメリットは?

弁護士に依頼するメリットは、4点あります。①裁判をしなくても裁判基準を基礎に示談でき、子供の慰謝料増額の可能性が出てくる、②介護費用・休業損害・逸失利益も大幅に増額の可能性がある、③相手方保険会社との交渉を弁護士に一任でき、子供の看護に専念できる、④適切な後遺障害申請ができ、子供の後遺障害等級認定の可能性が高まる、というものです。 弁護士に子供の慰謝料を任せるメリット

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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