子供の怪我|交通事故慰謝料の相場は?|計算方法の弁護士解説
もし大きなケガを負ってしまった場合、長い間ずっと怪我と付き合っていかなければならなかったり、重大なトラウマが残ったりするなど、非常に酷な経験をさせてしまうことになります。
子供の場合、どのようにして慰謝料が計算されるのか、また、相場はどのくらいなのか等さまざまな疑問について見ていきましょう。
目次
交通事故で子供がもらえる慰謝料の種類とは?
子供が受け取れる慰謝料の種類
交通事故で子供が受け取れる慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料があります(事故により子供が死亡してしまった場合の慰謝料については、こちらの記事をご覧ください)。
入通院慰謝料は、交通事故で入通院の苦痛を強いられた精神的苦痛に対する慰謝料です。
後遺障害慰謝料は、交通事故で後遺障害を負ってしまった精神的苦痛に対する慰謝料です。
事故の被害者が子供でも、金額は大きく変わらない
入通院慰謝料や後遺障害慰謝料は、実務上、法律雑誌である「赤い本」に記載されている相場をもとに、金額が決定されています。
「赤い本」によれば、入通院慰謝料は入通院の日数、後遺障害慰謝料は後遺障害等級に基づいて相場が決定されるため、被害者の年齢は特に考慮されません。
そのため、慰謝料に関しては、子供と大人の間に大きな違いはありません。
両親は慰謝料を受け取れないの?
子供が交通事故に遭ってしまった場合、両親の精神的苦痛に対し、慰謝料が生じる場合もあります。
民法711条によれば、子が死亡してしまった場合、その両親は、子に生じる慰謝料とは別に、固有の慰謝料を受け取ることができます。
そして、判例上、子が死亡していなくとも、711条を類推適用して、固有の慰謝料が生じる場合があるとされています。
しかし、子が死亡していない場合に、両親に固有の慰謝料が生じるためには、子が死亡した場合と同等と認められる精神的苦痛が認められることが必要とされています。
そのため、事故により植物状態になってしまった場合などを除き、固有の慰謝料は認められないことが多いでしょう。
子供が受け取れる慰謝料の種類 | ・入通院慰謝料 ・後遺障害慰謝料 |
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被害者が子供である場合の慰謝料金額 | 大人の場合と大きくは変わらない |
両親が慰謝料を受け取れる場合 | 子が死亡した場合、または子が死亡した場合と同等と認められる精神的苦痛が認められる場合 |
子供が受け取れる逸失利益の計算方法は?
逸失利益とは
逸失利益
逸失利益とは、交通事故の後遺障害により、将来得られたであろう利益が得られないと判断された場合の、得られなくなった利益のことをいいます。
逸失利益の計算方法
逸失利益は、
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
という計算式で決定されます。
以下、子供の逸失利益で特に問題となる、基礎収入の算定方法と労働能力喪期間について解説していきます。
就職前の子供の基礎収入の算定方法
基礎収入は、基本的に、事故前の収入を基本に計算をしますが、就職前の子供は、事故前の収入が観念できません。
そのため、賃金センサス(賃金構造基本統計調査)に記載されている、平均賃金額をもとに計算されることが一般的です。
なお、平均賃金額よりも高額な収入を得る蓋然性がある場合(大学進学がほぼ確実であった場合など)には、より高額な基礎収入(大卒者を基準とした平均賃金など)で計算されることもあります。
子供の労働能力喪失期間
一般的な就労開始時期
子供の労働能力喪失期間は、18歳から就労を行うとして、18歳からが基準となります。
就労可能期間とは?
そして、一般的に、労働能力喪失期間は67歳まで続くと考えられている(その間に治癒が見込める場合にはその時期までになります)ことから、49年間の労働能力喪失が認められることが一般的です。
もっとも、大学進学が確実で、就労が18歳から開始されない場合などには、大学卒業からの期間を基準に計算する場合もあります。
逸失利益とは | 交通事故の後遺障害により、将来得られたであろう利益が得られないと判断された場合の、得られなくなった利益 |
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就職前の子供の基礎収入の算定方法 | 賃金センサス(賃金構造基本統計調査)に記載されている、平均賃金額をもとに計算されることが一般的 |
子供の労働能力喪失期間 | 18歳からが基準となるのが原則 |
子供が事故の被害者である場合の過失割合とは?
被害者が子供である場合の過失割合
過失割合
そもそも、過失割合とは、その事故の責任が双方にどの程度あるかを示すものです。そして、賠償金の額は、被害者の過失割合に応じて、減額されます。
子供の場合の過失割合
交通事故の過失割合は、「赤い本」に、基本的な考え方が記載されており、実務上も多くの裁判例がこの考え方にのっとって判断しています。
「赤い本」によれば、事故被害者が児童や幼児である場合、通常の過失割合よりも、被害者の過失割合が5~20%程度低く判断されます。
これは、子供は不注意に交通事故の危険がある行動をとりやすいため、車などを運転する大人に、より高度な注意義務を課したものといえるでしょう。
何歳の子供でも、過失割合は認められるの?
判例上、過失割合が認められるためには、子供に事理弁識能力が必要とされています。
事理弁識能力とは、自分の行為の結果を認識するに足りる能力のことをいい、おおよそ4~5歳から認められるとされています。
しかし、4~5歳もあくまでおおよその年齢であり、子供が事理弁識能力を有しているか否かは、個別具体的な事情を加味して判断します。
親の過失も過失割合で考慮されるの?
親に過失が認められる場合、例えば、親がきちんと注意していれば子の飛び出しを防げたにもかかわらず、これを怠った場合などには、親の過失が過失割合で考慮されます。
事理弁識能力を有しない子供
子供が事理弁識能力を有していない場合、子供に過失割合は認められないため、親の過失が考慮されます。
事理弁識能力を有する子供
そして、子供が事理弁識能力を有している場合でも、子供本人の過失割合に加え、親の過失が考慮されることが一般的です。
このように、親の過失も、賠償金の金額に大きな影響を与えます。
被害者が子供である場合の過失割合 | 通常の過失割合よりも、被害者の過失割合が5~20%程度低く判断されることが多い |
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過失割合が認められる子供の年齢 | 一般的に4~5歳からといわれているが、個別具体的な事情を加味して判断 |
親の過失の考慮の有無 | 基本的に考慮される |
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いかがでしたか?
この記事をお読みの方には、「子供の怪我|交通事故慰謝料の相場は?|計算方法の弁護士解説」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないかと思います。
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この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
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