交通事故で骨折…慰謝料の相場はいくら?入院・治療期間でもらえる額に差が!?
ここでは、骨折をした場合の慰謝料の相場や後遺障害の種類についてわかりやすく解説していきます。
目次
交通事故による骨折の基礎知識
骨折の種類
開放性骨折(複雑骨折)
俗に「複雑骨折」と言われているものですが、病院の診断では「開放性骨折」という言葉も使われています。
「複雑骨折」と聞くと、皮膚の下で骨が複雑に折れてしまったようなイメージを持たれる方が多いかと思います。
実際にはそのイメージとは異なり、折れた骨が皮膚を突き破り体外に露出してしまっている状態のことをいいます。
その際、折れた骨によって神経や周辺筋肉等の皮下組織を傷つけてしまっており、また出血による細菌感染の危険もあるため、早急に処置を受ける必要があります。
単純骨折
「単純骨折」は、先ほどの「開放性骨折(複雑骨折)」とは逆とも言える骨折であり、体内で骨折が起きているもので、閉鎖性骨折や皮下骨折ともいいます。
開放性骨折よりも比較的軽いイメージがありますが、実際には体内で皮下組織を傷つけてしまっている可能性があるため、早急に治療を受けることが大切になります。
圧迫骨折
圧迫骨折は、外傷や椎骨の衰弱によって引き起こされる脊椎を押しつぶしたような状態で骨が折れてしまう骨折です。
特に高齢者や骨粗しょう症の患者さんに多いとされていますが、交通事故でも腰椎圧迫骨折となることは比較的多いようです。
はく離骨折
はく離骨折とは、腱や筋肉が強い力で引っ張られたり捻られたりすることで、腱や筋肉と骨との接合部が剥がれてしまう骨折のことをいいます。
通常の骨折とは異なり、動かすことができるので、捻挫や突き指だと勘違いされ、数日間あるいは数か月間放置されてしまうことがあります。
粉砕骨折
粉砕骨折とは、何らかの強い衝撃を受けたことにより、複数の骨折線と骨片の存在する骨折のことで、骨折の中でも症状が重いものといわれています。
交通事故などによる外傷で起こることが多く、車内で圧迫されることで、粉砕骨折する方もいます。
また、粉砕した骨によって神経などの周辺部位も傷つけているため、痛みも非常に強く、入院や手術、リハビリなどを行うこともあるため、治療期間も長いとされています。
骨折後の症状経過と治療法
骨折をした際、激しい痛みとともに骨折部周辺が腫れたり、内出血が起こったります。
また、骨が曲がるなど変形していたり、骨が癒合せず、関節以外の場所で骨が動いてしまう異常可動性がみられたりすることもあります。
骨折の治療法は、骨がずれているかどうかなど、骨折の状況によって異なります。
ずれていなければそのまま固定し手術を行わない保存療法を行い、ずれていれば手術や整復によって骨を正しい位置に戻してから、固定します。
固定の方法には、一般的なギプス固定や固定、手術によって金属のピンやワイヤーなどを用い体内で骨を固定する方法などがあります。
骨折の種類 | 主な治療法 |
---|---|
開放性骨折 | ・止血あるいは手術による傷の処置 ・ギプスや石膏、手術等による固定 |
単純骨折 | ・ギプス等による固定 |
圧迫骨折 | ・コルセット等による固定 |
はく離骨折 | ・ギプス等による固定 ・薬物療法(非ステロイド消炎鎮痛薬) |
粉砕骨折 | ・ギプスや副木、複数回の手術による固定 ・針灸治療等によるリハビリ |
交通事故で骨折しやすい部位とは?
交通事故では大きな衝撃を受けるので、さまざまな骨折を引き起こしてしまいます。その中でも特に骨折しやすい部位をご紹介します。
鎖骨骨折
落下などの原因が多く、肩関節周辺の骨折の中で鎖骨骨折が約70%を占めています。
手首骨折
バイク事故では、転倒により手をついた際に手首骨折をすることが多いといわれています。
肘頭骨折
転倒などにより起こり、粉砕骨折になることが多いといわれています。
大腿骨骨折
バイクと車の接触事故や、歩行中に車とぶつかり転倒し、太ももを打ってしまった場合など、太もも部分に強い衝撃が加わった場合には大腿骨骨折をすることが多く、力の加わり方によっては神経や血管を損傷してしまう場合もあります。
足首骨折
バイク事故では、転倒の際に足首骨折をすることも多く、同時に靭帯を損傷してしまうこともあり、骨のずれが大きい場合は変形がみられます。
骨折した場合の慰謝料・示談金の相場は?
傷害慰謝料の相場
傷害慰謝料とは
傷害慰謝料とは、交通事故により負った骨折などの怪我の治療や手術のため、入通院せざるを得なくなった精神的苦痛に対する賠償金のことです。
傷害慰謝料の計算方法
傷害慰謝料は、基本的に入院・治療期間を基礎に計算されます。
そのため、入通院慰謝料とも呼ばれます。
具体的な骨折をした場合の傷害慰謝料の相場は以下のとおりです。
出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/santeihyo1_sp.png
この算定表は、横軸が入院期間、縦軸が通院期間となっています。
ご覧頂くとわかりますが、同じ治療期間でも、入院していた方が、通院していた場合よりも慰謝料の額が大きくなります。
なお、治療期間は長期に及ぶものの通院日数が少ない場合には、実通院日数の3.5倍を治療期間(通院期間)として慰謝料が計算される場合があるので、注意する必要があります。
後遺障害慰謝料の相場
後遺障害慰謝料とは
後遺障害慰謝料とは、交通事故により負ってしまった怪我が治療の甲斐なく痛みなどが残ってしまったことについて、後遺障害等級の認定を受けたものに対して支払われる慰謝料のことをいいます。
後遺障害慰謝料の計算方法
後遺障害慰謝料の金額は、等級を基礎に計算されますが、その支払い基準は3つあります。
法律で自動車の運転手が必ず入るよう定められている「自賠責保険」での基準と、加入が強制ではない「任意保険」での基準、また弁護士が介入した場合に用いられる「弁護士基準」の3つです。
下記表を見ても分かるように、各基準によって金額は大きく異なり、弁護士基準が圧倒的に高い金額であることが分かります。
弁護士に相談することで多くの慰謝料をもらうことが可能になるので、すぐに相談することをおすすめします。
等級 | 自賠責基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|---|
1級 | 1100万円 | 1300万円 | 2800万円 |
2級 | 958万円 | 1120万円 | 2370万円 |
3級 | 829万円 | 950万円 | 1990万円 |
4級 | 712万円 | 800万円 | 1670万円 |
5級 | 599万円 | 700万円 | 1400万円 |
6級 | 498万円 | 600万円 | 1180万円 |
7級 | 409万円 | 500万円 | 1000万円 |
8級 | 324万円 | 400万円 | 830万円 |
9級 | 245万円 | 300万円 | 690万円 |
10級 | 187万円 | 200万円 | 550万円 |
11級 | 135万円 | 150万円 | 420万円 |
12級 | 93万円 | 100万円 | 290万円 |
13級 | 57万円 | 60万円 | 180万円 |
14級 | 32万円 | 40万円 | 110万円 |
骨折による後遺障害とは?
骨折による後遺障害には、欠損障害、短縮障害、機能障害、変形障害、神経障害の5つの種類があります。
欠損障害
上肢や下肢の全部または一部を失うことをいいます。
短縮障害
事故前よりも、足や腕の長さが短くなってしまうことをいいます。
機能障害
骨の癒合がうまくいかず、関節の可動域制限が起きてしまっていることをいいます。
変形障害
上肢または下肢に偽関節または長管骨に癒合不全を残すものなどをいいます。偽関節とは、骨折部が癒合せず、関節がない部分が曲がってしまうことです。
神経障害
骨折部位に痛みやしびれなどが残ることをいいます。
骨折による示談金の相場
骨折した場合に受け取れる慰謝料は示談金の一部に過ぎず、骨折により仕事を休み減収があれば休業損害を、後遺障害が認定されれば、後遺傷害慰謝料とは別に後遺障害逸失利益が示談金として受け取れます。
これら骨折した場合の示談金の相場は当サイトの慰謝料計算機で簡単に確認することができます。
骨折した場合に慰謝料をいくらもらったかの実例を知りたい方へ
上記の慰謝料や示談金はあくまで相場であり、実際にいくらもらったかは人により当然違いがあります。
当サイトでは、交通事故で多い鎖骨骨折で慰謝料・示談金をいくらもらったかや圧迫骨折で慰謝料・示談金をいくらもらったかの実例を多数紹介しています。
骨折の慰謝料・示談金を増額するポイント
先ほど紹介した傷害慰謝料の表は、「弁護士基準」の金額になります。
保険会社は傷害慰謝料を相場よりも低い金額で提示してくることがほとんどです。
提示してきた金額から相場近くの金額まで慰謝料を増額させるには、弁護士への依頼がもっとも確実です。
また、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を受け取るには、適切な後遺障害の等級認定を受ける必要があります。
適切な後遺障害の等級認定を得るとなると、法律的な知識はもちろん、医療の知識や保険の知識等多くの専門的な知識が必要になります。
この点、交通事故に強い弁護士であれば、必要となる専門的な知識を備えています。
さらに、交通事故に遭ってしまうと、心身共にストレスを感じてしまうと思います。
その中で、ご自身で書類の作成や手続き、交渉等を行っていくとなるとさらなる負担になってしまいます。
交渉のプロである弁護士に依頼することで、煩わしい手間から解放されるというメリットもあります。
悩むまえに、まず一度弁護士にご相談することをおすすめします。
弁護士に依頼するメリット | 慰謝料の増額 |
---|---|
適切な等級認定取得 | |
手間からの解放 |
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いかがでしたか?
この記事をお読みの方には、「交通事故で骨折・・・慰謝料はどのくらい?骨折の種類と慰謝料を徹底解説!」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないかと思います。
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交通事故で骨折についてのQ&A
交通事故で骨折しやすい箇所は?
鎖骨骨折が全体の70%にのぼるそうです。そのほか、バイク事故の転倒で多い手首骨折や、肘頭骨折・大腿骨骨折・足首骨折などがあげられます。交通事故は、落下・転倒・接触などで身体の様々な部位に骨折を引き起こす可能性があります。 交通事故による骨折の基礎知識
交通事故で骨折したらどんな慰謝料がもらえる?
①傷害慰謝料:入院・治療期間を基礎に計算された精神的苦痛に対する賠償金、②後遺障害慰謝料:交通事故の後遺障害の等級に応じて計算された精神的苦痛に対する賠償金の2種類があります。二つとも計算基準が異なるので注意が必要です。 骨折した場合の傷害慰謝料の相場を解説
交通事故で骨折した時の後遺障害慰謝料は?
後遺障害慰謝料は、後遺障害に認定された時のみ、認定等級によって算定されます。算定基準には、自賠責保険の基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあり、弁護士基準で算定する時最も相場が高くなります。ちなみに、骨折による後遺障害には、欠損障害、短縮障害、機能障害、変形障害、神経障害の5つの種類があります。 骨折した場合の後遺障害慰謝料の相場
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この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
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