【鎖骨骨折の後遺障害】等級の認定基準や慰謝料の相場について弁護士が解説

  • 鎖骨骨折,後遺障害
  • 50|5762文字

弁護士事務所の掲載順と弁護士の力量とは無関係です。相性を考慮して、ご自身に合った弁護士をお探しください。

この記事の内容をまとめると以下の通りです

鎖骨骨折は比較的治りやすい怪我だが、「可動域制限」「変形障害」「神経障害」などの後遺障害が残ってしまう可能性もある。

交通事故による鎖骨骨折では、「8級~14級」の後遺障害等級が認定される可能性がある。

後遺障害等級が認定された場合、弁護士を付ければ、等級に応じて110万円~830万円の慰謝料を受け取れる可能性がある。

交通事故による鎖骨骨折後遺障害が残り、等級の認定や慰謝料について不安をお持ちの方は、ぜひご一読ください。

岡野武志弁護士
交通事故と刑事事件を専門とするアトム法律事務所の代表弁護士。

鎖骨は、交通事故やスポーツ中の衝撃などで骨折してしまいやすい骨です。

治療を続け、完治すれば良いですが、残念ながら後遺障害が残ってしまうこともあり得ます。

その場合、どのような対応をすれば良いのか…治療法なども含め、ここから一緒に見ていきましょう。

鎖骨骨折の基礎知識~症状や治療法とは~

鎖骨骨折の基礎知識~症状や治療法とは~

鎖骨は、胸骨と肩甲骨の間にある棒状の骨で、肩関節や腕の動きを安定化させるという役割を担っています。

その他にも、肩関節や腕を胸部から離れた位置に保ち、肩関節や腕の自由な動きをサポートし、その可動域を広げるという役割も担っています。

一方、鎖骨は骨折することが多い骨としても知られているようですね。

鎖骨に直接的な衝撃を受けたり、転んで肩や肘を地面に着くなど、間接的な衝撃でも骨折する可能性があるとのことです。

鎖骨骨折の症状

もしも鎖骨骨折を負ってしまった場合の症状は、以下のようになっています。

●主な症状

 〇肩の腫れ、痛み、動かしづらさ

●重症の場合には、折れた鎖骨が皮膚の外に飛び出ることもある(開放骨折)

上記のような症状がある場合には、病院の整形外科を訪ねることをお勧めします。

病院では、医師による触診や、レントゲンによる画像検査で骨折の有無が確認されます。

感覚障害などがある場合には、MRIで神経が切れていないかを調べることもあるそうです。

鎖骨骨折の治療法

そして、骨折していることがわかった場合、主な治療法は以下の通りです。

●主な治療

 〇保存療法:三角巾もしくは専用の装具で肩を固定する

 〇手術:プレート固定術、ワイヤー固定術(折れた骨をつなぐ)

 〇リハビリテーション:肩の働きを改善し日常生活に必要な動きができるようにする

●長期的な経過

 〇骨が元のようにくっつくまでには、整復や手術の後から4-12週かかることが一般的

 〇骨折する前のレベルまで治ることが多い

鎖骨は全身の骨の中でも、特に骨の形成能力が高い骨なのだそうです。

よって、折れた鎖骨を本来の位置に戻し、動かさないようにするだけで自然と回復するそうです。

骨折の仕方が複雑であったり、スポーツ選手などのように早期の回復を希望する場合には、手術が行われます。

その後は、

周辺の筋肉の緊張をほぐす

筋肉を回復する

ためにリハビリが行われます。

特に、筋力が回復していない場合、ちょっとした衝撃でも再び鎖骨を骨折してしまうことがあり得ます。

よって、筋力の回復が最優先となるそうです。

交通事故による鎖骨骨折の後遺障害の等級認定基準

交通事故による鎖骨骨折の後遺障害の等級認定基準

上記のような治療を受け、骨折が関節すれば良いですが、残念ながら後遺障害が残ってしまう可能性があるということでした…。

では、鎖骨を骨折してしまった場合、どのような後遺障害が残ってしまうのでしょうか。

鎖骨骨折の場合、

肩の可動域制限

骨の形が変形したままになってしまう変形障害

痛みなどが残ってしまう神経障害

が挙げられます。

そして、後遺障害が残ったことに対する損害賠償を受けるためには、等級の認定を受ける必要があるということです。

その等級についても一緒に見てみましょう。

鎖骨骨折の後遺障害①:肩関節の可動域制限

鎖骨は肩甲骨を通じて肩の関節に繋がっています。

よって、鎖骨が骨折してしまうと、肩関節の可動域が制限されてしまうことがあるようです。

この場合、

可動域の制限の程度

人工関節などの使用の有無

などにより、認定される等級が異なってきます。

等級の認定基準は以下の表の通りということです。

鎖骨の可動域制限での等級認定基準
126
・肩関節の可動域が通常の75%以下
1010
・肩関節の可動域が通常の50%以下
・人工関節などを挿入・置換した
86
・肩関節が強直している
・肩関節が麻痺、または可動域が通常の10%未満
・人工関節などを挿入・置換した関節の可動域が通常の50%以下

鎖骨骨折の後遺障害②:変形障害

鎖骨を骨折し、その癒合(折れた骨同士がくっつくこと)がうまくいかなかった場合など、鎖骨が変形したままになってしまうケースが考えられます。

それが、変形障害です。

鎖骨の変形が後遺障害として認められるためには、その変形が「著しい変形」であると認められる必要があります。

「著しい変形」とは、裸体となった際、明らかに変形していることが確認できる程度のものとなっています。

等級の認定基準は以下の表の通りになっています。

鎖骨の変形障害での等級認定基準
125
鎖骨に著しい変形が認められる

鎖骨骨折の後遺障害③:神経障害

骨折してしまった部分が癒合した後に、鎖骨周辺に痛み痺れが残ってしまうケースもあるそうです。

そういった場合は、神経障害として後遺障害等級が認定される可能性があります。

神経障害では、その症状が、

鎖骨の骨折が原因であると医学的に証明できるか、説明できるのみか

によって、後遺障害の等級認定結果が変わってきます。

等級の認定基準は以下の表の通りということです。

鎖骨の神経障害での等級認定基準
149
神経症状が鎖骨の骨折によるものと医学的に説明できる
1213
神経症状が鎖骨の骨折によるものと医学的に証明できる

鎖骨骨折の後遺障害に対する慰謝料の相場

鎖骨骨折の後遺障害に対する慰謝料の相場

そして、後遺障害等級が認定された場合には、慰謝料逸失利益といった損害賠償を受け取ることができます。

適正な慰謝料獲得に向けて知っておきたい3つの基準

ところで、慰謝料には、

自賠責保険に請求する場合

任意保険会社が提示する場合

弁護士が相手側や保険会社に請求する場合

の3つの基準が存在しているそうなのです。

慰謝料金額の3つの基準
自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準
内容 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの 営利企業の保険会社が支払うもの 弁護士を付けて裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの
金額 金額は低め 自賠責基準よりは高いが、金額は低め 自賠責基準や任意保険基準よりも高い

後遺障害慰謝料の相場

慰謝料には3つの基準があるとわかったところで、それぞれの基準ごとの慰謝料の相場は以下の通りとなっています。

鎖骨骨折に対する後遺障害慰謝料(単位:万円)
等級 自賠責基準※1 任意保険基準※2 弁護士基準
8 324 400 830
10 187 200 550
12 93 100 290
14 32 40 110

※1 被扶養者がいる場合や要介護の場合には金額が異なるケースがある。

※2 旧任意保険支払基準による。

一目瞭然ですが、しっかりとした補償を受けるためには、弁護士基準での慰謝料を受け取るべきですよね。

しかし、被害者ご本人だけで保険会社と交渉しても、低い示談金しか提示してもらえないことがほとんどということです。

一方、加害者が任意保険に入っている場合には、弁護士に依頼して交渉してもらうと、弁護士基準の慰謝料を回収できることがほとんどです。

弁護士基準の慰謝料を獲得するためにも、ぜひ弁護士相談いただければと思います。

逸失利益の計算方法

ちなみに、逸失利益の計算方法は以下のようになっています。

後遺障害逸失利益

(基礎収入)×(労働能力喪失率)×(労働能力喪失期間に対応する中間利息控除係数)

それぞれの項目の意味は以下の通りです。

逸失利益の計算方法の項目と意味
項目 意味
基礎収入 後遺障害が残らなければ、得られていたであろう収入
労働能力喪失率 後遺障害が残ったことによる減収の割合
労働能力喪失期間 後遺障害によって減収が発生する期間
中間利息控除係数 逸失利益を症状固定時の金額にするための係数

労働能力喪失率については、等級に応じて以下のように定められています。

後遺障害等級ごとの労働能力喪失率
等級 労働能力喪失率
8 45
10 27
12 14
14 5

労働能力喪失期間については、原則として就労可能な年齢を67歳として終期を一律に定めています。

また、中間利息控除係数については、基本的にライプニッツ係数が用いられています。

逸失利益の計算方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧になってみてください。

そして、逸失利益についても保険会社は何かと理由を付け、喪失期間を短くしたりすることで、低い金額を提示してくることが多いそうです。

保険会社からの提示額が妥当なものなのかどうか、不安がある場合には、弁護士に相談だけでもしてみてくださいね。

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以上、鎖骨骨折後遺障害に対する等級認定や慰謝料について理解を深めていただけたでしょうか。

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それでも残念ながら鎖骨に後遺障害が残ってしまった場合や残ってしまいそうな場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら、普段の生活に支障をきたすような後遺障害が残る場合は、適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、改めて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

鎖骨骨折後遺障害の等級認定基準

鎖骨骨折の後遺障害に対する慰謝料の相場

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

しっかりと慰謝料や逸失利益を受け取るためにも、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

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