弁護士が解説|交通事故による肘の骨折の後遺症に対する慰謝料の相場はコレ!!

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弁護士が解説|交通事故による肘の骨折の後遺症に対する慰謝料の相場はコレ!!

交通事故の被害者になってしまった…。

骨折したりして、障害が出てしまうことがあります。

すると、日常生活や仕事に大きな支障が出てきてしまい、大変ですよね。

それが利き腕だった場合、さらに負担は増してしまうでしょう。

そのように、以前のような生活ができなくなってしまったが、

  • 肘や上腕の障害は、交通事故の後遺症として認定されるの?
  • その場合の後遺症認定の等級や認定基準は?
  • 適正な慰謝料相場とは?

と、わからないことがたくさんありますよね。

このページでは、そのような悩みや、純粋な疑問をお持ちの方に向けて!

後遺症の種類や慰謝料の相場などについてご紹介していきたいと思います。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

肘や前腕に後遺症が残れば、周りの方の助けを借りないと日常生活が送れなくなってしまうケースもあります。

ご本人やご家族の方にとっても負担は大きいものです。

今回は、これまでに受けてきた相談の中から、具体的な事例も紹介しつつ、解説していきたいと思います。

ところで、話は少し逸れますが…毎年やってくる夏の甲子園の季節。

そこに懸ける高校球児の思いは想像以上のものだと思います。

それが、交通事故で肘に怪我を負い、試合に出ることができなかったとしたら…。

熊本大会 秀岳館、八代が4強入り /熊本
(略)
悔しさ胸に次へ 松尾智之選手・菊池=3年
「悔しい、悔しい」。
試合後、球場の外で地面に何度も拳をたたきつけ、人目もはばからずに号泣していた。
背番号20で大会を迎え、公式戦には1試合も出場できないまま、最後の夏を終えた。
1年生の夏に交通事故に遭い、その冬には長年痛めていた右肘を手術。
投手として復帰することが目標だったが、2年春までボールを握れず、周りに大きな遅れをとった。

日常生活だけではなく…自分の夢や希望にまで影響してしまうかもしれません。

慰謝料をもらえば心の痛みが消えるワケではありませんが…。

元の生活を取り戻すため、治療やリハビリなどに時間お金もかかります。

その分の補償はしっかりと受け取らなければいけませんよね!

後遺症認定にも重要な肘関節・前腕骨外傷の基礎知識

後遺症認定にも重要な肘関節・前腕骨外傷の基礎知識

交通事故が原因となるの外傷はどのようなものなのか…。

後遺症の申請をするに際しても、知っておいた方が良い知識だと思いますので、一緒に見ていきましょう。

まず、一番多いのは骨折ということです。

交通事故に遭った場合、車に接触した衝撃で骨折するケースもありますが、基本的には転倒時に地面に腕をつくことで骨折してしまうことが多いようです。

腕をついただけで骨折するとは…考えたこともありませんでしたが、交通事故の衝撃は半端じゃないということですね…。

前腕にある2本の骨「橈骨」と「尺骨」

人間の両腕の前腕は、橈骨(とうこつ)尺骨(しゃっこつ)という2本の骨で形成されています。

親指側にあるのが橈骨、小指側にあるのが尺骨となっています。

橈骨も尺骨も両端は関節(肘の関節、手首の関節)を形成し、その両端部を除いた部分が骨幹部と呼ばれています。

《橈骨》

Radius anterior view2

《尺骨》

Ulna anterior view

激痛が生じる…橈骨・尺骨の骨幹部の「骨折」

交通事故に遭うと、橈骨や尺骨の骨幹部骨折してしまうことがあります。

橈骨や尺骨を骨折すると、激痛腫れが生じます。

橈骨と尺骨の両方が折れてしまった場合には、前腕部分が大きく変形してしまうこともあるそうです。

前腕部分が車に接触して骨折するケースもありますが、転倒時に腕をついたことで骨折してしまう方が多いそうです。

肘が曲がらなくなる!?肘関節の「脱臼」

Coude fp

肘関節とは、二の腕部分の骨(上腕骨)と橈骨・尺骨で形成されている関節です。

この関節の一部が外れてしまうのが肘関節脱臼です。

肘関節脱臼には、

  • 前方脱臼
  • 後方脱臼
  • 橈骨頭脱臼

3種類があります。

その中でも、尺骨が上腕骨に対して後ろ側に脱臼してしまう後方脱臼が多いということです。

後方脱臼してしまうと、肘関節を曲げることができなくなります。

【注目】肘・前腕の後遺症の等級と認定基準について専門家が解説!

【注目】肘・前腕の後遺症の等級と認定基準について専門家が解説!

肘・前腕に対する交通事故の外傷についてはわかりました。

また、骨折してしまった場合、辛いのは痛みだけではないようです…。

こんなに辛い思いをして…もちろん完治する場合もありますが、残念なことに後遺症が残ってしまうケースも考えられます。

では、肘・前腕の後遺症には、どんな種類があるのでしょうか。

《交通事故による肘・前腕の後遺症》

  • 全部または一部が失われる「欠損障害」
  • 可動域の制限などが生じる「機能障害」
  • 変形したままになってしまう「変形障害」

上記の後遺症が残ってしまった場合、交通事故の後遺症として認定されるケースがあります。

それは、どのようなケースなのか…。

それぞれの具体的な症状も含めて、見ていきたいと思います。

肘・前腕の後遺症等級の認定基準を教えて!

肘を含む前腕部は、日常生活で常に動かしていると言っても過言ではありません。

よって、もしも前腕部に欠損、変形や可動域制限の後遺症が残ってしまったとします。

その場合、常に誰かの助けが必要となるほど、日常生活に大きな負担が生じることになるでしょう。

つまり、前腕部の後遺症は非常に重い後遺症と言えますよね。

自賠責保険で用いられている認定基準では、後遺症の等級が1級~14級まで定められており、等級毎に認定基準が決められています。

残存する症状が重ければ重いほど、数字の低い等級に該当します。

では、ここから後遺症の内容と認定基準について見ていきます。

肘・前腕の後遺症①:欠損障害

肘・前腕の欠損障害とは、肘・前腕の全部または一部を失ってしまうことです。

欠損障害については、欠損の部分範囲に応じて後遺症の等級が認定されます。

たとえば、肘関節より下が切断されてしまったとします。

その切断が両腕であれば1級3号、片腕であれば4級4号ということになります。

肘・前腕の欠損障害での等級認定基準
障害の状態 後遺症認定等級
肘関節より下部分の切断 両腕 1級3号
片腕 4級4号

肘・前腕の後遺症②:機能障害

肘・前腕の機能障害は、肘や前腕の可動域制限のように、機能に障害が生じることです。

機能障害では、

  • 可動域制限がある部位
  • 可動域の範囲

などにより、後遺症等級が認定されます。

たとえば、片方または両方の肘関節が完全に硬直してしまった場合。

動かない場合は6級6号。

その可動域が通常の50%以下になってしまった場合には10級10号と認定されるそうです。

肘・前腕の機能障害での等級認定基準
障害の状態 後遺症認定等級
肘関節が完全に硬直 両腕 動かない 6級6号
可動域50%以下 10級10号
片腕 動かない 6級6号
稼働域50%以下 10級10号

肘・前腕の後遺症③:変形障害

肘・前腕等の変形障害とは、肘や前腕が変形してしまうことです。

基本的に変形とは、骨折後に骨がうまく再生しなかったり、くっつかなかったりすることで起こります。

中でも、骨がくっつかずに、本来曲がるべきでない部位が曲がってしまう偽関節という状態になることがあります。

変形障害では、

  • 偽関節の有無
  • 変形の程度
  • 硬性補装具の必要性の有無

などで、後遺症等級の認定がなされます。

たとえば、橈骨と尺骨の両方に偽関節が認められた場合。

常に硬性補装具を要する場合は7級9号。

橈骨、または尺骨に偽関節が認められ、時々硬性補装具が必要な場合には8級8号と認定されるとのことです。

肘・前腕の変形障害での等級認定基準
障害の状態 後遺症認定等級
橈骨と尺骨の両方に偽関節 常に硬性補装具を要する 7級9号
橈骨か尺骨のどちらかに偽関節 時々硬性補装具 8級8号

肘・前腕の後遺症…等級ごとの慰謝料相場を判例で見てみよう!

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ちょっと待って!保険会社からの示談金を受け取る前に知っておきたい慰謝料の相場

ここまでで、肘や前腕の後遺症認定基準についてもわかってきました。

では、最後に…。

肘や前腕の障害が、交通事故による後遺症と認められた場合、慰謝料はどれくらいもらえるのでしょうか。

保険会社からの慰謝料の金額が適正なものなのか確かめたいですよね。

肘や前腕の後遺症の慰謝料は、具体的な事情により大きく変わってきます。

下の表に、過去の判例がまとめられています。

良ければご覧になってみてください。

肘・前腕の後遺症に関する判例
肘・前腕の後遺症 後遺症認定等級 慰謝料
右肘関節の可動域制限 12級 140万円
前腕部・橈骨の変形
など
11級 550万円
前腕部・橈骨の変形
など
10級 495万円
右肘関節の可動域制限
など
併合7級 1000万円
右肘関節の機能障害
など
併合7級 1000万円
右肘切断 4級 1600万円

切断に至らない後遺症の場合は、100万円から500万円の慰謝料が望めます。

そこに、他の後遺症が合わされば、1000万円程度の請求ができることもあります。

切断してしまった場合には、さらに高額な慰謝料を望めるということですね。

切断された腕は戻ってこないですが…。

その分、高額な慰謝料がもらえるのは当然ですよね。

しかし、後遺症により精神的にも辛いときに、自分一人だけで慰謝料増額に挑むのは想像するだけでも辛いですよね。

辛いときは一人で悩まずに、頼れる専門家にも相談してみてください。

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また、弁護士へ依頼したことによる慰謝料増額事例が紹介されているページもありますので、もし良ければご覧になってみてください。

「上肢」に関しての記事を絞り込んで読むことも可能です。

適正な慰謝料を受け取るためには、裁判で十分な主張をすることが重要となってきます。

交通事故に詳しい弁護士さんであれば、適切なアドバイスをしてもらえるハズです。

お一人で悩まず、専門家に頼ってみるのもアリですね!

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ここまでで、肘・前腕の後遺症についてご理解いただけましたでしょうか?

しかし、実際に交通事故で上肢に後遺症が残ってしまった場合、ご自身で様々な手続きを行うことは難しいですよね。

まして、適正な後遺症認定等級の判断を行うことも厳しいハズです。

また、もし後遺症と認定されても、保険会社に慰謝料を請求していくのもハードルが高いですよね…。

そんなとき、頼りになるのが、弁護士の無料相談サービス。

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※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。

こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。

いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。

電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。

仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

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弁護士費用も明瞭なので、安心してご相談いただけると思います。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、肩や上腕の後遺症でお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

まずは、お大事になさってください。

それでも、上肢に後遺症が残ってしまった場合や残ってしまいそうな場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら、生活に大きな支障が出る分、適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

まとめ

いかがでしたか?

最後までお読みいただけた方には、

  • 肩や上腕に残る後遺症についての基礎知識
  • 肩や上腕の後遺症認定基準
  • 肩や上腕の後遺症認定の等級ごとの慰謝料相場

について、おわかりいただけたのではないかと思います。

また、適切な補償を受けるためには、弁護士さんに相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるでしょう。

自宅から出られない方や、時間のない方は、便利なスマホで無料相談を利用するのがおすすめです!

そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。

また、このホームページでは、その他交通事故の後遺症に関する関連記事も多数掲載していますので参考にしてください!

それでは、皆様のお悩みが解決しますように…<(_ _)>

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