後遺症での裁判前に知っておくべき基本知識とは?
裁判すると解決までに必要な時間は?
後遺症で裁判が必要となる費用とは?
裁判するメリット・デメリットは?
このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?
交通事故で後遺症が残ると,弁護士に依頼して裁判することも考えられますよね?しかし,本当に裁判すべきかについては,かかる時間や費用等が重要です。このページでは,裁判で解決までの期間や必要な費用,裁判のメリットについてご紹介します。
目次
交通事故における民事裁判ってなに?
民事裁判とは?
民事裁判とは,ざっくりいうと犯罪を犯した人に刑罰を科す刑事裁判を除いた裁判のことをいい,私人間での紛争を裁判所が終局的に解決するための手続となります。
交通事故での後遺症について裁判する場合,当事者は被害者(その相続人)が原告となって,加害者の加入する任意保険会社を被告として,原告が被告に損害の賠償を求めるものが非常に多いです。
加害者でなく保険会社が相手となるのは,交通事故で他人に怪我をさせてしまった場合,被害者に重度の後遺症が残ればその賠償額が1億円を超えることも珍しくないです。
このため,自動車を運転する人はそのようなリスクにそなえ任意保険に加入していることが多く,その任意保険会社が被害者への賠償を行うためです。
なお,裁判というと弁護士が必要と思われるかもしれませんが,実はご本人が弁護士なしで裁判する事も可能です(本人訴訟といいます)。しかし,弁護士なしで交通事故の裁判をするにはハードルが高いことが多々あります。
裁判の流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください!
交通事故における争点
損害賠償金額を争う
交通事故の被害者が裁判を起こす理由としては,やはり相手保険会社が示談交渉で妥当な示談金を提示してくれず交渉がまとまらない,つまり損害賠償の金額が相場よりも低いことが挙げられます。
そもそもなぜ保険会社が最初から妥当な相場での金額を提示してくれないというと,ここでいう相場とは,裁判した際に認められる基準(弁護士基準,裁判所基準といいます。)であって,保険会社の使う任意保険基準よりそもそも高額なのです。ですが,弁護士に依頼せずに交渉しても任意に増額してくれることはほとんどありません。
交渉がまとまらずに裁判になるケースにおいて,争点になる主な事項の一部をご紹介します。
・弁護士基準での計算に応じてくれない
・事故での過失割合
・休業損害
・後遺症の等級・事故との因果関係
なぜ保険会社の提示額が低額なのかは簡単で,保険会社としては,被害者に支払うお金が抑えられればそれだけ保険会社の利益になるからです。そのため,上記以外にも様々な項目の計算において支払金額を抑えようとする事が多いです。
低い金額で示談が成立すれば,それによりその事故の賠償は解決したものとされ,その後に金額を争うことが困難となります。保険会社としては早い段階で低額での示談を認めてもらった方が都合がいいのです。
後遺症等級の認定結果を争う
上記,裁判を起こす理由は,主に賠償額を増額するためという事を説明しました。特に後遺症が残った場合には,適正な賠償額の支払を受けるため,より上位の等級を認めてもらうことを目指して裁判となることが多いです。
交通事故での後遺症に対する賠償額は,特に示談の際には,事前に自賠責調査事務所という第三者機関が判断する後遺症の等級認定結果(1級~14級又は非該当)によって決まってきます。等級によって決まってきますので,逆にいうと非該当と判断されてしまうと後遺症についての慰謝料,逸失利益といった補償は受けられなくなってしまいます。
この点,裁判になった場合,裁判所は上記後遺症の認定結果に拘束されず,当事者の主張や証拠をもとに自由に後遺症の有無や程度,事故との因果関係を認定して,判断することができます。ですので,後遺症の等級が不満な場合にも裁判による解決は最終手段といえます。
ただ,自賠責により認定された等級が裁判でも重要な資料となることは確かですので,これと違うことを主張するには具体的かつ認定基準にそって効果的に行うことが必要となるでしょう。
民事裁判の知識
本人による訴訟も可能
上でも簡単に申し上げましたとおり,裁判を起こすことは本人によることも可能です。
しかし,事故での裁判では,通常相手方の被告は保険会社となります。いうまでもなく保険会社はプロですし代理人に弁護士が付いていますので被害者の方が素人である限り,適切な主張や立証をすることは困難でしょう。さらに裁判に必要となる書類は,訴状をはじめとしてかなり専門的になり,効果的に作成するのもかなりてこずるでしょう。
そもそも,裁判を起こすのは勝つためですが,相手は保険会社であり弁護士に依頼している事がほとんどを占めます。このような状況において,本人訴訟をする場合には,これら訴訟のプロと争うことになりますので,かなりの覚悟を必要とすることは間違いありません。
このように,裁判を本人訴訟で争うことは可能ですが,最終的に妥当な金額が得られる確率は,どうしても弁護士に依頼した場合よりも低くなるでしょう。本当に弁護士に依頼しなくて大丈夫かどうか,まずは相談だけでもしてみるのがいいでしょう。
裁判にかかる費用は?
裁判するには多額の資金が必要をなるから滅多なことでは裁判できない,とお考えの方も多いでしょう。裁判する際に必要となる費用は,主に手数料(印紙代)と弁護士費用です。
手数料とは,訴状(相手への請求に関して裁判所に訴える事を内容とする書類)に貼ることが必要となる印紙代の事をいいます。印紙代につきましては,相手に請求する金額として訴状に記載された金額をもとに算定されます。以下の表に,手数料の一部を参考のためまとめました。
弁護士費用とは,その事件の為に依頼した弁護士に支払う費用のことです。メインとなるのは,着手金・成功報酬ですが,それ以外にも,事件処理のために日当や実費といったお金が必要となります。
訴額 | 手数料(訴えの提起) |
---|---|
~10万円 | 1,000円 |
100万円 | 10,000円 |
200万円 | 15,000円 |
500万円 | 30,000円 |
1,000万円 | 50,000円 |
2,000万円 | 80,000円 |
5,000万円 | 170,000円 |
弁護士費用の主な分類 | 内容 |
---|---|
着手金 | 弁護士に依頼した場合,はじめに支払う必要があるお金。弁護士の初動費用であり,結果のいかんに関らず返金はされない。 |
成功報酬 | 事件処理が終了した段階で必要になる,結果の成功の程度に応じて支払う必要があるお金。 |
日当 | 出張など事件関係で弁護士を拘束することに対するお金。移動時間や待合時間も含まれる。 |
実費 | 事件処理のために実際に支出されるお金。例えば,交通費,出張等の宿泊費,郵送費,コピー代,裁判の印紙代等の費用が挙げられる。 |
相談料 | 依頼前に弁護士に法理う相談することに対するお金。タイムチャージ方式で時間ごとに設定されていることが多い。 |
解決までの期間は?
被害者にとって,裁判する上で心配な点の一つに,解決までの期間があげられます。
実際に裁判するにしても,被害者にとって切実な悩みの一つが経済面となることが多いです。
なぜなら,重症を負ってしまった被害者であればある程,仕事ができなくなっていたり,又は争いがまとまらずなかなか納得いく示談が成立しなかったりして,経済的に厳しい状況に立たされる方が多いからです。
交通事故の裁判に関しては,審理期間の平均は約1年と言われています。やはり一般的なイメージの通り1年以上かかるものも一定以上あります。
ただ争点が少なく,判決を待たずに裁判上の和解で解決するケースも少なくなく,そのような場合,半年かからずに解決に至ることも可能です。
以下,ご参考までに裁判を起こしてから,解決するまでの期間を割合でまとめました。半年かからず解決するものが20%ほどあることが分かります。
期間 | 割合(%) |
---|---|
6ヶ月以内 | 20.6 |
6ヶ月~1年 | 41.1 |
1年~2年 | 32.1 |
2年~3年 | 5.3 |
3年~5年 | 0.9 |
5年以上 | 0.07 |
参照 : 「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」
裁判のメリットとデメリット
裁判することによるメリット
裁判することの1番のメリットは,やはり慰謝料等の相手から払ってもらう賠償金を適正な金額に増額できる点でしょう。
裁判は,交通事故を含む紛争を解決する最終的な手段ですので,裁判して増額が認められれば,相手に増額した金額を請求できることが確定します。
また,その期間に応じて相手から遅延損害金を支払ってらう事ができます。この遅延損害金は認められた金額が大きければ,また支払までの期間が長ければ,それに応じて当然高額となります。
さらに,裁判する場合に限られませんが,弁護士に依頼することで,保険会社や病院,裁判所やADRとの煩わしいやりとりも全て任せることが可能になります。
ご自身が納得する解決を図るために,まずは交通事故でのお怪我のお悩みを専門の弁護士に相談してみるといいでしょう。
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この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
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〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。