後遺障害認定|交通事故によるヘルニアの後遺症で慰謝料を獲得するには!?
このページでは、ヘルニアで慰謝料を獲得するためのポイントを簡単にご紹介いたします。
目次
そもそもヘルニアの後遺症とは?
ヘルニアの種類
ヘルニアとは、身体の組織が、本来の位置からはみ出している状態のことをいいます。一般的にヘルニアというと、椎間板ヘルニアのことをいいますが、ヘルニアはそれ以外の体の部位にも発症しうるものなのです。
椎間板ヘルニア
椎間板は、背骨の骨と骨の間に存在する軟骨組織で、クッションの役割を果たしています。この椎間板が損傷により飛び出してしまい、神経を圧迫すると痛みや痺れといった神経症状があらわれます。
一般的に腰部分の腰椎椎間板ヘルニアのことが想起されますが、首の部分に発症すると頸椎椎間板ヘルニアと呼ばれます。特に追突事故等で背骨に急激な負担がかかると発症することが多いです。
その他のヘルニア
交通事故も含め、日常生活で発生しやすいのは椎間板ヘルニアですが、これ以外にもヘルニア・大腿ヘルニア(両方ともいわゆる脱腸のこと)や、内臓が皮膚の下まで飛び出してしまうヘルニア、その他様々なヘルニアが存在します。
ヘルニアの症状
腰椎椎間板ヘルニアの症状
椎間板ヘルニアの症状としては、はじめての場合、突然腰部の激痛や痺れが発生するのが典型的です。多くの場合、初期は発症後1~3週間程度で症状が徐々に治まりますが、ほとんどがその後痛みが再び強くなることを繰り返します。
また、繰り返すごとに、腰部以外に、臀部や下肢(脚)に症状が発生することもあります。腰椎ヘルニアで、臀部や大腿の後ろ、膝から足首・つま先まで痛みを伴う坐骨神経痛を伴うことも多いです。
脚を含む下半身の痛みは、主に脊椎や坐骨神経を通じて脳に伝わります。その神経に圧迫が加わると、それを足の痛みだと脳が感じてしまうことで、ヘルニアが生じている箇所以外でも痛みや痺れが発生することが多いのです。
この他にも、冷えていないのに脚に冷感があったり、排泄障害を発生させたりすることもあるようです。
頚椎椎間板ヘルニアの症状
椎間板ヘルニアは、腰部以外にも頚椎部で発生することがあります。原因としては腰椎の場合と同様で椎間板が飛び出している状態ですが、発生した場所が頚椎という違いです。
この場合の症状は、初期の段階では、首を寝違えたような鈍痛や痺れが数日間続き、その後手や肩に激しい痛みが生じることが多いです。この痛みは数週間で山場を迎え、その後数週間かけて徐々に良くなっていくパターンが多いです。
この他の症状として、肩から手指にかけて痺れが発生するケースがあります。このケースでは、頭部に頭痛が発生する、又は痺れが下肢にも発症することが多く、数日から数週間かけて症状が進行し、重度になると排泄障害や歩行障害を発症します。
椎間板ヘルニアの症状
種類 | 代表的な症状 |
---|---|
腰椎椎間板ヘルニア | ・腰部の激痛・痺れ ・坐骨神経痛(腰部から臀部、大腿後方や膝、足先にかけての痛み・痺れ) ・足の冷感 ・排泄障害、歩行障害 |
頚椎椎間板ヘルニア | ・寝違えたような痛み、肩や首・背中の痛み ・腕や手の痺れ・痛み ・頭痛、眼の痛み、耳鳴り ・足の突っ張り、排泄障害、歩行障害 |
※いずれも痛みや痺れは、数週間~数ヵ月で徐々に引いていくことが多いが、再び痛みが盛り返し、その度に重くなっていくことが多い。
ヘルニアの治療法と治療期間
治療方法は、場所が違うのみで、腰椎椎間板ヘルニアと頸椎椎間板ヘルニアの両方でおよそ同様になります。具体的には、保存治療法と手術治療法があります。
保存治療法
保存的治療法の場合は、その名の通り、腰又は首に負担をかけないようにして回復を待つことになります。
基本は安静にし、回復を早めるために、温熱治療、鎮痛剤の服用・湿布、けん引等の理学療法、各部位用の装具による固定やマッサージ・整体を必要に応じて施すことになります。激痛の場合は、鎮痛剤の注射をすることもあります。
治療期間としては、手術と違い、すぐに効果が発生してくることはまずなく、1~3ヵ月かけて徐々に症状回復を待つことになります。
3ヵ月を過ぎても一向に良くならない場合は、医師との相談の上、手術を検討してみるのも一つの手です。
手術治療法
重傷の場合や発症から3ヵ月以上経過して回復の兆候が見られない場合には、手術による治療も選択肢に入ってきます。手術にも何種類かあるので、医師と相談してみましょう。
ヘルニアを除去する手術として、ラブ法や内視鏡下ヘルニア摘出術(MED法)、ヘルニアを引っ込める手術として、レーザー治療(PLDD法)や経皮的髄核摘出術(PN法)があります。
基本的に手術によりすぐに効果が表れることになります。ただ、上記のどの手術法を選択するかにより入院期間や体への負担が異なってきますので、医師と相談した上でご自身の事情に合った手術法をおすすめします。
椎間板ヘルニアの代表的治療法
治療法 | 内容 | 治療期間 |
---|---|---|
保存 治療法 |
・腰部又は頚部を安静 ・投薬・温熱・運動療法、装具による固定、物理療法 ・激痛の場合、鎮痛剤注射 |
1~3ヵ月が目安 |
手術 治療法 |
ラブ法・・・ 背中から5センチ程切開してヘルニア部分を切除。一般的な手術法。 |
手術・・・30分~1時間程度 入院・・・1~2週間程度の入院 |
内視鏡下摘出術(MED法)・・・ 背中を1~2センチ程度切開しそこから細長い管を差し込み、内視鏡や器具を使ってヘルニア部分を切除する方法。 |
手術・・・1~2時間程度 入院・・・1~5日程度 |
|
経皮的髄核摘出術(PN法)・・・ 患部付近に細い管を差し込んで、ヘルニア部分から髄核を吸い取る方法。保険適用内。 |
手術・・・30分~1時間程度 入院・・・軽度であれば、即日退院可能(~1週間) ※重症化したヘルニアは不可。 |
|
レーザー治療(PDLL法)・・・ 背中の幹部付近にレーザーファイバーを差し込んで、ヘルニア部分の髄核を焼いてしまう方法。保険適用外。 |
適正なヘルニアの慰謝料を獲得するためには
継続した治療(通院)
まず、椎間板ヘルニアが事故によって生じたことを証明する必要がありますので、事故後できるだけ早く医師による診断を受けるようにしましょう。
交通事故による怪我の治療のために入通院を余儀なくされた場合、怪我を負ったことで被った精神的苦痛に対する賠償として、入通院慰謝料を請求することができます。
この入通院慰謝料の算定は、通常、入通院した日数によって基準額が算定されることになります。
したがって、適正な慰謝料を受け取るためには、継続して通院することが必要になります。医師から経過観察といわれた場合でも、痛みや違和感が発生したら、週1、2回程度は通院することをおすすめします。
適正な入通院慰謝料を受取るポイント |
---|
・事故後できるだけ早く医師による診断を受けること ・継続して治療(通院)すること |
後遺症の申請
椎間板ヘルニアに限らず、交通事故による後遺症に対する慰謝料を受け取るためには、通常、後遺障害等級認定を受ける必要があります。後遺症とは、治療にも関わらず残ってしまった障害のことです。
まず、椎間板ヘルニアの場合、交通事故以外の日常生活上でも発症することが多いので、特に既往症がある場合、ヘルニアが交通事故により発症したという関係(「因果関係」といいます。)が認められる必要があります。
因果関係が認められるケースでは、症状固定後、医師に後遺障害診断書を作成してもらい、後遺障害の認定の申請をすることになります。この認定は、最も重い1級から軽度の14級まで等級が存在しています。
ヘルニアの場合、単独で認定される可能性のある等級は、12級か14級ということになります。認定基準は以下の表のとおりですが、画像所見があるか、自覚症状と画像所見による病変が一致するかといったことなどが等級認定にあたってポイントとなります。
そして、後遺障害慰謝料の金額は、上記等級ごとに相場が存在して、その相場をもとに算定されることになります。ですので、適正な等級認定を受けることが、あるべき後遺障害慰謝料を受け取る上で非常に重要となってくるのです。
ヘルニアの後遺障害等級
等級 | 認定基準 |
---|---|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの(医学的に証明できる神経症状) |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの(医学的に説明可能な神経症状) |
加害者側との示談交渉・裁判
上記のように、各慰謝料を受け取るためには、継続通院した入通院の実績、後遺障害の認定をもとに加害者側との交渉をすることになります。
ヘルニアの場合、その後の示談交渉や裁判で、ヘルニアと交通事故との因果関係、事故直後にヘルニアが客観的に存在することを示すMRIに代表される画像所見の有無が、一般的に争点となりやすいといえます。
ヘルニアの慰謝料について弁護士に相談するメリット
弁護士(裁判)基準による増額
慰謝料は、精神的苦痛に対する賠償金ですが、精神的な苦痛を金銭に換算するのは厳密には非常に困難です。そのため、交通事故の慰謝料については、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料といった慰謝料ごとに算定基準があります。
この基準が、段階や目的別に複数存在するのですが、一般に被害者が直接、加害者側保険会社と交渉する場合、任意保険基準が用いられます。
これに対して、弁護士が被害者代理人として交渉に介入すると、裁判で認められる基準(弁護士基準)を前提とした交渉が可能になります。この弁護士基準の相場は、任意保険基準よりも圧倒的に高いのです。
したがって、専門的知識を有する弁護士が交渉に介入すると、それだけで慰謝料が増額する可能性が高いケースが非常に多いです。
その後、仮に裁判になっても、交通事故に強い弁護士であれば、慰謝料増額のために有効な主張立証を適切に行うことができるので、被害者のメリットが非常に大きいです。
慰謝料増額にむけたアドバイス
交通事故の分野は、関連する法律の知識のみならず、外傷や後遺障害に関する医学的専門知識、自賠責や任意保険についての専門知識、交通事故に関する知識その他多様な知識・経験を必要とする専門性の高い分野です。
交通事故に強い弁護士であれば、これらの知識や経験をもとに、被害者が適切な慰謝料を受け取るために、治療段階から具体的アドバイスが可能です。
椎間板ヘルニアの場合、弁護士が検査結果に対して適切にアドバイスすることで、事故との因果関係が認められやすくなる、又は適正な後遺障害の認定がされることが多々あります。
交通事故に強い弁護士は、面談の他に、電話やLINEでの無料相談も受け付けています。交通事故でヘルニアになってしまった場合、まずは相談してみるとよいでしょう。
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いかがでしたか?
この記事をお読みの方には、「後遺障害認定|交通事故によるヘルニアの後遺症で慰謝料を獲得するには!?」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないかと思います。
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この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。