後遺障害併合9級の交通事故慰謝料・逸失利益|6029万円の判例を弁護士が解説

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後遺障害併合9級の交通事故慰謝料・逸失利益|6029万円の判例を弁護士が解説

このページでは、後遺障害9級の判例についてご紹介します。

もし、交通事故による後遺障害で身体がうまく動かせなくなってしまうと、日常生活や仕事にも支障が出てきてしまいます。

今までのように生活できなくなると、大きなストレスを感じてしまいますよね。

もし、後遺障害9級が認定された場合、慰謝料などはどのくらいの金額になるのでしょうか?

実際の判例をもとに、損害賠償金の算定方法について見ていきましょう。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見てみましょう。

障害等級9級(男・症状固定時37歳)損害額6029万6357円の判例

障害等級9級(男・症状固定時37歳)損害額6029万6357円の判例

こちらは、名古屋地方裁判所の判決、平成19年(ワ)第6411号事件です。

この事故での主な怪我の内容は、上顎骨骨折となります。

交通事故の基本情報

事故の内容は「信号のない交差点で加害普通乗用車と被害自動二輪車が出会い頭で衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 会社員
性別
年齢 症状固定時37歳
事故の内容 信号のない交差点で加害普通乗用車と被害自動二輪車が出会い頭で衝突した。
傷害の内容 上顎骨骨折、左下腿骨開放粉砕骨折など
後遺障害等級 併合9級(左下腿骨開放粉砕骨折に伴う左足関節の機能障害:10級11号、左下腿骨の変形癒合:12級8号、左下肢の醜状損害:12級、右大腿の採皮痕:14級5号)
入院 153日

被害者は主に左足に大きな障害が残ってしまったようです。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 6029万6357円
うち慰謝料 1020万円
うち休業損害 1159万4410円
うち逸失利益 2230万4257円

損害総額は6029万6357円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額6029万6357円になりました。

  • 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が320万円、後遺障害の慰謝料が700万円認められました。
  • 休業損害としては、被害者は事故当時日額1万4723円の収入を得ていたので、これを基礎収入として算定されました。
  • 逸失利益としては、労働能力喪失期間を67歳までの30年、労働能力喪失率27%として算定されました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの会社員の男性は、事故のケガによって仕事場で現場復帰の見通しが立たず、退職してしまったようです。

この判例のポイントはどのような点になりますか?

通常、9級の労働能力喪失率は35%として計算しますが、併合9級の場合にはその通りの数値が採用されないケースが多いです。

今回のケースは、右足関節の機能障害での10級の後遺症により、27%の喪失率を評価され、その他の骨の変形や醜状については労働能力に影響を与えないと判断されました。

9級という等級が認定されたからといって、その通り計算するわけではない事例があることが分かりますね。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利

また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

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思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。

保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

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後遺障害9級の慰謝料計算の特徴は?

9級の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

一口に9級と言っても各号ごとに症状は様々ですが、原則として慰謝料は等級に応じて定められ、9級の場合、裁判基準では690万円となっております。

特に争いになりやすいのは逸失利益の項目であり、9級6号の咀嚼障害、9級16号の外貌醜状や9級17号の生殖器の障害の場合、仕事には支障がないとして、逸失利益を保険会社が否定してくることも多いです。

また、9級の場合、自賠責基準では計算の基礎となる労働能力喪失率を35%としていますが、実際にはそこまでの仕事への支障がないとして、保険会社が自賠責基準よりも低く主張してくることもあります

そのような場合には、職務内容や職務にどのような支障が出ているかを具体的に主張する必要があることがポイントです。

なお、9級10号の高次脳機能障害については、後遺障害申請の際に提出する書類の記載内容によっては、実際に残存する障害に見合った等級よりも低い等級として認定されている可能性があるので、注意が必要です。

ただし、今申し上げたポイントは一般的・総論的なお話ですので、事故に遭われた方のご事情によっては変わってくることもあります。

もし、交通事故の慰謝料についてより詳しいアドバイスがお聞きになりたい場合は、まずは一度弁護士等の専門家に直接相談してみるとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

後遺障害9級の交通事故慰謝料について、弁護士の岡野先生と一緒にお送りしました。

当サイト「交通事故弁護士カタログ」には、他にもお役立ちコンテンツが満載です。

これらを活用して、あなたの交通事故慰謝料を調べてみましょう。

交通事故は専門的な用語ばかりで、分からないことも多いですよね。

頼れる弁護士に一度相談してみませんか?

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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