後遺障害9級の交通事故慰謝料|6716万円の判例を弁護士が解説

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後遺障害9級の交通事故慰謝料|6716万円の判例を弁護士が解説

このページでは、後遺障害9級の判例についてご紹介します。

もし、交通事故で9級の後遺障害が認定された場合、後遺障害に対する慰謝料は弁護士による交渉によって690万円が支払われます。

また、被害者には、慰謝料以外にも逸失利益や休業損害などの損害賠償金が支払われることになります。

この判例では、損害総額が6716万円となったようですが、どのような点がポイントになったのか、弁護士の先生の解説とともに見ていきましょう。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見てみましょう。

障害等級9級(男性・24歳)損害額6716万7557円の判例

障害等級9級(男性・24歳)損害額6716万7557円の判例

こちらは、仙台地方裁判所の第3民事部の判決、平成20年(ワ)1401号事件です。

この事故での主な怪我の内容は、右大腿骨頚部骨幹部骨折となります。

交通事故の基本情報

事故の内容は「加害者車両がカーブを曲がりきれず対向車線にはみ出し、対面通行してきた被害者車両に衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 会社員
性別
年齢 24歳
事故の内容 加害者車両がカーブを曲がりきれず対向車線にはみ出し、対面通行してきた被害者車両に衝突した。
傷害の内容 右大腿骨頚部骨幹部骨折、左膝蓋骨開放骨折、右距骨骨折、左肘脱臼骨折、骨盤骨折、左足根骨骨折、右手指伸筋腱断裂、右上腕・大腿・右膝・右手挫創、左正中神経・尺骨神経マヒ、右足関節脱臼骨折、右鎖骨骨折
後遺障害等級 併合9級(左肘関節の機能障害:12級6号、右手指の関節機能障害:11級9号、右足関節の機能障害:12級7号および右足指関節の機能障害:11級10号で併合10級相当、右下肢の短縮障害:13級9号、左手のシビレ等:14級10号、左下肢の醜状障害:14級5号、右下肢の醜状障害:12級相当、PTSD:14級10号)
入院 303日

被害者は身体的な後遺障害に加え、精神障害としてPTSDも発症してしまったようです。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 6716万7557円
うち慰謝料 1400万円
うち休業損害 1155万2944円
うち逸失利益 3804万0437円

損害総額は6716万7557円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額6716万7557円になりました。

  • 慰謝料としては、入院・通院に対する慰謝料が570万円、後遺障害の慰謝料が830万円認められました。
  • 休業損害は、退職までの期間分の707万7694円については争いはなく、退職後から症状固定日までの期間分については、基礎収入を平16ないし平18男子高卒25歳~29歳の平均収入を用いて算定されました。
  • 逸失利益は、男子高卒全年齢平均賃金492万6500円を基礎収入とし、被害者は四肢に後遺障害があることを考慮して45%の労働能力を喪失したものと認め、労働能力喪失期間を症状固定から満67歳までの40年間として算定されました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの男性は事故によって四肢に後遺障害が残ってしまったようですね。

この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件は、非常に多くの後遺症が残ったケースです。

通常、後遺症の等級がどれだけ多くついても、併合等級ではあまり等級が高くなりません。

今回は、右足関節の機能障害と右足指の機能障害について、準用10級の評価が可能であったため、他の等級と合わせて併合9級という認定がなされました。

後遺症の等級評価の基準は複雑に規定されているため、申請前に弁護士に相談してみることが大切ですね。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利

また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

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思っていたよりも、慰謝料の金額って高くなりますよね。

保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

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仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

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後遺障害9級の慰謝料計算の特徴は?

9級の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

一口に9級と言っても各号ごとに症状は様々ですが、原則として慰謝料は等級に応じて定められ、9級の場合、裁判基準では690万円となっております。

特に争いになりやすいのは逸失利益の項目であり、9級6号の咀嚼障害、9級16号の外貌醜状や9級17号の生殖器の障害の場合、仕事には支障がないとして、逸失利益を保険会社が否定してくることも多いです。

また、9級の場合、自賠責基準では計算の基礎となる労働能力喪失率を35%としていますが、実際にはそこまでの仕事への支障がないとして、保険会社が自賠責基準よりも低く主張してくることもあります

そのような場合には、職務内容や職務にどのような支障が出ているかを具体的に主張する必要があることがポイントです。

なお、9級10号の高次脳機能障害については、後遺障害申請の際に提出する書類の記載内容によっては、実際に残存する障害に見合った等級よりも低い等級として認定されている可能性があるので、注意が必要です。

ただし、今申し上げたポイントは一般的・総論的なお話であり、上に挙げられている裁判例のように、事故に遭われた方のご事情は様々ですので、まずは弁護士等の専門家に相談してみるのが良いかと思います。

まとめ

いかがでしたか?

後遺障害9級の交通事故慰謝料について、弁護士の岡野先生と一緒にお送りしました。

当サイト「交通事故弁護士カタログ」には、他にもお役立ちコンテンツが満載です。

を活用して、あなたの受け取れる慰謝料をチェックしましょう。

困ってからではなく、困る前でも相談できるのが良い弁護士。

あなたの交通事故、弁護士に相談してみませんか?

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