後方からの追突事故でRSDが認められた事例
認容額 | 7010万318円 |
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性別 | 男性 |
職業 | 不明 |
傷病名 | 外傷性頚部症候群, 解離性健忘症, 左上肢反射性交感神経性ジストロフィー(RSD), 左下肢知覚鈍麻・運動障害・疼痛, 胸部交感神経切除後左眼眼裂狭小, 右上半身代償性発汗 |
障害名 | CRPS |
後遺障害等級 | 無等級 |
判決日 | 平成19年7月23日 |
裁判所 | 東京地方裁判所 |
交通事故の概要
本件交通事故は, 平成14年10月5日午前2時23分頃, 東京都多摩市南野の路上にて, 被害者が運転していた普通乗用自動車が対面信号機の赤色表示を確認して停止しようとしたところ, 後方から進行してきた加害者運転の普通乗用自動車が衝突したものである。
被害者の入通院治療の経過
本件事故で負った怪我の治療のため, 被害者は359日間通院した。
後遺障害の内容
本件事故による怪我のため, 被害者はかなりの頻度で治療を受けていたことが認められるのであって, 一回の治療において, 五か所に局所麻酔薬を注射しなければ効果を期待できない状況にあり, 被害者が受けている治療がRSDの治療として相当性を欠くとまで認めるに足りる証拠もないことなどを総合考慮すると, 症状固定時における被害者のRSDによる疼痛の程度は, もはや通常の労務に服することができる程度のものということはできず, 軽易な労務以外の労働に常に差し支える程度の疼痛であると認められる。
したがって, 被害者には左上肢のRSDという後遺障害が認められるが, 同後遺障害の残った左上肢は, 症状固定時, ブロック療法や鎮痛剤の効果で, 完全に拘縮するまでには至っておらず, 軽い物を持つことができ, 車の運転もすることができることからすると, 左上肢の用が全廃したとまでは認められないため, 同後遺障害により喪失した労働能力は56%にとどまる。
判決の概要
本件交通事故により, 被害者は左上肢にRSDの後遺障害を負い, その影響で労働能力を56%喪失したものであるから, 被害者は以下のとおり, 損害賠償金の支払いを受けることが認められる。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 367万7034円 |
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入院雑費 | 1万2000円 |
通院交通費 | 30万7500円 |
休業損害 | 957万6363円 |
逸失利益 | 5037万1230円 |
慰謝料 | 1380万円 |
損害の填補 | - 1404万 3809円 |
弁護士費用 | 640万円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。