車が原付に衝突 被害者は右肩関節の機能障害等で12級認定

IT 2016年11月30日 | 鎖骨骨折
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認容額 499万9242円
年齢 59歳
性別 男性
職業 ロケーションコーディネーター(広告撮影等)
傷病名

脳挫傷等、右鎖骨骨折、右鎖骨偽関節、外傷性右顔面神経麻痺、頭蓋骨骨折、外傷性クモ膜下出血

障害名 右鎖骨骨折後の右肩関節の機能障害
後遺障害等級 12級
判決日 平成22年8月25日
裁判所 東京地方裁判所

交通事故の概要

平成15年6月20日午後6時0分ころ、東京都世田谷区内の路上において、加害者1は普通乗用自動車を運転し、第2車線を新宿方面から調布方面に向かって走行中、自車の左前方の第1車線を走行している被害者の原動機付自転車を追い抜いた後、第1車線に進路変更するに当たり、合図をしなかった上、被害者の車両の動静を注視せず、左後方の安全確認不十分のまま時速約35キロメートルで左に進路変更した過失により、被害者の車両に加害者の車両左側部を衝突させて、車両もろとも被害者を路上に転倒させた。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故により、脳挫傷等、右鎖骨骨折、右鎖骨偽関節、外傷性右顔面神経麻痺、頭蓋骨骨折、外傷性クモ膜下出血の傷害を負った。
治療経過
(1)入院
a T大学病院  
平成15年6月20日
b T病院  
平成15年6月20日から同月21日まで
c T大学附属第三病院
平成15年6月21日から同年8月8日まで
平成17年10月11日から同月15日まで
平成18年5月15日から同年6月27日まで
平成19年10月29日から同年11月9日まで
(2)通院
被害者は、平成15年8月22日から平成20年3月25日までT大学附属第三病院に通院した(実日数246日)。

被害者は、平成16年3月31日に外傷性右顔面神経麻痺について、平成20年3月25日に右鎖骨骨折、右鎖骨偽関節等について、それぞれ症状固定と診断された。

後遺障害の内容

本件事故により、被害者には、①骨盤骨の変形障害(右鎖骨骨折後偽関節手術に伴う腸骨からの骨採取)、②頭部受傷後の眼瞼の障害(右上眼瞼の不随意の痙攣)、③右顔面神経麻痺に伴う口のゆがみ等、④右鎖骨骨折後の右肩関節の機能障害の後遺障害が残存した。
①は自賠法施行令別表第二後遺障害等級表12級5号にいう「骨盤骨に著しい奇形を残すもの」に、③は後遺障害等級14級11号にいう「男子の外貌に醜状を残すもの」にそれぞれ該当するが、②については、「開瞼時に瞳孔領を完全におおうもの」とは捉えられないことから、④については、その運動可能領域が外転では健側(左肩関節)の運動可能領域の4分の3以下に制限されているものの、屈曲・伸展では健側の運動可能領域の4分の3に制限されていないことから、いずれも後遺障害等級表にいう後遺障害に該当せず、併合12級と認定された。

判決の概要

加害者1の運転する車両と、被害者の運転する車両との間で発生した交通事故により、被害者が人的損害を受けたとして、被害者が、加害者1と、加害者1が代表取締役に就任している加害者2の株式会社に対して、賠償金を求めた。裁判所は、本件交通事故により、被害者が負った右鎖骨偽関節の手術が遅れたのは、被害者の心機能の状態等を見計らいながらという被害者の事情によるもので、同期間は本件事故との間に相当因果関係のある治療期間であるとはいえないと判断した。

認容された損害額の内訳

治療関係費 925万1096円
入院雑費 16万6500円
通院交通費 9万8400円
休業損害 818万7693円
逸失利益 447万5131円
慰謝料 574万円
装具購入費 6万 3858円
既払金 - 2343万 3436円
弁護士費用 45万円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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