赤信号を看過した車が原付に衝突 被害者は川に転落し鎖骨骨折等の重傷
認容額 | 4235万1858円 |
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年齢 | 31歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 会社員(事務職) |
傷病名 | 左多発性肋骨骨折・左鎖骨骨折・右母指MP関節外傷性脱臼・顔面創・頭部外傷等 |
障害名 | 鎖骨及び胸骨の変形 |
後遺障害等級 | 9級 |
判決日 | 平成13年3月29日 |
裁判所 | 神戸地方裁判所 |
交通事故の概要
平成8年3月27日午前9時ころ、兵庫県高砂市内の交差点において、北から南に進行してきた加害会社が保有し、加害者Bが運転する普通貨物自動車が、西から東に進行してきた、被害者が運転する原動機付自転車に衝突し、被害者は、交差点南東に流れる川に転落した。
なお、加害者は、赤信号を看過して本件交差点に進入した過失がある。
被害者の入通院治療の経過
被害者は、本件交通事故により、左多発性肋骨骨折・左鎖骨骨折・右母指MP関節外傷性脱臼・顔面創・頭部外傷等の傷害を受け、さらに右頭部外傷によって、右慢性硬膜下血腫、硬膜下血腫腔感染症等の傷病に罹患して、121日間入院して治療を受けた。また、平成10年2月3日に症状固定するまで通院して治療を受けた(通院実日数60日)。
なお、被害者には、右慢性硬膜下血腫が確認されたため、穿頭血腫吸引除去術を施行している。一旦退院したものの、再入院して、穿頭血腫吸引除去術を再度施行したが、全身痙攣を生じたため、抗痙剤投与が行われるようになった。さらに、後日、二次性てんかんと診断されて、約1か月後には、全身麻酔にて創部感染及び硬膜下血腫腔感染に対する根治術が施行されている。
後遺障害の内容
被害者は、本件交通事故による傷害について平成10年2月3日に症状固定となった。
被害者の後遺障害は、右手母指の機能障害、鎖骨及び胸骨の変形、左背部痛及び左胸部痛、脳波異常、上口唇肥厚性瘢痕であり、これについて自動車保険料率算定会の事前認定では、右母指機能障害につき一〇級七号、上口唇肥厚性瘢痕及び頭部皮膚切開創痕につき14級10号、神経症状につき12級12号で併合9級と認定されている。
判決の概要
交通事故による損害賠償請求事案で、休業損害計算の基礎収入について、被害者は休業期間が長期間にわたり、賞与の減少をきたす場合は、事故の前年度の年収を日割計算した金額を基礎収入とすべきであると主張した。しかし、裁判所は、前年度給与が事故直前の収入状況の反映としては不相当な場合には、事故直前の現実の収入である事故前3か月の平均収入を用いるほうが妥当であるとした。
認容された損害額の内訳
入院付添費 | 66万5500円 |
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入院雑費 | 15万7300円 |
通院付添費 | 11万7000円 |
休業損害 | 387万4682円 |
逸失利益 | 2935万2781円 |
慰謝料 | 850万円 |
既払額控除 | - 381万 5405円 |
弁護士費用 | 350万円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。