当て逃げの犯人が見つからない!被害者の対応は?誰に修理費を請求?

Q1.当て逃げされた!犯人が見つからない時の被害者の行動は?

当て逃げをされたら、次の3つの行動を迅速におこないましょう。

①警察に通報する
②防犯カメラの有無や目撃者を確保する
③ご自身が加入している保険会社に連絡する

くわしく説明します。

行動①警察への通報

警察へ通報して「交通事故証明書」を発行してもらいましょう。犯人が特定されたときに損害賠償を請求するため、また、被害者みずからが加入している保険を使う場合に重要な書類です。
そもそも、犯人を見つけるための捜査をおこなうのは警察の役目です。警察への報告は欠かせません。

②証拠の収集

犯人を見つけるためには手掛かりが多いほうが良いものです。とくに駐車場などでは、防犯カメラは設置されていることも多いでしょう。
そのほかにもドライブレコーダーの記録や、当て逃げ事故に関する目撃者の有無も確認しておくと安心です。

③保険会社への連絡

当て逃げ犯が見つからない時点では、被害者みずからで加入している保険を使って修理費などを支払わなくてはいけません。
契約内容しだいでは、当て逃げ事故に対して保険金が認められないケースもあるようです。まずは、対応が可能なのかを確認しましょう。

また、もし怪我をしている場合は病院の受診をおすすめします。
事故発生直後は何ともなくても、時間が経って後から痛みが出てくることもあります。

Q2.当て逃げの犯人が見つからない!修理費は誰が払う?

犯人が見つからないときは、被害者みずからで修理費を負担することになります。加入している車両保険の契約内容しだいでは、当て逃げの修理費も保険金がおりるでしょう。

ただしその場合は車両保険の等級が下がり、保険料が上がってしまうようです。また、車両保険を使って修理した場合、後から当て逃げの犯人が見つかっても、損害賠償請求はできません。

そして、損害賠償請求はいつまでもできるというわけではありません。

損害賠償請求の時効は、犯人が見つかる前/見つかった後で違います。
それぞれの時効(損害賠償請権の存在する期間)は、下表の通りです。

損害賠償請求権
犯人 見つかる 見つからない
期間 犯人特定後3 事故発生の翌日から20年間

損害賠償請求権にも時間の制約があることは頭に入れておきましょう。
ちなみに、この損害は修理費だけではありません。
怪我をした場合の治療費などもふくまれています。

Q3.当て逃げの犯人が見つからない!怪我の治療費は誰が払う?

自分の加入保険を使う政府保障事業を使うかの2通りがあります。
ちなみに「治療費」を請求するということは、何らかの怪我が起こっているのでしょう。人体に怪我を及ぼしている場合は、当て逃げではなく「ひき逃げ」というほうが適切です。

人身傷害保険はその一つです。人身傷害保険ならば、加害者の責任の有無・過失和割合にかかわらず、保険会社の基準で保険金を受けとることができます。

ちなみに、犯人が見つからないときに使える保険には「無保険車傷害保険」というものもあります。
しかし、「無保険車傷害保険」は、被害者の方が亡くなったり、後遺障害がのこるような事故に限定されているので、ひき逃げにあった状況によっては使えないこともあります。

政府補償事業を使う

何らかの事情で、加害者に損害賠償請求できない被害者への救済を目的としています。ただし受けとるまでに時間がかかる場合があるなど、利用する前の注意点があります。
もしご自身で加入されている人身傷害保険があるなら、そちらを使うほうがスムーズに補償を受けられるでしょう。

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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