5歳幼児の死亡事故慰謝料|5767万円の判例を弁護士が解説

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5歳幼児の死亡事故慰謝料|5767万円の判例を弁護士が解説

このページでは、5歳女児の死亡事故の判例についてご紹介します。

交通事故によってわが子を奪われた代償は、非常に大きく、その悲しみは計り知れないものです。

どんなに願っても、亡くなったわが子は帰ってきません。

被害者の遺族としては、せめて十分な慰謝料が支払われるべきであります。

こちらの判例では、5767万円以上の損害総額が認められたようですが、算定のポイントは何だったのでしょうか。

法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でもおなじみの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで事務所で取り扱った実例と、裁判所が判断した判例にもとづいて、しっかりと解説していきたいと思います。

それではまず、交通事故の内容から見ていきましょう。

幼児(男・5歳)損害額5767万2278円の判例

幼児(男・5歳)損害額5767万2278円の判例

こちらは、東京地方裁判所の民事第27部の判決、平成22年(ワ)16310号事件です。

この事故で、5歳の男の子が頭蓋骨粉砕状骨折に伴って生じた脳挫滅により亡くなっています。

交通事故の基本情報

事故の内容は「加害者が乗用車を運転して道路を直進していたところ、道路を横断しようとした被害者と衝突した。」というものです。

まとめ
交通事故の基本情報は?
属性 幼児
性別
年齢 5歳
事故の内容 加害者が乗用車を運転して道路を直進していたところ、道路を横断しようとした被害者と衝突した。
傷害の内容 頭部圧挫損傷による頭蓋骨粉砕状骨折
入院 0日

被害者は加害者車両が間近に迫った状態で、駐車車両の間から道路の斜め横断したものと認められ、被害者の母親は、被害者の安全を確保すべき注意義務があったのに、これを怠ったことは否定できないとして25%の過失があるとされたようです。

判例で認められた賠償金・慰謝料

それでは、認められた損害額を見てみましょう。

まとめ
判例で認められた賠償金・慰謝料は?
損害総額 5767万2278円
うち慰謝料 3000万円
うち休業損害 0円
うち逸失利益 2639万5448円

損害総額は5767万2278円でした。

ざっくりまとめると…

被害者の損害額は総額5767万2278円になりました。

  • 慰謝料としては、被害者本人に対して2400万円、両親に対して各300万円が認められました。
  • 逸失利益は、被害者の父母らの主張に基づき、就労期間を45年間(22歳~67歳)、基礎収入を男子の大卒全年齢平均賃金である680万7600円、生活費控除率を50%として、2639万5448円が認められました。

弁護士による解説

弁護士先生、こちらの男の子は頭部に強い衝撃を受け、頭蓋骨の骨折によって亡くなってしまった事故ですが、この判例のポイントはどのような点になりますか?

本件では、亡くなった男児の親族である祖父母については、慰謝料を請求できる立場にないとして損害を否定されたことが特徴的です。

祖父母の慰謝料を認めるかどうかは、同居の有無や従前の関係性などを踏まえて、裁判所によって判断が異なるようです。

また、男児が駐車車両の間から道路の斜め横断を行なったことなどを考慮して、被害者側の過失が25%と認定されました。

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

交通事故の慰謝料の計算方法をおさらい

はじめての慰謝料計算

交通事故の慰謝料の計算方法、よく分からないですよね。

ポイントを整理すると、

  • 保険会社が提示する慰謝料と、弁護士や裁判所が認定する慰謝料は、大きく異なる。
  • 法律的に正しい慰謝料は、弁護士や裁判所が認定する慰謝料の方。
  • 正しい慰謝料を請求するためには、法的な手続きを利用する必要がある。

の三点が重要です。

慰謝料の計算方法については、このページがよくまとまっています。

記事の構成は、

  • 弁護士介入後に慰謝料が増額する理由
  • 交通事故被害者の慰謝料はどのようにして決まるの?
  • 慰謝料よりも高額な「逸失利益」とはどういうもの?

となっています^^

慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと便利

また、慰謝料自動計算機(計算ソフト)を使うと、慰謝料の計算が5秒で完了して便利です。

計算ソフトの利用をおすすめするのは、

  • 保険会社と話し合う前に、自分の慰謝料の概算を知りたい
  • 保険会社から提示されている金額が、法律的に正しいかどうか知りたい
  • 相手方に請求できる(または相手方から請求される)慰謝料の金額を知りたい

といった人たちです。

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保険会社から低い金額を提示されている場合は、素人の知識不足に漬け込んで騙されている可能性があります。

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幼児の慰謝料計算の特徴は?

幼児の慰謝料を計算するにあたって、ポイントとなる点はありますか?

幼児が交通事故でケガを負った場合、保護者による通院時の付き添いが必要なため、慰謝料とは別に、別途通院付添費も請求することができます。

また、付添のためにお仕事を休まなければいけなくなった場合には、保護者の休業損害を請求できる可能性もあります。

軽傷の事案でのポイントは、一般的に大人に比べて幼児の体は柔らかく、怪我をしにくい体ということで、お医者様からあまり通院しなくてもよい言われることがあります。

慰謝料の金額は通院日数によって計算されるため、お医者様とよく話し合った上で、お怪我の程度に見合った通院日数を確保する必要があります。

重傷の事案のポイントは、大人に比べて治療による回復の見込みが大きい傾向にあるので、保険会社から治療打ち切りの打診があっても、安易には応じず、お医者様と相談されたうえで通院期間を確保することです。

また、後遺障害が残った場合、将来の収入の減少をカバーする逸失利益は、将来どれ位の収入が見込めるか不明確なため、計算にも工夫が必要となります。

例えば、女の子の場合、将来男の子の場合よりも見込める収入が低いと言われることがありますが、幼児の場合には十分反論の余地があります。

なお、通常、示談後に治療の必要性があったとしても、その治療費相当額は請求できませんが、幼児の場合、体の成長と共に将来的な治療や手術が必要になる可能性が大人より大きいため、大人の場合に比べて、将来的な治療費を請求できる余地が大きいといえます。

ただし、上記したポイントは一般的な話であり、事故ごとに被害者の方の事情は千差万別といえます。

まずは専門家である弁護士に相談してみるとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、5歳男児の交通事故の死亡慰謝料についての調査結果をお届けしました。

当サイト「交通事故弁護士カタログ」には、他にもお役立ち情報が盛りだくさんです。

これらのコンテンツを活用してみましょう。

弁護士とともに、あなたのお悩みを解決しませんか?

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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