自賠責保険からの後遺障害に対する慰謝料の金額や支払い基準について

  • 自賠責保険,後遺障害,慰謝料

この記事の内容をまとめると以下の通りです
  • たとえば後遺障害等級14級が認定された場合、自賠責保険から後遺障害慰謝料として32万円、逸失利益と合わせて最大75万円が受け取れる。
  • 加害者が任意保険に加入している場合、自賠責の限度額を超える損害賠償については任意保険から受け取れる。
  • 加害者が任意保険に加入している場合、弁護士に依頼すれば、慰謝料の金額が2倍以上にアップする。

自賠責保険からの後遺障害に対する慰謝料について疑問や不安をお持ちの方は、ぜひご一読ください。

author okano
岡野武志弁護士
交通事故と刑事事件を専門とするアトム法律事務所の代表弁護士。

自賠責保険とは、自動車損害賠償保障法により、自動車やバイクの所有者が加入することを義務付けられている保険です。

第五条 自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)又は自動車損害賠償責任共済(以下「責任共済」という。)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。

自賠責保険に加入していない場合、事故を起こさなくても未加入であることが発覚すれば1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

第八十六条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

一 第五条の規定に違反した者

二 第二十三条の九第一項の規定に違反して、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用した者

三 第八十四条の二第二項又は第三項の規定に違反した者

また、無保険による運転は交通違反にもなり、違反点数6点の免許停止処分となります。

以上のように加入が義務付けられた自賠責保険ですが、あくまでも事故被害者の方への最低限の補償を目的とした保険となっています。

支払われる保険金の種類としては、「傷害」、「死亡」、「後遺障害」、「死亡に至るまでの傷害」があり、それぞれについて支払い限度額が定められているそうです。

ではここからは、後遺障害が残った場合に自賠責保険から支払われる慰謝料について詳しく見ていきましょう。

自賠責保険から支払われる後遺障害に対する慰謝料

自賠責保険から支払われる後遺障害に対する慰謝料

後遺障害に対する損害賠償の内訳

治療を行ったにも関わらず、残念ながら怪我が完治せず、後遺障害が残ってしまった場合…。

その後遺障害に対しては、以下のような補償を受け取ることができます。

自賠責保険からの後遺障害に対する損害賠償
慰謝料
後遺障害が残ったことによる精神的・肉体的な苦痛に対する補償。
【支払い基準】
「等級ごとの後遺障害慰謝料」の表参照
逸失利益
身体に残った障害による労働能力の減少で、将来発生するであろう収入減。
【支払い基準】
収入および障害の各等級に応じた労働能力喪失率で、喪失期間などによって算出。

ただし、後遺障害に対する補償を受け取れるのは、自動車損害賠償保障法施行令の別表第1もしくは別表第2に該当する場合のみが対象となります。

後遺障害の該当内容について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

後遺障害慰謝料の金額

そして、別表第1、第2に該当すると認められた場合、その認定された等級に応じて、後遺障害慰謝料が支払われることになります。

具体的な金額は、以下の通りです。

等級ごとの後遺障害慰謝料
等級 慰謝料
第1級
(別表第1)
1600万円
第2級
(別表第2)
1163万円
第1級
(別表第2)
1100万円
第2級
(別表第2)
958万円
第3級 829万円
第4級 712万円
第5級 599万円
第6級 498万円
第7級 409万円
第8級 324万円
第9級 245万円
第10級 187万円
第11級 135万円
第12級 93万円
第13級 57万円
第14級 32万円

つまり、たとえば後遺障害14級が認定された場合には、自賠責保険から32万円の慰謝料が受け取れるということになります。

(参考)逸失利益の計算方法

そして、後遺障害が残った場合には、慰謝料の他に逸失利益も受け取れることになります。

ちなみに逸失利益の計算方法は、以下のようになっています。

逸失利益の計算方法

(基礎収入)×(労働能力喪失率)×(労働能力喪失期間に対応する中間利息控除係数)

それぞれの項目の意味は以下の通りです。

逸失利益の計算方法の項目と意味
項目 意味
基礎収入 後遺障害が残らなければ、得られていたであろう収入
労働能力喪失率 後遺障害が残ったことによる減収の割合
労働能力喪失期間 後遺障害によって減収が発生する期間
中間利息控除係数 逸失利益を症状固定時の金額にするための係数

労働能力喪失率も、慰謝料と同じく等級ごとに定められており、以下の表に示しました。

また、慰謝料と逸失利益を合計した限度額についても同じく示しましたのでご覧ください。

等級ごとの後遺障害の限度額と労働能力喪失率
等級 限度額 労働能力喪失率
第1級
(別表第1)
4000万円 100%
第2級
(別表第2)
3000万円
第1級
(別表第2)
第2級
(別表第2)
2590万円
第3級 2219万円
第4級 1889万円 92%
第5級 1574万円 79%
第6級 1296万円 67%
第7級 1051万円 56%
第8級 819万円 45%
第9級 616万円 35%
第10級 461万円 27%
第11級 331万円 20%
第12級 224万円 14%
第13級 139万円 9%
第14級 75万円 5%

※ 限度額は、慰謝料と逸失利益を合計した額。

労働能力喪失期間については、原則として就労可能な年齢を67歳として終期を一律に定めています。

また、中間利息控除係数については、基本的にライプニッツ係数が用いられています。

それぞれの項目についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧になってみてください。

つまり、たとえば後遺障害14級が認定された場合には、労働能力喪失率を5%として、それぞれの年齢や収入に応じた逸失利益が計算されることになります。

ただし、計算の結果、慰謝料との合計金額が100万円となった場合でも、自賠責保険からは75万円までしか支払われません。

自賠責保険の支払い限度額を超える分は任意保険から

自賠責保険の支払い限度額を超える分は任意保険から

では、自賠責保険の限度額を超えてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか…。

自賠責保険の限度額を超える分については、事故の相手が任意保険に加入している場合、任意保険から受け取れることになります。

任意の自動車保険と自賠責の関係

相手が任意保険に加入している場合には、支払いの限度額がなくなるんですね。

そもそも、任意保険から支払われる後遺障害慰謝料の相場金額も、自賠責保険の相場よりも高くなっています。

しかし、任意保険会社は何かと理由を付けて、非常に低い示談金しか提示してこないことがほとんどなのだそうです。

弁護士を付けて交渉すれば慰謝料の金額が2倍以上に!

その際、弁護士を付けて交渉すると、大幅に慰謝料を増額することができます。

実際に、自賠責保険、任意保険、弁護士を付けた場合の後遺障害慰謝料の相場の違いを比較してみましょう。

等級ごとの後遺障害慰謝料(単位:万円)
等級 自賠責基準※1 任意保険基準※2 弁護士基準
1級 1100
(1600)
1300 2800
2級 958
(1163)
1120 2370
3級 829 950 1990
4級 712 800 1670
5級 599 700 1400
6級 498 600 1180
7級 409 500 1000
8級 324 400 830
9級 245 300 690
10級 187 200 550
11級 135 150 420
12級 93 100 290
13級 57 60 180
14級 32 40 110

※1 被扶養者がいる場合や要介護の場合には金額が異なるケースがある。

  ()内は要介護の場合の金額。

※2 旧任意保険支払基準による。

たとえば14級の場合、保険会社からの慰謝料と、弁護士を付けた場合に獲得できる慰謝料の金額は2倍以上異なっています。

加害者が任意保険に入っている場合には、弁護士に依頼して交渉してもらうと、弁護士基準の慰謝料を回収できることがほとんどです。

弁護士基準の慰謝料を獲得するために、ぜひ弁護士に相談いただければと思います!

後遺障害慰謝料について弁護士に無料相談したい方はコチラ

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以上、自賠責保険から支払われる後遺障害に対する慰謝料について理解を深めていただけたでしょうか。

自賠責保険の限度額を超えて、適正な金額を受け取るためには、弁護士に相談した方が良いと思われた方もいらっしゃるかもしれません。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

自賠責保険からの後遺障害に対する慰謝料の金額や支払い基準

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

適正な金額の慰謝料を受け取るためには、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

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また、このホームページでは、後遺障害の慰謝料や示談金に関するその他関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください!

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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