交通事故のケース別の示談金 知らないと損、交通事故の豆知識
交通事故や弁護士の情報を検索中の方へ。このページでは、「交通事故のケース別の示談金」について徹底調査した結果を報告しています。
目次
入通院で完治したときの示談金の決め方は?
交通事故で怪我をした時、示談金ってどういうふうに計算されるのですか?
治療費、交通費、休業損害、慰謝料などをそれぞれ計算し、これらを合計した上で、過失割合をかけて、最後に、既に支払われた金額を差し引いたものを基準として示談金は計算されます。
なるほど。
それじゃあ、示談金の金額がほんとにそれでいいのかを知るためには、それぞれの費用の金額が正しいのかどうかを確認できなければなりませんね。
怪我に関する損害の確定
交通事故で怪我をしたものの、幸いにしてその後治療の結果完治した場合には、その時点で身体についての損害(人身損害)が確定したということになり、 示談金を計算することになります。
各損害とその計算方法の概要
後遺障害がない場合の示談金の内訳は、主に、治療費、付添費用、入院雑費、通院交通費、装具費用、文書料、休業損害、通院慰謝料といったものが考えられます。
治療費、交通費、装具費用、文書料については実際に必要であった金額を請求することになります(但し、実際に支払った費用でも、裁判になると「必ずしも必要でなかった」等の理由で否定されることはあることにご注意ください。)。
付添費用、入院雑費については、原則として一日につき○○円というように決まっています。
休業損害については、事故前の収入を基準に、一日当たりの収入を計算し、その上で、休んだ日数を掛けて計算 します(ただし、休業はしたものの、有給休暇は利用せず、かつ、収入も減っていない場合には休業損害が否定されることもあります。)。
通院慰謝料については、通院期間(最初の通院日から最後の通院日までの期間)もしくは実際に通院した日数を基準に計算方法が決まっており、この方法により計算します。
なお、通院慰謝料の計算方法には「裁判基準(弁護士基準)」「任意基準」「自賠責基準」という種類があり、 どの基準によるかで金額が大きく変わることは、交通事故の慰謝料と増額手順で詳しく説明しておりますので、そちらもご一読ください。
怪我が完治した場合の示談金はこのようにして決まることになります。
項目 |
説明 |
治療費 |
病院の治療費、整骨院の施術費用等 |
付添費用 |
近親者等が入通院に付き添う必要があった場合に生ずる費用 |
入院雑費 |
入院に伴い必要となる治療費や入院費用そのもの以外の費用 |
通院交通費 |
通院のために必要とした交通費 |
装具費用 |
義手やサポーターなどの費用。眼鏡、コンタクトレンズの費用もここに含む。 |
文書料 |
診断書等の費用 |
入通院慰謝料 |
入通院を余儀なくされたことによる精神的苦痛についての慰謝料 |
後遺症が残ったときの示談金はどうなるの?
治療をしても完治せずに後遺症が残ってしまった場合はどうなるのでしょうか?
その場合は、先ほど説明した各損害に、さらに後遺障害に関しての損害を加えて示談金を計算することになります。
後遺症は残らないのがいいのは当たり前だけど、残ってしまった場合はきちんとその分の補償を受けたいですね。
後遺症の場合の示談金
交通事故で怪我をして、治療を受けても残念ながら完治するに至らず、後遺障害が残ってしまった場合、「完治した場合」のところで説明した 怪我に関する損害に後遺障害に関する損害を加えて示談金を計算することになります。
後遺障害の場合の人身損害=怪我に関する損害+後遺障害に関する損害 |
後遺障害の損害とその計算方法の概要
後遺障害に関する損害には、後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料があります。
さらに、これに関連して、将来介護費と将来雑費という損害も認められる場合があり、その場合にはこれらも示談金に含むことになります。
後遺障害の逸失利益
後遺障害逸失利益 とは、事故による後遺障害がなければ得られていたであろう利益のことをいいます。
例えば、仕事をしていれば、後遺障害により事故以前と全く同じようには働くことができなくなり、それにより得られるはずであった収入が得られなくなると考えるのです。
後遺障害逸失利益は、計算方法が決まっています。具体的には以下のような計算をします。
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に応じた ライプニッツ係数 |
・基礎収入
基礎収入とは、後遺障害逸失利益算定の基礎となる収入のことを指し、働いて収入がある方であれば、事故前の現実の収入 となります。なお、 若年(概ね30歳未満)の方であれば、事故当時の収入は低かったとしても、それを上回る 平均賃金が基礎収入とされることもあります。
その他、いわゆる主婦(家事従事者) の方は、外部からの金銭的な収入はないですが、家事に従事することによって家計としての収入等に寄与していると考えられるため、 平均賃金(若年者の場合の平均賃金とは若干異なります)が基礎収入とされます。
学生 の方の場合は、収入がないのが普通ですが(あっても学業と並行してのアルバイト収入程度)、卒業後は就職して相当程度の収入を得ることが予測されるため、 男女別の平均賃金が基礎収入とされるのが通常です。
その他無職の方については、事故時には一時的に仕事をしていないだけで、再度仕事をする意欲も能力もあったといえる場合には 失業前の収入が基礎収入の基準となります。
・労働能力喪失率
労働能力喪失率 とは、後遺障害により、それまで備えていた働く能力(労働能力)を一部ないし全部失ってしまった場合の、その失ってしまった割合をいいます。
労働能力喪失率は、基本的には後遺障害等級によって決っています。
例えば、後遺障害14級であれば5%、12級であれば14%となり、等級が上位に上がるほど喪失率も高くなります。
・労働能力喪失期間
労働能力喪失期間は、症状固定時から67歳まで の期間が基本です。ただし、18歳未満の未就労者については18歳から、大学卒業を前提としている方については大学卒業時からとなります。
また、症状固定時の年齢が67歳を超えている方については、平均余命の2分の1 を労働能力喪失期間とします。
ちなみに「症状固定時」とは、簡単にいうと、治療を継続してもそれ以上には症状の改善が認められなくなった時点をいいます。
労働能力喪失期間が分かるとそれに応じた「ライプニッツ係数」が分かりますので、基礎収入に労働能力喪失率をかけたものに最終的にこの係数をかけることになります)。
・ライプニッツ係数
「ライプニッツ係数」 というのは、簡単にいうと、本来は将来にわたって分割して受け取るはずの金銭を一括して先に受け取ることになる場合、そのぶん本来よりも利益を得ることになってしまうのを避けるために用いられるものです。
なお、「ホフマン係数」というものもあり、以前はこれを使用する方法もありましたが、現在は実務上ほぼ用いられていません。
「ライプニッツ係数」は、年数によって数値が決まっており、 労働能力喪失期間に応じた数値を使用します。
後遺障害逸失利益の計算には以上のような点を理解しておく必要があります。
後遺障害の慰謝料
最後に、後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ってしまったことによって被った精神的苦痛に対する慰謝料です。
後遺障害慰謝料についても、後遺障害等級によって決まります。
等級 |
労働能力喪失率(%) |
後遺障害慰謝料(円) ※自賠責基準 |
---|---|---|
1 |
100 |
1100(1600) |
2 |
100 |
958(1163) |
3 |
100 |
829 |
4 |
92 |
712 |
5 |
79 |
599 |
6 |
67 |
498 |
7 |
56 |
409 |
8 |
45 |
324 |
9 |
35 |
245 |
10 |
27 |
187 |
11 |
20 |
135 |
12 |
14 |
93 |
13 |
9 |
57 |
14 |
5 |
32 |
※カッコ内は常時または随時介護が必要な状態の後遺障害の場合
被害者が死亡したときの示談金の相場は?
交通事故によって被害者が亡くなってしまった場合の示談金はどのようにして決めるのでしょうか?
被害者が交通事故で亡くなられた場合の示談金についてもおおよその計算方法は決まっています。
人が亡くなった場合の計算方法もあるんですね。
死亡の場合の示談金
交通事故の被害者が事故で亡くなった場合、死亡による逸失利益、慰謝料 (本人分と近親者分)、 葬儀関係費用、 治療関係費等 (事故から亡くなられるまでの間に時間が空いている場合)が損害となり、死亡の場合の示談金はこれらの損害で構成されることになります。
死亡に関する損害の計算方法
死亡の逸失利益
死亡による逸失利益は、計算方法が決まっていて、以下のようになります。
基礎収入×(1―生活費控除率)×就労可能年数に応じた ライプニッツ係数 |
死亡による逸失利益の場合の「基礎収入」と「ライプニッツ係数」についても後遺障害逸失利益と基本的に同様です。
生活費控除率 とは、簡単にいえば、亡くなった方が将来的に生活費として支出するであろう費用相当分を逸失利益から控除する割合のことです。
交通事故で被害者が亡くなられた場合、その人が今後働いて得られるはずであった収入が失われたことになりますが、仮に生きておられたとしてもその収入の中から生活費を支出していたことは間違いないため、逸失利益の算定の際にはその分は控除することになるのです。
生活費控除率は、例えば亡くなられた人が一家の支柱で、被扶養者が一人の場合は40%、二人の場合は30%というように、一応基準が決まっています。
なお、主としてその方の収入によって世帯の生計が維持されている場合には「一家の支柱」にあたるといえます。
死亡による逸失利益の計算方法についての説明は以上のようになります。
一家の支柱 |
それ以外 |
||
---|---|---|---|
被扶養者一人 |
被扶養者二人以上 |
男性 |
女性 |
40 |
30 |
50 |
30 |
死亡の慰謝料
死亡の際の慰謝料は、亡くなられた方ご本人の精神的苦痛に対するものと、亡くなられた方のご両親、配偶者、お子様、亡くなられた方との関係において、 これらの方と実質的に同視しうる関係にある方のものがあります。
ただ、2つの慰謝料があるとはいえ、金額は両方あわせて2800万円 (亡くなられた方が「一家の支柱」であった場合)等と基準が決まっています。
慰謝料額(万円) |
|
---|---|
一家の支柱 |
2800 |
母親、配偶者 |
2500 |
その他 |
2000~2500 |
葬儀関係費用
葬儀関係費用 については、原則は 150万円とされ、実際に支出した金額がこれを下回る場合はその金額となります。
参列者からの香典については、これを受け取ったとしても150万円から差し引くということはせず、反対に香典返しが必要となったとしても、150万円に上乗せはしません。
ただ、葬儀関係費用は、裁判では150万円を上回る金額が認定された事例 も多くあり、また、仏壇購入費や墓碑建立費(お墓を立てる費用)も認められる場合はあります。
治療関係費等
亡くなられた方が、亡くなるまでの間に病院で治療を受けられた場合には、当然のことですが、その治療費も示談金に加えることになります。
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まとめ
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
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