自転車事故にあったら…被害者はどう対応する?使える保険や慰謝料は?

  • 自転車事故,被害者

自転車事故にあったら…被害者はどう対応する?使える保険や慰謝料は?

子供自転車事故被害者になってしまったけれど、示談するまでにどういった対応をすればいいかよくわからない・・・」

「自転車事故の被害者が使える保険にはどのようなものがあるの?」

「自転車事故の被害者が慰謝料などの賠償請求する際の相場は決まっているの?」

自転車事故の被害者になられた方の多くは、示談をするまでの対応の手順・使える保険・慰謝料の相場などわからないことだらけではないでしょうか?

このページでは、そんな方のために

  • 自転車事故の被害者の示談をするまでの対応の流れ
  • 自転車事故の被害者が使える保険
  • 自転車事故の被害者が請求できる慰謝料の相場

といった事柄について、徹底的に調査してきました!

専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。

よろしくお願いします。

自転車事故の被害者になられた方は、ほとんどがはじめてのことでしょうから、対応の流れ・使える保険・慰謝料の相場などご存じないかと思います。

もっとも、対応の流れ・使える保険・慰謝料の相場をしっかりと知っておかないと、損をしてしまう可能性があります。

こちらで、自転車事故の対応の手順・使える保険・慰謝料の相場などを確認し、いざというときに損をしてしまわないようにしておきましょう。

自転車事故と聞くと、何となく車の事故よりも軽く考えてしまいがちです。

しかし、自転車事故も車の事故も同じ交通事故であることに違いはありません。

では、自転車事故の場合と車の事故の場合とでは、被害者示談するまでの対応の流れに何か違いはあるのでしょうか?

自転車事故の被害者の対応の流れ

自転車事故の被害者の対応の流れ

基本的には他の事故の場合と同じ

自転車は四輪車や単車とは別物のように考えてしまいがちですが、道路交通法上は、自動車と同じ車両として扱われることになります。

車両 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。

軽車両 自転車(略)をいう。

そのため、自転車事故の場合も基本的には、自動車事故の場合と示談までの対応の流れに違いはありません。

そして、交通事故の示談までの流れは、大まかにいうと、以下の表のようになります。

交通事故の流れ

事故証明書は自転車事故でも必要

もっとも、自転車事故特有ともいうべき注意点も存在します。

こちらのツイートをご覧ください。

自動車事故であれば悩むことも少ないと思いますが、自転車事故の場合

  • 被害が小さく済むことも多い
  • 自動車と違い免許の点数などがない
  • 面倒くさい

等の理由から、警察に連絡しなくてもよいのではないかと思ってしまうことがあるようです。

しかし、道路交通法には以下のとおり、交通事故が発生した場合の警察への通報義務を定めています。

交通事故があつたときは、(略)当該車両等の運転者(略)は、警察官(略)に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

そして、先ほどお伝えしたとおり、自転車は道路交通法上、車両に該当するので、自転車事故の場合も上記の条文の規制を受けます。

なお、警察への通報義務に違反した場合、道路交通法上は、以下のような罰則が定められています。

次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

(略)

十 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項後段に規定する報告をしなかつた者

(以下略)

事故が発生した場合、警察への通報は通常加害者が行いますが、被害者にも警察への通報義務は課せられているので注意しましょう。

また、それ以外に警察に通報すべき理由として、警察へ通報していないと、後日交通事故証明書を発行してもらえなくなってしまいます。

交通事故証明書を発行してもらえないと、自転車事故が発生したことの証明が困難となり、示談までの流れに支障を及ぼしてしまいます。

つまり、

ということですので、忘れないようにしておきましょう!

後遺障害の認定をする機関がない

お伝えしたとおり、自転車事故の場合も基本的には、自動車事故の場合と示談までの対応の流れに違いはありません。

もっとも、自転車事故の場合、上記の表とは少し違う部分があります。

それは、後遺障害の申請に対して認定してくれる機関がないという点です。

自動車事故の場合の後遺障害の申請は、加害者側の自賠責保険に対して行います。

しかし、道路交通法と異なり、自賠責保険の強制加入を定めている自動車損害賠償保障法上の「自動車」には、自転車のような軽車両は含まれません。

この法律で「自動車」とは、道路運送車両法(略)第二条第二項に規定する自動車(略)及び同条第三項に規定する原動機付自転車をいう。

そのため、加害者が自転車の事故の場合、加害者の自転車は自賠責保険に加入してないので、後遺障害の認定をしてくれる機関がないことになります。

加害者が自転車の事故の場合、被害者は、医療記録などの資料を根拠に、後遺障害の有無や程度を自ら主張していくことになります。

このように、自転車事故であっても自動車事故と同じ交通事故であり、基本的な対応の流れは同じであることは覚えておきましょう。

特に、自転車事故の直後は気が動転してしまいがちですが、警察への通報だけは忘れないようにしましょう。

自転車事故の被害者の対応の流れ
自動車事故との比較 基本的に同じ
注意点 警察に必ず通報
自動車事故との相違点 後遺障害認定機関の有無

自転車事故の被害者が使える保険

自転車事故の被害者が使える保険

お伝えしたとおり、加害者が自転車自転車事故の場合、加害者の自転車は自賠責保険に加入しておらず、自賠責保険は使用できません。

それでは、自転車事故の被害者が使用できる保険にはどのようなものがあるのでしょうか?

被害者が使用できる加害者の保険

自賠責保険

まず、自転車事故であっても被害者が自転車、加害者が車の場合、被害者は加害者加入の自賠責保険から賠償金の支払を受けられます。

ただし、自賠責保険には

傷害分は120万円など限度額が決まっている

ことや、下記の条文のとおり

他人の生命又は身体を害したときの賠償責任に限定しており、自転車の賠償は対象外である点に注意する必要があります。

自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。

対人・対物賠償保険

また、車の所有者の多くは、強制加入である自賠責保険に加えて、任意の自動車保険にも別途加入しています。

任意の自動車保険の内容は様々ですが、被害者の人的損害を賠償する対人賠償保険は必ず契約内容に組み込まれています。

そして、自賠責保険と異なり、多くの場合は被害者の物的損害を賠償する対物賠償保険も契約内容に組み込まれています。

加害者の車が対人・対物賠償保険に加入している場合には、被害者はその保険から損害賠償額の支払を受けられます。

自転車保険

加害者が自転車の場合、加入率こそまだまだ低いものの、加害者の自転車が自転車保険に加入している場合があります。

自転車保険の内容は様々ですが、自転車事故の相手方の人的損害を賠償する対人賠償保険は必ず契約内容に組み込まれています。

そして、多くの場合は自転車事故の相手方の物的損害を賠償する対物賠償保険も契約内容に組み込まれています。

加害者の自転車が自転車保険に加入している場合には、被害者はその保険から損害賠償額の支払を受けられます。

個人賠償責任保険(日常生活賠償特約)

また、加害者が自転車の場合で自転車保険に加入していない場合であっても、加害者が加入する自動車保険火災保険の特約として

個人賠償責任保険(日常生活賠償特約)

に加入している場合、被害者はその保険から損害賠償額の支払を受けられます。

個人賠償責任保険とは、

日常生活において、ご本人またはご家族の方が他人にケガをさせたり他人の物を壊し、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる保険

であり、通常、自転車走行中に他人にケガをさせてしまった場合も補償の対象になります。

つまり、個人賠償責任保険は自転車保険の補償内容を包含するような内容になっていることが多いといえます。

ただし、保険の内容にもよりますが、個人賠償責任保険には示談代行サービスがついていない場合もあるので、その点は注意が必要です。

TSマーク付帯保険

さらに、加害者の自転車が、自動車安全整備士に整備を依頼していた場合、自転車にTSマークというシールが貼られます。

その際に、自転車安全整備店にてTSマーク付帯保険に加入すると、その保険から被害者に対して支払うべき賠償金の一部が支払われます。

保険の有効期間は、TSマークに記載されている点検日から1年間です。

TSマークには、青色マーク(第一種)と赤色マーク(第二種)があり、賠償内容はそれぞれ以下の表のようになっています。

TSマーク付帯保険の相手方への補償内容
青色マーク 赤色マーク
・死亡
・重度後遺障害(1級~7級)
1000万円 1億円※
入院15日以上 なし 10万円

※平成29年9月30日以前加入分は5000万円

表のとおり

  • 後遺障害は重度のものしか補償されない
  • 傷害分の補償は赤色マークしかなく、その内容も入院15日以上という条件付で金額も10万円にとどまる

ことに加え、

  • 対物の賠償はない
  • 示談代行サービスはついていない

ことから、補償として充分なものとはいえないですが、見落としがちな保険ですので、注意しましょう。

最後に、ご紹介してきた保険と適用対象となる自転車事故の類型を表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。

自転車事故の被害者が支払いを受けられる加害者の保険と事故類型
自転車対車 自転車同士 歩行者と自転車
自賠責保険 〇※ × ×
対人・対物賠償保険 × ×
自転車保険 ×
個人賠償責任保険 ×
TSマーク付帯保険 ×

※義務に反して未加入の場合は政府保障事業

保険未加入の場合の対応について

このように、自転車事故被害者損害賠償金の支払を内容とする加害者側の保険には様々なものが考えられます。

もっとも、冒頭でも述べたとおり、特に加害者が自転車の類型の自転車事故の場合、加害者が使用できる保険未加入の場合も残念ながら多いです。

その場合の対応としては、加害者本人と交渉して、加害者に支払ってもらうしかありません。

しかし、損害賠償金が高額になる場合には、加害者本人から支払ってもらうのは資力の問題で事実上困難となるケースも多いです。

このように、自転車事故の損害賠償金を加害者本人から支払ってもらうのは現実的には困難なことが多いため、保険の存在が重要となります。

お伝えのとおり、自転車事故の損害賠償金の支払を内容とする加害者側の保険には様々なものが考えられ、加害者が気づいていない場合もあります。

そういった場合、被害者の方から加害者に保険を確認してもらうよう促すことが必要になることもあるので、上記の保険はよく覚えておきましょう。

被害者が使用できる被害者の保険

加害者が自転車の類型の自転車事故の場合、加害者が使用できる保険未加入の場合も残念ながら多いです。

そういった場合でも、被害者側で加入している保険を使用して損害を補填する保険金を受け取れる場合があります。

そこで、ここからは、自転車事故の被害者の損害の補填を内容とする被害者側の保険にはどのようなものがあるかを確認していきたいと思います!

人身傷害保険

人身傷害補償保険は、被保険者が自動車事故により傷病を負った場合に保険金が支払われる保険です。

そして、契約内容にもよりますが、被保険者が自転車に乗っている時に自動車事故にあい、傷病を負った場合も補償の対象となります。

そのため、自転車対車の自転車事故で自転車に乗っていた被害者が人身傷害保険の被保険者である場合には、その保険から補償を受けられます。

ただし、人身傷害保険の内容が

契約自動車に搭乗中に範囲を限定

していた場合、被害者が自転車に乗っていた場合の自転車事故で、人身傷害保険から保険金は支払われないので、契約内容をよく確認しておきましょう。

交通乗用具事故特約

お伝えしたとおり、人身傷害補償保険は、被保険者が自動車事故により傷病を負った場合に保険金が支払われる保険です。

そのため、自転車同士の事故や歩行者と自転車の事故自動車事故ではないため、人身傷害保険の適用外となるのが原則です。

もっとも、人身傷害保険に交通乗用具事故特約を付けていた場合、

人身傷害保険の適用範囲が交通乗用具である自転車事故まで拡大

するため、自転車同士の事故や歩行者と自転車の事故の場合でも、人身傷害保険から損害を補償する保険金が受け取れることになります。

自転車保険

また、自転車事故において、被害者側が自転車保険に加入している場合が考えられます。

自転車保険の内容は様々ですが、通常、自転車事故で被保険者自身に生じた損害を補償する傷害保険も契約内容に組み込まれています。

そのため、被害者が自転車保険に加入している場合、被害者はその保険から自転車事故で生じた損害を補填する保険金の支払を受けられます。

傷害保険

さらに、自転車事故被害者が、自動車保険自転車保険以外の通常の傷害保険に加入している場合があります。

傷害保険の対象になる「傷害」とは

「急激」かつ「偶然」な「外来」からの事故による、身体に負ったケガ(骨折、やけど等)

であり、自転車事故もこの定義に該当するので、自転車事故の被害者が傷害保険に加入していれば、被害者は傷害保険から保険金が支払われます。

TSマーク付帯保険

また、先ほどお伝えしたTSマーク付帯保険は、自転車運転中の運転者自身のケガも補償しています。

そのため、自転車事故の被害者が運転していた自転車にTSマーク保険が付帯していた場合、その保険から保険金が支払われることがあります。

具体的な補償内容は以下の表のようになります。

TSマーク付帯保険の自身のケガに対する補償内容
青色マーク 赤色マーク
・死亡
・重度後遺障害(1級~4級)
30万円 100万円
入院15日以上 1万円 10万円

表のとおり

  • 後遺障害は4級以上という極めて重度のものしか補償されない
  • 傷害分の補償は赤色マークしかなく、その内容も入院15日以上という条件付で金額も一律かつ低額

であることから、補償として充分なものとはいえないですが、見落としがちな保険ですので、注意しましょう。

なお、TSマーク付帯保険は自転車に付帯される保険のため、自転車の所有者でなくても、運転していた自転車に保険が付帯されていれば補償されます。

一方で、歩行者対自転車の類型の事故で、歩行者がTSマーク保険が付帯された自転車を所有していても、保険金は支払われないので注意が必要です。

最後に、ご紹介してきた保険と適用対象となる自転車事故の類型を表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。

自転車事故の被害者が支払いを受けられる被害者の保険と事故類型
自転車対車 自転車同士 歩行者と自転車
人身傷害保険 〇※ × ×
交通乗用具特約
自転車保険
傷害保険
TSマーク付帯保険 ×

※範囲を契約自動車搭乗中に限定している場合は適用外

なお、自転車事故被害者であっても、一定の過失割合が認められる場合

  • 加害者側の車や自転車の修理費などの物的損害
  • (主に自転車同士の事故の場合の)加害者の人的損害

について、賠償義務を負うことがあり、その賠償に対しては、被害者が加入する

  • 自転車保険(の対人・対物賠償保険)
  • 個人賠償責任保険
  • TSマーク付帯保険(の対人賠償保険)

が使用できる場合があります。

弁護士費用特約

先ほどお伝えしたとおり、自転車事故では、加害者保険未加入の場合も多く、その場合には加害者本人と直接交渉する必要があります。

しかし、自転車事故を当事者間だけで解決するのは困難な場合も多いです。

そこで、被害者の所有する車に弁護士費用特約がついている場合、この特約を使用して、弁護士に依頼することはできるのでしょうか?

結論からいうと、加害者が車の類型では使用できますが、自転車同士の事故や歩行者と自転車の事故の類型では原則として使用できません

自動車保険各社の弁護士費用特約の約款上、「弁護士費用特約」の適用対象の事故は自動車が関与する事故に限定しているからです。

ただし、自動車保険日常弁護士費用特約が付帯している場合、自転車同士の事故や歩行者と自転車の事故の類型でも弁護士費用が支払われます。

通常の交通事故の場合以上に自転車事故は弁護士に依頼すべき必要性が高いといえます。

そのため、弁護士費用を自身の保険から支払ってもらえるかどうかは特に重要になるので、ご自身の保険の契約内容をよく確認しておきましょう。

健康保険や労災保険は使えるか?

自転車事故と保険の問題の一つに、怪我の治療に保険が使えるかという問題があります。

自転車事故でも健康保険は使える

まず、世間では、色々な情報が飛び交っているようですが、自転車事故を含む交通事故でも健康保険は使えることになっています。

自転車事故が労災事故になる場合

また、勤務中や通勤途中自転車事故にあった場合、その事故は労災事故として扱われ、その場合には当然労災保険が適用になります。

労災保険が適用になると、

  • 治療費の自己負担分がなくなる
  • 休業補償後遺障害が認定された場合の保険金の給付を受けられる

ことになります。

健康保険や労災保険は使うべき!?

そして、自転車事故の場合には、以下の理由から通常の交通事故の場合以上に健康保険労災保険を使うべき必要性が高いといえます。

加害者が保険未加入の場合が多い

先ほどもお伝えしたとおり、加害者が自転車の場合、加害者が保険未加入の場合が多いです。

そして、加害者が保険未加入だと、加害者の資力の問題から、損害賠償金を十分に回収できない可能性があります。

そのため、治療費が自己負担になる可能性を見越して、治療費の自己負担分を減らすため、健康保険や労災保険を使用する必要性が高いといえます。

また、加害者から賠償金を受け取れない可能性を見越して、労災保険から休業補償などの保険金を受領しておく必要性も高いといえます。

労災から後遺障害の認定を受ける

加害者が自転車の場合、車の損害保険料率算出機構のような中立的な立場から後遺障害の有無及び等級を認定する機関は存在していません

一方、労災保険では、車の損害保険料率算出機構とは別に労働基準監督署から後遺障害の認定を受けられます

そして、後遺障害が労災で認定されれば、保険金の給付を受けられるだけではなく、加害者との交渉材料としても効果的といえます。

そのため、加害者が自転車の場合に労災保険を使用できる場合には、通常以上に使用の必要性が高いといえます。

このように

  • 自転車事故でも健康保険や労災保険が使えること
  • 加害者が自転車の類型の自転車事故の場合は特に健康保険や労災保険を使用すべき必要性が高い

ということは覚えておきましょう。

自転車事故で健康保険や労災保険を使うべき理由※
理由 詳細
加害者が保険未加入の場合が多い ・治療費自己負担の可能性
・加害者から賠償金受け取れない可能性
労災から後遺障害の認定を受ける ・自賠責保険の後遺障害認定受けられない
・加害者との交渉材料

※主に加害者が自転車の類型の自転車事故を想定

自転車事故での慰謝料請求の問題

自転車事故での慰謝料請求の問題

自転車事故被害者にとって、やはり一番の関心事は慰謝料等どれくらいの金額の賠償請求できるかということかと思います。

そこで、ここからは自転車事故の被害者が請求できる慰謝料の相場について確認していきたいと思います。

慰謝料の種類や相場は変わらない

まず、自転車事故も自動車事故も同じ交通事故であり、ケガ等により辛い思いをすることになった精神的苦痛は、どちらの場合でも変わらないので、

慰謝料の種類や相場は自動車事故の場合と変わらない

ことになります。

慰謝料は三種類

さらに、交通事故による慰謝料は大きく

  • 傷害による慰謝料
  • 後遺障害による慰謝料
  • 死亡による慰謝料

の三種類に分けられます。

それぞれの慰謝料は別個に請求できるので、混同しないよう注意しましょう。

自転車事故の慰謝料の相場とは?

自転車事故慰謝料の基礎知識を確認したところで、続いては、自転車事故の慰謝料の相場を確認していきたいと思います!

先ほどもお伝えしたとおり、事故による精神的苦痛は自転車事故もその他の交通事故も変わらないので、相場は通常の交通事故と同じになります。

また、相場という言葉はよく耳にしますが、一般的には次のように定義されます。

相場

ある物事について、社会通念上妥当とされる金額

そして、慰謝料の金額に争いが生じた場合、最終的には裁判により慰謝料金額が決定されることから、ここからは

裁判の場における慰謝料の相場

について、先ほどお伝えした慰謝料の種類ごとにご紹介していきたいと思います!

入通院慰謝料

打撲など軽傷の入通院慰謝料相場

まず、傷害による慰謝料は基本的に入通院期間に応じて金額が決まってきます。

そして、打撲やむちうちで他覚的所見のない場合など、比較的軽傷の場合の入通院慰謝料の相場は以下の表のとおりです。

軽症・むちうちの慰謝料算定表

軽症・むちうちの慰謝料算定表

表の見方としては、たとえば入院はせず(入院0ヶ月)、通院を1ヶ月した場合には、19万円の入通院慰謝料が支払われることになります。

骨折など重傷の入通院慰謝料相場

一方、骨折など、比較的重傷の場合の入通院慰謝料の相場は以下の表のとおりです。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

表の見方としては、たとえば入院を5ヶ月、通院を12ヶ月した場合には、280万円の入通院慰謝料が支払われることになります。

お伝えしたとおり、傷害による慰謝料は、基本的に入通院期間に応じて金額が決まりますが、通院が長期にわたる場合には

実通院日数の3〜3.5倍

を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることがあります。

ただし、あくまで入通院期間が原則ですので、実通院日数の3〜3.5倍を通院期間として算定すると主張された場合、正当か弁護士に相談しましょう。

後遺障害慰謝料

交通事故による入通院を続けても、怪我をした箇所に痛みや痺れなどの後遺症が残ってしまうことがあります。

そういった場合、後遺障害申請というものを行い、第三者機関によって、残っている症状が後遺障害に該当するかを判断されます。

後遺障害が認定された場合、後遺障害の残存により、生活上の不便を強いられる等の精神的苦痛を補填するための後遺障害慰謝料が別途請求できます。

後遺障害には1級から14級までの等級があり、どの等級かによって、慰謝料の相場が決まります。

具体的な後遺障害の慰謝料の相場は以下の表のとおりです。

弁護士基準による後遺障害慰謝料の相場

ただし、自転車事故の対応の流れのところでお伝えしたとおり、加害者が自転車の場合、車の損害保険料率算出機構のような

中立的な立場から後遺障害の有無及び等級を認定する機関は存在していません

そのため、被害者は、医療記録などの資料を根拠に、後遺障害の有無や程度を自ら主張していくことになります。

死亡慰謝料

自転車事故被害者死亡してしまった場合にも、本人や遺族の精神的苦痛を補填するための慰謝料請求が認められます。

そして、死亡した場合の慰謝料の相場は以下の表のとおりであり、被害者の立場によって、相場の金額が変わってきます。

また、表の金額は、死亡してしまった被害者本人の慰謝料と遺族の慰謝料を合計した相場の金額になります。

ここまでご紹介してきた金額は、冒頭でお伝えしたとおり、裁判の場における相場の金額になります。

しかし、保険会社や加害者から提示される示談金は、ご紹介してきた相場の金額よりも低額であることが多いので注意が必要です。

弁護士に依頼した場合には、裁判をしなくてもご紹介した相場に近い金額で示談できることも多いので、まずは弁護士に相談してみましょう。

死亡慰謝料の相場
被害者の立場 金額
一家の支柱 2800万
母親、配偶者 2500万
その他 2000万〜2500万

自転車事故の適正な慰謝料や損害賠償金額を計算したい方はコチラ!

自転車事故の適正な慰謝料や損害賠償金額を計算したい方はコチラ!

ここまでお読みになって、自分の事故ではどれほどの慰謝料損害賠償金額が受け取れるものなのか…。

今すぐに知りたいと思った方も多いのではないでしょうか。

そのような場合、受け取るべき慰謝料損害賠償金額相場がわかる、こちらの計算機を使ってみてください。

氏名などの入力や面倒な会員登録等は一切不要です。

慰謝料計算機

かんたん1分!慰謝料計算機

開く

通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!あなたが保険会社から提示されている慰謝料は正しいですか?

慰謝料計算機

慰謝料計算機 通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!

慰謝料計算機はこちら

入院期間や事故時の年齢など数項目を入れるだけ、1分かからず弁護士基準賠償金相場が計算できるので便利です。

自転車事故の被害者の方で弁護士に無料相談したい方はコチラ!

自転車事故の被害者の方で弁護士に無料相談したい方はコチラ!

ここまで自転車事故の被害者が知っておくべき情報を説明してきましたが、読んだだけではわからない疑問が浮かんできた人もいるのではないでしょうか?

手軽にスマホで無料相談するなら

そんなときは、お手元のスマホで弁護士に無料相談することができます

こちらの弁護士事務所は、交通事故の無料電話相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。

いつでも専属のスタッフから電話相談の案内を受けることができるので、使い勝手がいいです。

電話相談・LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。

仕事が終わった後や休日にも、交通事故に注力する弁護士に相談できて、便利ですね。

弁護士に無料相談はこちら

※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。

また、交通事故によるケガが重症で、弁護士事務所に訪問できない方を対象に、無料出張相談も行っているそうです。

まずは、電話してみることから始まります。

きっと、被害者の方が取るべき対応について、適切なアドバイスをしてくれるはずです。

地元の弁護士に直接相談するなら

スマホを持っていない場合など、直接弁護士と会って相談されたいという方も当然いらっしゃると思います。

また、既に弁護士へのご依頼を決めていて、交通事故に強い地元の弁護士をお探しの方もいらっしゃるかもしれません。

そんなときには、以下の全国弁護士検索サービスがおすすめです。

サーチアイコン弁護士を探す5秒で完了
都道府県から弁護士を探す
北海道
東北
北陸
甲信越
関東
東海
関西
中国
四国
九州
沖縄

都道府県をお選びください

都道府県をお選びください

都道府県をお選びください

都道府県をお選びください

  1. ① 交通事故専門のサイトを設け交通事故解決に注力している
  2. ② 交通事故の無料相談のサービスを行っている

弁護士を特選して、47都道府県別にまとめています。

何人かの弁護士と無料相談したうえで、相性が良くて頼みやすい弁護士を選ぶ、というのもおすすめの利用法です。

最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、交通事故による通院や治療についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

冒頭でお伝えしたとおり、自転車事故の被害者は対応の流れ・使える保険・慰謝料の相場などを知っておかないと、損をしてしまう可能性があります。

こちらに記載されていることを把握していればひとまず大丈夫かと思いますが、わからないことやもっと知りたいことが出てきた方もいるかもしれません。

そういった方は、上記のサービスなどを活用し、弁護士に直接相談して疑問を解消されることをおすすめします。

まとめ

いかがだったでしょうか。

このページを最後までお読みの方は、

  • 自転車事故の被害者の示談をするまでの対応の流れは基本的には通常の事故と同じだが注意点や相違点もある
  • 自転車事故の被害者が使える保険
  • 自転車事故の被害者が請求できる慰謝料の相場

という点について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

今すぐ、弁護士に相談した方が良いと思った方も多いハズです。

自宅から出られない方や、時間のない方は、便利なスマホで無料相談を利用するのがおすすめです!

そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。

また、このホームページでは、交通事故に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!

皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。

自転車事故の被害者についてのQ&A

自転車事故と自動車事故は示談までの流れが違う?

自転車事故の場合も、基本的に自動車事故の場合と示談までの対応の流れに違いはありません。自転車事故を発生させた場合でも、他の交通事故と同様に被害者も警察に通報しましょう。警察へ通報していないと後日交通事故証明書を発行してもらえなくなり、示談の流れに支障をきたす可能性が高くなります。 自転車事故の被害者の対応の流れ

自転車事故で損害賠償を請求するには?

注目すべきは加害者が加入している保険です。まず相手方が自転車の場合は、自動車との事故とは違い自賠責保険による補償が受けられません。自賠責保険が使えるのは、相手方が車で、自分が自転車で起こった自転車事故のみです。事故の相手方が自転車の場合は、自転車保険の加入状況を確認しましょう。また、加害者が自転車保険に加入していない場合でも、加害者が加入している自動車保険や火災保険の特約が使える可能性があります。 自転車事故の被害者が使える保険

事故の相手が自動車と自転車では慰謝料がちがう?

基本的に自転車事故も自動車事故の慰謝料と相場は変わりません。交通事故による慰謝料は大きく分けて、①傷害による慰謝料②後遺障害による慰謝料③死亡による慰謝料の三種類あります。また、それぞれ個別に請求できます。 自転車事故での慰謝料相場

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

自転車事故の関連記事

慰謝料/示談のまとめ