交通事故で起訴される基準|不起訴率はどのくらい?起訴までの流れ・期間

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交通事故で起訴される基準|不起訴率はどのくらい?起訴までの流れ・期間

交通事故を起こしてしまったら、かならず起訴される事態になってしまうのでしょうか。

どんな基準があって、起訴/不起訴の判断がおこなわれるのでしょうか。

注目トピック
  • 交通事故で起訴不起訴の意味とは?
  • 交通事故の起訴率はどのくらい?
  • 交通事故の起訴までの流れは?

当カタログ編集部に寄せられた「交通事故の起訴」に関する疑問に回答していきます。

法律面の監修は、交通事故をはじめとした刑事事件を多く手掛ける弁護士の岡野武志先生にお願いしています。

岡野武志弁護士
交通事故と刑事事件を専門とするアトム法律事務所の代表弁護士。

交通事故で検察に起訴される場合の基準はある?

交通事故で検察に起訴される場合の基準はある?

交通事故起訴に関するニュースを見つけました。

こちらをご覧ください。

2016年11月に東京都立川市の病院敷地内で乗用車が暴走し、2人が死亡した事故で、東京地検立川支部は20日、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪で、運転していた東京都国分寺市の女性(84)を在宅起訴した。(略)

高齢者による交通事故が近年、問題となっています。

高齢化社会の在り方の点で注目される話題ではありますが、本記事で注目したいポイントは…

「交通事故における起訴

についてです。

そもそも、起訴とは一体どういう意味なのでしょうか。


https://twitter.com/theaterofxxxx/status/26430030476

起訴や不起訴について簡単にまとめると…

起訴とは

刑事裁判をとおして事件が審理されるべきだと検察官に判断されること

不起訴とは

刑事裁判をとおして事件が審理される必要がないと検察官に判断されること

このような言葉の意味をふまえた上で、起訴と不起訴の基準についてみていきたいと思います。

交通事故の起訴/不起訴の基準

交通事故における起訴不起訴には、基準などはあるのでしょうか。

起訴/不起訴の基準

犯罪を犯したことが証拠によって明白で、その事件について「刑事責任を問うべき」であると判断されるかどうか

検察官には、交通事故や刑事事件を起こした被疑者への処罰を求めるという責任をもっています。

検察官によって、取り調べなどの捜査がおこなわれ

  • 起訴するべきか
  • 不起訴とするべきか

事件の内容を慎重に吟味し、判断されます。

起訴/不起訴の基準は一律で決められたものではなく、事件の内容ごとに異なります。

起訴すべきであると判断されると裁判所に起訴状が提出され、刑事裁判がはじまります。

交通事故で起訴されたら略式罰金?

交通事故で起訴されたら、「略式罰金」や「略式起訴」になるという噂を耳にしました。

本当なのでしょうか。

睡眠薬を飲んだ状態で車を運転したとして、立川区検(東京都立川市)は16日、(略)を道路交通法違反(薬物影響運転)の罪で略式起訴した。(略)

立川簡裁から罰金30万円の略式命令を受け、即日納付したという。(略)

こちらは、睡眠薬を飲んだ状態で車を運転して電柱に衝突したという事故に関するニュース記事です。

この交通事故では、略式起訴され、罰金を即日納付したとのことです。

略式とは、いったい何を省略しているのでしょうか。

はじめて聞いたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もしかするとあまりなじみのない言葉かもしれません。

裁判というと公開の法廷のイメージが強いと思いますが、略式手続きという形式の裁判が存在します。

この略式手続きで罰金刑が言い渡されることを、略式罰金と呼ばれています。

略式罰金とは

簡易な裁判手続きである「略式裁判」で、罰金刑が言い渡されること

略式手続きとなるには、一定の要件を満たしている必要があります。

略式手続であれば公開の法廷が開かれることなく、裁判官の書類審査のみですすめられます。

交通事故では、起訴される前までに

  • 被害者へ深く謝罪する
  • 被害者に対する賠償を尽くす

これらをきちんと対応すれば、略式罰金で済むケースがあります。

罰金を検察庁に納付すれば、事件は終了します。

刑務所に入れられる懲役刑などの可能性がないことを考えると、罰金で済むことの意味の大きさがお分かりいただけるのではないでしょうか。

交通事故の「起訴猶予」、起訴?不起訴?どっち?

交通事故が「起訴猶予」として処分されることがあります。

起訴猶予の意味をご存知でしょうか。

聞いたことはあっても、いまいちその意味を把握していないという方も多いと思います。

  • 起訴されていること?
  • 不起訴になった?
  • 起訴でも不起訴でも、どちらでもない?

起訴猶予とはいったい何なのでしょうか。

起訴猶予とは

犯人であることが明白でも、さまざまな情況で不起訴とされること

起訴猶予は、不起訴の一種です。

不起訴の理由には、いくつかの種類があります。

どの種類の理由でも「不起訴処分」としてくくられますが、理由の中身はさまざまです。

主な不起訴の種類
意味
起訴猶予 犯人であることが明白でも、さまざまな情況を考慮して不起訴にされる
嫌疑不十分 犯人であることを明白に示す客観的な資料・証拠が足りない
嫌疑なし 犯人でないことが明白である

代表的な不起訴の理由は、この3つです。

起訴猶予と考慮されるには、さまざまな情況がポイントとなります。

ポイント
  • 被疑者の性格・年齢・境遇
  • 交通事故で生じた結果の軽重
  • 反省・被害者への謝罪がおこなわれたか
  • 被害者と示談成立しているか
  • 賠償が尽くされたか

検察官はこのような点を総合的にみて、起訴猶予による不起訴とするかを決めます。

交通事故をおこしたという事実があっても、被害者への誠実な対応をおこなっているかなどが大事なようです。

交通事故の起訴率から不起訴の可能性を調査

交通事故の起訴率から不起訴の可能性を調査

「交通事故はどのくらいの起訴率なのか…」

起訴率が分かれば、不起訴の可能性も知ることができます。

交通事故における起訴率について調査しました。

交通事故の起訴率は高い?

交通事故の起訴率については、「検察統計」で調査されていました。

交通事故に関しては、さまざまな法律が適応されることになります。

その中でも、注目度の高い罪名における起訴率を紹介していきます。

  • 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱
  • 過失運転致死傷
  • 無免許過失運転致死傷

これらの罪名における起訴率を見てみたいと思います。

過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱(2017年)の起訴率
起訴 95
不起訴 9
起訴率 91.3

検察統計(2017年版) 「被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率の累年比較」

過失運転致死傷(2017年)の起訴率
起訴 48,673
不起訴 396,806
起訴率 10.9

検察統計(2017年版) 「被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率の累年比較」

無免許過失運転致死傷(2017年)の起訴率
起訴 751
不起訴 178
起訴率 80.8

検察統計(2017年版) 「被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率の累年比較」

いかがでしたでしょうか。

起訴率が高いといえるようなものもあったと思いますが、こちらの確率は一般的な確率にすぎません。

起訴されるかどうかは、交通事故の内容ごとに異なります。

参考程度に留めるようにしていただきたいと思います。

ひき逃げや飲酒運転など悪質とされる交通事故は、近年、厳罰化の傾向にあります。

安全運転を心がけて交通事故をおこさないことが一番ではあります。

しかし、もしも交通事故をおこしてしまったら弁護士に相談することが事件解決の第一歩です。

自動運転の技術などによって交通事故は減少の一途をたどっているとの報告もあります。

とはいえ、まだまだ交通事故をおこしてしまう可能性は身近にあると思います。

「交通事故で起訴されるかもしれない」

このようなお悩みをお持ちの場合は、今すぐ弁護士に相談することが大切です。

交通事故の加害者が死亡したら起訴される?

交通事故の状況によっては、ときに加害者死亡することがあります。

交通事故の加害者が死亡しても、起訴されることはあるのでしょうか。

起訴されるのか、不起訴になるのか…

交通事故の加害者が死亡したというニュースを見つけました。

こちらをご覧ください。

愛知県新城市の東名高速で昨年6月、中央分離帯を飛び越えた乗用車が対向車線の観光バスに衝突し、車を運転していた浜松市の男性医師(当時62)が死亡した事故で、県警は23日、男性を容疑者死亡のまま自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで書類送検し、発表した。(略)

「容疑者死亡のまま(略)書類送検」とあります。

この交通事故では、起訴ではなく書類送検されたとのことです。

ニュースなどで耳にすることも多い言葉だと思います。

書類送検とはいったい何なのでしょうか。

書類送検

捜査で得られた証拠など、「捜査書類のみ」を検察官に送致して引き継ぐこと

交通事故や事件を捜査することになった警察は、検察官に事件を報告する段取りをすすめます。

送致をうけ事件を引き継いだ検察官は、起訴/不起訴の判断をおこないます。

ただ、交通事故の加害者(被疑者)とされる人物が死亡した場合は訴訟条件が欠くことになります。

その根拠は、刑事訴訟法で示されています。

左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。

(略)

四 被告人が死亡し、又は被告人たる法人が存続しなくなつたとき。

これを受けて刑事手続きに関する取りあつかいを規定した「事件事務規程」でも、被疑者死亡の場合は不起訴処分とするとされています。

不起訴裁定の主文は,次の各号に掲げる区分による。

(1) 被疑者死亡 被疑者が死亡したとき。

(以下略)

このように、加害者が死亡した場合は不起訴になると定められています。

では、加害者が死亡したら不起訴になると決められているのに、なぜわざわざ検察官へ書類送検されるのでしょうか。

起訴/不起訴の判断は、検察官のみに与えられた権限です。

交通事故の加害者が死亡しているからといって、警察が不起訴の判断をおこなうことはできません。

警察から送致をうけた検察官が不起訴の判断をおこないます。

被疑者死亡を理由として、検察官によって不起訴処分がくだされ交通事故の捜査は終了します。

交通事故における捜査~起訴までの流れ・期間

交通事故における捜査~起訴までの流れ・期間

交通事故にかぎらず、刑事事件がおきるとどのような流れで進んでいくのかよく分からないという声をお聞きします。

交通事故の捜査を経て、どのような流れで起訴まで進んでいくのか解説したいと思います。

交通事故の起訴までの流れはどう進む?

まず、交通事故をはじめとした刑事事件は大きく2つのパターンに分けられ捜査が進められることになります。

交通事故における刑事手続の流れ

これらの2つのパターンはそれぞれ、

▶逮捕されなかった場合:在宅事件

▶逮捕・勾留された場合:身柄事件

このように呼ばれています。

在宅事件と身柄事件
在宅事件 身柄事件
逮捕・勾留 されない される
生活の場所 自宅など 留置場などの刑事施設
起訴までの期間 特になし 逮捕から最大で23日間

留置場などに入れられ、身体拘束されているかどうかという大きな違いはありますが…

どちらも警察・検察による捜査を経て、検察官が起訴するかどうかを検討する流れとなります。

一次的な捜査は警察によっておこなわれ、検察官に送致されます。

捜査の結果を受けた検察官は、事件をみずから捜査し、起訴するかどうか判断します。

在宅事件と身柄事件の大きな違いは身体拘束されているかという点でした。

しかし、起訴までの流れの中でもう一つ大きな違いがあります。

時間制限の有無です。

起訴前改

在宅事件の場合は、起訴までに時間制限はとくに設けられていません。

逮捕・勾留された場合は、起訴されるまで最大で23日間の身体拘束がつづきます。

身体拘束が長期間におよべば、仕事や学校など日常生活に影響を与える可能性が高まります。

逮捕・勾留されたら、早期の段階で弁護士に相談することをおすすめします。

在宅事件・身柄事件の違いはありますが、交通事故における起訴までの大まかな流れとしては…

起訴までの大まかな流れ

交通事故発生

  ↓

捜査

  ↓

起訴

このような流れになるとおさえておいてください。

検察庁から交通事故の起訴状が届いたら裁判の準備

検察庁から交通事故の起訴状が届いたら裁判の準備

交通事故の在宅事件で起訴されると、検察庁から起訴状が届くことになります。

在宅事件の場合は、1年前の交通事故の起訴状が届くなんていうこともあるようです。

起訴状が届いたら、刑事裁判を受けることになります。

起訴状が届くまでのあいだ、何もせずにじっとしていればいいのでしょうか。

裁判を受けるにあたって、なにか対応が必要になるのでしょうか。

弁護士監修!交通事故で起訴されたらとるべき対応

まず、交通事故においては「起訴される前」がポイントになることをおさえておいていただきたいと思います。

起訴状が届く前までに、

  • 被害者に対する謝罪
  • 被害者への賠償を示談などによって尽くす

これらをきちんと対応することで、略式罰金で済むケースがあります。

このような対応は、起訴されてしまった後でも重要なポイントです。

起訴されたら刑事裁判を受けることになります。

起訴された後でも、示談成立の有無は裁判所の量刑判断に大きな影響を与えます。

  • 執行猶予の可能性が高まる
  • 刑期が短くなる可能性が高まる

このような可能性を広げるため、起訴された後でも誠実な対応が求められます。

弁護士がついていれば、示談交渉のみならず裁判の準備を整えてくれます。

交通事故で起訴されたら、弁護士に相談することをおすすめします。

交通事故で起訴されたら弁護士に相談

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最後に一言アドバイス

最後に弁護士から一言アドバイスをいただきたいと思います。

交通事故で起訴されるかもしれないとお悩みの方は、今すぐ弁護士に相談してください。

起訴される前までに、できることがあります。

  • 逮捕されている場合は、釈放を目指す
  • 被害者がいる場合は、示談による賠償を尽くす
  • 被害者からの許しを得る

など、不起訴の獲得に向けて弁護士は尽力します。

交通事故に関する悩みは一人でかかえずに、弁護士に相談するようにしましょう。

まとめ

「交通事故における起訴」についての特集記事でした。

気になる点や疑問は解消できたでしょうか。

もっと詳しい話を聞きたいという方は、弁護士に相談してみましょう。

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これらを活用して、弁護士をお探しください。

関連記事では、交通事故の加害者となりお悩みの方に向けた記事をご用意しています。

あわせてご覧ください。

交通事故での起訴に関するQ&A

起訴猶予と不起訴は違う?

ほぼ似たような意味になります。正確に言えば、起訴猶予は不起訴の一種です。不起訴とは、刑事裁判をとおして事件が審理される必要がないと検察官に判断されることをいいます。そのなかで、起訴猶予とは「犯人が明白でも、さまざまな状況で不起訴にされること」です。起訴猶予と考慮されるには、被害者に対して誠実な対応をおこなっていたかが重要です。 交通事故の基礎/不起訴の基準はある?

交通事故の起訴率は高い?

刑事裁判において、不利な立場に置かれる可能性が高いです。被害者が示談しない理由としては、加害者への怒りがあげられます。まずは被害者へ真摯に謝罪するしかありません。あるいは、双方の主張が折り合わない時も示談は成立しづらいでしょう。しかし、放置していると加害者が刑事裁判で不利な取り扱いを受ける可能性があります。民事裁判は、加害者から提起することも可能ですので、ひとつの方法と言えます。 交通事故の起訴率の調査結果

交通事故の起訴までの流れは?

刑事事件は、身柄事件(逮捕・勾留される場合)と在宅事件(逮捕されない場合)とに分かれます。身柄事件(逮捕された)の場合、留置所や拘置所にて最大23日間身体拘束されます。その間、警察は事故を捜査し、結果を検察官に提出します。検察官は報告を受け、自らも捜査して起訴するかを判断します。在宅事件の場合は、勾留はされません。しかし、警察・検察の捜査を経て、検察が起訴するかどうかを検討する流れは同じです。 捜査から起訴までの流れ・期間

交通事故で起訴された場合どうしたらいい?

交通事故で起訴された場合、示談成立の有無が執行猶予や刑期など裁判所の量刑判断に多大な影響を及ぼします。そのため、交通事故では「起訴される前」が重要になります。起訴状が届くまでに、被害者に対する謝罪を行い、賠償を示談するなど、誠実な対応を尽くしましょう。 弁護士に対応を聞いてみた結果

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