被害者は右小指の欠損障害で労働能力45%喪失
認容額 | 1129万8791円 |
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年齢 | 66歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 作業員(工場勤務) |
傷病名 | 頭部打撲、右眼窩骨折、右小指挫創、骨盤骨折、右大腿骨頸部骨折及び右膝挫創等 |
障害名 | 右小指の欠損障害 |
後遺障害等級 | 8級 |
判決日 | 平成19年5月24日 |
裁判所 | 神戸地方裁判所 |
交通事故の概要
平成13年5月17日午後11時5分ころ、神戸市兵庫区の路上において、被害者の自転車は、本件事故現場付近の交差点を西から東に向けて進入した。他方、加害者の普通乗用自動車は、この交差点を南から北に向けて進入した。そのため、被害者の自転車と加害者の普通乗用自動車の前部右側とが衝突した。
被害者の入通院治療の経過
被害者は、本件事故によって、頭部打撲、右眼窩骨折、右小指挫創、骨盤骨折、右大腿骨頸部骨折及び右膝挫創等の傷害を負った。
被害者は525日間入院し、また355日間通院し、治療を受けた。
被害者の本件傷害は、平成17年7月19日、右股関節の機能障害、右下肢の短縮障害、右膝関節の可動域制限及び右小指の欠損障害等の後遺障害を残して、症状固定した。そして、本件後遺障害は、右下肢の短縮障害が自動車損害賠償保障法施行令別表第二の13級9号に該当するが、右股関節の機能障害(右股関節痛を含む。)が同別表の8級7号に該当するので、上位等級である同別表の8級7号を適用した。また、右小指の欠損障害(右小指痛を含む。)が同別表の14級7号に該当するから、これらの障害を併合して同別表の8級に該当すると判断された。
判決の概要
被害者が運転し西から東へ向けて進行した自転車と、加害者が運転し南から北へ向けて進行した普通乗用自動車が、交差点内で衝突した事故について、被害者が加害者に対し損害賠償等を求めた。加害者の損害賠償責任については争いがないところ、被害者の損害額について算定し、被害者の入・通院慰謝料ならびに後遺障害慰謝料を認めた。また、加害者の治療の遷延化等につき、仮に病院の治療行為に不適切な点があったとしても、治療行為と加害者の運転行為は共同不法行為にあたるので、連帯責任となり、加害者は全額を賠償する責任を免れないとして、被害者の請求を一部認容した。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 131万5787円 |
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入院雑費 | 68万2500円 |
通院付添費 | 4万9611円 |
休業損害 | 1293万7226円 |
逸失利益 | 302万256円 |
慰謝料 | 1308万円 |
松葉杖購入費 | 9270円 |
外出用杖購入費 | 3123円 |
家屋改造費 | 1万 7500円 |
入浴用介護用品購入費 | 5万 1765円 |
福祉用具購入費 | 1万円 |
介護用品借用費 | 9450円 |
診断書取得費用等 | 2万 3100円 |
損益相殺 | - 998万 7441円 |
弁護士費用 | 100万円 |
過失相殺 | - 1092万3356円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。