交通事故で赤ちゃんが同乗してたときの疑問|何科の病院が正解?後遺症は?慰謝料は?

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交通事故で赤ちゃんが同乗してたときの疑問|何科の病院が正解?後遺症は?慰謝料は?

交通事故赤ちゃん同乗していた場合、赤ちゃんは何科病院に連れて行けばいいの?」

「赤ちゃんも交通事故で後遺症が残ってしまうことがあるの?」

「赤ちゃんでも交通事故による慰謝料は支払ってもらえるの?」

交通事故で赤ちゃんが同乗されていた方は、ある意味自分のこと以上に赤ちゃんのことが気にかかることかと思います。

このページでは、そんな方のために

  • 交通事故で赤ちゃんが同乗していた場合、何科の病院に連れて行くのが正解
  • 赤ちゃんの交通事故による後遺症の注意点
  • 赤ちゃんでも交通事故による慰謝料は受け取れるのか

についてご紹介していきたいと思います。

専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。

弁護士の岡野です。よろしくお願いします。

赤ちゃんは交通事故にあっても、自分の症状を伝えられないことから、同乗されていたご両親などからすると不安が募ることかと思います。

赤ちゃんの交通事故については、成人の方とは異なる部分もあります。

こちらで赤ちゃんの交通事故に関する知識を確認し、適正な治療と損害賠償を受けられるようにしましょう。

家族で外出していた場合など、交通事故発生時には、以下のツイートのように赤ちゃん同乗というようなケースが考えられます。

https://twitter.com/asamachiaki/status/886933055490801664

上のツイートをされた方は、幸い赤ちゃんは無事だったようですが、事故後に赤ちゃんに異変を感じるようなことがないとも限りません。

赤ちゃんが交通事故にあい、異変を感じたような場合には、何科病院に連れて行けばいいのでしょうか?

赤ちゃんの交通事故は何科の病院が正解?

赤ちゃんの交通事故は何科の病院が正解?

赤ちゃんなら交通事故でもやっぱり小児科?

赤ちゃん病院に連れて行くとなると、一番に思い浮かぶのは小児科かと思います。

では、赤ちゃんであれば、交通事故の場合も小児科に連れて行くのが正解なのでしょうか?

しかし、小児科とは一般的に小児内科のことを指し、15歳以下の子供の病気を専門とする診療科になります。

そのため、小児科(小児内科)は交通事故などによる外傷については専門外ということになります。

また、小児外科という診療科も存在しますが、以下の表のとおり、病院や診療所において小児外科を標榜しているところはごくわずかです。

病院や診療所における小児科及び小児外科の設置数
施設 小児科 小児外科
病院 2592
35.3%)
376
5.1%)
診療所 19647
19.4%)
369
0.4%)

厚生労働省「平成29年(2017)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」参照

※( )内の数値は全体の施設に占める割合

さらに、小児外科では、交通事故で一番問題になりやすい整形外科の病気についてはほとんど取り扱わないようです。

日本小児外科学会のHPには、小児外科の治療対象について、以下のように掲載されています。

小児外科はもう少し詳しくいえば「小児一般外科」です。

一般外科の受け持ち範囲は呼吸器(気管・肺など)・消化器(食道から肛門までの消化管・肝臓・膵臓など)・その他のお腹の中の臓器(腎臓・脾臓など)・皮膚軟部組織(皮膚・皮下組織・筋肉など)などです。

これらの臓器の外科的な病気,腫瘍などを治療します.

(略)

整形外科の病気は小児外科で扱うことはほとんどありません。

また、脳神経外科の病気も小児外科の対象ではありません。

ただし、普段からかかりつけの小児科がある場合、そのかかりつけの小児科へまず連絡して、どのようにすべきかを相談することは当然可能です。

何科の病院に連れて行けばいいかわからない場合、まずは小児科に相談するというのも方法の一つであると考えられます。

小児科でないとするなら何科の病院で検査?

では、赤ちゃん交通事故にあった場合、小児科でないとするなら何科病院検査してもらえばいいのでしょうか?

結論から言うと、交通事故による怪我については、赤ちゃんも大人同様、怪我をした体の部位に対応する外科系の診療科で検査することになります。

怪我をした体の部位に対応する外科系の診療科が何科であるかについては、大まかには以下の表のようになります。

怪我をした体の部位に対応する外科系の診療科
怪我をした部位 診療科
脳神経外科
形成外科
眼科
耳や鼻の中 耳鼻咽喉科
口腔外科・歯科
皮膚表面 形成外科・皮膚科
それ以外 整形外科

※あくまで大まかな傾向

なお、怪我によっては何科の病院で検査してもらえばいいか判断が難しいケースもあります。

そのような場合には、まず総合病院の整形外科で検査してもらい、病院の医師の指示を仰ぐという方法が良いと考えられます。

赤ちゃんが嘔吐している場合は何科の病院?

ここからは、赤ちゃん交通事故にあった場合に何科病院に連れて行けばいいかを具体的に検討してみたいと思います。

赤ちゃんは自分の症状について、自分自身では説明できません。

そのため、例えば交通事故後に赤ちゃんが嘔吐するようになった場合、ご両親としては気が動転して、混乱してしまうかもしれません。

赤ちゃんを救うためには、冷静になって適切な病院で検査をしてもらう必要があります。

交通事故による赤ちゃんの嘔吐の原因としては、主に以下の二つが考えられます。

脳の損傷が原因

交通事故の際、赤ちゃんが頭をぶつけたことが予想される状況の場合には、嘔吐の原因が脳の損傷であることを疑う必要があります。

意識障害がある場合はもちろんのこと、事故後ぐったりして反応がにぶい場合や、けいれんを起こした場合などは特に注意が必要になります。

この場合には、基本的には脳神経外科で検査してもらう必要があるといえます。

ただし、赤ちゃんの場合には、頭部のレントゲンやCTの撮影については慎重にならなければいけないという特色があります。

これは、成人と比べて赤ちゃんはレントゲンやCTの撮影に伴う放射線の影響が体のサイズからどうしても大きくなってしまうためです。

内臓損傷が原因

交通事故による赤ちゃんの嘔吐の原因として、他には内臓損傷が考えられます。

赤ちゃんは成人に比べ、お腹の容積に占める内臓の割合が大きいため、お腹の表面上は異常がないのに、内臓が損傷しているということがあります。

もっとも、目立った外傷がない場合にはひとまずは小児科に連れて行くのが無難かと考えられます。

ただし、その際には交通事故にあったことを伝え、内臓損傷の可能性があることを医師に伝えることが大事です。

その後、内臓損傷の疑いが強くなった場合には、小児科の医師の指示に従い、小児外科などの適切な診療科で新たに検査を受けることになります。

事故以外の原因

交通事故後に赤ちゃんが嘔吐すれば、当然交通事故が原因であると疑います。

もっとも、赤ちゃんは胃の形が未発達であるため、成人に比べ嘔吐しやすいという特色があります。

また、赤ちゃんは免疫力がないため病気にかかりやすく、嘔吐の原因が交通事故とは関係ない病気である場合もあります。

さらに、赤ちゃんは食物アレルギーになりやすいため、嘔吐の原因がアレルギーの可能性もあります。

このように、交通事故後であっても、嘔吐の原因が交通事故以外のものであることも考えられる点には注意が必要です。

いかなる原因であっても、赤ちゃんが嘔吐していれば、検査をしてもらう必要が高いといえます。

ただし、お伝えしたとおり、交通事故以外の原因も考えられるため、レントゲンやCTの撮影については慎重に判断した方が良いでしょう。

撮影しないと原因がわからず不安に感じるご両親もいるかと思いますが、まずは医師の診断に従い、それでも不安ならば、転院するのも一つの方法です。

赤ちゃんの交通事故による後遺症の注意点

赤ちゃんの交通事故による後遺症の注意点

交通事故発生時に赤ちゃん同乗していたケースでは、その赤ちゃんに交通事故による後遺症が出てしまう可能性もあります。

では、赤ちゃんの交通事故による後遺症について、成人とは異なる部分は何かあるのでしょうか?

後遺症の判断は困難で、時間が掛かることも

赤ちゃん交通事故による後遺症について特に問題となるのが、脳の損傷に伴う高次脳機能障害です。

高次脳機能障害について、一般に成人では、急速な急性期の症状回復が進んだ後は、目立った回復が見られなくなることが多いようです。

そのため、成人の場合は、受傷後1年程度で、後遺症の判断をすることが妥当な場合が多くなります。

それに対し、脳の成長期である赤ちゃんの場合には、受傷後1年を経過した後でも回復が見込めることが成人の場合よりも多いようです。

また、高次脳機能障害の等級判断は労務への支障の程度が影響することになります。

しかし、赤ちゃんの成人後の労務への支障の程度は、脳損傷の程度だけでなく、脳の成長や精神機能の発達による影響も大きいと考えられます。

そして、集団生活での適応困難の程度を知ることができれば、成人後の労務への支障の程度をより正確に判断することが可能と考えられます。

そのため、赤ちゃんの高次脳機能障害の後遺症の判断は、幼稚園などで集団生活を開始する時期まで時間が掛かる場合があります。

簡単に言うと、赤ちゃんが交通事故で脳損傷を受けた場合の後遺症は、ある程度成長しないと正確な判断が困難ということになります。

実務上、ご両親による赤ちゃんの交通事故の後遺症の問題を早期に解決したいという希望から、早期に症状固定をして後遺症を判断することがあります。

しかし、早期に症状固定することにより、赤ちゃんの後遺症に対する適正な補償が受けられなくなる可能性があるので、その点は注意しましょう。

チャイルドシートが後遺症のリスクを減らす

ご両親としては、赤ちゃん交通事故による後遺症のリスクをできるだけ減らしたいと思っているはずです。

そういった交通事故による赤ちゃんの死亡や後遺症のリスクを減らす方法としてチャイルドシートの使用があります。

道路交通法は、6歳未満の幼児を車に同乗させる際には、やむを得ない場合でない限り、チャイルドシートの使用を義務付けています。

自動車の運転者は、幼児用補助装置(略)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。

ただし、(略)やむを得ない理由があるときは、この限りでない。

もっとも、警察庁と日本自動車連盟(JAF)が行った使用状況調査によると、チャイルドシートの使用率は66.2%(2018年)にとどまっています。

しかし、以下の表のとおり、チャイルドシート不使用時には

  • 致死率は、チャイルドシート使用時に比べて約7.9倍
  • 致死重傷率は、チャイルドシート使用時に比べて約2.6倍

高くなっています。

チャイルドシート使用の有無による致死傷率の違い
チャイルドシート使用 チャイルドシート不使用
致死率※1 0.05 0.41
致死重傷率※2 0.84 2.16

※1「致死率」とは交通事故の死傷者のうち死者の占める割合をいう

※2「致死傷率」とは交通事故の死傷者のうち死者及び重傷者の占める割合をいう

※警察庁交通局「平成29年上半期における交通死亡事故の特徴等について」参照

このように、交通事故による赤ちゃんの死亡や後遺症のリスクを減らすには、チャイルドシートの使用が効果的といえます。

もっとも、単にチャイルドシートを使用すればいいというわけではなく、その本来の機能を発揮させるには

  • 使用場所
  • 取付状況
  • 着席状況

にも気を配る必要があります。

以下、それぞれについて詳しく説明したいと思います。

その①使用場所

まず、チャイルドシートは、できるだけ後部座席に取り付ける必要があります。

助手席にはエアバッグがついているところ、体が小さい赤ちゃんには、エアバッグが適切に機能しないことや、被害を大きくすることがあるからです。

もっとも、先ほどの使用状況調査によると、チャイルドシートを後部座席に取り付けていたのは、全体の約68.4%(2018年)にとどまります。

その②取付状況

また、チャイルドシートが適切に取付けていないと、交通事故時に赤ちゃんがチャイルドシートから飛び出してしまうなど本来の機能が発揮できません。

赤ちゃん(乳児)用シートの取付けミスとしては主に

  • 腰ベルトの締め付け不足
  • 座席ベルトの通し位置間違い

などが挙げられます。

その③着席状況

さらに、チャイルドシートを適切に取り付けていたとしても、赤ちゃん(乳児)を正しく座らせていなければ、本来の機能が発揮できません。

赤ちゃん(乳児)用シートの着座ミスとしては主に

  • ハーネスの締め付け不適正
  • ハーネスの高さ調節間違い
  • ハーネスのよじれ・ねじれ

などが挙げられます。

なお、警察庁と日本自動車連盟(JAF)が行った使用状況調査による適切な取付け及び着座状況の具体的割合は以下の表のとおりです。

乳児用シートの適切な使用の割合
適切な取付割合 48.3%
適切な着座状況 49.3%

※警察庁/日本自動車連盟(JAF)「チャイルドシート使用状況全国調査(2018)」参照

赤ちゃんを妊娠中の交通事故による後遺症も

赤ちゃん交通事故による後遺症が問題となるのは、赤ちゃんが生まれた後の交通事故に限りません。

赤ちゃんを妊娠中の方が交通事故にあった場合、事故後に生まれてきた赤ちゃんの後遺症が問題になる場合があります。

具体的には、妊娠中の母親が交通事故にあい、その後、奇形や障害を伴った子供が生まれてきた場合に問題となります。

後遺症の慰謝料請求は認められる

まず、民法上、胎児は、不法行為に基づく損害賠償請求について、すでに生まれたものとみなされます。

胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなす。

よって、交通事故当時、生まれる前の胎児であったとしても、交通事故による後遺症が残った場合、後遺症の慰謝料請求することが認められています。

ただし、胎児の慰謝料請求が認められるのは、実際に胎児が赤ちゃんとして生まれてきた場合に限られます。

胎児の後遺症慰謝料請求の問題点

お伝えしたとおり、赤ちゃんを妊娠中の交通事故でも、生まれてきた赤ちゃんに後遺症が残っていれば、慰謝料請求することが可能です。

もっとも、生まれてきた赤ちゃんの後遺症の慰謝料請求は、因果関係が問題になることが多いと考えられます。

交通事故と生まれてきた赤ちゃんの後遺症との因果関係については

  • 交通事故発生状況
  • 医学的に、生まれてきた赤ちゃんに生じた後遺症が交通事故が原因で生じうるものかどうか

などが判断要素となります。

なお、妊娠中の母親が交通事故にあい、その後生まれてきた赤ちゃんに後遺症が残った事案で、事故との因果関係を認めた裁判例が以下のものです。

鑑定の結果は、次のとおりである。

(1)原告一郎には重度の脳性麻痺があり、将来高度の精神運動発達を遂げることは全く期待できないように思われる。

(2)その原因について検討する。

(略)

原告一郎の脳の病変は、母体の外傷だけでなく、外傷後の母体の諸条件、あるいは分娩それ自体の障害によっても引き起こされる可能性があったのであり、その原因を単一の病態に求めることは極めて難しい。

しかし、原告一郎の脳の病変と原告花子の外傷との間には強い因果関係があると見て間違いがない。

(略)

(5)以上のとおり、原告一郎の現在の運動障害及び精神発達障害の原因は、外傷から出生に至るまでの一四日間の間に起きた脳循環障害に起因したものと考えられる。

しかし、脳循環障害の発来した時期を特定することは困難である。

また、原告一郎の脳障害と原告花子の多発外傷との間には深い因果関係を見るが、原告一郎の脳病変の原因を単一の原因に求めることは困難である。

(六)以上のように、付属病院の各科の診断、高橋医師の診断及び鑑定の結果は、その見解を異にしている。

(略)

しかし、(略)一件記録をすべて精査して鑑定を行った鑑定人医師佐藤潔の鑑定の結果を採用するのが相当であり、この鑑定の結果によれば、原告一郎が被った二次性の頭蓋骨縫合早期癒合症及び重度の脳性麻痺は、本件事故との間に相当因果関係があると認めるのが相当である。

お伝えしてきたとおり、赤ちゃんの交通事故による後遺症については、成人とは異なる部分があります。

まずは、万が一赤ちゃんが交通事故にあってしまった場合でも、後遺症などが残らないようチャイルドシートの適切な使用などの対策の必要があります。

そして、残念ながら、赤ちゃんに後遺症が発生してしまった場合には、そのことに対する適正な損害賠償金を受け取ることが重要といえます。

赤ちゃんも交通事故の慰謝料はもらえる!?

赤ちゃんも交通事故の慰謝料はもらえる!?

赤ちゃんも交通事故による精神的苦痛がある

赤ちゃん交通事故にあっても、自分では痛みや精神的苦痛を伝えられません。

そうであるからといって、赤ちゃんが交通事故にあった場合に痛みや精神的苦痛が発生していないということには当然なりません。

交通事故でけがをしたり死亡したりした場合の痛みや精神的苦痛は、年齢を問わず誰でも共通に発生するはずです。

そして、交通事故による慰謝料は事故により生じた精神的苦痛に対する損害を賠償するためのものです。

そうだとすれば、交通事故により精神的苦痛を受けることになる赤ちゃんにも当然、交通事故による慰謝料が発生することになります。

交通事故の慰謝料は3種類ある

そして、交通事故による慰謝料は大きく

  • 傷害による慰謝料
  • 後遺障害による慰謝料
  • 死亡による慰謝料

の三種類があります。

このことは、赤ちゃんが被害者の場合でも変わるところはありません。

ただし、赤ちゃんの慰謝料については、成人とは異なる部分もあるので、以下、その異なる部分を各慰謝料の種類ごとにお伝えしていきたいと思います。

通院慰謝料は必要性や期間等が争われやすい

まず、傷害による慰謝料について、最も高額な弁護士基準では、入院や通院の期間に応じて金額が決定されます。

具体的には、他覚所見のないむちうちなどの軽症の場合には、以下の表に基づき慰謝料が算出されます。

軽症・むちうちの慰謝料算定表

軽症・むちうちの慰謝料算定表

一方、その他の重傷の場合には、以下の表に基づき慰謝料が算出されます。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

そして、このこと自体は赤ちゃんが被害者の場合でも変わらないことになります。

ただし、一般的に赤ちゃんは成人に比べて体が柔らかいため、同じ衝撃を受けても成人より怪我をしにくいと言われることがあります。

また、赤ちゃんは自分では痛みを伝えられないという特色があります。

そのため、赤ちゃんが被害者の場合、入院や通院の必要性や期間がいつまでかという点について、成人よりも争いになりやすい傾向にあります。

ご両親としては、赤ちゃんの体が心配で通院させたいと考えるかと思いますが、上記のように後々通院が争いになる可能性を念頭に置く必要があります。

赤ちゃんの後遺症慰謝料は成人と変わらない

先ほどの胎児のところでもお伝えしましたが、赤ちゃんでも交通事故による後遺症が発生すれば、それに対する慰謝料が認められます。

具体的な後遺症の慰謝料は等級ごとに定められ、最も高額な弁護士基準だと以下のとおりになります。

弁護士基準による慰謝料の相場

この後遺症についての慰謝料は赤ちゃんであっても成人の場合と特に異なることはありません。

赤ちゃんの死亡慰謝料が成人より低めな理由

赤ちゃん交通事故により死亡してしまった場合にも慰謝料は発生します。

具体的な死亡慰謝料の金額は、最も高額な弁護士基準だと以下の表のようになっています。

弁護士基準の死亡慰謝料について
立場 金額
一家の支柱 2800万円
母親、配偶者 2500万円
その他 2000~2500万円

表をご覧いただければお分かりのとおり、被害者の家族における立場によって慰謝料の金額が異なっています。

死亡による精神的苦痛は誰でも同じはずですが、家族における立場の重要性により、残された遺族の不都合や不安は違ってきます。

家族における立場による慰謝料の違いは、そのような残された遺族の不都合や不安を反映させたものと考えられます。

そして、赤ちゃんの場合は「一家の支柱」にも「母親、配偶者」にもなりえないので、当然上記表の「その他」に該当することになります。

そのため、赤ちゃんの死亡慰謝料は成人より低めになりますが、それは家族における立場の重要性の違いによるものといえます。

お伝えしてきた慰謝料の金額は、記事にもあるとおり最も高額な弁護士基準の金額となります。

保険会社から慰謝料の金額の提示がある場合には、上記の金額よりも低額の慰謝料の提示が予想されます。

裁判などを起こすか弁護士に依頼するかのどちらかの方法でなければ、上記の弁護士基準に基づく慰謝料は受け取れない点には注意が必要です。

なお、赤ちゃんが交通事故で死亡した場合の慰謝料は、当然赤ちゃん本人は請求できません。

この場合、赤ちゃんの相続人が慰謝料請求していくことになります。

詳しくは、「交通事故の死亡慰謝料は誰が相続できる?相続人や遺産分割について弁護士が解説」の記事に記載されていますので、興味のある方はぜひご覧ください!

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、交通事故でお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

赤ちゃんが交通事故にあった場合、同乗されていたご家族の不安は尽きないことかと思います。

赤ちゃんが適正な治療と賠償を受けられるようにするためには、交通事故についての正確な知識が必要になります。

こちらの記事だけでもしわからないことがあれば、ぜひ専門家である弁護士に相談だけでもしてみて下さい。

まとめ

いかがだったでしょうか。

このページを最後までお読みの方は、

  • 交通事故で赤ちゃんが同乗していた場合、何科の病院に連れて行くのが正解
  • 赤ちゃんの交通事故による後遺症の注意点
  • 赤ちゃんでも交通事故による慰謝料は受け取れるが成人とは異なる注意点もある

について理解を深めていただけたのではないかと思います。

これを読んで弁護士に相談した方が良いと思った方も多いハズです。

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また、このホームページでは、交通事故に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!

皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。

交通事故で赤ちゃんが同乗していたときのQ&A

事故の時、赤ちゃんはどの診療科に連れていく?

赤ちゃんが交通事故にあった場合は、怪我をした身体の部位に対応する外科系の診療科に連れて行きましょう。どの診療科で検査すればいいか判断が難しい場合は、総合病院の整形外科で検査してもらい病院の指示を仰ぐのが良いでしょう。事故後、赤ちゃんが嘔吐し場合、意識障害や痙攣が見られる場合は脳神経外科に連れて行きましょう。目立った外傷がない場合には、小児科に連れて行くのが良いです。 赤ちゃんが交通事故にあった時の受診先

赤ちゃんの後遺症の注意点

赤ちゃんの交通事故による後遺症では、脳の損傷に伴う高次脳機能障害の判断時期に注意が必要です。脳の成長期である赤ちゃんは、受傷後1年を経過した後でも回復が見込めることが多く、後遺症の判断に時間がかかります。高次脳機能障害の等級判断は労務への支障の程度が影響するので、幼稚園などの集団生活を開始するまで正確に判断できないことがあります。 交通事故による赤ちゃんの後遺症について

妊娠中の事故の慰謝料はどうなる?

妊娠中に交通事故にあい、奇形や障害をもった子どもが生まれ得た場合、交通事故の後遺症として慰謝料請求することができます。ただし、胎児の慰謝料請求が認められるのは、実際に胎児が赤ちゃんとして生まれてきた場合に限られます。胎児の後遺症慰謝料請求の問題点は、交通事故と後遺症の因果関係の認定が難しいことです。交通事故発生状況を考慮し、医学的に事故と後遺症の因果関係が証明された時に慰謝料請求が認められます。 妊娠中の事故の慰謝料について

赤ちゃんも交通事故で慰謝料はもらえる?

交通事故の慰謝料は年齢に関係なく受け取ることができます。交通事故の慰謝料には、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3つがあります。傷害慰謝料である通院慰謝料は成人と比べ争いやすい傾向があります。後遺障害慰謝料に関しては、成人と得に異なる点はありません。死亡慰謝料に関しては、家族における立場の重要性から成人よりも慰謝料が低くなります。 赤ちゃんの交通事故における慰謝料について

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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