交通事故にあったら病院へ!何科を受診すべき?支払いは加害者!?保険は使える!?
交通事故にあったらすぐに病院へ行く必要があります!
しかし、病院に行くとしても、どこの病院の何科に行けばいいのでしょうか?
その他にも、
- 交通事故では保険が使えないってホント!?
- 治療費の支払いは加害者が払ってくれるの!?
- 診断書には何を書いてもらえばいいの!?
- 途中で病院を変更しても問題ないの?
- 整骨院への通院でも問題ないの?
など、わからないことばかりのはずです。
そこで今回このページでは、交通事故の被害にあった場合の病院への通院に関して、疑問をお持ちの方と一緒に勉強していきたいと思います。
なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
交通事故の被害に遭われ、心身ともにお辛い日々を送られているとお察しします。
しかし、交通事故における病院での治療や病院とのやり取りについてわかっていないと、しっかりとした治療や補償を受けられない恐れもあります。
今回は、少しでも理解を深めていただけるよう、わかりやすく解説していきたいと思います。
目次
何度も交通事故の被害にあった経験がある…という方はほとんどいないかと思います。
そのため、もしも交通事故にあったら、必ず病院に行くべきかや何科を受診すればいいのかわからないという方がほとんどではないかと思います。
交通事故で擦り傷程度なんだけど、病院に行った方がいい?
行くなら何科になるかな?
病院行くのたいぎい。— RedWing227 (@RedWing227A1) 2018年8月3日
怪我をしたうえに、初めての交通事故対応で慌ててしまわないためにも!
怪我を負った場合の病院への通院や、治療費の支払い方法などについて、ここから詳しく見ていきましょう。
交通事故後の病院での受診は必須!
無傷と思ってたら後から首の痛みなどが出ることも…
突然、交通事故の被害に遭った場合…。
気が動転してしまう方がほとんどのはずです。
人間とは不思議なもので、そのような突然の事態で気が動転しているときには、痛みや怪我の症状などを感じないようです。
一人で歩いているときに転んだりして、そのときは恥ずかしさでその場から立ち去ることに精一杯ですが、落ち着いたら転んで打った部分が痛くなってきた…
という経験なら、されたことがある方も多いのではないでしょうか?
だからなぜ本人の判断で続行させるのか。こういう時は気が動転しているから痛みや判断力やら何やら鈍るし本人はなんとしてでもやらないといけないって思うに決まってるじゃないか。交通事故とかでもぶつかった後すぐ立って歩いて大丈夫です〜とか言う人いるけど全然大丈夫じゃない場合が多いからな。
— ブーリオ・チャン (@_pleple) November 8, 2014
交通事故の場合でも、その場では大丈夫と思っていても、後から痛みを感じることが多いようです。
軽い追突事故であっても、後から「首が痛い…」などの症状が現れる可能性もあります。
交通事故に巻き込まれた場合には、必ず病院で受診した方が良さそうです。
何科を受診すべき?どこの病院がいい?
しかし、いざ病院に行くとしても、何科を受診すれば良いのか迷ってしまいますよね。
答えとしては…
基本的には、「整形外科」を受診するのがベストだということです。
そして、どこの病院がいいかというと、「総合病院」が望ましいということです。
なぜなら、症状によっては整形外科以外の診療科での受診が適切な場合もあるところ、総合病院であれば即座に、適切な受診先を案内してもらえるからです。
病院は事故から何日以内に行くべき!?
病院のどこへ行けば良いのかはわかりました。
では、病院には事故から何日以内に行けば良いのでしょうか?
いつまでに行かなければ、賠償を受けられなくなる…などの規定があれば知っておきたいです。
むちうちなどの場合、事故直後は自覚がなくても、少し経ってから痛みを感じるようになることがあります。
事故直後には特に自覚症状がない場合でも、なるべく早めに病院で受診することが重要です。
というのも、事故から時間が経って通院すると、後に痛みがあることや事故との因果関係を疑われる可能性があります。
事故から数日経って病院を受診したとしても、保険会社には「事故とは無関係の治療」と見なされ、治療費を出してもらえなくなるリスクがあるんですね…。
それは要注意です。
事故当日に行けなかったとしても、少なくとも2〜3日以内には行くようにしましょう!
推奨事項 | |
---|---|
尋ねるべき科 | ・整形外科がベスト ・総合病院であれば受付で尋ねる |
尋ねるタイミング | 事故から2~3日以内がベスト |
交通事故の治療の流れ…整骨院への通院は?
病院に行ったあとは、以下のような流れで治療を受けることになるそうです。
怪我の状態が酷ければ入院。
入院の必要がない場合には、通院治療となります。
また、流れの中にもありますが、交通事故の治療として、整骨院や接骨院に通院するケースも考えられます。
ただし、交通事故後にきちんとした治療を受けるためには、まずは病院に行く必要があります。
整骨院や接骨院の技師は柔道整復師であり、医師ではありません。
そのため、治療行為を行うことはできません。
整骨院などに必要に応じて通院することは可能ですが、まずは適切な病状の診断、必要な検査の決定などを医師に行ってもらう必要があるということですね!
整骨院や接骨院に通院するのは、病院での治療が一段落して、それでもまだ首の痛みや足のしびれなどが残っている場合ということになりそうです。
交通事故の治療の流れを知っておけば、いざというときに慌てずに対応できるかと思います。
費用の支払いは加害者!?保険は使える?
交通事故で怪我をした場合には、まずは病院へ行く!ということがわかりました。
ところで、病院へ通院した場合の治療費・通院費は、誰が支払うことになるのでしょうか!?
かかった費用の支払いは誰が行う?
病院への通院にかかった費用については、基本的には、加害者側が支払うことになります。
ただし、交通事故による怪我の治療をする場合であっても、病院との関係では、治療費の支払義務は患者である被害者の方にあることになるそうです。
よって、原則的な治療費の支払方法としては、被害者が病院に治療費を立替え、立替えた治療費を被害者が加害者側に請求するという形になります。
ただし、加害者側が任意保険会社に加入している場合、治療費を相手側の保険会社から治療機関に直接支払うという一括対応という手続きがあります。
この場合、被害者の方は病院の窓口で治療費を立て替える必要がなくなります。
交通事故では健康保険も使える!?「自由診療」か「保険診療」か
また、交通事故の治療に健康保険などの保険を使用するかどうかを決める必要があります。
ところで、交通事故では健康保険を使用できないと誤解されていらっしゃる方も多いようですね。
そうそう、交通事故で、
怪我しても、健康保険使えないから、100%
自腹か、自動車の、任意保険、
強制保険で、— Suzuki…hide (@try05255tyrgut) August 13, 2019
しかし、厚生労働省は、以下のように交通事故でも健康保険を使えるという通達(通知)を出しています。
犯罪や自動車事故等の被害を受けたことにより生じた傷病は、医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律)において、一般の保険事故と同様に、医療保険の給付の対象とされています
なお、裁判例でも、交通事故において健康保険を使用できることは当然であると、判決文中で述べられています。
国保法は、(略)偶発的、不可測的な事故にあった国民が医療費等の調達のため経済生活の均衡が破れ、経済生活の向上と発展を阻害されることがないようにするため、共同貯蓄制度としての国民健康保険制度をその目的としていることに鑑みれば、交通事故により負傷、疾病した被保険者に対し、療養保険給付が行なわれなければならないことは当然であつて、これを排斥すべき理由はない。
出典:大阪地判昭和60年6月28日
ただし、健康保険を使用する場合には、病院に対して健康保険証を呈示し、健康保険を使用する意思を伝える必要があるとのこと。
健康保険証の呈示だけではなく、使用の意思をはっきりと伝えるのがポイントということです。
ここで、健康保険を使わない自由診療と、健康保険診療との違いをまとめてみましたので、良ければ参考にしてみてください。
自由診療 | 健康保険診療 | |
---|---|---|
費用 | 高額 | 低額 |
治療方法 | 制限なし | 制限有り |
病院によっては、健康保険の使用を拒否したり、一括対応に応じてくれないところもあります。
そういった場合に、弁護士が介入することにより、病院の対応が変わった事例もあります。
病院での対応にお困りの方は、弁護士に相談だけでもしてみた方が良いかもしれませんね!
以上のとおり、交通事故で健康保険は使えるので、このことはよく覚えておきましょう。
交通事故の診断書を作れるのは病院の医者だけ!
ところで、交通事故の治療では、最初に病院に行くべきという話でした。
その理由としては、もう一つあります。
というのも、交通事故で怪我をした場合、医者に診断書を書いてもらう必要があります!
診断書を作成する目的は、交通事故後の怪我の状態を明確に残しておくためです。
交通事故の「診察」をできるのは医者のみ
診断書とは、言葉のとおりですが、医者が患者の病名や症状について診断した結果を記載したものです。
この診断書は、基本的に病院の担当医に作成してもらう必要があります。
むちうちなどで整骨院に行ったとしても、基本的には病院の医者に診断書を作成してもらうことになります。
整骨院の柔道整復師では診断書作成の前提となる「診察」ができないからです。
また、怪我が完治すれば良いですが、後遺症が残ってしまった場合…。
後遺障害の診断書を書いてもらう場合にも、やはり医者に依頼する必要があります。
診断書の記載内容についての注意点
では、重要であることがわかった交通事故の診断書の記載内容はどうすれば良いのでしょうか。
基本的な内容としては、以下のようになっているようです。
概要 | |
---|---|
記載内容 | ・症状名 ・全治日数 ・作成日時 ・医師名、病院名 など |
ただし、先ほどお伝えした、相手側の任意保険会社に一括対応をお願いしている場合、毎月診断書が病院から相手側の保険会社に送付されます。
その診断書に治癒と記載されてしまうと、それ以降の治療費を交通事故の損害賠償として認めてもらえなくなることになります。
また、医療照会に対する回答内容によっても、それ以降の治療費を交通事故の損害賠償として認めてもらえなくなるなどの恐れがあります。
医療照会とは、保険会社が病院に対して被害者の症状の問い合わせをすることです。
そういった事態を防ぐために、何か考えられる対応策はあるのでしょうか?
考えられる対応策としては、
- ① 診断書記載や医療照会回答前の確認をさせてもらう
- ② 専門家に医師面談してもらう
ことなどが考えられます。
① については、コミュニケーションをしっかりと取り、交通事故特有の事情などを医師に説明することで、不用意な記載や回答を防ぐことができるようです。
とはいえ、被害者ご自身では、医師にしっかりと事情などを伝えられないことも多いはずです。
そういった場合には、弁護士などの専門家に依頼して医師面談をしてもらうのが非常に有効ということです。
病院の変更は可能?むちうちは病院に行かないで整骨院(接骨院)だけでもOK?
病院を変更したい…転院しても大丈夫ってホント!?
ところで、治療を続ける中で、病院を変更したい場合はどうなるのでしょう?
たとえば、交通事故の治療中、
- 事故現場から救急車で運ばれた病院が自宅から遠い
- 引っ越しをする
- 主治医との相性が合わない
などの理由により、事故当初に通院していた病院から転院する必要性が出てくる場合があります。
救急で入ったのですよね。でしたら後の処置は主治医に変更っていうのはアリです。息子の交通事故の時は病院から勧められて転院しました(毎日の処置のため)
— ちゃくろ。 (@chakuron) August 22, 2017
その場合、従前の主治医に事情を説明して、紹介状を書いてもらい、それを持って転院先の病院に行くのが原則ということです。
ただし、紹介状を書いてもらえない場合もあり、その場合には、紹介状なしでも転院が可能な場合もあります。
紹介状だけでなく…病院の変更の際は保険屋に連絡を!
紹介状なしでも転院が認められる場合があるということでしたが、基本的にはあった方がスムーズでしょう。
他に、病院を変更する際に気を付けた方が良い点はあるのでしょうか?
相手側の保険会社に転院の了承を得ておかないと、転院後の治療費を支払ってもらえない可能性があります。
そのため、転院をする場合、事前に予め相手側の保険会社の了承を得るという流れも必要になります。
その他に、転院の流れの中で注意すべきポイントとしては、
- ① 経過の診断書の記載方法
- ② 転院は可能な限り早期に行うこと
なのだそうです。
診断書に記載については、転院の際、経過の診断書に誤って、治癒、中止と記載されてしまうことがあります。
そのため、転院と記載してもらう必要があります。
② については、事故から時間が経過した後の通院は、相手側の保険会社の了承を得られにくくなるそうです。
また、事故からしばらくして転院した場合、新しい担当医は転院までの間の治療経過を見ていません。
そのため、事故からしばらくして転院すると、十分な内容の後遺障害診断書を書いてもらえないという不利益が生じる可能性が高まってしまいます。
心配な場合には、やはり弁護士に相談してみてください。
整骨院への通院には医師の許可と病院受診の継続が必要
ところで、最初は病院に行くものの、むちうちなどの症状が出た場合には、病院ではなく整骨院などへ通院することもあるということでした。
実際に、「交通事故の治療専門」と宣伝している整骨院もたくさん見かけますよね。
おはようございます☀今日は秋晴れですね〜風も余りなく過ごしやすいですね〜(*^^*)本日も午前は12時30分までの受付になります。皆様を元気にお待ちしております💪当院は交通事故専門院です。お気軽にご相談下さい🤗#交通事故専門院#鍼灸整骨院#瑞江#江戸川区 pic.twitter.com/p1SOJGG9OF
— あさひろ鍼灸整骨院(瑞江) (@9_mizue) 2017年10月23日
しかし、整骨院での施術は医者の許可がない場合には原則として認められないことになっています。
そのため、整骨院へ通院する場合には、原則として事前に病院で医師の許可を得る流れになっているようです。
お医者様にもよりますが、どちらかと言うと医者の方々は整骨院での施術を好ましく思わない傾向にあるようです。
お医者様の許可を得るためには、整骨院へ通院する必要性などにつき十分かつ丁寧に説明する必要があります。
また、医師の許可が得られたとしても、その後は病院に行かないでよいというわけではなく、病院(整形外科)と整骨院を併用する必要があります。
なお、医師の許可を得られ、もしも整骨院に通院した場合の治療費はどうなるのかと言いますと…。
整骨院などの費用(施術費)についても、基本的には相手側の保険会社から支払いの対応をしてもらうことになるそうです。
一方、医師の許可がない場合は、保険会社から支払いを受け取れない可能性もあります…。
整骨院への通院につき、医師の許可が得られずお困りの場合には、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。
このような交通事故の治療を整骨院で行う際の注意点を知っておけば、余計なトラブルが回避できます。
治療に対する慰謝料に影響するのは通院期間?通院日数?
ここまで、交通事故での病院、整骨院での治療や治療費などについて見てきました。
一方、治療費や通院費以外に、怪我に治療で受けた精神的な苦痛に対し、入通院慰謝料も支払われることになります。
入院慰謝料や通院慰謝料は、どのように算定されるのでしょうか?
通院慰謝料のほぼ唯一の基準は「通院期間」
実は、治療にかかった期間が、慰謝料のほぼ唯一の基準となっているということです。
むちうちでは通院慰謝料が低いってホント!?
とはいえ、期間だけで慰謝料を決めてしまうのも問題があるようです。
たとえば、むちうちでは、心理的な原因で痛みが続き、通院が長引くケースも多いそうなのです。
よって、他の怪我よりも慰謝料の相場は低く設定されているということでした。
以下に、通常の怪我の場合とむちうちの場合における入通院慰謝料の相場を示しましたので、ご覧になってみてください。
表の見方としては、たとえば入院を5ヶ月、通院を12ヶ月した場合には、280万円の入通院慰謝料が支払われることになります。
表の見方としては、たとえば入院はせず(入院0ヶ月)、通院を1ヶ月した場合には、19万円の入通院慰謝料が支払われることになります。
長期間通院すれば良いワケじゃない!?通院頻度と慰謝料の関係とは
基本的には、入院期間や通院期間で慰謝料が決まるということでした。
では、頻度を少なくして長期間通った方がたくさんもらえるのでは!?と思ってしまいます。
つまり、適切に通院しなければ、同じ怪我でも慰謝料の金額が変わってきてしまうかもしれないということですね!
それは大問題です。
ここからは、通院頻度と慰謝料の関係について、詳しく見てみましょう。
通常の怪我における通院頻度と慰謝料の関係
まず、むちうち以外の通常の怪我の場合はどうなのでしょうか。
調べてみたところ、以下の2パターンに当てはまる場合には、
通院期間を限度にして、実治療日数の3.5倍程度の日数を基準として慰謝料が計算される
ことになるようです。
- ① 通院が1年以上にわたり、通院頻度が1ヶ月あたり2~3回程度にも達しない場合
- ② 通院を継続しているものの、治療よりも検査や治癒経過観察の意味合いが強い場合
通常の怪我の具体例
もう少し具体的に説明しますね。
たとえば、①のケースを考えてみます。
極端な例ですが、通院期間が1年で、実通院日数が17日しかなかったとしましょう。
通院期間が基準であるならば、1年間通院=慰謝料154万円もらえるのかというと違います。
この場合、通院頻度が1ヶ月あたり2回に達していないので、17×3.5=59.5日(≒2ヶ月)が適用され、慰謝料は52万円ということになってしまうのです。
むちうちにおける通院頻度と慰謝料の関係
一方、むちうちによる通院の場合にはどうなるのでしょうか?
他覚症状のないむちうちで、通院が長期にわたる場合には、
通院期間を限度にして、実治療日数の3倍程度を基準にして慰謝料を計算する
ことになります。
他覚症状とは、患者以外の人が客観的に捉えることができる症状のことです。
よって、むちうちで月に10日以上通院しなければ、慰謝料を減額されてしまう可能性があるということになります。
むちうちの具体例
具体的に見てみると、通院期間が6ヶ月で月に11日のペースで通院していた場合、66×3=198日が基準となります。
198日は6ヶ月以上ですが、通院期間が限度となるので、6ヶ月に対応する89万円が慰謝料ということになります。
しかし、6ヶ月間通院しても、月に9日しか通っていなかった場合は、54日×3=162日となり、6ヶ月に満たなくなります。
よって、慰謝料の額が減額されてしまうのです。
原則 | 例外 | |
---|---|---|
通常の怪我の場合 | むちうちで他覚症状のない場合 | |
通院期間により算定 | 通院期間を限度として、実治療日数の3.5倍程度により算定 | 通院期間を限度として、実治療日数の3倍程度により算定 |
このように、慰謝料の算定には例外ルールなどもあり、被害者ご本人だけではわからないことも多くあると思います。
適正な慰謝料獲得に向けて、少しでも不明点がある場合には、ぜひ弁護士に相談してみてください。
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ここまでお読みになって、自分の事故ではどれほどの慰謝料が受け取れるものなのか…。
今すぐに知りたいと思った方も多いのではないでしょうか。
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病院にはいつまで通うべき!?答えは症状固定まで
では、いつまで病院に通院すれば良いのでしょうか。
答えは、「症状固定まで」らしいのです。
症状固定
傷病に対して行われる医学上一般に認められた治療方法を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態に達したときのこと。
通院治療を続けた場合、担当の医師から「症状固定」の判断が下されることになります。
入通院慰謝料の算定の基礎となる入通院日数は、症状固定時までとなります。
また、怪我が完治せず、後遺障害が残った場合の症状も、症状固定時の医師の判断や診断書の内容が参照されます。
よって、症状固定は交通事故後の手続きにおいては非常に重要なポイントになるということですね。
治療の打ち切りを宣告された場合の対応
ところで、DMK136という言葉を聞いたことがありますか?
https://twitter.com/min_0201/status/748492205510131713
実は、打撲、むちうち、骨折それぞれの治療期間は、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月を目途に打ち切るという、保険会社の中にある暗黙のルールらしいのです…。
実際に、通院期間がある程度長くなってくると、相手側の保険会社の判断により、一括対応の打ち切り(終了)を宣告されることがあるそうなのです。
旦那が10:0で交通事故の被害にあって保険会社とのやりとり継続中。9:00〜17:00の平日しか連絡できません、確認します(といいつつやってない)、と思ったら勝手に治療費打ち切りを病院に伝えてたり、こっちにも勝手に症状固定とか言ってくるし……腹が立って仕方がない
— 柚子 (@xxyuzuxx) September 8, 2017
打ち切りを宣告された場合、
- ① 治療を継続するかどうか
- ② 後遺障害の認定の申請をするかどうか
という2つの対応をどうするかにより、その後の流れが変わってきます。
①治療を継続するかどうか
そんないきなり治療を打ち切られても…まだ痛みが残っているのであれば、最後まで治療を受けたいところですよね!
治療を継続する場合
治療費の打ち切りを宣告された後も治療を継続する場合、少なくとも一度治療費を立替する必要があります。
健康保険を使用すれば、立替をすべき治療費が抑えられ、立替の負担を軽減することができます。
そのため、自由診療で治療を受けていた場合には、病院に健康保険診療への切り替え手続きをとる必要があります。
立替えた治療費は後に、相手側に請求します。
打ち切り宣告後の治療費に関しては、その治療の必要性が争われることになります。
治療の必要性の争いに備え、病院に治療継続の必要性を記した書類の作成依頼をすることが必要となります。
治療を継続しない場合
一方、治療を継続しない場合には、後遺障害の申請の有無により、その後の流れが異なってきます。
②後遺障害の申請をするかどうか
後遺障害の申請をする場合
後遺障害の申請をする場合、後遺障害の認定結果が出た後に示談交渉を行う流れになります。
後遺障害の申請をしない場合
一方、後遺障害の申請をしない場合、そのまま示談交渉という流れになります。
その場合、病院には、示談交渉の前提として診断書や診療報酬明細書を治療費を支払った被害者もしくは相手側の任意保険会社に送付してもらう流れになります。
後遺障害申請する | 後遺障害申請しない | |
---|---|---|
治療継続する | ・健保切替 ・治療継続必要という書類作成依頼 ・後遺障害診断書作成依頼 |
・健保切替 ・治療継続必要という書類作成依頼 ・診断書等送付依頼 |
治療継続しない | ・後遺障害診断書作成依頼 | ・診断書等送付依頼 |
なお、打ち切り宣告後も、弁護士が介入し、病院から被害者の症状などを聞き取ったうえで交渉し、打ち切りを延期させることができた事例もあるそうです。
相手側の保険会社から打ち切りを宣告され、今後どのように行動すればいいかお困りの方は、やはり弁護士に相談だけでもしてみた方が良さそうです!
症状固定後の治療費は本人持ちです
症状固定の判断が下された後も、通院の継続が必要となるケースも考えられます。
たとえば、症状固定した状態を維持するためにリハビリが必要なケースも考えられます。
また、たまに痛みなどが出るため、定期的に病院に通うこともあるでしょう。
このように、症状固定後にも通院する場合、相手側の保険会社に治療費などを請求できるのでしょうか?
基本的に、症状固定後の治療費に関しては、相手方に対して請求することはできません。
症状固定とは、それ以上治療を続けても、効果が期待できない状態ということです。
よって、その後の通院治療は不要だと見なされてしまいます。
なるほど。
残念ながら、症状固定後にも通院を継続する場合には、その費用は基本的に被害者ご本人の負担ということになるそうです。
ただし、健康保険などの利用は可能ということなので、全額負担にはなりません。
とはいえ、先ほども述べましたが、病院によっては健康保険の使用を拒否するところもあるそうです…。
病院での対応にお困りの方は、ぜひ弁護士に相談だけでもしてみてください!
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ここまで、交通事故の怪我による病院への通院について一緒に見てきました。
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それでは、最後になりますが、交通事故による通院や治療についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。
交通事故の被害に遭われ、さらに保険会社との交渉で辛い思いをされていることと思います。
しかし、病院への通院の仕方などによっても、受けられる賠償内容が変わってきてしまうことも考えられます。
少しでも不明・不安な点がある場合には、迷わず弁護士に相談することをおすすめします。
なぜなら、辛い思いをした分、適正な金額の補償を受けるべきだからです。
しかし、保険会社から示談条件を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。
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まとめ
いかがだったでしょうか。
このページを最後までお読みの方は、
- 交通事故での病院への通い方
- 交通事故と健康保険の関係
- 治療費の支払い方法
- 診断書への記載内容
- 病院の変更や整骨院への通院
について、理解を深めていただけたのではないかと思います。
今すぐ、弁護士に相談した方が良いと思った方も多いハズです。
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そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。
また、このホームページでは、交通事故に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!
皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。
交通事故の怪我で病院を受診する際のQ&A
交通事故にあったら病院の何科を受診すれば良い?
基本的には「整形外科」を受診するのがベストですが、症状によっては整形外科以外の診療科での受診が適切な場合もあるので「総合病院」に行くのが安心です。事故から時間が経って通院すると、後に痛みがあることや事故との因果関係を疑われる可能性があるため、2〜3日以内に受診するのが良いでしょう。 何科を受診すべき?どこの病院がいい?
病院でかかった費用は誰が支払う?
病院への通院にかかった費用については、基本的には加害者側が支払うことになります。原則的な治療費の支払方法としては、被害者が病院に治療費をいったん立替え、立替えた治療費を被害者が加害者側に請求します。ただし、加害者側が任意保険会社に加入している場合は、被害者の方は病院の窓口で治療費を立て替える必要がなくなります。 費用の支払いは加害者?
治療開始後に病院を変更することはできる?
治療途中での病院変更は可能です。その場合、従前の主治医に事情を説明して紹介状を書いてもらい、それを持って転院先の病院に行くのが原則です。また、相手側の保険会社に無断で病院を変えてしまうと、転院後の治療費を支払ってもらえない可能性があるので、事前に相手側の保険会社の了承を得ておきましょう。 転院しても大丈夫ってホント!?
病院ではなく整骨院で治療を受けても良い?
必要があれば、整骨院で治療を受けることも可能です。ただし、整骨院での施術は医者の許可がない場合には原則として認められないことになっているので、事前に病院で医師の許可を得る必要があります。また、医師の許可が得られたとしても、その後は病院に行かないでよいというわけではなく、病院(整形外科)と整骨院を併用する必要があります。 整骨院に通院する際の注意点
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。