原付と自動車が衝突 被害者は左膝半月板損傷などの受傷、治療後も後遺障害が残る
認容額 | 2038万9793円 |
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年齢 | 30歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 日雇労働 |
傷病名 | 右舟状骨骨折、左橈骨遠位端骨折、右第1指中手骨骨折、左尺骨茎状突起骨折、左膝半月板損傷、下顎骨骨折等 |
障害名 | 左膝関節痛等 |
後遺障害等級 | 9級 |
判決日 | 平成25年6月27日 |
裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
交通事故の概要
平成18年9月14日午後7時ころ、愛知県海部郡美和町の交通整理の行われていない交差点において、南北道路北行車線から同南行車線に転回しようとした加害者の普通乗用自動車と同南行車線を走行中の被害者の原動機付自転車が衝突した。
被害者の入通院治療の経過
被害者は、本件事故により、右舟状骨骨折、左橈骨遠位端骨折、右第1指中手骨骨折、左尺骨茎状突起骨折、左膝半月板損傷、下顎骨骨折等の傷害を負った。
被害者は、平成18年9月14日から同年10月31日まで、平成19年2月15日から同月23日まで、及び同年9月20日から同月29日までの計67日間、K病院の整形外科に入院した。
さらに、平成18年9月14日から平成20年9月25日までの間に、K病院の整形外科に171回、同病院の口腔外科に25回、M外科医院に36回、S歯科医院に4回通院して治療を受けた。
後遺障害の内容
K病院の整形外科医師は、平成20年9月25日に、被害者の症状が同日固定した旨診断し、自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書に手関節の可動域を下記の通り記載した。
背屈 (他動)右80度・左40度 (自動)右80度・左40度
掌屈 (他動)右40度・左20度 (自動)右40度・左20度
これを踏まえて、損害保険料率算出機構は、平成12年5月18日に、被害者の後遺障害について、左手関節の機能障害は自動車損害賠償保障法施行令別表第2(以下「後遺障害等級」という。)10級10号に該当し、左手関節痛はこれに含めて評価し、左膝関節痛等の訴えは後遺障害等級12級13号に該当し、左膝関節の機能障害及び左上第7歯の歯牙障害は自賠責保険における後遺障害には該当しないとして、併合して後遺障害等級併合9級に該当する旨の後遺障害等級認定を行った。
判決の概要
南北道路の北行車線を走行する加害者が運転する自動車が、交差点内の右折レーン上で南行車線に転回した際に、同道路南行第1車線を走行して本件交差点に進入した被害者が運転する原動機付自転車と衝突(両車両の前部)した。本件交通事故で、後遺障害をともなう傷害を負った被害者が、加害者に対して、未填補の損害金の支払いを求めた。裁判所は、被害者の直進車両の優先性は顕著で、転回禁止違反の加害者の過失は非常に大きく、過失相殺する事情はないとした。その上で、被害者の基礎収入を直近1年間とする休業損害・労働能力喪失率20%等とする後遺障害逸失利益等の相当損害額につき、その支払いを加害者に命じた。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 936万4830円 |
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入院雑費 | 10万0500円 |
通院交通費 | 52万0040円 |
休業損害 | 409万8774円 |
逸失利益 | 1192万0519円 |
慰謝料 | 660万円 |
装具費 | 1万 9158円 |
損害の填補 | - 1353万 4028円 |
弁護士費用 | 130万円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。