交通事故の後遺障害等級認定の手順・流れ|相談を弁護士にしたい方必見

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交通事故の後遺障害等級認定の手順・流れ|相談を弁護士にしたい方必見

交通事故の被害に遭われ、大きなケガを負った場合…。

ケガが完治すれば良いですが、後遺障害が残ってしまうことも考えられます。

後遺障害が残ってしまった場合、その後の日常生活にも支障が出てくるかもしれません。

就職できるのだろうか…仕事に復帰できるのだろうか…様々な不安も背負わなければなりません。

その分、しっかりとした補償を受け取らなければなりません!

しかし、

交通事故で後遺障害認定されるまでの流れ

について詳しくご存知の方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。

そこで今回このページでは、後遺障害認定の流れについて、徹底調査してみました!

後遺障害の認定についてお悩みの皆さまと一緒に、詳しく勉強していければと思います。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

交通事故により後遺障害が残ってしまった場合、ご本人はもちろん、ご家族の方への負担も非常に大きいものと考えられます。

実際に、後遺障害に悩むご本人やご家族の方から多くの相談を受けてきました。

その経験に基づき、具体例も交えながら、わかりやすく解説していきたいと思います。

後遺障害が残ってしまった場合、ご家族の方への負担も本当に大きなもののようです。

ご家族がケガをされたことだけでもショックなのに、そのうえ、今後のことを色々と考えなければならないというのは、非常に大変なことだと思います。

そんなとき、後遺障害認定の流れを理解していれば、今後の不安も少しは減らすことができるのではないでしょうか?

ここから詳しく見ていきましょう。

交通事故による後遺障害認定に重要な「症状固定」について解説

交通事故による後遺障害認定に重要な「症状固定」について解説

交通事故でケガをした場合、まずは病院などに入通院する必要がありますね。

治療の流れについては、こちらの記事で詳しく説明されていますので、ご覧になってみてください。

交通事故による治療を一定期間継続した後も、残念ながら痛みなどの症状が残ってしまうことがあります。

そうなった場合、後遺障害として認定してもらう必要があり、以下のような流れで進むことになります。

後遺障害等級認定の流れ

ここで重要になってくるのが、症状固定です。

症状固定までの流れ

交通事故による治療を一定期間継続した後、後遺障害が残ってしまった場合…。

被害者の方としては、痛みなどの症状が完全に無くなるまで治療を継続したいというお気持ちが強いことかと思います。

しかし、被害者の方がまだ通院したいと考えていても、相手側の保険会社から治療費の打ち切りを宣告される場合があるのだそうです。

そして、相手側の保険会社から治療費の打ち切りの話が出る際、症状固定という単語が話題になるようです。

この症状固定とはどういった意味なのでしょうか?

症状固定

医学上一般に認められた治療方法を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態

簡単に言うと、治療の効果が見込めず、これ以上治療を続けても良くも悪くもならない状態ということですね。

症状固定とは、痛みなどの症状がなくなった段階のことではないという点には注意が必要です。

そうすると、相手側の保険会社が打ち切りを宣告してくる時期は、保険会社が症状固定の時期と判断した時期ということですね。

でも、症状固定の判断は相手側の保険会社がするものなのでしょうか?

症状固定とは、損害賠償において意味を持つ概念ですので、争いがある場合最終的には裁判所が判断することになります。

もっとも、先ほどの定義からも分かるとおり、症状固定は医学的な判断要素を含むため、主治医の判断が重視されます。

なるほど。

症状固定とは、損害賠償において意味を持つ概念という説明でしたが、より具体的にはどういった意味を持つのでしょうか?

症状固定は、損害賠償において、

  1. 傷害分の損害賠償の終期
  2. 後遺障害の判断基準時

という2つの意味を持ちます。

傷害分の損害賠償の終期

① について、具体的には、

  • 治療費、通院交通費、休業損害が交通事故の損害として認められるのは(最大で)症状固定日まで
  • 入通院慰謝料は症状固定日までの期間により計算される

という意味を持ちます。

後遺障害の判断基準時

そして、②については、

症状固定時に残存する症状が後遺障害の判定の対象となる

という意味を持ちます。

つまり、治療や後遺障害に対する賠償金の額は、症状固定までの期間やそのときの症状によって決まるということなので、非常に重要ですね。

最後に、混同しやすい治療費の打ち切りと症状固定の違いを表にまとめてみました。

治療費の打ち切りと症状固定の違い
治療費の打ち切り 症状固定
判断する人 相手方保険会社 裁判所(主治医)
影響 相手方保険会社が治療機関に直接治療費を支払わなくなる ・傷害分の損害賠償の終期
・後遺障害の判断基準時

【重要】後遺障害の認定の申請手続きの流れ

【重要】後遺障害の認定の申請手続きの流れ

ここまで見てきたとおり、症状固定時に症状が残存している場合、その症状(後遺障害)は自賠責保険における後遺障害の等級認定を求めることになります。

そして、この等級認定を求める申請手続には、

  • 事前認定
  • 被害者請求

という2つの方法があるようです。

ここからは、それぞれの方法について、詳しく説明していきたいと思います。

後遺障害認定申請①事前認定

事前認定とは、簡単に言うと、

相手側の任意保険会社が窓口となって、被害者の後遺障害の等級認定を事前に確認する

方法のことです。

一括払制度

交通事故の加害者が、自賠責保険だけではなく任意保険にも加入している場合、被害者は、任意保険会社から、

  • 自賠責保険金分
  • 自賠責保険金分を超える任意保険会社負担分

を一括して支払ってもらうことになります。

この制度のことを一括払制度といいます。

加害者請求

相手側の任意保険会社は、被害者に一括払いをした後、自賠責保険から、自賠責保険金分を回収します。

この制度のことを、加害者請求というそうです。

この制度が自賠法15条を根拠としていることから、15条請求とも呼ばれています。

被保険者は、被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ、保険会社に対して保険金の支払を請求することができる。

この加害者請求の前提として、一括払いをする相手側の任意保険会社は、自賠責から支払われる保険金分をあらかじめ確認する必要があります。

そのために事前認定という方法があります。

事前認定

事前認定は、相手側の任意保険会社から第三者機関である損害保険料率算出機構に損害調査を委託する方法で行われます。

具体的には、以下のような流れになるそうです。

事前認定の流れ

後遺障害認定申請②被害者請求

それに対し、被害者請求とは、簡単に言うと、被害者ご本人が直接相手の自賠責保険に後遺障害の等級認定を請求する方法のことです。

具体的には、以下のような流れになるそうです。

被害者請求の流れ

「事前認定」と「被害者請求」のメリット・デメリット

2つの方法のメリット・デメリットは大まかに以下の表のようになるとのこと。

まとめ

事前認定と被害者請求のメリット・デメリット

事前認定 被害者請求
メリット ・資料収集の負担なし
・費用負担なし
・提出書類や時期を決定できる
・示談前にお金が入る
デメリット ・手続が不透明
・示談までお金入らない
・資料収集の負担
・費用負担

事前認定のデメリットの1つである「手続が不透明」とは、保険会社が提出した書類の内容や時期を被害者が把握できないということです。

具体的には、事案によってですが、

後遺障害が認められにくい方向に働く内容の顧問医の意見書

を付けて被害者の後遺障害の等級の認定を損害保険料率算出機構に依頼することがあるようです。

また、保険会社の担当者は多くの案件を抱えているため、申請を後回しにされてしまうケースもあるようです。

さらに、悪質な事案として、以下のようなニュースがありました。

交通事故の後遺障害を訴えた被害者に、(略)保険(略)の担当者が「該当しない」とする文書を偽造して渡していた。

同社は偽造だと認め「担当者が手続きを怠っていたため」と説明している。

(略)

男性は15年8月、後遺障害診断書を医師に書いてもらい、弁護士を通じ、相手の任意保険会社(略)に後遺障害の手続きを頼んだ。

4カ月ほど経っても決定が出ず、担当者は「調査に時間がかかっている」と回答。

16年4月になって「(外部の調査機関により)後遺障害としては非該当と判断された」との文書が届いた。

疑問に思った男性が問い合わせを続けたところ、今年4月になって、後遺障害の認定手続きをしていなかったことがわかった。

(略)男性は、後遺障害に該当しないことを不服として異議申立書も出したが、この担当者は、申立書や後遺障害診断書を持ち帰り、ゴミと一緒に捨てていた。

(略)調査したところ、他にも同じような事案があり、詳しく調べている。

手続きを忘れられたうえに、偽造文書を渡されるおそれがあるのであれば、被害者請求の方法で申請した方が安心かもしれませんね…。

これ以外に、被害者請求をすべき理由としてはどんなことが考えられますか?

事前認定の場合、相手側の任意保険会社は必要最低限の書類しか提出してくれません。

それに対して、被害者請求の場合、必要資料以外に認定に有利な医療関係の資料や意見書の添付も可能になります。

そのため、後遺障害の等級認定に争いのあるケースでは、被害者請求の方が望ましいと言えます。

とはいえ、ご本人だけで被害者請求を行うことはなかなか難しいように感じます。

そのような場合、弁護士に依頼をすれば、

  • 書類収集の手間が省ける
  • 認定に有利となる医療関係の資料や意見書の収集やアドバイスを受けられる

というメリットがあるそうです。

被害者請求をする場合には、特に弁護士に依頼するメリットが大きいと言えるかもしれません。

後遺障害の認定結果通知後の流れ

後遺障害の認定結果通知後の流れ

上記のような手続きにより、後遺障害の認定結果が通知された後、認定結果に納得した場合は、示談交渉に進む流れになります。

一方、認定結果に納得がいかない場合には、

  • 自賠責保険への異議申立
  • 自賠責保険/共済紛争処理機構への紛争処理申請
  • 裁判の提起

という3つのいずれかの方法により、認定結果を争う流れになります。

後遺障害の認定結果通知後の流れ

①自賠責保険への異議申立

この方法では、相手側の加入する自賠責保険会社に異議申立書及び必要書類を提出するという流れになります。

書類の提出を受けた自賠責保険会社は、損害保険料率算出機構に書類を転送し、再度の判断を依頼することになります。

判断するのは、最初に判断をした損害保険料率算出機構になりますが、事案によっては上部機関によって判断されることもあるそうです。

費用は無料であり、原則として書面のみで判断され、当事者の出席は不要です。

また、異議申立は何度でも行うことが可能ということです。

ただし、前回の申請とは異なる新たな有力資料を提出しないと、何度申立をしても結果は変わらないことがほとんどです。

②自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理申請

この方法では、自賠責保険・共済紛争処理機構に紛争処理申請書及び必要書類を提出するという流れになります。

書類の提出を受けた自賠責保険・紛争処理機構は、

  • 弁護士
  • 医師
  • 学識経験者

が紛争処理委員を務める紛争処理委員会が提出された書面などで審査を行い、調停結果を通知します。

費用は無料であり、原則として書面のみで判断され、当事者の出席は不要です。

また、異議申立と異なり、紛争処理申請は1度だけしか行えないそうです。

③裁判の提起

この方法では、裁判所に訴状及び証拠を提出するという流れになります。

訴状の提出を受けた裁判所は、自賠責保険の認定結果に拘束されず、判決などにおいて、後遺障害の判断をすることになります。

とはいえ、裁判所は自賠責保険の認定結果を重視していると考えられます。

この場合も、自賠責保険の申請時とは異なる新たな有力資料を提出しないと、自賠責保険の認定結果と変わらない認定になることがほとんどです。

また、費用は有料で、当事者の出席が必要となります。

判決内容に不服がある場合には上訴という制度が設けられているそうです。

これらの3つの方法を検証したものを表にまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。

まとめ

後遺障害の認定結果を争う方法の検証

異議申立 紛争処理申請 裁判の提起
判断権者 損害保険料率算出機構 紛争処理委員会 裁判所
費用 無料 有料
当事者の出席 不要※ 必要
不服申立 何度でも可能 × 上訴

※ 醜状障害などでは面談行われる場合あり

これら3つの方法は、被害者ご本人だけで行うことも可能なようです。

とはいえ、自分だけで行うのは非常に難しそうです…。

統計上、これらの方法により、後遺障害の等級認定の結果が覆るケースはほんの一握りです。

それに対して、弁護士に依頼して被害者請求を行った場合、必要資料以外に認定に有利な医療関係の資料や意見書の添付も可能になります。

そのため、後遺障害の等級認定に争いのあるようなケースでは、被害者請求の方が望ましいと言えます。

やはり、弁護士に依頼した方が心強いですね!

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また、被害者の方の自動車保険に弁護士費用特約がついていれば、保険から弁護士費用が支給されます。

交通事故の後遺障害でお悩みの方は、ぜひ一度、弁護士に相談することも検討してみてください。

交通事故の後遺障害認定の流れに関するお悩みは弁護士に相談を!

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ここまで、交通事故における後遺障害認定の流れについて一緒に見てきました。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、交通事故の後遺障害認定の流れについてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

まずは、医師の診断を受け、きちんと療養し、お大事になさってください。

それでも残念なことに後遺障害が残ってしまった場合や残ってしまいそうな場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら、日常生活に支障が出るような後遺障害が残った場合には、適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社の言われるままに示談してしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

このページを最後までご覧になってくださった方は、

交通事故で後遺障害認定されるまでの流れ

について、理解が深まったのではないかと思います。

しかし、まだ不安や疑問が残っているという方もいらっしゃるかもしれません。

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また、このホームページでは、交通事故の後遺障害に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!

このページが、少しでも交通事故に遭われた方のお役に立てれば何よりです。

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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