嗅覚障害(嗅覚脱失など)だけではない?交通事故による鼻の後遺障害の症状や慰謝料の相場

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嗅覚障害(嗅覚脱失など)だけではない?交通事故による鼻の後遺障害の症状や慰謝料の相場

交通事故で顔に怪我を負ってしまった場合。

鼻は顔の中でも突出している部分。

よって、鼻は他の顔のパーツよりも損傷しやすいようなのです。

また、鼻自体は損傷しなかった場合でも、脳が損傷を負えば、嗅覚障害に陥ってしまう可能性もあります。

ワンちゃんの鼻ほどではないかもしれませんが…。

日常生活において、人間の鼻も想像以上に果たす機能は大きいものです。

  • 日常生活にも影響が出ている…鼻の障害は交通事故後遺症として認定されるの?
  • その場合の認定等級や適正な慰謝料金額は?
  • 保険会社から提示された示談金…こんなに少なくて良いの?

そんなお悩みや疑問をお持ちの方のため!!

このページでは、鼻の後遺症に関する基礎知識から慰謝料の相場までを一緒に学んでいきたいと思います。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

これまで、鼻に後遺症が残ってしまいお悩みの方から多くの相談を受けてきました。

その経験も含め、具体的にわかりやすく解説していきたいと思います。

交通事故で亡くなってしまう確率は、夫が浮気している確率よりはだいぶ低いかもしれませんが…。

交通事故の被害にあった場合、何らかの後遺症が残ってしまう可能性は大きくあります。

それが鼻に残ってしまった場合、見た目や嗅覚など、日常生活に及ぼす影響は大きいものです。

しっかりと補償を受け取るためにも、鼻の障害について理解しておきましょう!

嗅覚障害だけではない!?知っておきたい鼻の障害に関する正しい知識

嗅覚障害だけではない!?知っておきたい鼻の障害に関する正しい知識

まず初めにお伝えしておきたいのが、交通事故により鼻に障害が残ってしまった場合、

その鼻の障害は交通事故の後遺症として認定される

ケースがあります。

では、後遺症として認定される鼻の障害とはどのようなものなのでしょうか?

鼻の障害と言うと、思いつくのは鼻に傷が残ってしまったとか、匂いがわからなくなってしまうとか…?

実際には、どういった症状があるのか…。

調べてみると、鼻の障害は大きく2つに分けられるようです。

《鼻の障害》

  • 鼻の軟骨を失ってしまう欠損障害
  • 鼻の機能を喪失または制限されるような欠損を伴わない機能障害

皆様のご想像通りだったかもしれませんが…。

鼻そのものが失くなってしまう障害と、嗅覚を失ってしまう障害2種類があるんですね。

では、ここからその2つについて詳しく見ていきましょう。

鼻の障害①:見た目だけではない…鼻の「欠損障害」

交通事故により鼻の軟骨の大部分を失い、かつ鼻の機能に著しい制限が出てしまったとします。

これが、鼻の欠損障害です。

ちなみに、「鼻の機能」の制限とは、

鼻呼吸が困難になる

または

嗅覚を失う

ことです。

「欠損障害」という名称ですが、見た目だけでなく、鼻の機能障害も含まれるところがポイントですね。

鼻の障害②:鼻の欠損を伴わない「機能障害」

一方、鼻の軟骨の欠損がなくても、脳損傷により、嗅覚などの機能に問題が生じるケースも考えられますね。

そのような場合には、鼻の機能障害として相当な等級が認定されるようです。

機能障害ケース1:嗅覚の脱失・減退

交通事故が原因の怪我により、臭いを感じる経路に障害が起き、正常に臭いを感じられなくなる嗅覚障害が残るケースがあります。

嗅覚障害は、

  • 嗅覚脱失:においが全くわからない状態
  • 嗅覚減退:においをかすかにしか感じられない状態

2つに分けられるそうです。

上記の症状があると、日常生活の中で様々な支障が出てきますよね。

しかし、裁判では100%労働能力に直接影響を与えるものとして労働能力の喪失は認められるワケでは無いとも聞きました。

過去の判例を見てみたところ、

  • 労働能力の喪失自体を否定するもの
  • 労働能力の喪失を否定まではしないが、労働能力喪失率を制限しているもの

も見られました。

もちろん、逆に、等級通りの喪失率が認められたケースや、等級以上の喪失率が認められたケースもあります。

裁判所は、労働能力の喪失の有無及び程度に関して

  • 性別
  • 年齢
  • 減収の有無及び程度

職業への具体的な影響

などの事情を総合的に考慮して決めるとしています。

あくまでケースバイケースということですね。

機能障害ケース2:鼻呼吸困難

交通事故により、鼻呼吸を行うことが困難な状態となってしまうケースもあります。

その場合、鼻の軟骨の損傷がなくても、12級相当の後遺症の認定が可能ということです。

鼻呼吸ができなくても口呼吸ができるのであれば、日常生活や仕事に支障はないと言われてしまうこともあるようですが…。

実際には辛いですよね。

特に、肉体労働などでは、労働能力に一定の制約が出ると考えられるでしょう。

【必読】交通事故による鼻の後遺症認定等級と基準について詳しく解説!

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ここまでで、交通事故が原因となる鼻の障害について知識を深めていただけたでしょうか。

では次に、後遺症の認定等級やその基準について見ていきましょう。

鼻の「欠損障害」…全部または一部欠損してしまった場合の等級とは?

鼻の全て、もしくは一部を欠損してしまった場合、実際にはどの等級認定されるのでしょうか?

鼻の欠損障害については、通常9級が認定されます。

しかし、それ以外に醜状障害という、顔の見た目が変わってしまったことに対する後遺症等級がつくケースがあります。

たしかに…鼻を失ってしまった場合、顔全体の見た目が変わってしまうので、そこも補償してもらわないとおかしいですよね。

ちなみに、鼻の欠損障害と醜状障害のうち、どちらか重い方の等級認定が採用されることになるそうです。

また後で詳しく解説しますね。

鼻の「機能障害」…後遺症の認定に必要な嗅覚障害の「診断方法」について解説

機能障害について後遺症の認定を受けるためには、鼻に嗅覚障害が起きていると診断される必要があります。

嗅覚の脱失・減退などの嗅覚障害を検査する方法としては、日本では現在、

  • 基準嗅覚検査(T&Tオルファクトメーター)
  • 静脈性嗅覚検査

2つの検査が用いられているとのことです。

①基準嗅覚検査(T&Tオルファクトメーター)

5種類の臭いの液体を、それぞれ8段階の濃度に分け、それを順番に濾紙に浸み込ませ、鼻に近づける方法です。

どの段階の濃度で臭いを感じることができたかを確認することで、嗅覚障害の程度を判定します。

最近は、この臭いの素であるスプレーを鼻孔の中に吹き付けて、検査を行う方法が主流となっているようです。

結果は、平均嗅力損失値という値で示されます。

②静脈性嗅覚検査

ビタミンB1剤を静脈に注射した場合、通常、血液中を巡ったビタミンB1の臭い成分が10秒ほどで肺から呼気と一緒に吐き出されます。

その際、鼻の奥でにんにく臭を感じるそうです。

その臭いは、約1分半ほど持続するとのこと。

しかし、嗅覚障害があると、臭いを感じるまでの時間が延びたり、臭いを感じている時間が短くなるそうです。

その時間を計測することで、嗅覚障害の有無を判定します。

この検査は、嗅覚障害の程度までは分からないものの、手軽に行うことができます。

よって、治療中に実施し、症状改善の度合いを調べるのにも有効と考えられているそうです。

嗅覚の脱失に関しては、アリナミン静脈注射(「アリナミンF」を除く)による静脈性嗅覚検査のみで確認しても問題ないとされています。

鼻の「機能障害」に対する後遺症の認定基準
鼻の後遺症 後遺症の認定基準 後遺症認定等級
嗅覚減退 平均嗅覚損失値2.6以上5.5以下 14級相当
嗅覚脱失 平均嗅覚損失値5.6以上 12級相当
鼻呼吸困難 鼻の欠損を伴わなくとも、鼻呼吸困難の障害を残す 12級相当

鼻の欠損・機能障害と「醜状障害」の関係

では、ここで醜状障害について詳しく見てみましょう。

たとえば、鼻軟骨の大部分を失ってしまった場合

鼻の機能に著しい障害を残す場合は、9級に該当します。

一方で外貌の醜状障害として7級12号にも該当することになります。

この場合、それぞれの等級を認め、併合するのではなく、上位の等級を優先して認定されることになります。

よって、等級の認定は第7級12号ということになります。

また、鼻の一部を失っただけの場合でも、顔の見た目が変わったことに対して、醜状障害の12級が認定されることもあるということです。

さらに、嗅覚脱失や鼻呼吸困難の機能障害が加われば、併合11級が認定されることになるそうです。

ケースごとの鼻の後遺症認定等級例
嗅覚脱失
または
鼻呼吸困難
鼻の全部
または
大部分の欠損
鼻の一部
または
鼻翼の欠損
後遺症認定等級
× × 9級(機能障害)
7級(醜状障害)
× 7級(醜状障害)
× × × 認定なし
× × 12級(醜状障害)
× 併合11級(醜状障害+機能障害)

過去の裁判例から学んでおきたい!鼻の障害に関する慰謝料の金額の相場

過去の裁判例から学んでおきたい!鼻の障害に関する慰謝料の金額の相場

保険会社からの示談金にOKする前に…知っておきたい慰謝料の相場

ここまでで、

  • 鼻の障害が後遺症として認定されること
  • その場合の後遺症認定等級

についてお分かりいただけたかと思います。

では次に、鼻の障害の慰謝料相場はどれくらいのものなのでしょうか?

保険会社から提示された示談金が適正なのかどうか、あらかじめ知っておきたいですよね。

鼻の障害の種類程度によって金額は大きく異なってきます。

よって、決まった相場というものはありません。

目安として、鼻の後遺症に対する慰謝料の相場について、下の表にまとめてあります。

表を見るその前に!

表の中に出てくる赤本、青本について簡単に紹介しておきますね。

  • 通称「赤い本」:民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(日弁連交通事故センター東京支部)
  • 通称「青本」:「交通事故損害額算定基準」(日弁連交通事故相談センター本部)

それぞれの編集者が、過去の裁判例の傾向などから、損害額算定基準として公表しています。

自賠責とは、自動車損害賠償責任保険のことで、全ての運転者への加入が義務づけられている損害保険ですね。

鼻の後遺症に対する慰謝料の相場(目安)
後遺症の内容 後遺症認定等級 慰謝料
裁判基準 自賠責基準
鼻の欠損 9級 690万(赤本)
600万~700万(青本)
245万
鼻呼吸困難 12級 290万円(赤本)
250万~300万(青本)
93万
嗅覚減退 14級 110万(赤本)
90万~120万(青本)
32万

大きく違う!?慰謝料の自賠責基準と裁判基準

表を見ておわかりいただけると思いますが、たとえば、鼻の欠損障害で9級が認定された場合。

自賠責保険の基準では245万円ですが、裁判基準では600万円~700万円が相場となっていますね。

つまり!!

弁護士さんに依頼すれば、慰謝料の金額が大幅に増額できる可能性があるということです。

実際の判例上の慰謝料相場を見てみよう

鼻の後遺症に関する判例では、特に嗅覚脱失との関係で慰謝料が大きく変わってくるようです。

嗅覚脱失とは、鼻の嗅覚が全て失われてしまう後遺症のことでしたよね。

しかし、特殊な職業を除き、嗅覚が労働能力に影響を与える場面は少ないとは思います。

よって、12級相当の嗅覚脱失の後遺症がある場合でも、逸失利益は全く認められないケースもあるということなのです。

逸失利益とは!?

ところで逸失利益って何のこと!?

と思った方もいらっしゃるかと思います。

逸失利益とは、後遺症が原因で労働能力が失われた場合に、本来得られるはずだった収入の減額分を補償するための損害賠償です。

鼻の障害に関する慰謝料請求の裁判例
鼻の後遺症 後遺症認定等級 慰謝料
・嗅覚減退 12級 290万円
・嗅覚脱失 12級 415万円※
・嗅覚脱失
・外貌醜状
併合12級 600万円
・嗅覚脱失など 併合11級 420万円

※傷害部分も含む

一方、③の判例では、嗅覚脱失による逸失利益は認められなかったものの、12級としては大幅増額600万円が慰謝料として認められています。

慰謝料の金額を明確に断言することは示すことは難しいですが、

弁護士さんに相談すれば、慰謝料の金額を増額できるチャンスが高くなる

とは言えそうですね。

可能な限り弁護士さんに相談した上で、保険会社との示談に挑むようにした方が良いのではないかと思います。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、鼻の後遺症でお悩みの方に一言アドバイスいただければと思います。

まずは、お大事になさってください。

しかし、残念なことに鼻の後遺症が残ってしまった場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら、日常生活に影響が及ぶ後遺症が残るようなケースでは、適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

  • 嗅覚障害だけではない、鼻の障害の種類や検査方法などの基礎知識
  • 鼻の後遺症の等級認定の基準
  • 鼻の後遺症の等級ごとの慰謝料金額目安

について、お分かりいただけたのではないかと思います。

また、鼻に後遺症が残っているときは、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自宅から出られない方や、時間のない方は、便利なスマホで無料相談を利用するのがおすすめです!

そうではなく、やっぱり直接会って話がしたいという場合は、全国弁護士検索を使って弁護士を探してみてください。

また、このホームページでは、交通事故の後遺症に関するその他関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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