追突事故|加害者の違反点数・慰謝料など示談前に知っておくべきこと

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追突事故|加害者の違反点数・慰謝料など示談前に知っておくべきこと

追突事故の被害者になったけど、自分の保険会社は間に入ってくれないし、どう対処していいかわからない…」

軽い追突事故でも加害者になったら、免停になるのかな…」

追突事故はよく発生しがちな交通事故ですので、いつ被害者にも加害者にもなってしまうかもしれません。

とはいえ、追突事故の当事者になったのは、はじめてという方が多いでしょうから、追突事故の示談までの流れなんてわからなくて当然かと思います。

このページでは、そんな方のために

  • 追突事故の過失割合ってどうなってるの?
  • 追突事故を起こしてしまった場合の違反点数は?
  • 追突事故に遭った場合の慰謝料相場は?休業補償はしてもらえるの?
  • 追突事故に遭ってから示談金を受け取るまでどう対処すればいいの?

といった疑問を解消すべく、徹底的に調査してきました!

専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。

弁護士の岡野です。よろしくお願いします。

追突事故は一番身近な交通事故ですが、お一人で対応しなければいけないことも多いです。

たとえ軽い追突事故であったとしても、示談までにはある程度お時間がかかり、理解しておくべきことも数多くあります。

ここでは、追突事故に関する正しい知識を学んで、示談までの道筋を立てられるようにしましょう!

交通事故の中でもよく聞く追突事故ですが、追突したときの衝撃はかなりすごそうですね…。

追突事故という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、追突事故がどう処理されるのかまでは知らない方も多いのではないでしょうか?

まずは、追突事故の基礎的な部分から勉強していきましょう!

追突事故の基礎知識

追突事故の基礎知識

追突事故は最も件数が多くむちうちの症状が多い交通事故

追突事故とは、
停止または低速で前進している車両の後部に、後続の車両が前進して衝突する類型の交通事故定義される事故であり、日常では「お釜事故」ともいわれます。

警察庁の最新の発表によると、平成29年の交通事故発生件数は472,165件で、そのうち追突事故は167,845件。

つまり、交通事故の約35.5%が追突事故ということになります。

追突事故は最も件数の多い類型の交通事故

以上より、追突事故は最も件数の多い類型の交通事故となっています。

そして、追突事故は、追突した側は無傷、追突された側は軽症なことがほとんどです。

しかし、大型トラックに追突したような場合は、追突した側が重傷を負うケースも有るようです。

また、追突事故の発生原因としては他のものに注意を取られたり、脇見をしたことにより、先行者を見ていなかったものが最も多いようです。

詳しい追突事故の特徴や発生原因の分析は下のページに記載されていますので、ご興味がある方はご覧になってみて下さい。

追突事故はむちうちの症状が多い

そして、追突事故の際に発症する症状としては、いわゆるむちうちが多いようです。

「交通事故によるいわゆる“むち打ち損傷”は車両間の追突による事故形態を中心として発症することが多い」

むちうち症

頸部に急激に外力が加わることによる鞭打ち運動を原因として、

頸部筋、項部筋の筋繊維の生理的可動域を超える過伸展、過屈曲が生じたことにより現れる種々の症状

のことをいいます。

そして、追突事故の場合は、後方からの強い衝撃により、この鞭打ち運動が起こりやすいため、むちうち損傷が発生しやすいようです。

むちうちの具体的症状は主に、

  • 首の痛み
  • 腰痛
  • 頭痛

などがありますが、その他にもめまい、手足のしびれ、耳鳴り、難聴、吐き気などの症状が出ることもあるようです。

先ほどもお伝えしたとおり、追突事故の場合は軽症であることがほとんどですが、まれに重い症状が残ることもあります。

重い症状が残る方の中には脳脊髄液減少症と診断される方がいらっしゃいます。

脳脊髄液減少症

脳や脊髄を覆う硬膜内の脳脊髄液が何らかの原因で減少することにより発生する、頭痛やめまいなどの症状のことをいいます。

そして、むちうちでも髄液が漏出することがあると主張されるようになり、裁判などで因果関係が争われるようになりました。

また、国の研究班は以下のような脳脊髄液漏出症画像判定基準・画像診断基準を作成しました。

裁判では、事故と脳脊髄液減少症との因果関係が認めれらないことがほとんどでしたが、最近追突事故による脳脊髄液減少症を認めた判決が出されました。

追突事故の被害者が脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)になったかが争われた訴訟で、名古屋高裁(藤山雅行裁判長)が、1審・名古屋地裁判決を変更して髄液漏れとした診断の妥当性を認め、約130万円だった賠償額を約2350万円増額する判決を言い渡していたことが分かった。

(略)

画像には、髄液漏れの診断基準を満たしていない部分もあったが、研究が進展中であることを踏まえて「(画像の証拠価値を)全て否定する方向で診断基準を用いるのは相当でない」と判断した。

(以下略)

レポートにあるとおり、追突事故によるむちうちの症状は軽いものであることが多いですが、重い症状が残る場合にはしっかり検査してもらいましょう。

検査の結果、脳脊髄液減少症と診断された場合、因果関係などが争いになることがほとんどです。

追突事故をされたら過失割合は10対0が原則

そして、追突事故されたら、追突された被害者の過失割合は0%が原則です。

被害者にも過失があったといわれる場合は、被害者が注意すれば、事故を避けられたといえることが必要です。

しかし、駐車や停車をしている車の後方から突然追突される場合には、被害者は事故を避けようがないため、過失割合は認められません。

しかし、追突をした加害者から「追突してしまったのは、前の車が急ブレーキをかけたからだ」と主張されることがあります。

確かに、急ブレーキをかけなければ追突事故は起きなかったとして、この場合、被害者にも過失割合が認められそうです。

しかし、被害者が急ブレーキをかけた場合も原則として被害者に過失は認められません

道路交通法は、後続車両に前方車両が急停止しても追突を避けられる距離を保つ車間距離保持義務を負わせているからです。

車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

ただし、道路交通法は、やむを得ない場合を除き、急ブレーキを禁止しています。

車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。

そのため、前方車両が道路交通法第24条に違反する理由のない急ブレーキをかけたことにより、追突事故が発生した場合、被害者にも30%程度の過失が認められます。

さらに、道路交通法は、駐停車禁止の場所を定めたり、不適切な方法での駐停車を禁止したり、夜間の非常点滅灯の灯火を義務付けたりしています。

車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分(略)においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。

(以下略)

車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分(略)においては、駐車してはならない。

(以下略)

1 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。

2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。

(以下略)

車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。

そのため、

  • 駐停車禁止場所の駐停車
  • 不適切な方法での駐停車
  • 夜間に非常点滅灯を灯火させていなかった

という事情がある場合には、被害者にも10〜20%の過失が認められます。

さらに、道路交通法には記載されていませんが、視界の悪い場所に駐停車していた場合にも被害者に10%の過失が認められます。

なお、今お伝えしたのは、あくまで目安であり判例ではこの目安とは違う過失割合が認められていることもある点には注意が必要です。

レポーターの方がお伝えしたとおり、追突事故をされたら、過失割合は10対0が原則ですが、一定の状況では被害者に過失が認められる可能性があります。

その場合の過失割合も、一定の目安はありますが、あくまで個別の事案によって変わってきます。

追突事故で過失割合に争いが生じている場合には、ひとまず弁護士に相談してみるとよいでしょう。

追突事故では被害者の保険会社は示談交渉してくれない

お伝えしたとおり、追突事故の場合、被害者に過失割合は通常認められません。

その場合、被害者の方は、自分の保険会社から示談交渉を相手方とはできないと言われ、不満や疑問を持った方もいるかもしれません。

しかし、保険会社は意地悪で言っているわけではなく、弁護士法との関係から、被害者(契約者)に過失割合がない場合は示談交渉できないのです。

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

(以下略)

少し分かりにくいかもしれませんが、要は弁護士法第72条は、弁護士以外が報酬目的で他人の法律事務を扱う業務をしてはいけないと定めています。

そして、保険料を得る(保険契約を結ぶ)ため、保険の内容として、示談交渉という法律事務を保険会社が行うと、この条文違反となってしまいます。

保険会社が相手方と示談交渉を行えるのは、自分の会社が保険金を相手方に払うためだからと考えられているのです。

そうすると、過失割合がない場合、相手方に払う保険金がないので、相手方と示談交渉は行えないということになります。

細かい理屈は覚えなくても結構ですので、覚えておくべきことは、

過失割合の認められない追突事故では、被害者の保険会社は加害者側との間に入って示談交渉してくれない

ということです。

レポーターがお伝えしたとおり、追突事故の場合、被害者の保険会社は加害者側と示談交渉してくれず、ご自身で加害者側と対応しなければなりません。

そんな場合、弁護士特約に加入していれば、ご自身の負担なく、弁護士に加害者側との示談交渉を任せることができます。

そのため、弁護士特約は、ご自身の保険会社に代わりに加害者側と示談交渉してもらえない追突事故の場合に特に有効といえます。

追突事故は怪我の有無や程度で点数が異なる!

追突事故をしてしまった加害者にとって、一番気になるのは「何か処分をされるのではないか…」ということかと思います。

気になるのは、刑罰も当然だと思いますが、免許の違反点数が気になるのではないでしょうか?

特にお車をお仕事で使われている方だと、免停になってしまったら、今後の生活に大きく影響してしまいますよね。

実は、追突事故による免許の点数は、怪我の有無や程度によって大きく変わってきます

これから詳しく説明していきたいと思います!

物損事故の場合

交通事故のうち、人の死傷がなく、器物の損壊のみが生じた事故のことを物損事故(物件事故)といいます。

追突事故で物損事故の場合、刑罰はなく、違反点数もつきません

ここでポイントとなるのは、物損事故かどうかの判断はあくまで警察の認識によるということです。

ポイント

どういうことかというと、事故直後に病院に搬送されたような場合でない限り、

事故後に被害者がけがの治療で通院しても、被害者が人身事故扱いへの切り替え手続を警察にしない限り、処分上は物損事故として扱われる

ということです。

そのため、違反点数をつけたくない加害者は、被害者宅へ謝罪訪問したり電話をするなどして、被害者にお願いをする必要があります。

人身事故の場合

反対に、人身事故の場合、免許の違反点数がつくことになります。

具体的な点数は、基礎点数の安全運転義務違反の2点に加え、死傷や不注意の程度に応じて付加点数が加算されます。

具体的な点数は下の表にまとめて記載しています。

なお、先ほどお伝えしたとおり、追突事故の場合、過失割合は100:0が原則なので、不注意の程度も「専ら」が原則となります。

そのため、治療期間3週間の傷を負わせる追突事故を起こしてしまった場合の付加点数は6点、基礎点数と合わせると8点となり、初犯でも免停です。

人の死傷にかかる追突事故の付加点数
死傷の程度 不注意の程度
専ら それ以外
死亡 20点 13点
治療期間が3ヶ月月以上又は後遺障害事故 13点 9点
治療期間が30日以上3ヶ月未満の事故 9点 6点
治療期間が15日以上30日未満の事故 6点 4点
治療期間が15日未満の事故 3点 2点

※基礎点数として安全運転義務違反の2点

行政処分はお伝えしたとおりですが、刑事処分はどうなるのでしょうか?

こちらは専門家である、岡野弁護士にお尋ねしてみましょう!

先ほどお伝えしたとおり、追突事故は軽症の場合が多く、治療期間が2週間以下の場合には、不起訴となることがほとんどです。

なお、その治療期間は被害者が警察に提出する診断書を基礎に判断することがほとんどです。

そのため、追突事故でむちうちとなったような場合には、警察提出用の診断書に「全治2週間」と記載されることが多いです。

もっとも、その診断書に「全治2週間」と記載されていても、実際の治療期間はそれ以上になることはよくあります。

また、追突事故であっても

  • 被害者の怪我の程度が重い
  • 酒酔い運転など運転行為が悪質
  • 同種の前科・前歴が多数ある

ような場合には、起訴され、刑罰を受ける可能性が高まるということです。

追突事故慰謝料の相場はいくら?

追突事故に遭った場合の慰謝料の相場はある?

追突事故の慰謝料の計算方法は複数ある

追突事故の基礎知識を押さえたところで、ここからは追突事故の被害者の方が一番気になっているであろう慰謝料相場を学びましょう!

実は慰謝料の相場は、用いられる基準によって、計算方法が変わってきます

ここからは、各基準ごとに詳しく見ていきましょう!

自賠責保険基準

自賠責保険とは、被害者保護のために加入が義務付けられた強制保険です。

その性質上、自賠責保険で用いられる基準は、被害者の損害を最低限度保障するものであるといわれています。

具体的な自賠責保険基準の慰謝料の計算方法は以下のとおりです。

3.慰謝料

(1) 慰謝料は、1日につき4,200円とする。

(2) 慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内とする。

(以下略)

日額が4,200円というのは明確ですが、対象となる日数は基準を読んだだけではよくわかりませんね…。

実は通院慰謝料は、

  • 実際の通院の日数×2
  • 通院期間

いずれか少ない方を対象日数として計算するといわれています。

任意保険基準

任意保険会社は、従来の事案をもとに、独自の慰謝料の支払基準を設けています。

かつては、各会社共通でしたが、現在は各会社ごとに基準は異なります

とはいえ、多くの任意保険会社は、かつて使用していた統一的な基準を基礎にしているようです。

その基準は非公表ですが、入通院期間を基礎に計算し、金額はこの後説明する弁護士基準よりも安いものになっているようです。

弁護士基準

弁護士基準とは、過去の裁判例を研究した上、弁護士が委員を務める「日弁連交通事故相談センター」が作成公表している基準です。

裁判例を基礎としていることから、裁判においてもこの基準が基礎になっていると考えられています。

また、弁護士が代理人となった場合、裁判によらずともこの基準を基礎に示談交渉されることが多いようです。

入通院期間を基礎に計算され、金額としては3つの基準の中で最も高額となります。

最も高額になるということであれば、当然、弁護士基準での慰謝料の相場を知りたいですよね?

そんなときは、下の慰謝料計算機がおすすめです。

簡単な操作で、弁護士基準で計算した場合の慰謝料の相場を知ることができます。

ぜひ一度ご利用してみてください。

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各基準で計算すると、最低限度の保障であるはずの自賠責基準の慰謝料の方が高くなる場合があります。

しかし、自賠責の支払基準による慰謝料が全額払われるのは、傷害による損害の総額が120万円の限度額の範囲内の場合のみです。

自賠責基準で計算した慰謝料の金額が最低限もらえるわけでは必ずしもない点は注意しておきましょう。

追突事故の加害者の同乗者も慰謝料がもらえる?

追突事故が起きた場合、どちらの車両にも運転手だけではなく同乗者がいる場合があります。

追突の被害者の車の同乗者がけがをすれば、慰謝料がもらえるというのは当然ですよね。

でも、追突の加害者の車の同乗者がけがをした場合でも、加害者の車の保険会社から慰謝料がもらえるというのは意外ではないでしょうか?

車の保険は、車の運転などにより「他人」にけがを負わせた場合に賠償すると定めており、自分の車の中の「他人」も対象にしています。

ただし、

  • 夫婦
  • 親子

などが同乗者である場合には「他人」に当たらないため慰謝料は支払われません。

一方、自賠責保険では、夫婦であっても「他人」に当たるとして保険が適用される可能性があります。

「自賠法三条は、自己のため自動車を運行の用に供する者(以下、運行供用者という )および運転者以外の者を他人といつているのであつて、被害者が運行供用者の配偶者等であるからといつて、そのことだけで、かかる被害者が右にいう他 人に当らないと解すべき論拠はなく、具体的な事実関係のもとにおいて、かかる被害者が他人に当るかどうかを判断すべきである。

本件において(略)は、本件事故当時、本件自動車の運行に関し、自賠法 – 2 – 三条にいう運行供用者・運転者もしくは運転補助者といえず、同条にいう他人に該当 するものと解するのが相当」

レポートにある「他人」にあたらず、対人賠償保険から慰謝料がもらえない場合でも、ご自身が、

  • 人身傷害保険
  • 搭乗者傷害保険

に加入している場合は、その保険から慰謝料(保険金)がもらえることがあります。

追突事故の加害者の方はご自身の保険の内容をもう一度確認してみましょう。

軽い追突事故だと慰謝料の相場は変わってくる?

では、軽い追突事故の場合慰謝料の相場は変わってくるのでしょうか?

結論からいうと、軽い追突事故でも、慰謝料の基準は変わりませんが、通院期間が短い分、慰謝料の相場も下がることになります。

先ほどお伝えしたとおり、慰謝料は通院期間や日数が影響してきます。

しかし、軽い追突事故の場合、けがも軽く、けがが治ったとか通院の必要がないと判断され、早期に治療が打ち切りされることになります。

その結果、もらえる慰謝料の相場も下がることになります。

では、具体的には、軽い追突事故の場合、通院はどれくらいの期間で打ち切りになるのでしょうか?

この点は、岡野弁護士にお尋ねしてみましょう。

一概にはいえませんが、軽い追突事故であれば、長くても3ヶ月程度で通院は打ち切りになることが多いかと思います。

自賠責基準や任意保険基準では2ヶ月半程度の通院で慰謝料は30万円ですので、上のツイートの方はそれくらいの通院期間だったのではないでしょうか。

追突事故の物損の慰謝料はもらえない

追突事故の悲しみは、自分自身に対してだけではありません。

愛車が追突事故にあえば、気持ちが凹んでしまいますよね…。

https://twitter.com/muramatsu0917/status/892299399216349184

被害者のお気持ちとしては、当然愛車を傷つけられた精神的苦痛に対しても慰謝料を払ってほしいといいたいところです。

しかし、残念ながら、基本的には、追突事故の被害者が、愛車が傷ついたことに対する慰謝料を受け取ることはできません。

慰謝料は、精神的苦痛を金銭で填補するものですが、通常、財産権侵害に伴う精神的苦痛は、財産的損害の填補により同時に填補されるものと考えられているからです。

追突事故では、修理代が払われて修理ができれば、愛車を傷つけられた精神的苦痛も同時に回復したと考えられるということです。

例外的に裁判で認められているものもあるにはありますが、極めて限定的です。

追突事故で休業補償してもらう方法を徹底解説!

追突事故で休業補償してもらう方法を徹底解説!

休業補償と休業損害は別物?

追突事故により、お仕事や家事をお休みしなければいけなくなったら、当然休業補償をしてもらいたいですよね。

もっとも、休業補償というものと休業損害というものが同じものなのか別物なのかについてよくわからないという方もいらっしゃると思います。

休業補償とは様々な意味で用いられることがありますが、一般的にはその名のとおり休業したことによる損害をつぐなうことをいいます。

一方、休業損害もその名のとおり、休業したことにより発生した損害(収入の減少)をいいます。

つまり、休業損害を金銭によりつぐなう(補填する)行為が休業補償という意味で用いられていることが多いです。

この意味で用いられている場合には、休業補償と休業損害はほぼ同じものと考えてしまって問題ありません。

ただし、休業補償が労災保険の休業補償給付のことを意味している場合があるので、その場合には注意が必要です。

休業補償の計算方法

休業補償と休業損害はほぼ同じものだということはわかりました。

では、実際に追突事故休業補償を請求する場合、どのように計算したらよいのでしょうか?

実は、休業補償の請求先によって、計算方法は違うんです。

それでは請求先ごとに見ていきましょう。

自賠責保険の場合

自賠責保険に対して、休業補償を請求する場合の計算方法は以下のとおりとなります。

5,700円×休業日数

ただし、1日の休業損害が5,700円を超えることを資料などで証明できれば19,000円までは日額の増額が認められています。

上限がある反面、日額が5,700円以下の方でも、休業による収入の減収さえあれば、日額5,700円で計算されるので、収入の低い人にとり有利です。

2.休業損害

(1)休業損害は、休業による収入の減収があった場合・・・1日につき原則として5,700円とする。

(2)休業損害の対象となる日数は、実休業日数を基準とし・・・治療期間の範囲内とする。

(3)立証資料等により1日につき5,700円を超えることが明らかな場合は、自動車損害賠償保障法施行令第3条の2に定める金額を限度として、その実額とする。

(略)政令で定める額は、一日につき一万九千円とする。

任意保険・裁判の場合

一方、任意保険や裁判所に対して、休業補償を請求する場合の計算方法は以下のとおりとなります。

1日あたりの基礎収入×休業日数

1日あたりの基礎収入をどうやって割り出すかは職業別に異なります。

職業別の計算方法は以下のページで詳しくご説明していますので、ぜひご覧になってください。

休業補償の請求方法

休業補償の計算方法や請求先によって計算方法が変わってくることはわかりました。

続いては、実際に休業補償を請求する場合、どんな書類が必要になってくるのかをお伝えしていきます。

まず、給与所得者(サラリーマン)・アルバイト・パートの場合は、勤務先の方に休業損害証明書という書類を書いてもらう必要があります。

その書類に

  • 休業により給料がいくら減らされたか
  • 何日仕事を休んだり、有給を使ったり、遅刻・早退をしたか
  • 事故前3ヶ月の給与

などが記載されます。

休業損害証明書の雛形は通常、相手方保険会社から送られてきますが、以下のサイトでも雛形が確認できますので、参考にしてみてください。

また、事故前年の源泉徴収票の提出も要求されます。

これは、被害者の方と勤務先の方が協力して高額な休業損害の請求をする不正を防ぐためです。

事故前年の源泉徴収票を提出できない場合、

  • 賃金台帳
  • 給与が振り込まれた通帳の写し
  • 給与明細

などの提出が要求されることがあります。

自営業(個人事業主)の場合、必要書類として、税務署に提出する確定申告書の写しの提出が求められ、これをもとに基礎収入が計算されます。

自営業の方の場合は、実際に仕事を休んだ日数を証明してくれる人がいないため、休業日数は、

  • 実通院日数
  • 怪我の状況

などをもとに判断されます。

追突事故で慰謝料だけでなく休業補償も主婦は受け取れる!

先ほど、休業補償とは休業したことによる損害をつぐなうことだとご説明しました。

そうすると、主婦の方は、家事をお休みしても、収入が減るわけではないので、損害が生じておらず、休業補償は受け取れないようにも思えます。

しかし、追突事故をされたら、慰謝料だけでなく休業補償も主婦は受け取れるんです!

家事労働は、社会的に金銭的に評価できるものと考えられているからです。

下記の最高裁判例でも同様のことが述べられています。

家事労働に属する多くの労働は、労働社会において金銭的に評価されうるものであり、これを他人に依頼すれば当然相当の対価を支払わなければならないのであるから、妻は、自ら家事労働に従事することにより、財産上の利益を挙げている

いわゆる家政婦の方に家事をお願いする場合、金銭を支払わなければならないことを考えれば、当然のことかもしれませんね。

自賠責の支払基準においても、主婦(家事従事者)の休業損害は認められています。

家事従事者については、休業による収入の減少があったものとみなす。

主婦の方は、実際にお金が入ってこなくなるわけではないため、休業補償の請求を忘れがちなので注意しましょう。

追突事故の被害者が適正な示談金を受け取るための対処法

追突事故の被害者が適正な示談金を受け取るための対処法

ここまで、追突事故についての知識は十分得られたのではないかと思います。

最後に、実際に追突事故の被害者が適正な示談金を受け取るためにはどう対処していけばいいかをお伝えします!

追突事故にあったらすぐに病院で診断書を書いてもらう

まず、追突事故をされたら、すぐに病院で診察を受け、診断書を書いてもらうことが大事です。

ここでのポイントは、痛みがある場合は通院するでしょうが、痛くなくても病院に行って検査を受けるということです。

交通事故による痛みは、事故直後は自覚がなくても、少し経ってから痛みを感じるようになることがあります。

しかし、追突事故は軽症の場合が多いため、事故から時間が経って通院すると、相手から痛みがあることや事故との因果関係を疑われる可能性があります。

事故後すぐに病院に通院し、医師に診断書を書いてもらっていれば、そういったことを疑われる可能性を減らすことができます。

通院は事故当日に行くのが一番ですが、少なくとも2〜3日以内には通院しましょう。

追突事故で継続通院する場合には人身事故扱いに!

追突事故は軽症の場合が多く、事故直後に病院に搬送されることは少ないため、物損(物件)事故扱いになっていることがほとんどです。

その場合、追突事故で継続通院することになったのであれば、警察署に診断書を持参し、人身事故扱いに切り替えてもらいましょう。

交通事故証明書上、物損(物件)事故扱いのままでも、一定の書類を添付すれば、自賠責保険に治療費通院費を請求できます。

そのことを前提として、加害者側の保険会社も、物件事故扱いのまま、治療費や通院費の支払いに応じてくれることもあります。

ただし、あくまで事故と治療(けが)との因果関係が認められることが前提です。

軽症の多い追突事故の場合、その他の事故より因果関係が否定され、治療費・通院費を請求できない可能性が高くなります。

なお、先ほどお伝えしたとおり、免許の違反点数のこともあり、加害者側から物損事故扱いのままにしてもらいたいと依頼される場合があります。

しかし、ご自身が適正な示談金を受け取ることを考えるのであれば、しっかりと人身事故扱いに切り替えておいたほうがいいでしょう。

なお、人身事故扱いへの切り替えは時間が経過すると警察が中々応じてくれなくなる可能性があるので、できるだけ早く行いましょう。

追突事故の後遺症や症状を逐一正確に伝える

追突事故の治療中は後遺症や症状を医師に逐一正確に伝えるよう心がけましょう。

お伝えしたとおり、追突事故はむちうちが多く、むちうちは画像などでは異常が判断できないことが多いです。

そのため、むちうちにおいては、治療経過が重視されます。

しかし、症状が日によって違ったり、突然新たな症状が現れたりすると、相手から痛みがあることや事故との因果関係を疑われる可能性があります。

それに対し、後遺症や症状を逐一正確に伝え、一貫した主張がされていれば、そういったことを疑われる可能性を減らすことができます。

なお、症状の一貫性や連続性は後遺障害の認定にあたっても重要な判断基準となりますので、その意味でも医師への正確な報告を心がけましょう。

追突事故での治療期間や通院の頻度を確保する

先ほどお伝えしたとおり、慰謝料治療期間(通院期間)を基礎に計算されることになります。

そのため、治療期間や通院の頻度を確保することが適正な示談金を確保するためには重要です。

むちうちであっても適正な頻度で半年通院すれば、通院慰謝料だけで、弁護士基準では89万円となります。

とはいえ、むちうちは軽症であることが多く、画像での異常が判断しにくいこともあり、相手方から早期の通院の打ち切りを迫られることもあります。

そういった場合には、病院で適切な検査をしてもらうことが大事です。

MRIなどの画像診断をしてもらうことは当然ですが、残念ながら、むちうちでは、画像診断で異常が発見できないことも多いです。

そこで、神経学的検査をしてもらうことが重要です。

神経学的検査とは、

画像だけでは判断しかねる神経症状についても医学的に証明するための様々な検査

のことをいいます。

上の絵は、神経学的検査の一つであるSLRテストのものです。

神経学的検査には他にもスパーリングテスト・ラセーグテスト・知覚検査・深部腱反射テスト・筋萎縮検査などがあります。

各検査の詳しい内容については以下のページに記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい。

軽い追突事故の示談の際は特に注意!

対処法としては以上となりますが、軽い追突事故示談の際には特にこれらの点に注意する必要があります。

追突事故で車に傷なしの場合、けがが生じるような衝撃が発生していないとして、治療をしても因果関係を争われる可能性が高いです。

この場合は、事故から2〜3日後の通院でも因果関係を疑われることが多いので、必ず事故当日に病院行きましょう。

追突事故で被害者が示談するまでの流れ

最後に、追突事故が発生してから被害者が示談するまでの流れを確認しておきましょう。

事故直後

まず、追突事故をされたら、事故を警察に報告する必要があります。

通常は追突事故をした加害者が警察に報告(連絡)しますが、加害者がしていないようであれば、必ず報告(連絡)しましょう。

警察が現場に来るまで、ある程度時間が掛かることも多いので、その間に加害者と連絡先を交換しておきましょう。

なお、先ほどお伝えしたとおり、追突事故の場合、ご自身の保険会社は相手方と示談交渉は通常してくれません。

しかし、被害者にも過失が認められる場合には、ご自身の保険会社が示談代行をしてくれます。

また、後にご自身の人身傷害保険や、搭乗者傷害保険、車両保険などを使用する可能性もあります。

そのため、任意の自動車保険に加入している場合、追突事故の被害者であっても必ずご自身の保険会社に事故報告を忘れずにしましょう。

警察が現場に到着後

警察が現場に到着すると、警察官から事故状況などを聴取されることになります。

この後お伝えする人身事故扱いへの切り替えの際は事故の管轄の警察署に行く必要があるので、管轄警察署の連絡先や名称を確認しておきましょう。

そして、すぐに病院で診察を受け、診断書を書いてもらうことが大事です。

通院は事故当日に行くのが一番ですが、少なくとも2〜3日以内には通院しましょう。

そして、継続通院することになったのであれば、警察署に診断書を持参し、人身事故扱いに切り替えてもらってください。

人身事故扱いへの切り替えは時間が経過すると警察が中々応じてくれなくなる可能性があるので、できるだけ早く行いましょう。

治療期間中

その後はしばらく治療に励むことになります。

適正な示談金を受け取るためには、症状を逐一正確に伝え、定期的に通院することが必要です。

治療終了後

治療が終了した段階で示談交渉を行うことになります。

先ほどお伝えしたとおり、慰謝料の基準は複数あるということは覚えておきましょう。

示談が成立したら、示談書を取り交わし、示談金が振り込まれ終了となります。

なお、

  • 病院からの診断書の取り付け
  • 示談書の取り交わし
  • 示談金の振込手続

などで、スムーズに流れが進んだとしても治療終了から入金までには1〜2ヶ月程度かかることが多いことは念頭に置いておきましょう。

お伝えした流れと注意点を簡単に表にまとめましたので、参考にしてみて下さい。

まとめ

追突事故発生から示談までの流れ

期間 流れ 注意点
事故当日 ・警察に報告
・連絡先交換
・警察官から聴取
・警察署の確認
自身の保険会社への報告も忘れない
当日〜数日後 病院で診察 可能な限り早期に
当日〜1週間後 人身切り替え 可能な限り早期に
3〜6ヶ月 治療 ・症状を逐一正確に報告
・定期的な通院
4〜7ヶ月後 示談交渉 慰謝料基準は複数ある
5〜8ヶ月後 示談・入金 治療終了から入金までのタイムラグ

※期間は標準的なもの

お伝えしたとおり、適正な示談金を受け取るためには様々な対処が必要です。

しかし、追突事故の経験に乏しい被害者の方が、その時々で常に適切な判断をするのは難しい部分もあると思います。

そんなときは追突事故の経験豊富な弁護士に相談してアドバイスをしてもらうと良いでしょう。

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最後に一言アドバイス

では、岡野先生、最後にまとめの一言をお願いします。

追突事故ではご自身の保険会社に間に入ってもらえず、お一人で対応しなければいけないことが多いです。

しかし、事故直後から適切な対応をしなければ、慰謝料はおろか、最悪の場合、治療費も一切支払ってもらえない事態になりかねません。

たとえ軽い追突事故であったとしても、わからないことがあればすぐに弁護士に相談しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

このページを最後までご覧になってくださった方は

  • 追突事故の過失割合は10対0が原則だが例外もある
  • 追突事故の違反点数は物損事故扱いか人身事故扱いで大きく異なり、けがや不注意の程度で点数が異なる
  • 追突事故の慰謝料相場は複数あり、休業補償は主婦でもしてもらえる
  • 適正な示談金を受け取るには追突事故直後から適正な対処が必要

であることについて、理解が深まったのではないかと思います。

このページだけではわからなかったことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

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また、このホームページでは、交通事故の示談に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!

このページが、少しでも交通事故に遭われた方のお役に立てれば何よりです。

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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