交通事故の損害賠償請求のすべて|請求書の書き方・請求額・方法・弁護士への依頼

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弁護士事務所の掲載順と弁護士の力量とは無関係です。相性を考慮して、ご自身に合った弁護士をお探しください。

交通事故損害賠償請求をしようと思うのだけれど、損害賠償請求書書式は決まっているの?」

「交通事故の損害賠償請求額はどうやって計算すればいいの?」

「交通事故の損害賠償請求には具体的にはどういう方法があるの?」

「交通事故の損害賠償請求はやっぱり弁護士に依頼すべき?」

「交通事故の損害賠償請求権には何か注意しなければいけない点があるの?」

いざ、交通事故の損害賠償請求をしようと思っても、ほとんどの方ははじめての経験でしょうから、わからないことばかりでお困りではないでしょうか?

このページでは、そんな方のために、

交通事故の損害賠償請求書の書き方

交通事故の損害賠償請求額を決めることになる損害賠償請求できる項目と金額の相場

交通事故の損害賠償請求をする具体的方法

交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼するメリット

交通事故の損害賠償請求権の注意点

についてご紹介していきたいと思います!

専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。

弁護士の岡野です。よろしくお願いします。

交通事故の損害賠償請求は、適正な損害賠償額を受け取るための前提となります。

しかし、損害賠償請求書の書き方や損害賠償請求額の適正な相場、損害賠償請求の具体的な方法を知っておかないと、その前提が崩れてしまいます。

また、適切な損害賠償請求を行い、適正な損害賠償額を受け取るためには、弁護士への依頼も検討する必要があります。

こちらで交通事故の損害賠償請求についてしっかり理解し、適正な損害賠償額を受け取れるようにしましょう。

交通事故損害賠償請求をするには、通常損害賠償請求書を書く必要があります。

しかし、交通事故の被害者のほとんどは、はじめてのことでしょうから、損害賠償請求書の書き方についてよくご存じではないかと思います。

そこで、まずは、交通事故の損害賠償請求書の書き方についてお伝えしていきたいと思います!

交通事故の損害賠償請求書の書き方とは?

交通事故の損害賠償請求書の書き方とは?

損害賠償請求書の書式はない?

まず、交通事故損害賠償請求書に決まった書式は特にありません。

つまり、交通事故の損害賠償請求書の書き方は自由ということです。

とはいえ、損害賠償請求書に書いておくべき事項というものはあります。

具体的には

交通事故の発生日時・場所

交通事故の当事者を特定する事項(氏名・住所など)

損害賠償請求額

請求の日付

などです。

また、損害賠償請求書には、通常損害賠償請求額の根拠となる証拠や資料も添付することになるのが通常です。

損害賠償請求の訴状の注意点

お伝えしたとおり、交通事故損害賠償請求書に決まった書式はありませんが、請求の方法によっては、決められたルールがあります。

例えば、損害賠償請求書を訴状という方法で記載する場合には、裁判所で定められた一定のルールに沿って記載する必要があります。

具体的には

裁判の当事者を特定する事項

主に損害賠償請求額を記載することになる「請求の趣旨」

主に交通事故の発生日時・場所や損害賠償請求額の内訳や根拠を記載することになる「請求の原因」

必須となる添付書類

などに一定のルールが定められています。

そのため、裁判所によっては、訴状の書式や雛形をホームページで公開したり、窓口に置いていたりするところもあります。

もっとも、一定のルールにさえ従っていれば、必ずしもその訴状の書式や雛形を使わなければいけないわけではありません。

内容証明郵便の場合の注意点

また、交通事故損害賠償請求書内容証明郵便方法で作成する場合にも、その書き方に一定のルールが存在します。

そのルールとは主に形式面においてのことであり、具体的なものとしては

1枚の文字数は520字以内(縦書の場合、1行20字以内×1枚26行以内、横書の場合、1行26字以内×1枚20行以内又は1行13字以内×1枚40行以内)

句読点やかっこは1文字としてカウントする

かな・漢字・数字以外は原則使わない(英字は原則固有名詞を書く場合のみ)

複数枚書く時は繋ぎ目に割印を押す

訂正する場合は所定の方式に従い訂正印を押す

などがあります。

形式に不備がある場合、損害賠償請求書(内容証明郵便)を受け付けてくれず、損害賠償請求が遅れてしまうことになります。

なお、内容証明郵便の場合には、損害賠償請求書(内容証明郵便)以外の資料が添付できないので、その点には注意が必要です。

このように、交通事故の損害賠償請求書に決まった書式はないですが、記載しておくべき事項や各請求方法ごとのルールなどは存在します。

この記載しておくべき事項や各請求方法ごとのルールを把握しておかないと、損害賠償請求が遅れ、結果的に交通事故の解決も遅れてしまいます。

そういったことがないよう、適切な損害賠償請求を行うためには、事前に弁護士への相談や依頼をすることをおすすめします。

損害賠償請求書の書き方の注意点
方法 注意点
損害賠償請求書一般 ・決まった書式はない
・書いておくべき事項はある
訴状 ・請求の趣旨の記載や添付書類に一定のルールあり
・裁判所により書式や雛形があるが使わなくてもよい
内容証明郵便 ・字数制限など形式面のルール多い
・資料は添付できない

交通事故の損害賠償請求額

交通事故の損害賠償請求額

交通事故損害賠償請求書には、当然損害賠償請求額を記載する必要があります。

そして、この損害賠償請求額は、被害者損害賠償請求できる項目の損害賠償額を計算した合計金額になります。

とすれば、被害者が損害賠償請求できる項目を知らなければ、適正な損害賠償請求をすることはできません。

また、損害賠償請求できる各項目にはそれぞれ相場となる金額があり、その金額で請求しなければ、適正な損害賠償額は受け取ることができません。

そこで、ここからは、被害者が損害賠償請求できる項目及び各項目の損害賠償請求額の相場についてお伝えしていきたいと思います!

交通事故では大きく、人損と呼ばれる人的損害と物損と呼ばれる物的損害に損害賠償請求をできる項目をわけることができます。

まずは、人損と呼ばれる人的損害について、損害賠償請求できる項目をお伝えしていきたいと思います。

人損の損害賠償請求できる項目

損害賠償請求が可能な人的損害

財産的損害と精神的損害

人的損害は、その中でも大きく

財産的損害

精神的損害

に分けられます。

交通事故が発生すると、お金の面で様々な不利益が生じることになります。

これを財産的損害といいます。

また、事故にあうと、けがの痛みに耐えなければならなくなるなどの不利益も生じます。

この不利益は、それ自体でお金の面での不利益が生じているわけではないですが、精神的な苦痛を負っているといえます。

これを精神的損害といいます。

財産的損害の種類

さらに、財産的損害の種類の中でも大きく

積極損害

消極損害

に分けられます。

積極損害とは、交通事故によりせざるを得なくなった支出のことをいいます。

それに対して、消極損害とは、交通事故により本来得られるはずであった収入や利益を失ったことをいいます。

損害賠償請求が可能な積極損害

そして、交通事故の人的損害において、損害賠償請求が可能な積極損害の損害項目には以下のようなものがあります。

損害賠償請求可能な積極損害の項目
治療費
診察代や手術代、投薬代や入院代、リハビリ費用など
付添看護費
原則として12歳以下のお子様に近親者の方が付き添った場合や、医師が看護の必要性を認めた場合の、入院中の看護料や自宅看護料、通院看護料
雑費
入院中に要した雑費など
通院交通費
通院に要した交通費
装具・器具等購入費
車椅子、盲導犬、義足、義歯、義眼などの購入費
家屋等の改造費
浴場、便所、出入口、自動車などの改造費
葬儀費用
死体運搬費、火葬費、お布施、戒名、読経料など
弁護士費用
損害賠償請求を弁護士に依頼した際に支出した費用

上記のもの以外でも、損害賠償請求できる可能性があるものもあります。

具体的に何が損害賠償請求できて、何が損害賠償請求できないのかは弁護士などの専門家でなければ判断が難しいものも多くあります。

交通事故の被害者の方は、後の損害賠償請求の事を考えて、交通事故が原因と思われる出費に関する領収書などはすべて取っておくと良いでしょう。

損害賠償請求が可能な消極損害

また、交通事故の人的損害において、損害賠償請求が可能な消極損害の損害項目には

交通事故による影響で、休業せざるを得なくなったことによる収入の減少に対する損害賠償請求である休業損害

交通事故による後遺症で労働能力が減少し、交通事故がなければもらえたであろう将来の収入減に対する損害賠償請求である後遺症による逸失利益

交通事故により死亡した場合に、死亡により将来得られなくなった利益の減少に対する損害賠償請求である死亡による逸失利益

などがあります。

損害賠償請求が可能な精神的損害

交通事故により被った精神的損害に対する損害賠償請求の項目のことを慰謝料といいます。

そして、慰謝料はさらに

交通事故のケガにより辛い思いをすることになった精神的苦痛に対する損害賠償請求である傷害慰謝料

交通事故のケガによる後遺障害の残存により、生活上の不便を強いられるようになるなどの精神的苦痛に対する損害賠償請求である後遺障害慰謝料

交通事故により生命を失うこととなった精神的苦痛に対する損害賠償請求である死亡慰謝料

に分けることができます。

慰謝料の損害賠償請求は、他の財産的損害と異なり、直接金銭面での不利益が生じていないため、特に損害賠償請求額の相場が問題になります。

物損の損害賠償請求できる項目

続いて、交通事故物損において損害賠償請求できる項目をお伝えしたいと思います。

損壊物自体に対する損害賠償請求

まず、交通事故により、運転していた車両などの物が損壊した場合、その損壊した物自体に対する損害賠償請求が可能になります。

損壊物から派生する損害賠償請求

また、交通事故の物損においては、損壊物から派生して生じる

車両の修理又は買替期間中のレンタカー使用により生じた出費の損害賠償請求である代車使用料

交通事故による影響で、営業車を利用できなくなったことによる収入の減少に対する損害賠償請求である休車損害

交通事故で事故車扱いになったことにより、交通事故がなければ生じなかった商品価値の下落に対する損害賠償請求である評価損

といった損害項目の損害賠償請求も可能になります。

物損の慰謝料は損害賠償請求不可

なお、交通事故における物損の被害者には、原則として慰謝料の損害賠償請求は認められていません

お伝えしているとおり、慰謝料は、精神的苦痛に対する損害賠償請求になります。

通常、財産権侵害に伴う精神的苦痛は、財産的損害の填補により同時に填補されるものと考えられているからです。

各項目の損害賠償請求額の相場

交通事故損害賠償請求額は、お伝えしてきた被害者損害賠償請求できる項目の損害賠償額を計算した合計金額になります。

そして、被害者は損害賠償請求額について自由に定めることができます。

とはいえ、損害賠償請求額には、各損害項目ごとに相場となる金額や計算方法が存在します。

この相場からかけ離れた高額の損害賠償請求は、通常認められず、必要以上に解決までの時間が掛かってしまうことになります。

反対に、相場からかけ離れた低額の損害賠償請求をしてしまえば、本来受け取るべき適正な損害賠償額を受け取れないことになります。

そのため、損害賠償請求額の相場を把握しておくことは、迅速に交通事故の問題を解決し、適正な損害賠償額を受け取る上で非常に重要といえます。

そこで、ここからは、各損害賠償の項目ごとの損害賠償請求の相場となる金額や計算方法についてお伝えしていきたいと思います!

積極損害の損害賠償請求額の相場

そして、交通事故の人的損害における、積極損害の損害項目の損害賠償請求額の相場となる金額や計算方法は以下のようになります。

積極損害の損害賠償請求の相場
治療費
必要かつ相当な実費全額
付添看護費
・職業付添人の入院付添費は実費全額
・近親者付添人の入院付添費は日額6500
・通院付添費は日額3300
雑費
入院雑費日額1500
通院交通費
必要かつ相当な実費相当額
装具・器具等購入費
必要かつ相当な実費全額
家屋等の改造費
必要かつ相当な実費相当額
葬儀費用
上限原則150万円
弁護士費用
損害賠償請求が認容された額の10%程度

積極損害は、実際に支出を伴うため、基本的には支出した金額全額を損害賠償請求するということになります。

もっとも、損害賠償請求した金額全額が認められるかどうかは必要性・相当性が認められるかどうかによることになります。

また、入院雑費や葬儀費用は日額や上限が決まっており、それ以上の損害賠償請求は基本的には困難になります。

消極損害の損害賠償請求額の相場

休業損害

休業損害の損害賠償請求額の相場となる計算方法は以下のとおりです。

1日あたりの基礎収入×休業日数

1日あたりの基礎収入をどうやって割り出すかは職業別に異なります。

また、休業日数についても、実際の休業日数全日で計算されるとは限らず、休業の必要性・相当性が求められます。

これらの点については、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい!

後遺症による逸失利益

続いて、後遺症による逸失利益の損害賠償請求額の相場となる計算方法は以下のとおりです。

(基礎収入)×(労働能力喪失率)×(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)

これだけではよくわからないかもしれませんが、被害者の収入、後遺障害の等級・内容、年齢などにより損害賠償請求できる金額が変わってきます。

より詳細な内容を知りたいという方は、以下の記事をぜひご覧になってみて下さい!

死亡による逸失利益

そして、死亡による逸失利益の損害賠償請求額の相場となる計算方法は以下のとおりです。

(基礎収入)×(1-生活費控除率)×(就労可能年数に対応するライプニッツ係数)

先ほどの後遺障害による逸失利益の計算方法に似ていますが、少し違う部分もあるようですね・・・。

より詳細な内容を知りたいという方は、以下の記事をぜひご覧になってみて下さい!

慰謝料の損害賠償請求額の相場

傷害慰謝料

傷害慰謝料の損害賠償請求額の相場は、交通事故のケガの治療のための入通院期間を基礎に金額が定められています。

ただし、通院が長期にわたる場合には

実通院日数の3〜3.5倍を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることがあります。

また、傷害慰謝料の損害賠償請求額の相場は、交通事故のケガの症状により変わってきます。

具体的には、むち打ち・打撲等で他覚所見のない場合の傷害慰謝料の損害賠償請求額の相場は以下の表のようになっています。

軽症・むちうちの慰謝料算定表

軽症・むちうちの慰謝料算定表

そして、先ほどの場合以外の通常の場合の傷害慰謝料の損害賠償請求額の相場は以下の表のようになっています。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

先ほどの表に比べると、かなり損害賠償請求額の相場が高くなっていますね!

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料の損害賠償請求額の相場は、残存する症状に応じて定められている後遺障害の等級を基礎に金額が定められています。

後遺障害の等級には1級~14級まで存在します。

そして、それぞれの等級の後遺障害慰謝料の損害賠償請求額の相場は、以下の表のようになっています。

弁護士基準による慰謝料の相場

死亡慰謝料

死亡慰謝料の損害賠償請求額の相場は、亡くなられた被害者立場を基礎に金額が定められています。

具体的な死亡慰謝料の損害賠償請求額の相場は、以下の表のようになっています。

死亡慰謝料の損害賠償請求額の相場
被害者の立場 損害賠償請求額の相場
一家の支柱 2800
母親、配偶者 2500
その他 2000万〜2500

なお、お伝えしてきた交通事故の人損の損害賠償請求額の相場の総額や内訳を簡単に計算できるサービスがあります!

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こちらは、簡単な情報を入力するだけで、交通事故の人損の損害賠償請求額の相場を自動計算してくれるものです。

面倒な登録手続も不要ですので、少しでも交通事故の人損の損害賠償請求額の相場が気になる方は、是非利用してみて下さい!

注意すべきなのは、慰謝料計算機で算出される金額はあくまでおおよその金額だということです。

正確な交通事故の人損の損害賠償請求額の相場を知りたいという方は、直接弁護士に相談してみましょう。

物損の損害賠償請求額の相場

損壊物自体の損害

交通事故の物損の損害賠償請求のうち、運転していた車両などの損壊した物自体に対する損害賠償請求額の相場は

適正修理費相当額

車両時価+買替諸費用

低い方の金額になります。

車両時価については、裁判において以下のように定義されています。

いわゆる中古車が損傷を受けた場合、当該自動車の事故当時における取引価格は、原則として、これと同一の車種・年式・型、同程度の使用状態・走行距離等の自動車を中古車市場において取得しうるに要する価額によつて定めるべき

(以下略)

なお、車両の買替の際に必要となる登録手続関係費のうち、損害賠償請求できるのは一部だけになります。

どの費用が損害賠償請求でき、どの費用が損害賠償請求できないのかを被害者の方だけで判断するのは中々難しいかと思います。

そのため、交通事故の被害者の方が物損の登録手続関係費を損害賠償請求する場合には、事前に弁護士に相談してみることをおすすめします。

損壊物から派生する損害

そして、交通事故の物損の損害賠償請求のうち、損壊物から派生する損害項目の損害賠償請求額の相場となる金額や計算方法は以下のようになります。

損壊物から派生する物損の損害賠償請求の相場
代車使用料
必要かつ相当な実費全額
休車損害
1日あたりの損害額×休車期間
評価損
修理費の30%程度

代車使用料については、代車の必要性・代車の種類(グレード)・代車が認められる相当な期間などが損害賠償請求に際し問題になることがあります。

また、休車損害については、1日あたりの損害額をいくらで計算するかが損害賠償請求に際して問題になることが多いようです。

さらに、評価損については、そもそも損害賠償請求が認められるかについて争いになることが多いようです。

このように、適正な損害賠償請求額で損害賠償請求するためには、損害賠償請求できる項目とその相場の金額や計算方法を把握しておく必要があります。

その上で、損害賠償請求できる項目とその相場の金額や計算方法に妥当な数値を入れなければ適正な損害賠償請求額は算出できません

そのため、実際に交通事故の損害賠償請求を行う場合には、事前に交通事故案件を得意とする弁護士に相談するのが確実といえるでしょう。

交通事故の損害賠償請求をする具体的方法

交通事故の損害賠償請求をする具体的方法

ここまでで、交通事故損害賠償請求書書き方やそこに記載すべき損害賠償請求額についてはお分かりいただけたかと思います。

では、実際に交通事故の損害賠償請求をする具体的な方法としてはどのようなものがあるのでしょうか?

ここからは、交通事故の損害賠償請求の具体的方法についてお伝えしていきたいと思います!

①損害賠償請求書を保険会社や加害者に送る

通常、交通事故損害賠償請求は、まず損害賠償請求書保険会社や加害者に送付するという方法をとります。

この場合、交通事故の損害賠償請求書を内容証明郵便の方法で送付する必要は必ずしもありません。

ただし、一般的には内容証明郵便の方法で送付することにより、加害者に心理的な圧力がかかることも多いようです。

そのため、加害者側が損害賠償請求の交渉に応じないような場合には、内容証明郵便の方法で請求書を送付することが有効な場合もあるようです。

ただし、後ほどお伝えする裁判と異なり、内容証明郵便による請求に応じなくても加害者側に法的不利益は発生しません。

そのため、内容証明郵便の方法で損害賠償請求書を送付しても、加害者が損害賠償請求の交渉に応じるとは限らない点には注意が必要です。

なお、損害賠償請求権の時効の関係で、内容証明郵便の方法で請求書を送付する必要がある場合がありますが、この点は後ほどお伝えします。

損害賠償請求書を保険会社や加害者に送付する方法のメリットは、無料かつ迅速に損害賠償請求の問題を解決できる可能性がある点です。

一方、デメリットとしては、被害者損害賠償請求額の相場の金額で損害賠償請求をしても、保険会社は通常請求に応じないという点です。

さらに、加害者側が損害賠償請求の交渉に応じない可能性があるというのも、この方法のデメリットの一つといえます。

②損害賠償請求の調停や和解あっ旋の申立て

また、交通事故損害賠償請求方法としては、損害賠償請求の調停やADR機関への和解・示談あっ旋の申立ても考えられます。

調停の申立

まず、調停とは一般的に以下のように定義されています。

調停

第三者の関与のもと当事者間で話し合いを行い、合意によって紛争を解決する手続き

交通事故の損害賠償請求において、いきなり裁判を提起するという方法をとることはほとんどありません。

通常は、先ほどお伝えしたとおり、まず損害賠償請求書保険会社や加害者に送付し、示談交渉をすることになります。

交通事故の場合、多くは示談により解決に至り、裁判にまではならないことがほとんどです。

もっとも、損害賠償請求額に対し保険会社側がどこまで認めるかにつき、最後まで折り合いがつかず示談がまとまらない場合も存在します。

そのような場合、最終的な損害賠償請求の方法としては、後ほど詳しくお伝えする裁判があります。

しかし、裁判の場合には、高額な費用と長い期間が掛かります。

また、当事者だけではまとまらない話し合いでも、第三者に間に入ってもらうことにより話し合いがまとまる可能性もあります。

そこで、裁判の前に低額な費用と比較的短い期間で解決できる可能性のある調停という方法をとることができるようになっています。

なお、交通事故の調停については、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい!

交通事故紛争処理センターへの申立

また、損害賠償請求を交通事故紛争処理センターというADR機関に和解あっ旋の申立てをするという方法も考えられます。

こちらは、中立な立場の弁護士に第三者として間に入ってもらい、双方の言い分を聞き取ったうえで和解案の提示をしてもらう方法になります。

こちらの方法は、無料かつ裁判よりも短期間で損害賠償請求の問題を解決できる可能性がある点がメリットです。

また、損害賠償請求額の相場に近い金額で解決できる可能性が高い点もメリットの一つといえます。

なお、交通事故紛争処理センターについては、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい!

日弁連交通事故相談センターへの申立

さらに、損害賠償請求を日弁連交通事故相談センターというADR機関に示談あっ旋の申立てをするという方法も考えられます。

こちらも、中立な立場の弁護士に第三者として間に入ってもらい、双方の言い分を聞き取ったうえで和解案の提示をしてもらう方法になります。

こちらの方法も交通事故紛争処理センター同様、無料かつ裁判よりも短期間で損害賠償請求の問題を解決できる可能性がある点がメリットです。

また、損害賠償請求額の相場に近い金額で解決できる可能性が高い点がメリットの一つなのも交通事故紛争処理センターと同様です。

このように、交通事故紛争処理センターと日弁連交通事故相談センターは似た部分が多いですが、当然違う部分も存在します。

日弁連交通事故相談センターについては、以下の記事に詳しく記載されています。

以下の記事では、日弁連交通事故相談センターと交通事故紛争処理センターの違いも記載されていますので、興味のある方はご覧になってみて下さい!

なお、調停やADR機関への申立てのデメリットとしては、

示談交渉と異なり、裁判所やADR機関に出向く必要がある

裁判と比較して、損害賠償請求の交渉の強制力や判断の拘束力、利用できる場合が限定される

裁判と異なり、遅延損害金の損害賠償請求が認められない

などが考えられます。

③損害賠償請求訴訟を管轄裁判所に提起する

しかしながら、上記の方法でも交通事故損害賠償請求の問題が解決できない場合も当然存在します。

その場合、最終的には損害賠償請求訴訟管轄裁判所に提起する方法をとることになります。

交通事故の損害賠償請求訴訟の管轄がどこの裁判所になるかについては、以下の記事に詳しく記載されています。

また、交通事故の裁判の流れは、大まかには以下の表のようになっています。

交通事故の裁判の流れ

より詳しく交通事故の裁判について知りたいという方は以下の記事をぜひご覧になってみて下さい!

損害賠償請求訴訟を裁判所に提起するという方法のメリットしては、

損害賠償請求額の相場の額で解決できる可能性が高い

遅延損害金の損害賠償請求も認められる

点などが挙げられます。

反対に、デメリットとしては、

裁判所に毎回出向く必要がある

費用が他の方法よりも高額

他の方法よりも解決までに期間を要することが多い

などが考えられます。

最後に、これらの3つの損害賠償請求の方法を比較したものを表にまとめてみましたので、よろしければ参考にしてみて下さい。

3つの損害賠償請求の方法の比較
請求書の保険会社等への送付 調停や和解案の申立 訴訟を裁判所に提起
費用 無料 低額又は無料 有料
相場の請求額 通常認められない 近い金額認められる可能性高い 認められる可能性高い
判断権者 当事者 中立の専門家 裁判官
期間 短期 やや短期 長期
判断の拘束力 なし 限定的 あり
利用できる場合 限定なし 限定あり 限定なし
遅延損害金請求 認められない 認められない 認められる
出向く必要 なし あり あり

このように、交通事故の損害賠償請求の方法には、それぞれメリット・デメリットが存在します。

交通事故の被害者の方は、それらのメリット・デメリットを考慮した上で、自身にあった適切な損害賠償請求の方法を選択する必要があります。

もし、どの交通事故の損害賠償請求の方法をとるべきかよくわからないということであれば、まずは弁護士に相談してみるのがよいでしょう。

損害賠償請求を弁護士に依頼するメリット

損害賠償請求を弁護士に依頼するメリット

ここまでお伝えしてきた内容により、交通事故被害者の方は、適正な損害賠償請求をすることも可能であるといえます。

では、ここまでお伝えしてきた内容が理解できれば、損害賠償請求を弁護士に依頼する必要はないのでしょうか?

ここからは、交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼するメリットについてお伝えしていきたいと思います!

損害賠償請求書の面のメリット

まず、交通事故損害賠償請求書の面において弁護士に依頼するメリットがあります。

交通事故の損害賠償請求書には損害賠償請求額を記載する必要があります。

しかし、すべての損害賠償請求できる項目につき、相場の計算方法で計算し、適正な損害賠償請求額を計算するのには大変な手間がかかります。

また、被害者の方がご自身で計算した場合、損害賠償請求できる項目を落としたり、計算方法に誤りがある可能性もあります。

さらに、損害賠償請求書を訴状内容証明郵便で作成するには、一定の形式に従う必要があり、その点でも誤りがある可能性が出てきます。

この点、交通事故の損害賠償請求を交通事故を数多く取り扱っている弁護士に依頼すれば、

損害賠償請求書作成の負担の大幅な軽減

のみならず

適正かつ迅速な損害賠償額の請求

が可能になるというメリットがあるといえます。

損害賠償請求額の面のメリット

さらに、交通事故損害賠償請求額の面においても弁護士に依頼するメリットがあります。

先ほど、被害者が損害賠償請求額の相場の金額で損害賠償請求をしても、保険会社は通常請求に応じないとお伝えしました。

しかし、損害賠償請求を弁護士が代理人として行った場合、保険会社は損害賠償請求額の相場の金額に近い金額での示談に応じる可能性が高いです。

これは、損害賠償請求を弁護士が代理人として行った場合、示談が成立しなければ、裁判でより高額の損害賠償請求がされる可能性が高いからです。

つまり、裁判によらず、短い期間で損害賠償請求額の相場の金額に近い金額が受け取れる可能性が高い点が弁護士に依頼するメリットといえます。

また、交通事故の被害者が損害賠償請求を調停や裁判などの方法で行っても、損害賠償請求額の相場の金額が受け取れるとは限りません。

損害賠償請求額の相場の金額を受け取るには、保険会社や保険会社の選任した弁護士の反論に対して、適切な主張・立証を行う必要があります。

しかし、交通事故の被害者だけでは、経験豊富な保険会社や保険会社の選任した弁護士の反論に対して、適切な主張・立証を行うのは困難といえます。

この点、損害賠償請求を交通事故に強い弁護士に依頼すれば、調停や裁判の場においても、適切な主張・立証を行える可能性が高いといえます。

その結果、調停や裁判の場において、相場の損害賠償請求額を認めてもらえる可能性が高まる点が、弁護士に依頼するメリットの一つといえます。

損害賠償請求を弁護士に依頼するメリット
損害賠償請求書面 ・作成負担の大幅な軽減
・適正かつ迅速な損害賠償額の請求
損害賠償請求額面 ・示談でも相場の損害賠償請求額に近い金額が受け取れる可能性高い
・調停や裁判において相場の損害賠償請求額を認めてもらえる可能性高い

損害賠償請求の弁護士費用の相場はどれ位?

交通事故損害賠償請求弁護士に依頼するメリットがあるとしても、実際に依頼するにあたって気になるのは弁護士費用ですよね。

現在弁護士費用は自由化されてはいますが、実際には同程度の費用設定になっているところが多いようです。

ということで、最近多い弁護士費用のパターンをご紹介したいと思います。

①相談料

交通事故の被害者の方が損害賠償請求を弁護士に依頼するにあたり、まずは弁護士に相談をされるケースがほとんどかと思います。

弁護士への相談の方法については、以下の記事を参考になさってみてください。

その際に弁護士費用として、相談料がかかる場合もあるようです。

相談料が発生する場合には、1時間あたり5000円~10000円程度が相場のようです。

もっとも、交通事故の損害賠償請求の問題については、相談料を無料としているところも多いようです。

②着手金

損害賠償請求を弁護士に依頼する場合には、通常、契約の段階で、弁護活動の結果に関わらず支払う着手金が弁護士費用として掛かります。

しかし、交通事故の損害賠償請求については、着手金を無料としている弁護士事務所も多いようです。

交通事故の場合は、加入が義務付けられている自賠責保険の他、任意の自動車保険にも別途加入していることが多くなっています。

そのため、保険会社から最終的に損害賠償請求額回収できる見込みが高いので、着手金を無料としている事務所が多いと考えられます。

ただし、交通事故の加害者が自転車の場合には、少し状況が変わってくるようです。

なぜなら、加害者が自転車の場合は、加入が義務付けられている自賠責保険がなく、任意の保険にも加入していないことが多いからです。

そのため、交通事故でも加害者が自転車の場合には、損害賠償請求を弁護士に依頼する際に着手金が発生する場合も比較的多いようです。

③成功報酬

そして、損害賠償請求が認められ、損害賠償金が得られた場合には、弁護士費用として成功報酬が発生します。

成功報酬の金額については、損害賠償請求を弁護士に依頼した方が得た経済的利益の額の一定割合となっていることがほとんどのようです。

この経済的利益については、得られた損害賠償額全体とする場合と、弁護士に依頼したことによる増額分とする場合のどちらかをすることが多いようです。

具体的には、弁護士費用としての成功報酬を、以下のどちらかのパターンに設定している弁護士事務所が多いようです。

最近の成功報酬のパターン

20万円+賠償額の10%(税抜)

② 相手側の保険会社から示談金の提示が既にある場合は、20万円+増額分の20%(税抜)

具体的な弁護士費用をイメージしやすくするために、下記に計算例を示してみました。

最近多い報酬基準で計算した場合の弁護士費用例
20万円+賠償額の10
賠償額 弁護士費用
200万円 40万円
600万円 80万円
1000万円 120万円
2000万円 220万円
5000万円 520万円
20万円+増額分の20
増額分 弁護士費用
100万円 40万円
500万円 120万円
1000万円 220万円

※1 税抜きの金額

※2 裁判の場合、追加の弁護士費用が発生する事務所もある

なお、上記のもの以外に弁護士費用として、実費や日当が別途発生する場合もあります。

損害賠償請求を弁護士に依頼するにあたっては、事前に弁護士費用についてよく確認をする必要があります。

損害賠償請求を弁護士に依頼することによるメリットは大きいですが、実際に依頼するかどうかは弁護士費用との兼ね合いを検討する必要があります。

ただし、被害者の方が弁護士費用特約を利用できる場合には、通常弁護士費用の自己負担がないので、基本的には弁護士に依頼すべきといえます。

交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼するか検討するにあたっては、まず弁護士費用特約を利用できるか確認することが重要といえます。

交通事故の損害賠償請求権の3つの注意点

交通事故の損害賠償請求権の3つの注意点

交通事故損害賠償請求については以上のとおりですが、その前提となる損害賠償請求権についてはいくつか注意すべき点があります。

①損害賠償請求権の時効の期間

まず注意すべきなのは、交通事故損害賠償請求権時効期間についてです。

交通事故の損害賠償請求権は、民法上、不法行為に基づく損害賠償請求権の一種ということになります。

そして、民法では、不法行為に基づく損害賠償請求権の時効の期間について、以下のように定めています。

(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)

不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。

不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

交通事故の場合、ひき逃げ等の例外的なケースを除き、通常、被害者の方は、交通事故発生時に加害者を知ったといえることになります。

そのため、交通事故の損害賠償請求権の時効の期間は、交通事故発生時から3年が原則になります。

ただし、後遺障害に関する損害賠償請求権は、症状固定時まで請求権を行使できないため、時効の期間は、症状固定日から3年になります。

また、被害者の死亡に伴う損害賠償請求権も、被害者の死亡まで請求権を行使できないため、時効の期間は、死亡した日から3年になります。

損害賠償請求権の時効の中断方法

もっとも、交通事故は治療が長期に及んだり、損害賠償請求書の準備に時間が掛かり、3年以内の損害賠償請求権の行使が困難な場合もあります。

そのため、民法では、時効を中断する方法を以下のように定めています。

(時効の中断事由)

時効は、次に掲げる事由によって中断する。

一 請求

二 差押え、仮差押え又は仮処分

三 承認

上記の方法のうち、交通事故の被害者の方が通常行える時効の中断方法は「請求」になります。

この「請求」は裁判上の請求が必要であり、具体的には損害賠償請求の訴状を裁判所に提出することが必要になります。

もっとも、交通事故の損害賠償請求の訴状作成には時間が掛かり、時効の期間までに作成が間に合わないという場合も考えられます。

そのような場合に、消滅時効の成立を回避する方法として、民法上の「催告」を損害賠償請求書を内容証明郵便の形で送付することがあります。

民法上の「催告」の効果については、条文上、以下のように規定されています。

(催告)

催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法若しくは家事事件手続法による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。

つまり、「催告」を行い、この「催促」から6ヶ月以内に損害賠償請求の訴状を提出することで、消滅時効は成立しないこととなります。

そのため、民法上の消滅時効の成立が間近である場合には、加害者側に対し、配達証明付内容証明郵便で損害賠償請求書を発送することがあります。

この内容証明郵便から6ヶ月以内に損害賠償請求の訴状を提出することで、消滅時効は成立しません。

「催促」を内容証明郵便の発送という方法によることで、加害者側に対する損害賠償請求書の到達及び到達年月日等を証明することが容易になります。

そのため、催告は必ずしも内容証明郵便による必要はないですが、後に加害者から消滅時効を争われる可能性に備えて内容証明郵便によるのが確実です。

②被害者が死亡した場合の損害賠償請求権者

また、交通事故被害者が死亡してしまった場合には、損害賠償請求権を被害者自身が行使することは当然できません。

そのため、交通事故の被害者が死亡してしまった場合には、損害賠償請求権者が誰になるかが問題になります。

結論から申し上げますと、交通事故の被害者が死亡してしまった場合、その被害者の損害賠償請求権は相続人に相続されます。

つまり、交通事故の被害者が死亡してしまった場合の、損害賠償請求権者は死亡した被害者の相続人ということになります。

そして、相続人が誰になるかや具体的な相続分については、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい。

③損害賠償請求権の破産した場合の取り扱い

交通事故損害賠償請求権の注意点として、最後に当事者が破産した場合の取り扱いについてお伝えしたいと思います。

被害者が破産した場合

まず、交通事故の損害賠償請求権の取り扱いは、交通事故が破産手続き開始決定前か後かで変わります。

破産手続きにおいては、破産手続開始決定時に破産者が有していた財産が問題となります。

そのため、交通事故が破産手続き開始決定後に発生したものである場合には、損害賠償請求破産手続きの影響は受けないことになります。

一方、交通事故が破産手続き開始決定前に発生したものである場合、理論上は損害賠償請求権の行使は破産管財人に委ねられることになります。

ただし、損害賠償請求できる項目により、破産手続きの影響も受けないものもあるので、破産される場合には弁護士によく相談すべきでしょう。

加害者が破産した場合

交通事故の被害者が、加害者に対し有する損害賠償請求権は、加害者が破産した場合は、破産債権として扱われます。

つまり、交通事故の被害者は、加害者が破産した場合、他の債権者と平等に配当を受けることができるに過ぎません。

そして、最終的に加害者に免責許可決定が下りると、交通事故が加害者の故意か重過失で生じたものでない限り、加害者には損害賠償請求できません。

(免責許可の決定の効力等)

免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。

ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。

(略)

二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権

三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)

(以下略)

しかし、このままですと、交通事故の被害者の保護が図れないということになってしまいます。

そのため、交通事故の被害者が損害賠償請求額を保険会社に直接請求できる制度が認められています。

具体的には、自動車損害賠償保障法は、被害者の自賠責保険会社に対する直接請求権の行使を条文上認めています。

(保険会社に対する損害賠償額の請求)

1 第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払をなすべきことを請求することができる。

また、加害者(被保険者)が破産した場合には、任意保険会社も被害者の保険会社に対する直接請求権の行使を約款上認めている場合がほとんどです。

これらの請求権は、被害者の加害者に対する損害賠償請求権とは別個独立のものとされています。

そのため、加害者が破産した場合においても、その影響を受けることなく請求権を行使することができ、交通事故の被害者の保護が図られています。

このように、交通事故の損害賠償請求権については、様々な問題があります。

交通事故の損害賠償請求は、損害賠償請求権者が損害賠償請求権を行使できることが前提になります。

損害賠償請求権者であるかどうかや損害賠償請求権を行使できるかどうかに疑問がある場合には、損害賠償請求の前に弁護士に相談してみましょう。

交通事故の損害賠償請求権の注意点
①時効の期間 ・原則事故発生時から3
・後遺障害や死亡は例外あり
・時効を中断する方法もある
②死亡時の請求権者 死亡した被害者の相続人
③破産の場合の取扱 ・どちらの当事者の破産かで取扱異なる
・被害者の破産は開始決定の時期が重要
・加害者が破産しても保険会社には請求可能

交通事故の損害賠償請求を弁護士に相談されたい方へ!

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、交通事故でお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

交通事故の損害賠償請求を適切に行うには、損害賠償請求書の書き方・損害賠償できる項目・損害賠償請求額の相場などを知っておく必要があります。

さらには、適切な損害賠償請求の方法を選択し、場合によっては弁護士に依頼しなければ、損害賠償請求額に対する満足な結論は得られません。

交通事故の損害賠償を適切に行い、損害賠償請求額に対する満足な結論を得るためには、まずは弁護士に相談してみることが重要であるといえます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

このページを最後までお読みの方は、

交通事故の損害賠償請求書の書き方

交通事故の損害賠償請求額を決めることになる損害賠償請求できる項目と金額の相場

交通事故の損害賠償請求をする具体的方法

交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼するメリット

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について理解を深めていただけたのではないかと思います。

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