交通事故|肋骨骨折・骨盤骨折の慰謝料は?|被害者の後遺障害入門講座
交通事故では、腕や足以外にも骨折の怪我を負ってしまう場合があります。
バイクや歩行中に転倒して、胸・腰に強い衝撃を受けると、肋骨や骨盤を骨折してしまいます。
治療に時間がかかり、特に骨盤の骨折では、変形障害により出産にも影響してきてしまう場合があります。
今回は、肋骨・骨盤の後遺障害や慰謝料についてご紹介します。
目次
事故による肋骨・骨盤の骨折とは?
肋骨・ろく軟骨の外傷
肋骨とろく軟骨の違い
交通事故による怪我で一番多いのは頭顔部で、その次に多いのが胸部です。
前方からの衝撃で打撃を受けやすい胸部の骨を損傷してしまった場合どうなるのか見てみましょう。
▼ 肋骨のエックス線写真
肋骨は、皆さんご存知のとおり肺のまわりを囲う骨です。別名あばら骨とも呼ばれ、実は1本ずつが衝撃に弱く骨折しやすい骨です。
ろく軟骨は、胸の中心部にある軟骨で、肋骨と胸骨をつなぐように存在しています。ろく軟骨は体をスムーズに動かすために大切な役割を果たしています。
ろく軟骨を骨折し神経が損傷してしまった場合、心臓に近い敏感な神経なので、その痛みは立ち上がるのも難しいほどだといわれています。
肋骨の骨折
ただでさえ骨折しやすい肋骨ですが、交通事故でも肋骨を骨折することは多く、バイクでの転倒やハンドルやエアバックに胸部を打ち付けるなど、前方から力が加わったパターンのものが多いですが、後方からの衝突で折れることもあります。
肋骨の骨折は、全治2か月程度と診断されることが多いです。
ろく軟骨の損傷の調べ方
ろく軟骨の骨折はレントゲンにはうつらないことも多々あり、MRIで診断されることが多いです。
また、ろく軟骨の骨折は治りにくく、治療に長い時間がかかるといわれています。肋骨と異なり柔軟性のある軟骨組織ですので固定が難しいことがその原因です。そして、受傷後数ヶ月間、激しい痛みも伴います。
骨盤の外傷
骨盤も、交通事故で損傷しやすい部位の一つです。骨盤はお尻を打って損傷することが多い骨です。
骨盤の仕組み
骨盤は体の中心にある骨で、脊柱が受ける重みを両足に分けて伝える役目を果たしています。
骨盤の上部は腹部内臓の受け皿となっており、下部は膀胱、直腸、子宮などの骨盤臓器を収めています。
骨盤の骨折
交通事故で骨盤を骨折する事例としては、被害者側が歩行中、またはバイク・自転車等に乗っていて転倒し地面に打つことが多いです。
骨盤を骨折してしまうと、座ることはおろか、自力で体を動かすことも難しくなるため、日常生活に多大な影響が出ます。
肋骨・骨盤の外傷に対する治療・リハビリ
肋骨の骨折は、コルセットやバストバンドなどで固定して安静にし、徐々にリハビリをしていくことになります。
ろく軟骨の骨折のリハビリは、基本的に肋骨の場合と同様ですが、治療が長引く事が多いので、時間との戦いになるでしょう。
骨盤骨折は、患部外の筋肉トレーニングを実施することで、血流を良くし、骨折部の治癒促進を図ります。
心配な方は、交通事故に詳しい弁護士の先生に相談すれば、同じような事例の際に被害者の方がどのように過ごされていたのか聞くことができ、あわせて慰謝料の相談もできるでしょう。
交通事故事例 | 全治 | |
---|---|---|
肋骨 | バイクでの転倒 ハンドル打撲 エアバックの衝撃 |
全治約2か月程度 |
ろく軟骨 | バイクでの転倒 ハンドル打撲 エアバックの衝撃 |
場合によるが治りにくい |
骨盤 | 転倒して地面に お尻を打つ |
全治3か月程度 |
肋骨・骨盤の骨折による後遺障害入門
肋骨の変形障害とは
事故によって骨の変形が起こってしまい、見た目が元通りに治らない場合もあります。この場合、後遺障害として認定される可能性があります。
後遺症には後遺障害等級というものがきめられています。重い順に1級~14級まで等級がありますが、裸になったとき、肋骨の変形が明らかにわかる場合、12級の後遺障害になります。
ⅹ線で見て初めて変形がわかる場合は12級には含まれません。
骨盤の変形障害とは
骨盤の変形障害も肋骨の変形障害と同じで、裸になったとき、骨盤の変形が明らかにわかる場合、12級5号の後遺障害になります。
肋骨と同じくX線で見て初めて変形がわかる場合は12級には含まれません。
骨盤の骨折により自然分娩が困難になったとき
女性の場合、骨盤折後に、変形障害により、骨産道の一部または全てが平均より狭くなってしまう場合があります。
この状態を狭骨盤または検証狭骨盤といい、この場合には生殖機能の障害に準じて後遺障害11級10号と認定されることがあり、骨盤変形障害のみの場合より等級が上がります。
狭骨盤になった場合、自然分娩では胎児が産道を通過できず、帝王切開手術での出産が通常です。
肋骨・骨盤の神経障害
外見上問題はなくとも、事故による痛みやしびれが残っていることがあります。
この場合、その症状が少なくとも医学的に説明がつく程度であれば、神経障害として認定を受ける可能性があります。
その場合の等級は、痛みやしびれなどの神経症状が、レントゲン等で原因が観て分かる(他覚的所見あり)か(12等級),それとも本人の痛みの症状(自覚症状)のみか(14等級)で変わります。
肋骨・骨盤の後遺障害は何級になる?
肋骨・骨盤の変形障害は12級、骨盤骨折による自然分娩が困難になった場合は11級、神経障害の場合は症状によって12級or14級になります。
また、後遺症の申請の際は弁護士に相談しサポートを受ければ適正な後遺障害の等級を受けられる可能性が高まり、場合によっては上位の等級になることもあるのでぜひ相談をおすすめします。
後遺症 | 後遺障害等級 | |
---|---|---|
肋骨・骨盤の後遺障害 | 12級5号 | |
骨盤骨折による自然分娩困難 | 11級10号 | |
神経障害 | 局部に頑固な神経症状を残すもの (医学的に証明可能な所見あり) |
12級13号 |
局部に神経症状を残すもの (医学的に説明可能な所見あり) |
14級9号 |
肋骨・骨盤の後遺障害の慰謝料相場は?
肋骨・骨盤の後遺障害の慰謝料
後遺障害の慰謝料には、3つの相場があります。
車を買った人全員が必ず加入している自賠責保険基準、保険会社の任意保険基準、弁護士が用いる裁判基準(弁護士基準)があります。
この3つの相場の検証についてはこの項目の一番下の表にまとめてありますが、
自賠責基準 < 任意保険基準 < 裁判基準(弁護士基準)
という順に、慰謝料の相場が高くなっています。
裁判基準(弁護士基準)は裁判をし最終的に得られる慰謝料額の基準を示すもので、保険会社に慰謝料を請求するときに弁護士に頼むと裁判を前提にその金額で交渉することが可能になります。
肋骨・骨盤の後遺障害における労働能力喪失率
後遺障害における労働能力の喪失率については、労働省労働基準局が定めた労働能力喪失率表に定められています。
これは、後遺障害により労働能力が失われた程度を割合で表したもので、後遺障害の逸失利益を計算する際に用います。
障害等級 | 労働能力喪失率 |
---|---|
1級 | 100/100 |
2級 | 100/100 |
3級 | 100/100 |
4級 | 92/100 |
5級 | 79/100 |
6級 | 67/100 |
7級 | 56/100 |
8級 | 45/100 |
9級 | 35/100 |
10級 | 27/100 |
11級 | 20/100 |
12級 | 14/100 |
13級 | 9/100 |
14級 | 5/100 |
後遺障害の等級によって労働能力喪失率が定められています。
この労働能力喪失率をもとに、後遺障害が残らなければ本来得ることができるはずだった収入額(逸失利益)を算定します。
肋骨・骨盤の後遺障害を弁護士に相談するメリット
ここからが重要です。
後遺障害を弁護士に相談するメリットとして一番大きいのは、保険会社からの慰謝料額が増えることです。
保険会社側としては、やはりできることならば多い金額は支払いたくはないものです。
交通事故は示談であり、保険約款などで支払額が明記されているものではありません。
そのため被害者に相場より少ない金額を提示されてしまうことが多々あります。
弁護士が保険会社と示談交渉する場合、裁判基準での後遺障害慰謝料の相場に基づき、交渉を行います。その結果、被害者が個人で請求するより、何倍もの額になることもあるのです。
等級 | 自賠責基準 | 任意保険基準 (保険会社により異なる) |
裁判基準 (弁護士基準) |
---|---|---|---|
1級 | 1100万 | 1600万 | 2800万 |
2級 | 958万 | 1300万 | 2370万 |
3級 | 829万 | 1100万 | 1990万 |
4級 | 712万 | 900万 | 1670万 |
5級 | 599万 | 750万 | 1400万 |
6級 | 498万 | 600万 | 1180万 |
7級 | 409万 | 500万 | 1000万 |
8級 | 324万 | 400万 | 830万 |
9級 | 245万 | 300万 | 690万 |
10級 | 187万 | 200万 | 550万 |
11級 | 135万 | 150万 | 420万 |
12級 | 93万 | 100万 | 290万 |
13級 | 57万 | 60万 | 180万 |
14級 | 32万 | 40万 | 110万 |
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いかがでしたか?
この記事をお読みの方には、「交通事故|肋骨骨折・骨盤骨折の慰謝料は?|被害者の後遺障害入門講座」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないかと思います。
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この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。