交通事故の慰謝料の請求方法や金額は請求先や請求主体によって違いがある!?
「交通事故の慰謝料や治療費、休業補償などの損害賠償は請求方法が決まっているの?」
「交通事故の慰謝料は自賠責に請求するのと任意保険に請求するのとで請求方法に違いはあるの?」
「交通事故の慰謝料の金額の相場は請求方法で違いが出てくるって本当?」
交通事故の治療が終わり、いざ慰謝料等の損害賠償を請求しようと思ったものの、その請求方法がよくわからないという方もいるのではないでしょうか?
このページでは、そんな方のために、
- 交通事故の慰謝料などの損害賠償の請求方法
- 交通事故の慰謝料の請求先ごとの慰謝料の金額の相場
- 交通事故の慰謝料などの損害賠償の請求を弁護士に依頼するメリット
についてご紹介していきたいと思います!
専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。
弁護士の岡野です。よろしくお願いします。
交通事故の慰謝料等の損害賠償は、どこに請求するかで請求方法や受け取れる慰謝料の金額の相場が変わってくることになります。
また、どの慰謝料等の損害賠償の請求方法の場合でも、弁護士に依頼することによるメリットが存在します。
こちらで交通事故の慰謝料などの損害賠償の請求方法や弁護士に依頼するメリットを理解し、適切な請求方法を選択できるようにしましょう。
目次
交通事故の慰謝料等の損害賠償の請求方法は、請求先として
- 自賠責保険
- 任意保険
- 裁判所
が考えられますが、請求先ごとに提出書類や必要書類等の請求方法が異なります。
そして、請求先ごとに受け取れる慰謝料の相場も変わってきます。
そこで、ここからは各請求先ごとに、具体的な請求方法や慰謝料の金額の相場を確認していきたいと思います!
慰謝料等の損害賠償の自賠責への請求方法
自賠責へ請求する際の必要書類
慰謝料の請求方法
傷害慰謝料
交通事故の慰謝料等の損害賠償の被害者による自賠責保険への請求方法のことを被害者請求などといいます。
この被害者請求という請求方法では、まず損害賠償額支払請求書という書類を加害者側の自賠責保険会社に提出する必要があります。
その書式は以下のようなものになっています。
この書式では「請求額」の欄がありますが、この部分については特に記載をしなくても請求は可能です。
自賠責に対する請求の場合、支払基準が定められており、自賠責調査事務所が損害を調査し、その基準に従って損害賠償金が支払われるからです。
そして、上記の慰謝料等の損害賠償を自賠責保険に請求するには、上記の損害賠償額支払請求書以外に
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 診断書
- 診療報酬明細書
- 通院交通費明細書
といった書類の提出が必要になります。
診断書・診療報酬明細書の提出が必要になるのは、自賠責では治療が必要と考えられる期間及びその間の通院日数で慰謝料が計算されるからです。
後遺障害慰謝料
さらに、後遺障害慰謝料も併せて請求する場合には、上記の書類に加えて後遺障害診断書という書類の提出が必要となります。
自賠責調査事務所において、この後遺障害診断書などの書類を基に、後遺障害慰謝料の支払の可否及び金額が審査されることになります。
なお、後遺障害診断書の書き方については、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
死亡慰謝料
なお、死亡慰謝料を請求する場合には、上記の書類に加えて
- 死亡診断書(死体検案書)
- (相続関係を証明する)戸籍謄本
の提出が必要となります。
死亡慰謝料についても、自賠責では支払基準が定められており、その基準に従って損害賠償金が支払われるため、請求額欄の記載は特に不要です。
治療費の請求方法
慰謝料同様、治療費の自賠責への請求方法としても、
- 支払請求書
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 診断書
- 診療報酬明細書
といった書類の提出が必要になります。
この場合も、支払請求書の「請求額」の欄は特に記載していなくても請求は可能です。
なお、治療費を自賠責に請求する場合には、領収書等の提出は特に不要です。
なぜなら、診療報酬明細書に被害者から受領した金額が記載されることになるからです。
休業補償の請求方法
休業補償、正式には休業損害の自賠責保険への請求方法としては、休業損害証明書という書類を提出する必要があります。
その書式は以下のようなものになっています。
この書類は、勤務先(事業主)に記載してもらう必要があります。
さらに事故前年の源泉徴収票も併せて提出する必要があります。
なお、自営業者の場合は、上記の書類の代わりに納税証明書、課税証明書、確定申告書などの書類を提出する必要があります。
自賠責へ請求した際に受け取れる慰謝料の金額
交通事故の慰謝料を自賠責保険に請求した場合には、以下の支払基準に基づいて計算された金額が支払われることになります。
傷害分の慰謝料
傷害分の慰謝料については、以下のように支払基準が定められています。
3.慰謝料
(1) 慰謝料は、1日につき4,200円とする。
(2) 慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内とする。
(以下略)
出典:http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/kijyun.pdf
日額が4,200円というのは明確ですが、対象となる日数は基準を読んだだけではよくわかりませんね・・・。
実は通院分の慰謝料は
- 入院日数と実際の通院日数の2倍の合計
- 総治療期間
のいずれか少ない方を対象日数として計算するといわれています。
このように、傷害分の慰謝料は入院や通院の日数・期間に応じて決められることから
入通院慰謝料
とも呼ばれています。
事故の怪我で精神的に苦しんでいても、入院や通院をしていなければ慰謝料はもらえないということです。
この自賠責の支払基準による慰謝料が全額払われるのは、傷害による損害の総額が120万円という自賠責の限度額内である点には注意しましょう。
後遺障害慰謝料
後遺障害による慰謝料は認定された等級により異なります。
また、自賠責保険の場合、具体的な等級ごとに限度額が定められています。
具体的な自賠責保険の等級ごとの後遺障害慰謝料及び限度額は以下の表のとおりです。
等級 | 慰謝料 | 限度額 |
---|---|---|
第1級(別表第1) | 1600万 | 4000万円 |
第2級(別表第2) | 1163万 | 3000万円 |
第1級(別表第2) | 1100万 | 3000万円 |
第2級(別表第2) | 958万 | 2590万円 |
第3級 | 829万 | 2219万円 |
第4級 | 712万 | 1889万円 |
第5級 | 599万 | 1574万円 |
第6級 | 498万 | 1296万円 |
第7級 | 409万 | 1051万円 |
第8級 | 324万 | 819万円 |
第9級 | 245万 | 616万円 |
第10級 | 187万 | 461万円 |
第11級 | 135万 | 331万円 |
第12級 | 93万 | 224万円 |
第13級 | 57万 | 139万円 |
第14級 | 32万 | 75万円 |
後遺障害が認定された場合、慰謝料だけでなく逸失利益も請求できるところ、限度額は慰謝料と逸失利益を合わせた金額になります。
そして、高齢の場合や上位等級の場合には例外もありますが、
- 後遺障害慰謝料
- 後遺障害による逸失利益
を合計した金額は後遺障害の等級ごとの限度額に達することが多いです。
死亡分の慰謝料
死亡分の慰謝料について、自賠責保険では
- 死亡本人
- 遺族
の二つに分けて支払基準を設けています。
死亡本人の慰謝料としては、以下のとおり、350万円と定められています。
「死亡本人の慰謝料は、350万円とする。」
出典:http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/kijyun.pdf
一方、遺族の慰謝料としては、以下のとおり定められています。
これを整理すると
請求権者は
被害者の父母、配偶者、子
であり、金額は
- 1人の場合・・・550万円
- 2人の場合・・・650万円
- 3人の場合・・・750万円
- 被害者に被扶養者(被害者に養われていた人)がいるとき・・・+200万円
となります。
自賠責保険では被害者の祖父母や兄弟姉妹には遺族の慰謝料の請求権が認められていないので、注意しましょう。
なお、後遺障害同様、死亡した場合には、慰謝料だけでなく逸失利益という損害賠償の項目も請求することができます。
ただし、自賠責の場合、死亡慰謝料と死亡による逸失利益の合計が3000万円が限度額になりますので、その点も注意しましょう。
自賠責への請求方法は弁護士に依頼すべき?
そして、交通事故の慰謝料等の損害賠償の被害者による自賠責保険への請求方法である被害者請求を弁護士に依頼することで
- 手続面のメリット
- 慰謝料のメリット
を得られる可能性が高まります。
ここからは、それぞれの詳しいメリットについてお伝えしたいと思います。
手続面のメリット
まず、被害者請求を弁護士に依頼する手続面のメリットとしては、被害者自身の資料収集の負担が大幅に軽減される点があります。
被害者請求を被害者自身が行う場合、必要書類を自分で収集する必要があるところ、必要書類は多岐にわたり収集の負担は大きくなります。
また、被害者だけだと、必要書類が何かや収集の手続がわからず、収集までの期間が長期になってしまう可能性があります。
この点、弁護士に依頼した場合、基本的には弁護士が被害者の代理人として資料を収集するので、被害者自身の資料収集の負担は大幅に軽減されます。
さらに、弁護士であれば、必要書類を短期間で確実に集めることができます。
慰謝料のメリット
先ほどお伝えしたとおり、慰謝料を自賠責保険に請求した場合、自賠責保険で定められている支払基準に基づいて計算された慰謝料が支払われます。
そして、弁護士が代理人として請求した場合であっても、この自賠責の支払基準自体が特に変わることはありません。
もっとも、慰謝料を自賠責保険から受け取れる金額は、後遺障害の適切な等級が認定されるかで大きく変わるところ、弁護士に依頼した場合
- 適切な内容の後遺障害診断書の作成
- 後遺障害の等級認定に有利な方向に働く資料の添付
が行われやすい結果、後遺障害の適切な等級が認定される可能性が高まり、自賠責から受け取れる慰謝料の金額も増えやすいというメリットがあります。
なお、後遺障害の被害者請求を弁護士に依頼するかどうかについては、以下の記事も参考になるかと思いますので、興味のある方はぜひご覧ください。
慰謝料等の損害賠償の任意保険への請求方法
任意保険へ請求する際の必要書類
慰謝料の請求方法
交通事故の慰謝料等の損害賠償の任意保険会社への請求方法としては、損害賠償請求書の送付が考えられます。
この損害賠償請求書は、自賠責の場合と異なり、決まった書式があるわけではありません。
一方、自賠責の場合と異なり、損害賠償請求書には、慰謝料などの損害賠償額を計算した上で、請求額を記載する必要があります。
治療費の請求方法
治療費については、自賠責の場合と異なり、任意保険会社に請求する際には、領収書等の提出が必要になります。
この場合、通常原本の提出が求められるようです。
そして、治療費を任意保険会社が請求に応じて支払うことになった場合、領収書は返却されないので、必要な方はコピーを取っておく必要があります。
休業補償の請求方法
休業補償、正式には休業損害の任意保険会社への請求方法は、基本的に自賠責保険の場合と同様になります。
任意保険へ請求した際に受け取れる慰謝料の金額
交通事故の慰謝料を任意保険会社に請求した場合、通常任意保険会社からは以下の任意保険基準に準じた慰謝料が提示されるようです。
傷害分の慰謝料
まず、傷害分の慰謝料について、以前各任意保険会社が共通で用いていた旧統一任意保険支払基準では、以下のようになっています。
基本的には入通院期間に応じ、上記の表で算出された慰謝料の金額になりますが、症状や実通院日数によっては増減額の補正が行われます。
詳しい増減額の補正については、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい!
後遺障害慰謝料
後遺障害による慰謝料は、自賠責保険の場合同様、任意保険の場合も認定された等級により異なります。
ただし、自賠責保険の場合と異なり、任意保険の場合は具体的な等級ごとの限度額は定められていません。
具体的な旧統一任意保険基準の等級ごとの後遺障害慰謝料は以下の表のとおりです。
等級 | 慰謝料 |
---|---|
第1級 | 1300万 |
第2級 | 1120万 |
第3級 | 950万 |
第4級 | 800万 |
第5級 | 700万 |
第6級 | 600万 |
第7級 | 500万 |
第8級 | 400万 |
第9級 | 300万 |
第10級 | 200万 |
第11級 | 150万 |
第12級 | 100万 |
第13級 | 60万 |
第14級 | 40万 |
死亡分の慰謝料
死亡分の慰謝料は、自賠責保険の場合と異なり、旧統一任意保険基準では、死亡した本人と遺族の合算の金額になっています。
また、任意保険の場合は、死亡した被害者の立場ごとに慰謝料の相場が定められています。
具体的な旧統一任意保険基準の被害者の立場ごとの死亡慰謝料は以下の表のとおりです。
被害者の立場 | 任意保険基準 |
---|---|
一家の支柱 | 1500万〜2000万 |
母親、配偶者 | 1200万〜1500万 |
その他 | 1300万〜1600万 |
任意保険への請求方法は弁護士に依頼すべき?
そして、交通事故の慰謝料等の損害賠償の任意保険への請求方法についても、弁護士に依頼することで
- 手続面のメリット
- 慰謝料のメリット
を得られる可能性が高まります。
ここからは、それぞれの詳しいメリットについてお伝えしたいと思います。
手続面のメリット
まず、任意保険への請求を弁護士に依頼する手続面のメリットとしては、被害者自身の損害賠償請求書作成の負担がなくなる点があります。
任意保険への請求を被害者自身が行う場合、損害賠償請求書を自分で作成する必要があるところ、損害賠償額の計算は手間が非常に掛かります。
そして、損害賠償請求書の作成に不慣れな被害者自身が作成する場合だと、作成までの期間が長期になってしまう可能性があります。
この点、弁護士に依頼した場合、損害賠償請求書は基本的に弁護士がすべて作成してくれるので、被害者自身の作成の負担は基本的になくなります。
さらに、交通事故案件の経験豊富な弁護士であれば、損害賠償請求書を短期間で作成することができます。
慰謝料のメリット
先ほどお伝えしたとおり、慰謝料を任意保険に請求した場合、通常、任意保険会社からは以下の任意保険基準に準じた慰謝料が提示されます。
しかし、弁護士が代理人として慰謝料等の損害賠償を任意保険会社に請求する場合、より高額な基準である裁判基準を前提とした請求ができます。
これは弁護士だと、請求を拒否すると裁判を提起され、裁判で適切な主張・立証がなされる結果、裁判基準の慰謝料が認められる可能性が高いからです。
つまり、どちらにせよ裁判基準の慰謝料を支払うようであれば、早期に示談で解決する方が合理的と任意保険会社が判断するからです。
このように、弁護士に依頼した場合、裁判をせずとも、裁判基準をベースにした慰謝料が得られるというメリットがあります。
自賠責保険に請求する場合以上に、任意保険に請求する場合には、弁護士に依頼するメリットが大きいと考えられます。
同じ任意保険会社との示談交渉でも、被害者自身が請求する場合と弁護士が代理人として請求する場合とでは慰謝料の金額が変わる可能性があります。
慰謝料等の損害賠償を任意保険に被害者ご自身で請求されている方は、示談する前に一度弁護士に相談してみることをおすすめします。
慰謝料等の損害賠償の裁判所への請求方法
裁判所へ請求する際の必要書類
慰謝料の請求方法
交通事故の慰謝料等の損害賠償の裁判所への請求方法としては、訴状を提出する必要があります。
訴状は、自賠責保険の請求書とは異なり、決まった書式はありませんが、記載すべき内容などは決まっています。
また、訴状と同時に提出すべき資料もあります。
訴状に記載すべき内容
交通事故の民事裁判・訴訟において提出をする訴状には
- 当事者の住所氏名
- 請求の趣旨(請求する損害賠償の金額など)
- 請求原因(事故の内容や請求金額の内訳など)
を記載する必要があります。
提出すべき資料
交通事故の慰謝料等の損害賠償を請求する場合、通常証拠として
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 診断書
- 診療報酬明細書
などを提出します。
その他、交通事故の裁判やその流れについては、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい!
治療費の請求方法
治療費については、自賠責保険の場合と異なり、裁判所に請求する際には、領収書等を証拠として提出する必要があります。
この場合、通常裁判所には写しを提出し、裁判の期日において原本を提示するようです。
そのため、領収書の原本は保管しておいた上で、期日において原本を持参する必要があります。
休業補償の請求方法
休業補償、正式には休業損害の裁判所への請求方法は、基本的に自賠責保険の場合と同様になります。
裁判所へ請求した際に受け取れる慰謝料の金額
交通事故の慰謝料を裁判所に請求した場合、原則的に裁判基準と呼ばれる以下の損害賠償額算定基準を基に慰謝料が計算されます。
傷害分の慰謝料
傷害分の慰謝料につき、裁判基準では、症状に応じて用いられる基準が異なります。
むちうち・打撲などの場合
この場合の慰謝料の金額は、原則として、入通院期間に応じ、以下の表に基づき計算されます。
ただし、通院が長期にわたる場合で
- 通院頻度が極めて低く、月に2~3回程度しか通院していないような場合
- 通院はしているものの、検査や経過観察的な意味合いが強いような場合
には、実通院日数の3倍程度を通院期間として慰謝料を計算する場合があります。
むちうち・打撲以外の通常の場合
この場合の慰謝料の金額は、原則として、入通院期間に応じ、以下の表に基づき計算されます。
ただし、通院が長期にわたる場合で
- 通院頻度が極めて低く、月に2~3回程度しか通院していないような場合
- 通院はしているものの、検査や経過観察的な意味合いが強いような場合
には、実通院日数の3.5倍程度を通院期間として慰謝料を計算する場合があります。
後遺障害慰謝料
後遺障害による慰謝料は、自賠責保険の場合同様、裁判所の場合も認定された等級により異なります。
ただし、自賠責保険の場合と異なり、裁判所の場合は具体的な等級ごとの限度額は定められていません。
具体的な裁判基準の等級ごとの後遺障害慰謝料は以下の表のとおりです。
死亡分の慰謝料
死亡分の慰謝料は、自賠責保険の場合と異なり、裁判基準では、死亡した本人と遺族の合算の金額になっています。
また、裁判基準の場合は、死亡した被害者の立場ごとに慰謝料の相場が定められています。
具体的な裁判基準の被害者の立場ごとの死亡慰謝料は以下の表のとおりです。
被害者の立場 | 任意保険基準 |
---|---|
一家の支柱 | 2800万 |
母親、配偶者 | 2500万 |
その他 | 2000万〜2500万 |
なお、お伝えしてきた裁判基準の慰謝料を含む損害賠償額の相場を簡単に計算できるのが以下の慰謝料計算機です。
かんたん1分!慰謝料計算機
通院期間などを入れるだけでかんたんに慰謝料の相場がわかる人気サービス!あなたが保険会社から提示されている慰謝料は正しいですか?
こちらを利用して、裁判基準で請求した場合に、任意保険会社からの慰謝料などの損害賠償の提示額とどれ位の差があるかぜひ確認してみて下さい。
裁判所への請求方法は弁護士に依頼すべき?
そして、交通事故の慰謝料等の損害賠償の裁判所への請求方法についても、弁護士に依頼することで
- 手続面のメリット
- 慰謝料のメリット
を得られる可能性が高まります。
ここからは、それぞれの詳しいメリットについてお伝えしたいと思います。
手続面のメリット
まず、裁判所への請求を弁護士に依頼する手続面のメリットとしては、被害者自身の訴状作成の負担がなくなる点があります。
裁判所への請求を被害者自身が行う場合、訴状を自分で作成する必要があるところ、訴状の作成は手間が非常に掛かります。
そして、訴状の作成に不慣れな被害者自身が作成する場合だと、作成までの期間が長期になってしまう可能性があります。
この点、弁護士に依頼した場合、訴状は基本的に弁護士がすべて作成してくれるので、被害者自身の作成の負担は基本的になくなります。
また、交通事故案件の経験豊富な弁護士であれば、訴状を短期間で作成することができます。
さらに、裁判所への請求方法の場合には、被害者自身の裁判所への出廷の負担が大幅に軽減されるという手続面のメリットもあります。
裁判所への請求を被害者自身が行う場合、被害者は、裁判の期日に毎回出廷しなければならなくなります。
裁判の期日は平日日中に月1回程度の頻度で行われ、それが平均して半年から1年以上続くことを考えると出廷の負担は大きいものと考えられます。
この点、弁護士に依頼した場合、基本的に被害者は自ら裁判所に出廷する必要がなくなります。
このように、裁判所への請求を弁護士に依頼する場合、訴状作成及び裁判所への出廷の負担が軽減されるという手続面のメリットがあります。
慰謝料のメリット
先ほどお伝えしたとおり、慰謝料を裁判所に請求した場合、原則として裁判基準と呼ばれる損害賠償額算定基準に基づいて慰謝料が計算されます。
このことは、被害者自身で請求する場合であっても、弁護士が代理人として請求した場合であっても、特に変わることはありません。
もっとも、慰謝料が裁判基準と呼ばれる損害賠償額算定基準に基づいて計算されるためには、裁判所において適切な主張・立証を行う必要があります。
この点、裁判の経験が通常ない被害者の方だけでは、裁判所において適切な主張・立証を行うのは中々困難と考えられます。
それに対して、交通事故の裁判の経験豊富な弁護士に依頼した場合には、裁判所における適切な主張・立証が期待できると考えられます。
その結果、被害者自身で請求する場合と弁護士が代理人として請求する場合とで、同じ裁判所に請求した場合でも慰謝料の金額が違う可能性があります。
つまり、裁判所への請求を弁護士に依頼する場合、裁判基準で計算された慰謝料が確実に認められやすいというメリットがあります。
このように、裁判所への請求を弁護士に依頼することは、手続面でのメリットがまず大きいということができます。
もっとも、それだけではなく、裁判所への請求を弁護士に依頼することは、実質的な慰謝料面でのメリットも大きいということができます。
そのため、交通事故の慰謝料などの損害賠償を裁判所に請求する場合には、弁護士に依頼するのが確実と考えられます。
最後に、交通事故の慰謝料の各請求方法を表にして比較してみましたので、よろしければ参考にしてみて下さい。
請求先 | 自賠責保険 | 任意保険 | 裁判所 |
---|---|---|---|
必要書類 | 損害賠償額支払請求書 (書式あり・金額計算不要) |
損害賠償請求書 (書式なし・金額計算必要) |
訴状 (書式なし・金額計算必要) |
治療費請求の領収書 | 不要 | 必要 | |
休業補償の必要書類 | 休業損害証明書+源泉徴収票(確定申告書等) | ||
慰謝料の基準 | 自賠責基準 (一番低額) |
任意保険基準※ (中間) |
裁判基準 (一番高額) |
弁護士依頼の手続面のメリット | ・被害者の資料収集負担軽減 ・必要書類の短期間での収集 |
・損害賠償請求書作成の負担軽減 ・損害賠償請求書の早期作成 |
・訴状作成の負担軽減 ・裁判所への出廷の負担軽減 |
弁護士依頼の慰謝料のメリット | 適切な後遺障害等級の慰謝料獲得 | 示談段階での裁判基準の慰謝料獲得 | 裁判基準の慰謝料の確実な獲得 |
※被害者が損害賠償請求した場合
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それでは、最後になりますが、交通事故でお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。
お伝えしてきたとおり、交通事故の慰謝料等の損害賠償は、どこに誰が請求するかにより請求方法や受け取れる慰謝料の金額が変わってきます。
そして、どの慰謝料等の損害賠償の請求方法の場合でも、弁護士に依頼することによるメリットが存在します。
交通事故の慰謝料などの損害賠償の請求される方は、ご自身で行う前にまずは弁護士に相談だけでもしてみましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
このページを最後までお読みの方は、
- 交通事故の慰謝料などの損害賠償の請求方法は請求先により異なる
- 交通事故の慰謝料は請求先ごとに慰謝料の金額の相場が異なる
- 交通事故の慰謝料などの損害賠償の請求を弁護士に依頼するメリットはどの請求先の場合もある
ことについて理解を深めていただけたのではないかと思います。
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皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。