交通事故の被害者請求とは|必要書類・流れ・やり方からメリットまでご紹介!
「交通事故では被害者請求っていうものがあると聞いたけれど、いったい何のこと?」
「交通事故の被害者請求をしたいけれど、具体的な方法や必要書類がよくわからない…」
「交通事故の被害者請求をするメリットや弁護士に依頼するメリットはどこにあるの?」
交通事故には被害者請求というものが存在しますが、その存在自体を知らない方や存在は知っていても詳細までは知らないという方もいるかと思います。
このページでは、そんな方のために、
- 交通事故における被害者請求とは何か
- 交通事故の被害者請求の具体的な方法や必要書類
- 交通事故で被害者請求をするメリットや弁護士に依頼するメリット
についてご紹介していきたいと思います!
専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。
弁護士の岡野です。よろしくお願いします。
交通事故において、被害者請求とは非常に重要な方法の一つになります。
しかし、その具体的な方法や必要書類等を知っておかなければ、実際に被害者請求を行うことはできません。
また、実際に被害者請求をするかどうかやその方法は、そのメリットや弁護士に依頼するメリットを考慮した上で決める必要があります。
こちらで交通事故の被害者請求についてしっかり理解し、被害者請求という方法を有効に利用できるようにしておきましょう。
目次
交通事故の被害者請求について、こんなつぶやきがありました。
https://twitter.com/nogiwarian/status/744175178834292736
このつぶやきをされた方のお兄様は、もしかすると、被害者請求という方法があること自体を知らなかったのかもしれません。
このように、交通事故の当事者の方の中には、被害者請求という方法の存在自体を知らない方もいらっしゃるかと思います。
そこで、まずは、交通事故における被害者請求とは何かということからお伝えしていきたいと思います!
交通事故の被害者請求とは?
被害者の自賠責への損害賠償金額の請求方法
交通事故の被害者請求とは、自動車損害賠償保障法(自賠法)に定められている以下の方法のことをいいます。
第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払をなすべきことを請求することができる。
出典:自動車損害賠償保障法第16条1項
交通事故で問題となる自賠責は、加害者側の保険であり、被害者は保険契約の当事者でないため、被害者の自賠責への請求権は本来ありません。
しかし、被害者保護という自賠責の目的を果たすため、上記のとおり、自賠法は被害者に損害賠償金額の支払を直接請求する権利を認めています。
つまり、交通事故の被害者請求とは、被害者が、加害者側の自賠責保険会社に損害賠償金額の支払を直接請求する方法ということになります。
被害者請求の方法で請求できる損害賠償金額には、慰謝料以外に、
- 病院や整骨院・接骨院の治療費・医療費
- 休業損害
- 逸失利益
なども含まれます。
ただし、被害者請求の方法で請求できる損害賠償金額は「第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した」ものに限られます。
自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。
出典:自動車損害賠償保障法第3条本文
上記のとおり、3条は「他人の生命又は身体を害したとき」の損害賠償の責任に限定しているため、被害者請求では物損の請求は認められません。
なお、交通事故において自賠責保険会社に支払を請求する方法には、被害者請求以外にも加害者請求という方法があります。
被保険者は、被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ、保険会社に対して保険金の支払を請求することができる。
出典:自動車損害賠償保障法第15条
こちらは、自賠責保険の被保険者が、保険会社に保険金の支払いを請求するという、保険の本来の請求方法になります。
後遺障害認定申請も被害者請求は兼ねられる
そして、交通事故の被害者請求において、損害賠償請求できる金額には、後遺障害による損害も含まれます。
ただし、交通事故において、自賠責保険会社から後遺障害による損害賠償金額が受け取れるのは、後遺障害認定が行われた場合に限られます。
そのため、被害者請求で支払われる損害賠償の金額を決定するためには、その前提として、後遺障害認定の判断を行う必要があります。
そこで、交通事故の後遺障害認定の申請も被害者請求は同時に兼ねられることになっています。
なお、この交通事故の後遺障害認定の申請を兼ねた被害者請求はむちうちの場合もできますが、実際に認定される可能性は低めなのが実情です。
被害者請求は異議申立の方法にも用いられる
また、交通事故の後遺障害の異議申し立てにも被害者請求という方法が用いられることがあります。
自賠責保険に対して後遺障害認定の申請をしたものの、非該当であったなど被害者が結果に納得出来ない場合もあります。
そのような場合に、自賠責保険に対して後遺障害認定の再判断を求める不服申立ての方法が異議申し立てになります。
そして、この後遺障害の異議申し立ての方法には
- 加害者側任意保険会社が主体となる事前認定
- 被害者が主体となる被害者請求
の二つの方法があり、被害者請求はその方法の一つということになります。
このように、交通事故の被害者請求とは、被害者が、加害者側の自賠責保険会社に、損害賠償金額の支払を直接請求するための方法になります。
そして、支払われる損害賠償金額を確定させるために、後遺障害認定の申請や異議申し立てを兼ねることになる場合もあります。
ここでは、ひとまず、被害者自身で損害賠償金額の支払の請求や後遺障害認定の申請を行うことができる方法があるということを覚えておきましょう。
① | 被害者による自賠責への賠償金額の支払請求 |
---|---|
② | 後遺障害認定の申請も兼ねられる |
③ | 異議申立に用いられることもある |
交通事故の被害者請求の方法と支払の流れ
交通事故における被害者請求とは何かがわかったところで、続いては具体的な被害者請求の方法と支払までの流れをお伝えしていきます!
基本的な被害者請求の方法と支払までの流れ
①必要書類の提出
交通事故の被害者請求は、加害者側の自賠責保険に必要書類を送付するという方法により行われます。
自賠責保険は、損保ジャパンなどの各保険会社が取り扱っており、実際にはその取扱い保険会社に必要書類を送付することになります。
なお、具体的な必要書類については後ほど詳しくお伝えいたします。
②損害調査の依頼
保険会社は、被害者から送付された必要書類を確認して、損害保険料率算出機構(損保料率機構)の調査事務所に書類を送付し、損害調査を依頼します。
③損害調査の実施
依頼を受けた調査事務所は、
- 事故の発生状況
- 支払いの適確性(自賠責保険の対象となる事故かどうかや傷害と事故の因果関係など)
- 損害賠償の金額
などを公正かつ中立の立場で調査をします。
④調査結果の報告
損保料率機構調査事務所は、調査が完了すると、その調査結果を保険会社に報告します。
⑤賠償金額の支払
調査結果の報告を受けた保険会社は、それに基づき、支払う損害賠償の金額を決定し、被害者にその金額が支払われるという流れになります。
後遺障害認定申請を兼ねる被害者請求の場合
交通事故の後遺障害認定の申請を兼ねる被害者請求の方法の場合、症状固定が被害者請求を行うタイミングになります。
症状固定とは、傷病に対して行われる医学上一般に認められた治療方法を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態のことをいいます。
症状固定に関しては、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい!
そして、交通事故の後遺障害認定の申請を兼ねる被害者請求の方法の場合も、支払までの流れは、基本的には上記の場合と同様になります。
ただし、後遺障害認定の申請を兼ねる被害者請求の方法の場合には、必要書類が追加されることになります。
なお、具体的に追加される必要書類やその書き方については後ほど詳しくお伝えいたします。
また、上記③の損害調査の実施において、後遺障害認定は、高度な医学的な問題を含むため、判断が困難な事案が多くなることになります。
そのため、調査事務所の上部機関である地区本部や本部で審査が行われる場合が多くなることになります。
さらに、高度な専門知識が要求される
- 脳外傷による高次脳機能障害に該当する可能性があるケース
- 非器質性精神障害に該当する可能性があるケース
では、自賠責保険審査会の専門部会において調査が実施されることになります。
そのため、後遺障害認定の申請を兼ねる被害者請求の方法の場合、通常の場合よりも損害調査の実施に要する機関が長くなる傾向にあるといえます。
交通事故の被害者請求の時効の期間はいつ?
なお、交通事故の被害者請求には、時効による期間の制限がある点に注意する必要があります。
自動車損害賠償保障法は、被害者請求の時効について、以下のように規定しています。
第十六条第一項及び第十七条第一項の規定による請求権は、三年を経過したときは、時効によつて消滅する。
出典:自動車損害賠償保障法第19条
上記の条文には「三年を経過したときは、時効によって消滅」と規定されており、時効が3年であるということはわかりました。
もっとも条文からは、いつから3年であるかまではハッキリとしません。
結論から申し上げますと、時効の起算点がいつからになるかは、被害者請求をする損害の区分によって異なります。
具体的には、
- 傷害による損害は事故発生日から3年
- 後遺障害による損害は症状固定日から3年
- 死亡による損害は死亡日から3年
になります。
なお、自賠責保険会社に支払を請求する被害者請求の方法である加害者請求の場合には、下記表のとおり、時効の起算日がまた異なります。
被害者請求の時効のより詳しい話や時効を中断する方法については、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧下さい!
おおまかな被害者請求の方法・支払いまでの流れや、後遺障害認定の申請を兼ねる場合は調査に時間が掛かることが多い点は覚えておくとよいでしょう。
また、被害者請求は、時効による期間を経過してしまうと、被害者が自賠責保険に賠償金額を請求する権利が消滅してしまうので十分気を付けましょう。
被害者請求の時効の点について心配なことがある方は、すぐに弁護士に相談してみましょう。
請求区分\請求方法 | 被害者請求 | 加害者請求 |
---|---|---|
傷害による損害 | 事故発生日から3年 | 賠償金支払時から3年 |
後遺障害による損害 | 症状固定日から3年 | |
死亡による損害 | 死亡した日から3年 |
※平成22年3月31日以前の事故はいずれも2年
交通事故の被害者請求の必要書類や書き方
先ほど、交通事故の被害者請求は、加害者側の自賠責保険に必要書類を送付するという方法により行われるとお伝えしました。
では、その必要書類としては、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここからは、被害者請求の必要書類やその書き方についてお伝えしていきたいと思います!
被害者請求の必要書類や書き方
必要書類について
交通事故の被害者請求の必要書類としては、具体的には
- ① 損害賠償額支払請求書
- ② 交通事故証明書
- ③ 事故発生状況報告書
- ④ 診断書
- ⑤ 診療報酬明細書(レセプト)
⑥ 通院交通費明細書
⑦ 印鑑証明
などがあります。
なお、被害者請求を弁護士などの第三者に行ってもらう場合には、さらに委任状及び受任者の印鑑証明が必要書類として求められます。
書き方について
① 損害賠償額支払請求書
損害賠償額支払請求書の書式は以下のようなものになっています。
その書き方としては、交通事故証明書を参考にして記載していくことになります。
ただし、加害者側の自賠責保険の契約者、車両の保有者を記載する欄は、交通事故証明書から把握できないので、空欄のままでも大丈夫です。
また、「請求額」の欄についても特に記載をしなくても請求は可能です。
自賠責に対する請求の場合、支払基準が定められており、自賠責調査事務所が損害を調査し、その基準に従って損害賠償金が支払われるからです。
② 交通事故証明書
こちらは警察(自動車安全運転センター)から発行してもらう書類ですので、自分で記載する必要はありません(記載できません)。
ただし、交通事故証明書上、物損事故扱いになっている場合には、下記の人身事故証明書入手不能理由書が必要書類として必要になります。
この書類の書き方としては、その名のとおり、人身事故にもかかわらず、人身事故として届け出がされていない理由を記載する必要があります。
③ 事故発生状況報告書
事故発生状況報告書の書式は以下のようなものになっています。
この書類の書き方としては、できるだけ事故発生状況が伝わりやすいように記載する必要があります。
ただし、厳密な正確性までが求められているわけではありません。
④ 診断書
診断書の書式は以下のようなものになっています。
こちらは病院で発行してもらう書類ですので、自分で記載する必要はありません(記載できません)。
ただし、被害者請求を自賠責保険会社にする場合には、原則として上記の書式による診断書でなければならない点には注意が必要です。
⑤ 診療報酬明細書(レセプト)
診療報酬明細書(レセプト)の書式は以下のようなものになっています。
こちらも診断書同様、病院で発行してもらう書類ですので、自分で記載する必要はありません(記載できません)。
また、被害者請求を自賠責保険会社にする場合には、原則として上記の書式でなければならない点も診断書と同様です。
ただし、健康保険を利用して通院した場合には、病院から上記の書式による診療報酬明細書を発行してもらえない可能性があります。
その場合には、健康保険組合にレセプト開示請求をする必要があります。
⑥ 通院交通費明細書
通院交通費明細書の書式は以下のようなものになっています。
この書類の書き方としては、いつ、どんな手段で、往復にいくら又は何㎞かかったかを記載すれば足ります。
なお、交通事故における通院の交通費については、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい!
⑦ 印鑑証明
こちらはお住まいの市区町村役場から発行してもらう書類ですので、自分で記載する必要はありません(記載できません)。
なお、印鑑証明の発行の前提として、その市区町村役場に印鑑登録している必要があり、登録していない場合にはその手続きをとる必要があります。
また、提出する印鑑証明書は直近のものが求められることになるので、その点にも注意が必要です。
番号 | 必要書類 | 書き方・注意点 |
---|---|---|
① | 損害賠償額支払請求書 | ・事故証明書を参考に記載 ・記載不要な欄もある |
② | 交通事故証明書 | ・警察発行の書類 ・物損扱いの場合人身事故証明書入手不能理由書が必要 |
③ | 事故発生状況報告書 | ・できるだけ詳細に記載 ・厳密な正確性までは不要 |
④ | 診断書 | ・病院発行の書類 ・原則自賠責の書式のみ |
⑤ | 診療報酬明細書 | ・原則病院発行の書類 ・健康保険利用の場合は例外あり |
⑥ | 通院交通費明細書 | ・時期・手段・金額又は距離を記載 |
⑦ | 印鑑証明 | ・市区町村発行の書類 ・直近のものが求められる |
※本人の傷害による損害のみの被害者請求を想定
後遺障害認定申請を含む被害者請求の必要書類
必要書類について
交通事故の後遺障害認定申請を兼ねた被害者請求の場合、上記の必要書類に加えて後遺障害診断書が必要になります。
その他、交通事故の後遺障害認定申請を兼ねた被害者請求に必要な物として事実上考えられるのは、治療中のレントゲン写真などの撮影画像です。
制度上は必要書類とまではされていませんが、通常、治療中のレントゲン写真などの撮影画像に不足がある場合には追加提出を求められます。
書き方について
自賠責保険の後遺障害診断書の書式は以下のようなものになっています。
こちらは病院で発行してもらう書類になりますので、自分で記載する必要はありません(記載できません)。
接骨院などでは、被害者請求に必要となる後遺障害診断書は発行してもらえないので、その点注意が必要です。
なお、後遺障害の診断書の書き方については、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい!
被害者請求により異議申立を行う際の必要書類
必要書類について
交通事故の被害者請求の方法で異議申立を行う場合の必要書類は、原則として異議申立書のみになります。
異議申立は、自賠責保険に対して後遺障害認定の再判断を求める不服申立ての方法です。
そのため、後遺障害認定の判断に必要な基本的資料は初回の申請の際に提出されているので、通常、異議申立書があれば最低限足りることになります。
ただし、初回の後遺障害認定の申請を被害者請求で行っていない場合、上記の前提を書くことになるので、その他の必要書類の提出も求められます。
また、既に一度出された結論とは異なる判断を求めるという異議申立の性質上、初回申請では提出のなかった新たな証拠の提出も通常求められます。
書き方について
そして、異議申立に決まった書式はありませんが、書き方には注意すべき点があります。
大まかには、初回の後遺障害認定結果が不合理であり、被害者の残存症状が被害者の主張する後遺障害の認定基準を満たすことを記載する必要があります。
より詳しい後遺障害の異議申立の書類の書き方については、以下の記事に詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい!
交通事故の被害者請求の必要書類に不足があると、自賠責保険会社から一定の金額を受け取れるのに時間が掛かってしまいます。
また、後遺障害認定の申請は、提出書類の書き方に後遺障害認定結果が大きく影響されるため、その書き方が非常に重要になってきます。
被害者請求の必要書類や書き方についてお悩みやお困りごとがある場合には、ひとまず専門家である弁護士に相談してみるのがよいと考えられます。
交通事故で被害者請求をするメリットは?
ここまでで、交通事故における被害者請求の方法や必要書類についてはお分かりいただけたのではないかと思います。
では、被害者請求をするメリットはどんな点にあるのでしょうか?
ここからは被害者請求のメリット・デメリットについてお伝えしていきたいと思います!
①保険会社との示談前に一定金額を受け取れる
冒頭で伝えたとおり、交通事故の被害者請求は、被害者が、加害者側の自賠責保険に賠償金額の支払を直接請求する方法になります。
そのため、被害者請求は、加害者側任意保険会社との示談前に自賠責保険から一定の金額を受け取れるというのがメリットの一つといえます。
加害者側任意保険会社とは賠償金額などで折り合いがつかず、中々示談に至らない場合もあります。
そのような状況の中、経済的に苦しく、お金が早く必要な被害者は、任意保険会社の低い金額の示談の提案に、やむを得ず応じてしまうこともあります。
しかし、被害者請求を利用すれば、加害者側任意保険会社との示談前に一定の金額を受け取れるため、経済的に苦しい被害者も一時的に余裕ができます。
その結果、任意保険会社の低い金額の示談の提案に対しても、じっくりと交渉することができるようになります。
このように、加害者側任意保険会社との示談前に一定の金額を受け取れるというメリットは、保険会社との示談交渉にも事実上のメリットを及ぼします。
②提出書類を自分で把握・コントロールできる
また、交通事故の被害者請求は、被害者が賠償金額の請求や後遺障害認定申請の主体となる方法になります。
そのため、被害者請求は、自賠責保険に提出する書類を被害者自身が把握・コントロールできるというのもメリットの一つといえます。
つまり、被害者次第で賠償金額の請求や後遺障害認定申請までの期間を短縮でき、結果的に一定金額が受け取れるまでの期間を短縮できます。
また、被害者自らが請求や申請をするため、いつ請求や申請をしたかという時期が把握できるのも被害者請求のメリットの一つといえます。
さらに、被害者請求以外の後遺障害認定の申請の方法である事前認定の場合、事案によってですが、相手方任意保険会社により、
後遺障害認定の申請が認められにくい方向に働く内容の顧問医の意見書
が添付される場合があるようですが、提出書類を自分でコントロールできる被害者請求であれば、そういった心配がないのみならず、反対に
後遺障害認定の申請が認められやすい方向に働く内容の医療関係の資料や主治医の意見書
などの添付が可能になることが、被害者請求のメリットといえます。
そして、適切な後遺障害認定がなされれば、自賠責保険から受け取れる金額も大きく増えるということになります。
被害者請求のデメリットとは?
では、反対に交通事故の被害者請求をするデメリットには何があるのでしょうか?
費用又は立替負担のデメリット
まず、交通事故の被害者請求の金銭的なデメリットとしては、必要書類などの収集費用の負担が挙げられます。
被害者請求は、賠償金額の請求や後遺障害認定申請の必要書類を自ら収集しなければならず、その収集費用の負担が必要な場合もあります。
負担した費用は、後遺障害認定の申請が認められた場合は、加害者側任意保険会社に請求することが可能です。
しかし、後遺障害認定の申請が認められなかった場合には、負担した費用は原則として加害者側任意保険会社に請求できない事になります。
また、仮に最終的に費用を加害者側任意保険会社に請求できるとしても、少なくとも一旦は立替の負担が生じることになるのがデメリットです。
手続き上のデメリット
先ほどもお伝えしたとおり、被害者請求は、賠償金額の請求や後遺障害認定申請の必要書類を自ら収集しなければいけません。
このことは、収集費用の負担だけでなく、収集の手続き自体が負担となるものといえます。
特に、複数の病院や接骨院に通院していた場合、各治療期間ごとに診断書・レセプト・画像などを取得しなければならず、負担が大きくなります。
また、経験や知識に乏しい被害者の方ですと、必要書類の収集に時間が掛かってしまう場合も少なくありません。
さらには、一部の病院や接骨院の診断書・レセプト・画像を取得し忘れて、必要書類が不足したまま、請求や申請をしてしまう可能性すらあります。
その結果、賠償金額の請求や後遺障害認定申請までの期間が長くなり、結果的に一定金額が受け取れるまでの期間も長くなるおそれがあります。
このように、被害者請求の方法は、提出する書類を被害者自身が把握・コントロールできるメリットの反面、上記のようなデメリットもあります。
交通事故の被害者請求には上記のとおり、メリットがある反面デメリットも存在します。
交通事故で被害者請求をするかどうかは、上記のメリット・デメリット双方を考慮した上で決定する必要があります。
被害者請求の方法で、損害賠償金額の請求や後遺障害認定の申請をすべきかお悩みであれば、まずは一度弁護士に相談してみることをおすすめします。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
金銭面 | 示談前に自賠責から受け取れる | 必要書類等の取得費用負担 |
手続き面 | ・不利な意見書を添付されない ・有利な意見書等の添付が可能 |
・必要書類等の収集負担 ・収集に時間掛かるおそれ |
交通事故の被害者請求に弁護士は必要か?
交通事故の被害者請求は被害者自身でも行うことは可能です。
もっとも、交通事故の被害者請求を弁護士に依頼すると、上記の被害者請求のデメリットの多くを解消できるメリットが得られることになります。
そこで、最後に、交通事故の被害者請求を弁護士に依頼するメリットについてお伝えしていきたいと思います!
メリット①必要書類の収集の手続き負担の軽減
まず、交通事故の被害者請求を弁護士に依頼するメリットには、被害者自身の資料収集の負担が大幅に軽減される点が挙げられます。
交通事故の被害者請求を被害者自身が行う場合、必要書類を自分で収集する必要があるところ、必要書類は多岐にわたり収集の負担は大きくなります。
また、被害者だけだと、必要書類が何かや収集の手続がわからず、収集までの期間が長期になってしまう可能性があります。
この点、弁護士に依頼した場合、基本的には弁護士が被害者の代理人として資料を収集するので、被害者自身の資料収集の負担は大幅に軽減されます。
さらに、弁護士であれば、必要書類を短期間で確実に集めることができます。
メリット②一定の金額を迅速に受け取れやすい
その結果、賠償金額の請求や後遺障害認定申請までの期間が短くなり、結果的に自賠責保険から
一定の金額を迅速に受け取れやすい
というのも、交通事故の被害者請求を弁護士に依頼するメリットの一つといえます。
メリット③適切な後遺障害認定可能性が上がる
先ほどお伝えしたとおり、交通事故の被害者請求のメリットの一つは、自賠責保険への提出書類を把握・コントロールできる点です。
しかし、後遺障害認定の申請に関する知識がなければ、上記の被害者請求のメリットを十分に生かすことができません。
この点、交通事故に強い弁護士に依頼すれば、
- 適切な後遺障害診断書を作成してもらえる可能性を高めることができる
- 後遺障害認定の申請が認められやすい方向に働く内容の医療関係の資料や主治医の意見書を添付できる可能性を高めることができる
- 被害者本人の症状や生活上の不都合を過不足なく反映した陳述書を添付できる可能性を高めることができる
結果、適切な後遺障害認定可能性が上がる点がメリットといえます。
適切な後遺障害認定がなされれば、受け取れる賠償金額は大きく上がります。
具体的に、どれくらいの賠償金額が受け取れるかの目安を知りたいという方は、こちらの計算機を使ってみてください。
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このように、交通事故の被害者請求を弁護士に依頼することには大きなメリットがあるといえます。
特に、後遺障害認定の申請を兼ねた被害者請求の場合には、適切な後遺障害認定を受けるためにも弁護士に依頼するのがベターといえます。
弁護士に依頼するには弁護士費用の問題がありますが、弁護士費用特約を利用できる場合、基本的にはご自身の弁護士費用の負担がなくなります。
また、適切な後遺障害認定による賠償金額の増額を考慮すると、弁護士費用をかけてでも弁護士に依頼した方がいいケースも多いです。
弁護士に相談すれば、依頼すべき事案かどうかの見通しが立てられることが多いので、依頼すべきかお悩みならまず弁護士に相談してみましょう。
① | 必要書類の収集負担の軽減 |
---|---|
② | 迅速な一定金額の受け取り |
③ | 適切な後遺障害認定可能性の増加 |
※一般的な傾向
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それでは、最後になりますが、交通事故でお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。
お伝えしてきたとおり、交通事故の被害者請求には様々なメリットがあります。
そして、交通事故の被害者請求にはデメリットもありますが、弁護士に依頼することにより、そのデメリットの多くを解消することができます。
交通事故の被害者請求をすべきかお悩みの方は、弁護士に依頼すべきかどうかも含め、まずは専門家である弁護士に相談してみるのがよいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
このページを最後までお読みの方は、
- 交通事故における被害者請求とは被害者が、加害者側の自賠責保険会社に損害賠償金額の支払を直接請求する方法
- 交通事故の被害者請求の具体的な方法や必要書類
- 交通事故で被害者請求をするメリットや弁護士に依頼するメリット
点について理解を深めていただけたのではないかと思います。
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皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。