交通事故|加害者の方が重症の場合、示談金はどうなる?

Q1.交通事故の過失割合とは?

交通事故が起こると、被害者には治療費や入院代、車の修理費や休業損害等の損害が発生します。
また、事故の状態によっては、加害者側にも車が壊れるなどの損害が発生することがあります。
過失割合は、被害者と加害者との間で事故による損失の負担をどのように分けるか、ということを決める数字になります。

過失割合の数字は、加害者と被害者が事故に対して負っているそれぞれの責任を数値化したものになります。
大半の交通事故では被害者側にも何らかの過失があるため、過失割合を求めることが必要になるのです。

もし被害者にまったく非がなく、加害者が一方的に悪ければ過失割合は10対0になります。
しかし、もし被害者にも事故の原因があれば、過失割合は9対17対3などの数字に変わっていくのです。

Q2.過失割合の数字を決める方法は?

基本的に、過失割合の数字は過去の判例に基づいて決められます。

まず、同じような状況で起こった事故に関する判例を参考にして、基本となる数字を割り出します。
そして、事故ごとの細かな状況の違いや特別な要素を考慮して、数字を微調整していくのです。

過去の判例に書かれている数字は、客観的な基準となります。
しかし、事故のどのような点に注目して数字を修正するかということは、示談交渉の進め方によって変わります。
特に客観的な証拠が少ない事件では主観的な要素に左右される部分が増えるので、交渉の結果によって金額が大幅に変動するのです。

Q3.賠償金額の過失相殺とは?

通常、事故で起こった損害に対する損害賠償は、示談金として加害者から被害者に支払われます。
示談金の金額は、損害額の合計から過失割合に応じた減額が行われます。
このことを過失相殺と呼びます。

被害者の損害額が100万円である場合を例に考えてみましょう。
被害者の過失割合が1で、加害者の過失割合が9であるとき、加害者は被害者に対して90万円の賠償を支払うことになります。
もし被害者の過失割合が2であれば加害者は80万円の賠償を、被害者の過失割合が4であれば加害者は60万円の賠償を支払うことになります。

つまり、被害者側の過失の数字が大きくなればなるほど、加害者が支払う賠償金額は減っていくのです。
また、加害者側に損害が発生した場合、被害者側がその一部を負担する必要が生じることもあります。
たとえば、自転車と自動車の衝突事故で、加害者側の自動車の修理費が50万円であったとします。
その場合、被害者側の過失割合が1であれば5万円3であれば15万円という風に、被害者側が加害者に対して賠償を行わなければならない可能性が生じるのです。

加害者の損害が50万円、被害者の損害が100万円で、過失割合が8:2である事例について計算してみましょう。
被害者は80万円の賠償金を加害者から得られる一方で、10万円の賠償金を加害者に支払らわなければなりませんね。
この場合、二種類の支払われ方があります。
被害者が加害者に10万円、加害者が被害者に80万円、それぞれ独立して支払う方法はクロス払いと呼ばれます。
また、差額である70万円の賠償金を加害者が被害者に支払う、相殺払いと呼ばれる支払い方法もあるのです。

Q4.加害者の方が重症の場合、過失割合や賠償金はどうなる?

事故の状況によっては、加害者側の方が重症になる場合も考えられるでしょう。
たとえば、加害者が暴走させた車が被害者の車と衝突して、被害者は軽傷で済んだが加害者は大怪我を負った場合が考えられます。
また、加害者が超高級車に乗っている場合もありえます。

このような事態の場合、加害者が負った損害が、被害者が負った損害を大幅に上回る可能性が生じます。
そのような場合でも、過失割合が10:0であれば、被害者側は加害者側から通常通り賠償金を受け取れます。
しかし、過失割合が9:18:2など、被害者側にも多少の過失がある場合は、注意が必要です。

たとえば被害者側の損害額が10万円で加害者側の損害額が150万円であれば、過失相殺しても、被害者の支払う賠償額が加害者から支払われる賠償額を上回るおそれがあるのです。
被害者も怪我した場合は被害者側でも自賠責保険が使えますが、被害者側が物損だけの場合、任意保険に入っていなければ保険が下りないことがありえます。

また、加害者が「お前のせいで怪我をした」「高級車が傷付けられた」と被害者に因縁を付けてくる事例もあります。
重症になった加害者を気の毒に思ってしまい、損害賠償を請求することに気が進まない、という被害者の方もおられます。
このような場合に当事者同士で交渉を行ってしまうと、本来なら加害者に請求できた金額が請求できなくなり、被害者にとって不利で不公正な示談結果となりえます。

そのため、加害者の方が重症を負った場合でも、被害者は弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士なら、専門家かつ第三者の立場から、被害者側の利益を主張することができるためです。
弁護士に依頼することで、加害者側の言いなりにならず、毅然とした態度で示談交渉に挑むことができます。

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加害者の方が重症な事故でお悩みの方は、まずは弁護士に相談してください。
交通事故の示談交渉の経験豊富な弁護士であれば、被害者側の意見を立場に沿った示談交渉を行うことができます。

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この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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