人身事故の過失割合とは|8対2と9対1では示談金に大きな差が出てくる!?

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人身事故の過失割合とは|8対2と9対1では示談金に大きな差が出てくる!?

人身事故の過失割合とは、人の死傷を伴う交通事故発生に対する当事者の責任の割合のことです。

では、

  • 自分に過失がある場合でも慰謝料を請求できるの?
  • 過失割合は誰がどうやって決定するの?納得できない場合の対応は?
  • 過失が低くても、免許の点数は加算されるの?

といった疑問に対する答えを知っているでしょうか?

このページでは、人身事故の過失割合に関する上記の疑問について詳しくお答えしていきたいと思います!

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

人身事故では過失割合が争いになることも多く、適切に証拠を収集できなければ、最終的に受け取れる損害賠償金の金額が大きく減ってしまうリスクもあります。

そのような事態を防ぐためにも今回は、自動車事故(人身事故)の過失割合に関する情報をお伝えしていきたいと思います。

自分がまったく悪くない場合でも、10対0にはならないのでしょうか!?

そもそも、過失割合が10対0にならないとどのような影響があるのでしょうか…。

まずはその点について、一緒に見ていきましょう。

【重要】過失割合とは?9対1や8対2だと何がどれくらい違う!?

【重要】過失割合とは?9対1や8対2だと何がどれくらい違う!?

そもそも「過失割合」とは?

では、そもそも過失割合とは何なのでしょうか?

交通事故における過失割合とは、交通事故の結果に対する責任の割合のことです。

そして、この過失割合は、交通事故の損害賠償と密接な関係があります。

というのも、もしも被害者側に過失がある場合、その過失割合分は相手側に請求できる損害賠償額から減額されてしまうことになるのです。

過失割合とは、事故の責任の割合のことで、自分にも過失がある(=責任がある)場合には、その分損害賠償金が少なくなってしまうのですね…。

過失割合は、その責任に応じて、9対1や90対10などのように示されるそうです。

お金ですべてが解決するわけではないとはいえ、損害賠償金は今後の生活に非常に重要なものです。

それに影響するということで、示談交渉をするうえで過失割合は非常に重要なものになりますね。

自分に過失があっても慰謝料を請求できる?

逆に言えば、自分に過失がある場合でも、自分が100%悪いケースを除いて、慰謝料などの損害賠償金を請求することはできるということですね。

ただし、過失割合の分、受け取れる金額が少なくなってしまうということになるのです。

では、自分に過失がある場合、最終的に受け取れる損害賠償金がどれほど少なくなってしまうのか…。

以下に、過失割合が10対0、9対1、8対2の場合の例を挙げてみました。

過失割合が10対0の場合の過失相殺例
被害者 加害者
過失割合 0 10
請求したい損害総額 1000万円 100万円
請求することができる金額 1000万円×1=1000万円 100万円×0=0万円
実際に受け取れる金額※ 1000万円 0円

※ 相殺払いした場合(両者保険加入の場合は相殺せず相互に支払う場合もある)

過失割合が9対1の場合の過失相殺例
被害者 加害者
過失割合 1 9
請求したい損害の総額 1000万円 100万円
請求することができる金額 1000万円×0.9=900万円 100万円×0.1=10万円
実際に受け取れる金額※ 890万円 0円

※ 相殺払いした場合(両者保険加入の場合は相殺せず相互に支払う場合もある)

過失割合が8対2の場合の過失相殺例
被害者 加害者
過失割合 2 8
請求したい損害の総額 1000万円 100万円
請求することができる金額 1000万円×0.8=800万円 100万円×0.2=20万円
実際に受け取れる金額※ 780万円 0円

※ 相殺払いした場合(両者保険加入の場合は相殺せず相互に支払う場合もある)

上記はあくまでも例ですが、自分の過失が1や2あるだけでも、受け取れる額が1000万円から大きく減ってしまうんですね。

しかし実際、自動車事故(人身事故)では、一方だけに100%責任があるケースもありますが、多くの場合は被害者にもなんらかの不注意や落ち度があったとみなされることが多いのが現実のようです。

つまり、自動車事故の損害賠償は、100%加害者の責任とならない限り何割かは相殺されることになってしまうため、示談交渉がもめることも多いのだそうです。

ところで、このように非常に重要な過失割合はどのように決定されるのでしょうか?

次は、その点について見ていきましょう。

過失割合はいつ、誰が決定するの?

過失割合はいつ、誰が決定するの?

過失割合を決定するのは警察ではなく保険会社!?

自動車事故が発生した場合、通常警察が現場に到着し、実況見分を行い、供述調書を作成します。

その調書により、故証明書の内容が決まるため、過失割合も警察が決めているのではないかと思っている方も多いようです。

しかし実際には、相手側の保険会社が過去の判例を元に主張してくるものなのだそうです。

確かに、警察が作成する調書には「どちらが事故原因を作ったのか」や、「双方の言い分」などは書かれていますが、過失割合の数値は記載されていません。

もし現場で警察官に過失割合を伝えられても、それで最終決定というわけではないので、納得できない場合でも安心してくださいね。

過失割合の基準を示す本「別冊判例タイムズ」

保険会社が過去の判例を元に過失割合を主張してくるという話でしたが、その際保険会社は、

判例タイムズ社が発行している「別冊判例タイムズ 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」

という本を参考にしているそうです。

「判例タイムズ」は1948年創刊の歴史ある月刊誌で、判例実務誌として、交通事故以外にも様々な判例が掲載されているものです。

その中でも、交通事故に関するものが、上記の「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」なんですね。

最終的には当事者同士の話し合いで過失割合を決定

とはいえ、いきなり相手側の保険会社から過失割合を提示され、「自分にも責任があるから賠償金が減額される」と言われては戸惑ってしまいますよね。

悪意のある保険会社はないと信じたいところですが、被害者の方の無知につけ込んで不利な割合を提示してくる場合もあるそうです…。

しかし、保険会社が通知してきた過失割合は決して最終決定ではありません。

本来は、当事者同士の話し合いで決定されるべきものであり、不当な場合は覆すことも不可能ではないのです!

過失割合を有利にするために

とはいえ、最初に通知された過失割合から、なかなか自分の過失割合を減らすのは大変そうですよね…。

自分の言い分を通すためには、その証拠を提出する必要があります。

具体的には、

  • 事故直後の現場を写真に撮る
  • 事故車の状態を写真に撮る
  • 事故の目撃者を確保する
  • ドライブレコーダーを搭載する

といった対策をしていれば、過失割合を有利にできる可能性が高まるでしょう。

特に、ドライブレコーダーは有効なようです。

ドライブレコーダーを搭載している車両はまだ少ないかもしれませんが、過失割合は非常に重要なものです。

ぜひ、どれかの対策は行いたいところですね。

過失割合はいつ決まる?

ということで、最終的な過失割合は、示談交渉終了の時点で決定することが多いでしょう。

赤信号で停車しているときに後ろから追突されたなど、明らかに10対0のような場合には、事故の当日に保険会社から伝えられることもあるそうです。

それに納得できれば、示談交渉前に過失割合だけ決定することもあるんですね。

不満がある場合は決定までに時間がかかる!

ただし、過失割合によって損害賠償額も変わってしまうもののため、納得のいくまで話し合う必要があります。

過失割合についてどちらかが納得しない場合には、示談交渉自体が難航し、解決までに長時間がかかることになるようです。

どうしても話がまとまらない場合には、裁判が必要となり、何ヶ月もかかるケースもあるそうです。

過失割合が不服!納得できない場合の対応は?

過失割合が不服!納得できない場合の対応は?

ここまでで、過失割合について理解を深めていただけたでしょうか。

既にお伝えした通り、損害賠償にも影響してくる重要なものなので、示談交渉中にもめることも多いそうです。

では、保険会社から提示された過失割合に納得できない場合、どのような対応をすれば良いのでしょうか?

対応①弁護士に相談

まずは、交通事故に強い弁護士に相談してみるのが良いようです。

というのも、過失割合は判例タイムズを元に決められるものの、全ての事故が判例タイムスに掲載されているものと同じではありませんよね。

その場合には別途、類似事案の裁判例を探し出し、示談交渉や裁判に挑む必要があります。

その際には、過失割合を覆すだけの適正な主張や立証が必要であり、被害者の方ご自身だけでできれば良いですが、実際には難しいですよね。

よって、ぜひ交通事故分野に強い弁護士に相談してみていただければと思います!

また、判例タイムズに類似事案が見つかったとしても、事故がどのようなものであったかなど、事実自体に争いが生じることもよくあります。

事実に争いがある場合には、こちらに有利な事故態様であったことを立証する必要があります。

そのためには、事故当初から様々な証拠の収集、選別などを行い、示談や裁判に備えることが必要となります。

人身事故に遭えば、怪我をしてしまうことも考えられますし、治療をしながら証拠の収集なども行わなければならないとなると、非常に負担が大きいですよね。

弁護士に相談すれば、そのような負担も軽減できるかもしれません。

また、弁護士が理由を正しく主張することで、慰謝料なども適正な金額まで増額される可能性もあるんです!

対応②裁判・訴訟を起こす

弁護士を付けて示談交渉を続けたとしても、どうしても過失割合に納得できないという場合には、裁判を起こす必要があるという話も出ていました。

人身事故の裁判の流れなどについては、こちらの記事もご覧になってみてください。

裁判になれば、双方の主張を聞いたうえで、裁判官が判決を下すことになります。

納得のいく判決を勝ち取るためには、やはり適正な主張立証をする必要がありますよね。

本人訴訟という形もできますが、やはり弁護士を代理人に立て、しっかりと主張をした方が良いでしょう!

人身事故の裁判になれば、判決が出るまでに1年程度かかってしまうこともありますが、示談で納得できない場合は必要な対応となりますね。

【ケース別】過失割合の修正要素となるのはどんなとき?

【ケース別】過失割合の修正要素となるのはどんなとき?

過失割合の基本事項についてわかってきたところで、もう少し踏み込んでみたいと思います。

というのも、自動車事故(人身事故)の場合、車対車以外にも、様々な事故状況が考えられますよね。

たとえば、バイクや自転車、歩行者との事故だったら?

歩行者が子供だったら?

それぞれの場合で、過失割合に何か違いがあるのでしょうか?

バイクの過失割合は低い?

車同士の事故も多いですが、車とバイクの人身事故もよく耳にするのではないでしょうか。

この場合、生身で走行しているバイク側の方が大きな怪我を負ってしまうイメージがあります。

そこで、「車対バイク」の場合と「車対車」の場合では、過失割合に何か違いがあるのでしょうか?

バイクの方が過失割合が低いという声もあるようですが…。

確かに、車対バイクの場合、車対車の事故の場合に比べて、バイク側の過失割合が低く判断されることが多いです。

たとえば、車対車の右直事故の直進車の基本過失割合は20%ですが、直進車がバイクであった場合の基本過失割合は15%となっています。

これは、車対バイクの場合、事故の衝撃を直接受けるバイク側の方が重大な損害を被る可能性が高いことが理由の1つと考えられています。

バイクの方が事故の被害に遭った場合には、過失割合が低く認定されるということなので、多くの損害賠償を受け取ることができる可能性が高いということですね。

以下に、判例タイムズで紹介されている、ある場面における「車対車」と「車対バイク」の過失割合を比較してみました。

バイクで基本過失割合が違う事故類型
車対車 車対バイク
一時停止のある交差点の出合い頭衝突
20:80 バイク15:一時停止規制側車85
交差点の出合い頭衝突
左方40:右方60 バイク左方30:車右方70
追越車と被追越車
先行20:後続80 先行車30:後続バイク70
進路変更車と後続直進車※
先行90:後続10 先行車100:後続バイク0

※ 先行車に進路変更の合図がない場合

確かに、同じ事故状況では、バイク側の過失割合が低くなっています。

ちなみに、「バイク対バイク」の場合は、「車対車」と同じ過失割合になるそうです。

自転車の過失割合も低い?

バイクではなく、車と自転車が事故を起こしてしまうケースも考えられます。

「車対自転車」の場合も、バイクと同じく、自転車側が大怪我をする可能性が非常に高いと思うのですが…。

そして、自転車はバイクよりも交通弱者だと思うのですが、自転車の過失割合はどうなっているのでしょうか。

自転車は道路交通法上は車両として扱われ、車と同様の規制に服する必要があります。

ただし、バイクよりも弱い立場にあるのは事実です。

そのため過失割合は、バイクよりは有利に修正されるが、歩行者と同等程度までには修正されないことになります。

自転車は車両として扱われるんですね。

実は知らなかったという方も多いのではないでしょうか?

実際に、自転車は車両という意識がなく、自分だけが怪我をしている場合、被害者の方が過失割合に納得できないことも多いそうです。

よって、その他の類型の事故以上に、過失割合が争いになりやすいそうなのです。

以下に、判例タイムズで紹介されている、ある場面における「車対車」と「車対自転車」、「自転車対自転車」の過失割合を比較してみました。

自転車で基本過失割合が違う事故類型
車対車 車対自転車 自転車対自転車
一時停止のある交差点の出合い頭衝突
20:80 自転車10:一時停止規制側車90 30:70
交差点の出合い頭衝突
左方40:右方60 自転車左方20:車右方80 左方45:右方55
進路変更車と後続直進車
先行90:後続10※ 先行車100:後続自転車0※ 先行60:後続40

※ 先行者に進路変更の合図がない場合

ちなみに、「自転車対自転車」の過失割合が「車対車」と異なるのは、

  • 一時停止規制は自転車の場合、必ずしも厳密に順守されていない社会実態
  • 自転車は車両に比べて低速であることから、回避可能性が車両よりやや高い
  • 自転車は免許制度ではないため、左方優先という道路交通法の規制を知らないことも多い
  • 自転車にはバックミラーがなく、後方車の認識が困難

などの、自転車の特殊性が考慮された結果なのだそうです。

歩行者の過失割合は?

では最後に、歩行者の過失割合はどうなるのでしょうか?

車やバイク、自転車と比較しても、歩行者は明らかに交通弱者であるはずです。

…と、その前に、歩行者が道路を横断する場合、横断歩道を渡らなければいけないというのが道路交通法で定められているってご存知でしたか?

第十二条 歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の附近においては、その横断歩道によつて道路を横断しなければならない。

2 歩行者は、交差点において道路標識等により斜めに道路を横断することができることとされている場合を除き、斜めに道路を横断してはならない。

つまり、歩行者が近道をしようとして横断歩道ではない道を横断している時に車に轢かれてしまった場合には、被害者にも過失が認められる可能性があるんですね。

たとえば、信号機のない横断歩道の付近で、横断歩道以外を横断しているときに、直進車と事故を起こした場合の歩行者の基本過失割合は30%です。

もっとも、歩行者の過失相殺の割合は、昼間か夜間か、幹線道路か否か、車が直進中か右左折の途中か、信号機の有無などでも大きく変動します。

その中でも特に、歩行者の過失割合が高くなる要素としてあげられるのが「信号の色」になるそうです。

場合によっては、歩行者側の過失割合が大きくなるケースもあるということで、ここから詳しく見ていきましょう。

歩行者側の信号が「青」だった場合

歩行者側の信号が「青」のときに事故にあった場合、当然、車側(直進車)の信号は「赤」になっています。

つまり、直進車側の信号無視ですよね。

よって、その状態で起きた事故は完全に車側の過失であるため、過失割合は「歩行者0:車10」となります。

歩行者側の信号が「点滅信号」だった場合

一方、歩行者側の信号が「点滅」しているときに事故にあった場合、歩行者にも一定の責任が問われてしまうそうです。

車の信号にも言えることですが、点滅信号は「注意して進め」と勘違いしている方が多いようです。

しかし、基本的には「止まれ」の意味になります。

「青」の状態で横断歩道に侵入した場合、「点滅」しだした時点で横断を中止して戻るか、速やかに道路を渡りきらなければならないのが本来のルールなんですね。

ましてや、「点滅」状態で横断を開始するというのは、実は交通ルールに違反しているのです。

よって、歩行者側の信号が「点滅」の状態で発生した事故の過失割合は、「歩行者1:車9」となってしまうこともあるそうです。

歩行者側の信号が「赤」だった場合

歩行者側の信号が「赤」、つまり歩行者が信号無視した場合ですね。

これは、明らかに歩行者にも責任があると言えますよね。

よって、車の過失割合が高くなりがちな「車対歩行者」の事故であっても、歩行者の信号無視で事故が発生した場合、過失割合は「歩行者7:車3」になることもあるそうです。

横断歩道も信号もない道路を横断した場合

信号機がある場所についてはわかりましたが、すべての道路に信号機があるわけではありませんよね。

実際、郊外や住宅街の裏通りなど、信号も横断歩道もない道は結構存在しています。

そのような場所で起こった「車対歩行者」の事故では、通常100%自動車の責任になることはありません。

歩行者も横断するときの安全確認を怠ったとされることがほとんどです。

厳しいですが、それが現実なのですね。

よって、横断歩道も信号もない道路での事故の過失割合は、「歩行者1~2:車8~9」程度となることが多いそうです。

子供の過失割合は低い?

ところで、同じ歩行者でも、子供の場合はどうなるのでしょうか?

実際、子供の飛び出し事故は非常に多く発生しています。

特に幼いお子様の場合、左右を確認しないまま車道へ急に飛び出してしまうことも容易に想像できますよね。

大人の場合は、急に飛び出せば歩行者側にも過失が問われるという話でしたが…。

もしも子供が公園などから急に飛び出し、車との事故にあってしまった場合は、何か違いがあるのでしょうか?

どちらが悪いかは事故状況によるので一概には言えないですが、子供は通常成人よりも判断能力が低いため、成人よりも保護の必要性が高いといえます。

そのため、歩行者が子供の場合には、過失割合の判断において、成人よりも有利に扱われることになります。

さらに、その子供に物事の実態や生じうる結果を理解し、それに基づき判断する事理弁識能力が備わっていない場合、その子供の過失は問えません。

確かに幼いお子様の場合、自分の行動から生じうる結果を理解し、それに基づき判断するのは非常に困難ですよね。

その事理弁識能力が認められるかは、当事者となるお子様の能力により個別的に判断されるそうですが、年齢が1つの目安にはなっているそうです。

ではここから詳しく見ていきましょう。

6歳以上なら事理弁識能力があるとされる

裁判所では、6歳以上の子供であれば、通常、危険な行為を行わない判断ができるとして事理弁識能力があるものと判断することが多いようです。

つまり、そのくらいの年齢のお子様であれば、「車が来るかもしれない」→「だから一旦止まろう」といった判断はできるものとされるんですね。

その結果、一定の過失は問われるものの、通常の成人よりは有利に扱うことで、妥当な解決を図ろうとするようです。

なお、道路交通法では、6歳以上13歳未満の人が「児童」として取り扱われています。

6歳未満なら過失がないのか?

では、もし飛び出し事故にあったのが6歳未満の子供であれば、事理弁識能力はないとされるのでしょうか?

この場合は、その子供に事理弁識能力がないものと判断されることもあるようです。

ただし、その場合には、事理弁識能力がない子供を付添なしに歩行させた親の責任が問われ、その点が過失割合に反映されることがあります。

なお、道路交通法では、6歳未満の人が「幼児」として取り扱われています。

そして、交通量の多い道路または踏切、もしくはその附近の道路においては、保護者や監護者の付添いなしで幼児を歩行させてはならないと定められています。

第十四条

3 児童(六歳以上十三歳未満の者をいう。以下同じ。)若しくは幼児(六歳未満の者をいう。以下同じ。)を保護する責任のある者は、交通のひんぱんな道路又は踏切若しくはその附近の道路において、児童若しくは幼児に遊戯をさせ、又は自ら若しくはこれに代わる監護者が付き添わないで幼児を歩行させてはならない。

以上、様々なケースにおける過失割合について見てきました。

しかし、上記はほんの一部の例であり、事故が発生するケースや状況は多様に存在しています。

ご自身の事故における過失割合が本当に妥当なものなのかどうか、不安や疑問がある場合には、やはり弁護士に相談してみてください。

過失割合の影響は賠償金だけではない…低い方にも付加点数が加算されるの?

過失割合の影響は賠償金だけではない…低い方にも付加点数が加算されるの?

ところで、過失割合が1や2のように低いとしても、過失があるということになりますよね。

すると、行政処分につながる免許の付加点数が加算されてしまうのでしょうか?

4年前、直進していた所左側から追突され(私側が優先道路)人身事故扱いになりました。(略)

保険会社の過失割合では8:2(私)でした。

その後、警察からは減点の通知もなく、今回免許更新のハガキが来て初めてその事故で自分が減点されている事を知りました。

(略)確かに、私にも少しは過失がある事故だったとは思いますが、(以下省略)

実際に付加点数がついてしまったという声もありますが…。

過失割合の低い方にも付加点数が加算されるの?

実際のところ、どうなっているのでしょうか?

人身事故で相手側も負傷している場合には、過失割合にかかわらず、その程度に応じて付加点数が加算される可能性があります。

被害者なのに納得できないかもしれませんが、やはり付加点数が加算されてしまうこともあるんですね。

人身事故の「基礎点数」

人身事故にあった場合、まずは基礎点数として2点が加算されます。

基礎点数は、安全義務違反という違反行為をしたことに対する違反点数です。

道路交通法で定められた「安全に運転しなければならない」という点に違反したということで、どんな理由であっても必ず加算されることになります。

そして、たとえ過失割合が低いとしても、過失が1でもあるということは何らかの安全運転義務違反が認められるということになります。

人身事故の「付加点数」

その基礎点数に、事故の規模や過失割合などによって決められている点数が加算され、その点数によって行政処分が下されることになります。

人身事故の付加点数は、以下のようになっています。

人身事故の付加点数
①加害者本人の不注意によって発生した場合 ②それ以外
死亡事故
20点 13点
治療期間が3ヶ月以上又は後遺障害が伴う障害事故
13点 9点
治療期間が30日以上3ヶ月未満の障害事故
9点 6点
治療期間が15日以上30日未満の障害事故
6点 4点
治療期間が15日未満の障害事故又は建造物破損事故
3点 2点

付加点数は、

  • 人身事故による被害(被害者の容体)
  • 運転をしていた人の不注意の程度(運転者の過失割合)

により決められます。

そして、「運転をしていた人の不注意の程度」は以下のように判断されるそうです。

①加害者本人の不注意によって発生
  • 発生した事故が、事故を起こした運転者の一方的な不注意による場合
  • 被害者にも不注意があったものの、被害者の不注意は極めて小さく、また被害者の不注意がなかったとしてもこの事故の被害に変わりがないと認められる場合

よって、被害者の方の過失が1や2であれば、付加点数は付かない可能性もあります。

ちなみに、被害者側の過失割合が0だった場合には、そもそも基礎点数になる安全運転義務違反が認められず、付加点数の問題にはなりません。

②それ以外

事故を起こした運転者の不注意が大きいものの、被害者にも不注意があり、被害者の不注意が無ければもっと事故の被害が小さかったと認められる場合など

よって、被害者の方の過失割合が3以上ある場合には、加害者側の怪我の状況に応じて、付加点数が付く可能性があるそうです。

(参考)違反点数の計算方法と行政処分の内容

以上のように、被害者の方であっても付加点数が加算されることになった場合、点数に応じて行政処分を受けることになってしまいます。

ちなみに、免許の違反点数の計算方法は以下の通りです。

違反点数の計算方法例
基礎点数 付加点数 合計点数
2点 6点 8点
安全運転義務違反 治療期間が15日以上30日未満で運転者に専ら不注意あり

そして、点数に応じて以下のような行政処分や、このほかに刑事罰を受けることになります。

免許停止期間と違反点数の関係(一部抜粋)
過去3年間の前歴 違反点数の合計 免許停止期間
無し 6点以上 30日間
9点以上 60日間
12点以上 90日間
1回 4点以上 60日間
6点以上 90日間
8点以上 120日間
2回 2点 90日間
3点 120日間
4点 150日間
3回 2点 120日間
3点 150日間
4回以上 2点 150日間
3点 180日間

ただし、「過去2年以上無事故・無違反であれば軽微な違反(3点以下)を1回したとしても、その後3ヶ月間無事故・無違反であれば違反点数が加点されない」という優遇制度があります。

よって、過去2年間に事故や違反がなかった場合、事故から3ヶ月間何もなければ、行政処分を受けることはないんですね。

ただし、1点でも違反点数が加点されれば、次回更新時にブルー免許へと転落してしまいます。

つまり、ゴールド免許だった方は、免許更新までの期間が短くなったり、講習手数料の増加や時間が長くなるというデメリットは出てきてしまうんですね…。

この点を考えても、ご自身にまったく過失がないと思われる場合には、弁護士に相談して、過失割合0獲得を目指したいところです。

自分の任意保険で過失部分を補償できるって本当?

自分の任意保険で過失部分を補償できるって本当?

以上、過失割合の影響について見てきました。

示談交渉や裁判の結果、10対0の過失割合となれば良いですが…。

もしも7対3、6対4、5対5などの過失割合になれば、自分が被害者だとしても、相手側からの損害賠償が減り、怪我の治療などが大変ですよね。

実はそのような場合には、被害者の方が加入されている任意保険から補償を受けられるかもしれません!

人身傷害補償保険

その補償とは、人身傷害補償保険というものになります。

人身傷害保険の特徴
  • 被害者の過失に関係なく支払われる。
  • 先にこの保険の支払いを受ければ、支払いを受けた金額は相手への賠償の際に自分の過失分から充てられる。
  • 自損事故の場合でも使うことができる。

何度も出てきている通り、人身事故で怪我をされた被害者の方が、相手側から賠償を受けられるのは相手側の過失割合に応じた額で、 被害者ご自身の過失に相当する分は賠償が得られません。

つまり、自分の過失に相当する部分は自己負担するという考え方ですね。

その考え方は理解できますが、事故で怪我をすれば、治療費などの費用は実際にかかりますし、通院などで仕事を休めば収入も減ってしまいます。

そのため、自分の過失分についても補償してもらう必要があり、それに備えるのが人身傷害補償保険なんですね。

ただし、人身傷害補償保険の基準で計算した損害額は、弁護士基準で計算したものより低額になります。

そのため、被害者の方の過失や損害額が大きい場合には、弁護士基準で計算した被害者の方ご自身の過失相当分全てを賄えるとは限りません。

今の話の中に出てきた弁護士基準については、こちらの記事もご覧になってみてください。

また、被害者なのに自分の保険を使うことに納得できない方も多いでしょう。

よって、可能な限り自分の過失割合を有利にできるよう、示談交渉の時点で弁護士に相談してみてくださいね!

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以上、交通事故の人身事故の過失割合について理解を深めていただけたでしょうか。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、人身事故の過失割合に関してお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!

人身事故では過失割合が争いになることも多く、適切な証拠を収集するには迅速な対応が求められます。

そして、人身事故の過失割合について適切な主張及び証拠収集をし、適切な賠償金を受け取るには、弁護士に依頼するのが最も確実と言えます。

また、専門家である弁護士がお力を貸せるお悩みや問題もきっとあるかと思いますので、遠慮することなく弁護士に相談だけでもしてみて下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

  • 過失割合の基礎知識
  • 過失がある場合の慰謝料などの損害賠償
  • 過失割合に納得できない場合の対応
  • 過失割合と付加点数の関係

などについて、理解を深めていただけたのではないかと思います。

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この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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