過去に交通事故関連で、懲戒処分をうけた案件について調べてみました!
懲戒処分の種類と悪徳弁護士に騙されないための方法についてまとめています。
交通事故の悪徳弁護士=懲戒処分を受けている!?
交通事故の悪徳弁護士の特徴・見分け方
交通事故の悪徳弁護士かどうかを見分けるのは難しいですが、特徴としては、過去に交通事故関連で懲戒処分を受けていることが多いと考えられます。
弁護士に対する懲戒処分とは?
懲戒処分とは、弁護士法や所属弁護士会・日弁連の会則に違反したり、所属弁護士会の秩序・信用を害したり、その他職務の内外を問わず「品位を失うべき非行」を行った弁護士が受ける処分のことです。
懲戒処分は、基本的にその弁護士等の所属弁護士会が、懲戒委員会の議決に基づいて行われます。
懲戒処分の種類は?
弁護士に対する懲戒の種類は、次の4つです。
戒告 |
弁護士に反省を求め、戒める処分 |
業務停止 |
弁護士業務を行うことを禁止する処分 |
退会命令 |
所属弁護士会から退会させられる処分 |
除名 |
弁護士としての身分を失う処分 |
交通事故の懲戒処分理由ランキング
上位は事件の放置・保険金を返金しない
交通事故の懲戒処分の理由として多いのは、第一に「受任した案件を活動なしに放置した」というものです。その次に多いのは、「保険会社から受領した保険金を依頼者に返金しなかった」という悪質なものです。
依頼者は弁護士を信頼して案件を依頼しているわけですから、依頼後に案件を放置されたり、保険会社から受領した慰謝料を横領されたりしたらたまったものではありません。
保険会社から受け取った慰謝料を横領した弁護士に対しては、除名や業務停止という重たい処分が下されているのも当然です。
悪徳弁護士に騙されないための方法は?
悪徳弁護士に騙されないための方法としては、全国型の弁護士法人に依頼することが考えられます。大きな組織の弁護士法人であれば、社内での監視体制や不良弁護士に対する監督や指導に期待することができます。
また、何か問題があった場合でも、大手の弁護士法人であれば財務基盤がしっかりしているので、十分な補償を受けることが期待できます。さらに、所属弁護士が行った悪徳・不良行為に関しては、この弁護士が所属する弁護士法人に対して使用者責任を問うことも可能なので安心です。
個人の弁護士事務所であれば、その弁護士が悪徳弁護士だった場合に使用者責任を問うことができません。お金を持ち逃げされたら、泣き寝入りしかないケースも多いので注意が必要です。
交通事故案件で懲戒処分を受けた弁護士リスト
交通事故案件に関連して懲戒処分を受けた弁護士の情報をまとめてみました。このような悪徳弁護士に騙されないように注意して弁護士を選びましょう。
懲戒の理由 |
大阪弁護士会に所属する弁護士は、交通事故損害賠償事件を受任し、着手金を受領した後、そのまま事件を放置した。その後、着手金の返還訴訟にも欠席し、答弁書も提出しなかった。 |
所属弁護士会 |
大阪 |
懲戒の種類 |
業務停止2月 |
懲戒の年月 |
2000年7月 |
懲戒の理由 |
東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の損害賠償請求で書類等に不備があり、速やかな対処もしなかった。 |
所属弁護士会 |
東京 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2000年7月 |
懲戒の理由 |
千葉弁護士会に所属する弁護士は、交通事故損害賠償事件を放置した。その他、解雇不当事件も受任着手金を受領したまま放置した。 |
所属弁護士会 |
千葉 |
懲戒の種類 |
業務停止1月 |
懲戒の年月 |
2000年10月 |
懲戒の理由 |
第二東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故死亡事件の保険金交渉で自賠責のみ請求したが、その根拠等の説明が不足していた。 |
所属弁護士会 |
第二東京 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2001年1月 |
懲戒の理由 |
大阪弁護士会に所属する弁護士は、交通事故訴訟で鑑定費用が不要となったが返還を5回にした。上告期間を徒過してしまったが、損害の支払いを拒んだ。 |
所属弁護士会 |
大阪 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2001年6月 |
懲戒の理由 |
香川弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の賠償請求事件で和解成立の報告が遅れた。さらに和解金を少なくした書面を送付した。 |
所属弁護士会 |
香川 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2001年6月 |
懲戒の理由 |
京都弁護士会に所属する弁護士は、遺言執行事件、交通事故賠償事件等の精算金を返還しなかった。また、弁護士会会費も滞納していた。 |
所属弁護士会 |
京都 |
懲戒の種類 |
業務停止3月 |
懲戒の年月 |
2001年6月 |
懲戒の理由 |
長崎弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の損害賠償請求を忘れ、そのまま時効が完成してしまった。 |
所属弁護士会 |
長崎 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2001年9月 |
懲戒の理由 |
栃木弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の保険金請求を怠り自賠責の時効が消滅した。さらに事件処理を怠り、解任されると法律相談料を請求した。 |
所属弁護士会 |
栃木 |
懲戒の種類 |
業務停止5月 |
懲戒の年月 |
2002年6月 |
懲戒の理由 |
奈良弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の賠償金4200万円を着服した。さらに他の事件を放置し、高い報酬、預かり金を返還しなかった等。 |
所属弁護士会 |
奈良 |
懲戒の種類 |
除名 |
懲戒の年月 |
2002年8月 |
懲戒の理由 |
第二東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の損害賠償請求で加害者に対する時効により請求権を消滅させてしまった、 |
所属弁護士会 |
第二東京 |
懲戒の種類 |
業務停止1月 |
懲戒の年月 |
2002年11月 |
懲戒の理由 |
山形弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の受任事件を放置した。 |
所属弁護士会 |
山形 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2003年1月 |
懲戒の理由 |
大阪弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の示談金を渡さなかった。 |
所属弁護士会 |
大阪 |
懲戒の種類 |
業務停止1月 |
懲戒の年月 |
2003年2月 |
懲戒の理由 |
東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の自賠責交渉で、少ない金額査定をした。そのうえ、説明不足だった。 |
所属弁護士会 |
東京 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2004年7月 |
懲戒の理由 |
第一東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の損害賠償請求で示談金を清算しなかった。過去にも業務停止が2回あり、除名になった。 |
所属弁護士会 |
第一東京 |
懲戒の種類 |
除名 |
懲戒の年月 |
2004年8月 |
懲戒の理由 |
東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故自賠責請求で1億円はムリなのに3億円を提示し報酬が規定を超えた。また、損害賠償請求は依頼されたが提訴しなかった。 |
所属弁護士会 |
東京 |
懲戒の種類 |
退会命令 |
懲戒の年月 |
2005年2月 |
懲戒の理由 |
第一東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の自賠責保険金5858万円を受領したが依頼者に払わなかった。訴訟提起されたが裁判に欠席し、横領した。 |
所属弁護士会 |
第一東京 |
懲戒の種類 |
除名 |
懲戒の年月 |
2005年4月 |
懲戒の理由 |
沖縄弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の保険金を速やかに依頼者に渡さなかった。他にも同事件で保険金の一部を流用していた。 |
所属弁護士会 |
沖縄 |
懲戒の種類 |
業務停止5月 |
懲戒の年月 |
2005年5月 |
懲戒の理由 |
仙台弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の損害賠償請求を放置した。 |
所属弁護士会 |
仙台 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2005年6月 |
懲戒の理由 |
千葉弁護士会に所属する弁護士は、交通事故で同乗者の裁判を受けたが、利益相反になるため辞任した。だが受け取った着手金を返さなかった。 |
所属弁護士会 |
千葉 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2007年6月 |
懲戒の理由 |
東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故損害賠償事件を放置した。 |
所属弁護士会 |
東京 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2008年2月 |
懲戒の理由 |
岡山弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の損害賠償事件を放置した。 |
所属弁護士会 |
岡山 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2008年4月 |
懲戒の理由 |
大阪弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の損害賠償事件を放置した。 |
所属弁護士会 |
大阪 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2008年7月 |
懲戒の理由 |
大阪弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の被害者から多額の報酬を取った。当初は戒告だった。 |
所属弁護士会 |
大阪 |
懲戒の種類 |
業務停止1月 |
懲戒の年月 |
2008年8月 |
懲戒の理由 |
長野弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の損害賠償事件を放置した。また、虚偽の報告した。 |
所属弁護士会 |
長野 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2008年8月 |
懲戒の理由 |
東京弁護士会に所属する弁護士は、代理人でもないのに交通事故の診断書を集めた。 |
所属弁護士会 |
東京 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2008年10月 |
懲戒の理由 |
東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の賠償の二重請求をした。 |
所属弁護士会 |
東京 |
懲戒の種類 |
業務停止6月 |
懲戒の年月 |
2010年7月 |
懲戒の理由 |
第一東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故保険金の虚偽親告をした。 |
所属弁護士会 |
第一東京 |
懲戒の種類 |
業務停止4月 |
懲戒の年月 |
2011年4月 |
懲戒の理由 |
第二東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の事件を放置した。 |
所属弁護士会 |
第二東京 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2011年12月 |
懲戒の理由 |
弁護士会に所属する弁護士は、交通事故事件を受任 不当な報酬を要求 |
所属弁護士会 |
東京 |
懲戒の種類 |
業務停止1月 |
懲戒の年月 |
2012年1月 |
懲戒の理由 |
弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の事件放置 |
所属弁護士会 |
第一東京 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2012年1月 |
懲戒の理由 |
弁護士会に所属する弁護士は、飲酒交通事故 |
所属弁護士会 |
愛知 |
懲戒の種類 |
業務停止2月 |
懲戒の年月 |
2012年1月 |
懲戒の理由 |
弁護士会に所属する弁護士は、飲酒運転し交通事故 |
所属弁護士会 |
愛媛 |
懲戒の種類 |
業務停止1月 |
懲戒の年月 |
2012年12月 |
懲戒の理由 |
東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故の事件で報酬などの説明が不足していた。また、委任契約もなかった。 |
所属弁護士会 |
東京 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2013年5月 |
懲戒の理由 |
東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故事件で事件を放置したうえ、虚偽の報告をした。 |
所属弁護士会 |
東京 |
懲戒の種類 |
業務停止2月 |
懲戒の年月 |
2013年10月 |
懲戒の理由 |
札幌弁護士会に所属する弁護士は、飲酒運転で交通事故を起こした。 |
所属弁護士会 |
札幌 |
懲戒の種類 |
業務停止2月 |
懲戒の年月 |
2013年11月 |
懲戒の理由 |
第二東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故事件を放置した。 |
所属弁護士会 |
第二東京 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2015年6月 |
懲戒の理由 |
東京弁護士会に所属する弁護士は、交通事故事件を放置した。 |
所属弁護士会 |
東京 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2015年9月 |
懲戒の理由 |
大阪弁護士会に所属する弁護士は、交通事故事件・委任契約解除後に書類を返還しなかった。 |
所属弁護士会 |
大阪 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2016年9月 |
懲戒の理由 |
千葉県弁護士会に所属する弁護士は、交通事故事件を長期間放置した。 |
所属弁護士会 |
千葉 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2017年3月 |
懲戒の理由 |
大阪弁護士会に所属する弁護士は、交通事故事件を長期間放置した。 |
所属弁護士会 |
大阪 |
懲戒の種類 |
戒告 |
懲戒の年月 |
2018年5月 |
悪徳弁護士かな?と思ったら
所属弁護士会に懲戒請求
依頼した弁護士の対応等に問題を感じたら、その弁護士が所属する弁護士会に懲戒請求をするという方法があります。
出典:弁護士法第58条
依頼した弁護士の対応に問題がありそうな場合は、まず、その弁護士が所属する弁護士会に電話などで問合せをしてみるのがいいでしょう。
所属弁護士会を調べる方法
ホームページや名刺で所属弁護士会が分かれば、インターネットで弁護士会の連絡先を調べてみましょう。
もし、その弁護士の所属する弁護士会が分からない場合は、日弁連が提供する以下のデータベースで確認できます。
電話
弁護士の所属する弁護士会がどうしても分からない場合は、全国の弁護士会を統括する日弁連に問い合わせてみるのがいいでしょう。
03-3580-9841
弁護士会の決定に不服
「懲戒なし」や「処分が軽すぎる」など、弁護会の決定に不満がある場合には、日弁連に不服を申し立てることが可能です。
出典:弁護士法第64条
「いつまで経っても弁護士会が結論を出さない」といった不満についても、日弁連に不服申し立てができます。
まとめ
いかがでしたか?
この記事では、交通事故の悪徳弁護士についてお届けしました。
交通事故で悩んでいる時、弱みに付けこむ悪徳弁護士に引っかからないように!
このカタログを参考にして、しっかり仕事をこなすまっとうな弁護士を選んでください。