交通事故の診断書|内容~提出先や提出期限まで徹底解説!もし提出しないと…
ある日突然、交通事故の被害に…。
怪我を負った場合には、病院などに入通院することになります。
そして、そこでかかった費用については、相手側に請求することになります。
ただし、適正な損害賠償を受け取るためには、担当の医師に作成してもらう診断書が非常に重要になってくるようです。
しかし、いざ診断書を作ってもらうにあたっては、
- 診断書に記載してもらう内容とは?
- 診断書の提出先は警察?保険会社?
- 診断書の提出期限はあるの?
- 後遺障害の診断書は別に作ってもらう必要があるの?
など、わからないことだらけのはずです…。
内容不十分で、適正な補償を受けられなかったら悲しいですよね。
そこで今回このページでは、交通事故の診断書について、一緒に見ていきたいと思います。
なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
突然、交通事故の被害に遭われた場合、何をすれば良いのかわからないという方がほとんどだと思います。
しかし、怪我の治療にあたっては、適切な対応をしなければ、適切な補償を受けられない恐れもあります。
ここで、交通事故による怪我の治療時の正しい知識を学んで、交通事故にあった場合にも、慌てず冷静に行動できるようにしておきましょう。
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目次
交通事故の被害に遭われた場合、どんなに小さな怪我であっても、病院に行って診断書を書いてもらうことが必須なようです。
でも、どこでどのように作ってもらうのか…誰に提出すれば良いのか!?
ここから、一緒に詳しく見ていきましょう!
交通事故の診断書|記載する内容や作成にかかわる費用とは
交通事故の被害に遭い、怪我を負った場合、その度合いによっては入院、入院の必要がなくても病院に通院することになります。
その際、診断書を作成してもらう必要があるということです。
交通事故で怪我をした場合、病院の医師に診断書を書いてもらう必要があります。
診断書が無い場合、その後の治療費などの請求に支障をきたす恐れがあります。
また、後遺障害が残ってしまった場合の損害賠償金の請求にも支障をきたす恐れがあります。
なるほど。
病院で作成してもらう診断書は、そんなに重要なものなのですね…。
これは、診断書について、詳しく知っておいた方が良さそうです。
交通事故における「診断書」とは
診断書とは、言葉の通り、医師が患者の病名や症状について診断した結果を記載したものです。
診断書を作成する目的は、交通事故後の怪我の状態を明確に残しておくためです。
「診断書」を作成できるのは「病院の医師」のみ
その診断書ですが、基本的には病院の担当医師に作成してもらうことになります。
むちうちなどの怪我を負った場合、整骨院に通うケースもあるかもしれません。
しかし、診断は基本的に病院の医師が行うものであり、まずは病院(整形外科が多い)で診察を受け、医師に診断書を書いてもらいましょう。
なお、交通事故の治療を整骨院で受けるには医師の許可が原則として必要になるなどの注意点があります。
また、治療が進み、症状固定後に後遺障害が残ってしまうことも考えられます。
その際には、後遺障害診断書を書いてもらう必要があり、その場合もやはり医師に依頼する必要があるということです。
ちなみに、症状固定とは以下のような意味になります。
症状固定
医学上一般に認められた治療方法を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態
診断書に記載する内容
続いては、診断書には記載される内容について見ていきましょう。
症状名や治療日数
まずは、「むちうち」や「打撲」、「骨折」といった怪我の名称が記載されます。
さらに、「全治1週間」、「全治2週間」など、治療の日数についても記載されることになります。
他には、作成日時や医師名、病院名なども記載されます。
診断書が交通事故の見本のような内容で苦笑い pic.twitter.com/FIt5xVUNat
— Syuwo (@Syuwo_nai) September 21, 2017
その他、目的に応じた内容を
症状や全治日数の他に、記載してもらった方が良い内容はあるのでしょうか?
診断書には、目的に応じた内容の記載をしてもらう必要があります。
たとえば、怪我により会社を休業する必要がある場合には、就労が不可能である旨も記載してもらうべきです。
なるほど。
診断書を何に使用するのかを意識して、目的に沿った内容のものを作成してもらうことが重要なのですね。
他にも、相手側の任意保険会社に一括対応をお願いしている場合、毎月診断書が病院から相手側の保険会社に送付されます。
その診断書に治癒と記載されてしまうと、それ以降の治療費を交通事故の損害賠償として認めてもらえなくなることになります。
また、医療照会に対する回答内容によっても、それ以降の治療費を交通事故の損害賠償として認めてもらえなくなるなどの恐れがあります。
交通事故の加害者が、自賠責保険だけではなく任意保険にも加入している場合、被害者の方は、任意保険会社から、
- 自賠責保険金分
- 自賠責保険金分を超える任意保険会社負担分
を一括して支払ってもらうことができます。
この制度のことを一括対応といいます。
また、医療照会とは、保険会社が病院に対して被害者の症状の問い合わせをすることです。
相手側の保険会社に送付される診断書や医療照会の内容によって、適正な損害賠償が支払われなくなってしまう事態を防ぐために、何か考えられる対応策はあるのでしょうか?
考えられる対応策としては、
- ① 診断書記載や医療照会回答前の確認をさせてもらう
- ② 専門家に医師面談してもらう
ことなどが考えられます。
① については、コミュニケーションをしっかりと取り、交通事故特有の事情などを医師に説明することで、不用意な記載や回答を防ぐことができるようです。
とはいえ、被害者ご自身では、医師にしっかりと事情などを伝えられないことも多いはずです。
そういった場合には、弁護士などの専門家に依頼して医師面談をしてもらうのが非常に有効ということです。
診断書の作成費用・料金の相場
ところで、診断書は無料で作成してもらえるというワケではありません…。
診断書を作成してもらうには、文書料という費用がかかるそうです。
文書料の相場としては、全国平均で、
- 自賠責保険請求用のもので4800円程度
- 後遺障害診断書で6000円程度
となっているようです。
※ 参照:医療文書作成業務・文書料金実態調査
思ったよりも高いですが…文書料は損害賠償の項目に含まれているため、相手側の保険会社に請求することが可能ということなので、ご安心ください。
ただし、まずは立替えが必要なケースもありますので、診断書の作成依頼にあたっては、現金を持っていった方が良いでしょう。
まとめ
交通事故の診断書
概要 | |
---|---|
意味 | 医師が患者の病名や症状について診断した結果を記載したもの |
目的 | 交通事故後の怪我の状態を明確に残しておくこと |
内容 | ・症状名 ・全治日数 ・作成日時 ・医師名、病院名 など |
作成者 | 病院の医師のみ |
料金 | ・自賠責保険請求用のもので4800円程度 ・後遺障害診断書で6000円程度 |
後遺障害診断書の書き方を詳しく知りたい!という方はこちら
交通事故における診断書の提出先は?もし提出しないと…
では、作成してもらった診断書ですが、どこに提出すれば良いのでしょうか?
警察?保険会社?他にもあるのなら、知っておきたいところです。
提出先①警察
まず一つ目の提出先としては、警察になります。
と、ここで、重要となってくる交通事故の事故の種類について説明しておきます。
交通事故には、物損事故と人身事故の2種類があります。
物損事故
事故直後に当事者の怪我が判明していない場合、警察には物損事故(物件事故)として扱われることになります。
物損事故の詳細を知りたい方は、「物損事故ガイド」をご覧ください。
人身事故
一方、交通事故の直後に、当事者が怪我をしている場合、その事故は人身事故になります。
注意が必要なのは、人身事故扱いにしてもらわないと、たとえ怪我の治療を行ったとしても、その治療などに対する損害賠償は受け取れないリスクがあります。
つまり、交通事故で怪我をした場合には、人身事故扱いにしてもらうことが非常に重要ということになります。
診断書を警察に提出しないと…
では、交通事故の種類と診断書にはどのような関係があるのでしょうか?
もしも警察に診断書を提出しないと、どのような影響があるのでしょうか?
たとえば、むちうちなどの場合、交通事故直後は自覚がなくても、後から痛みを感じるようになることがあります。
その場合、事故直後には物損事故として届け出てしまうケースがあります。
いったん物損事故扱いにされてしまった場合には、警察に人身届けをして人身事故扱いにしてもらう必要があります。
そのためには、警察に診断書を提出する必要があるのです。
警察に診断書を提出しないと、物損事故扱いとなり、怪我の治療に対する賠償を受けられなくなる可能性があるということですね。
警察に提出する診断書には、症状名や治療期間(「むちうち、全治1週間」など)が書かれていれば問題ないようです。
【参考】全治1週間、2週間、3週間…見込み日数の影響とは
ここでちょっと不安になるのが、「全治1週間」と書かれてた診断書を警察に提出したにも関わらず、それ以上に治療期間がかかってしまった場合です…。
損害賠償に最初に提出した全治までの日数が適用されてしまうのなら、全治までの期間を長めに作ってもらいたいところですが…。
実際にその期間内に完治しなかった場合には、そのまま通院を続けても問題ありません。
診断書の治療期間はあくまで見込み期間であり、損害賠償には実際の治療期間が考慮されます。
それは安心しました。
では、何よりも、まずは病院で診断書を書いてもらって、警察にしっかりと提出することが重要ですね!
全治までの日数の影響
ところで、実際に全治までの日数は短めに書かれていることが多いようです。
というのも、道路交通法施行令には、交通事故の行政処分の違反点数として次のように定められています。
違反点数 | ||
---|---|---|
治療期間15日以上30日未満の軽症事故 | 責任が重い場合 | 6点 |
責任が軽い場合 | 4点 | |
治療期間15日未満の軽症事故 | 責任が重い場合 | 3点 |
責任が軽い場合 | 2点 |
全治までの見込み期間が長くなると、加害者の処分が重くなる…ということが意識されているようです。
また、治療期間が長くなれば、警察側の処分対応も変わってくるため、なるべく軽い処分で済ませたいと考えている警察もいるようです…。
質問
先日、優先道路を走っていたら横からとびだした40代の女性の車にぶつけられました。9:1の過失で、示談はまだです。脳震盪や頚椎捻挫肩の脱臼で1日入院し診断書では全治3週間となりました。(略)
しかし、先日警察に呼び出され、診断書は3週間とあるが2週間として処理してもよいか?と言われたのです。
これって違法なんじゃないですか?
(略)
回答
診断書についてなのですが、(略)
治療期間が二週間までであれば、警察は簡易的な処理で軽微事故として処理することができる、と聞いたことがあります。15日で大きな区切りがあるため、警察はできるかぎり、医師にも協力してもらい、「診断書を二週間にしよう」とする事があるようです。
(実際医師は「二週間のけがにしてくれ」と要請されることもあるとか。)
診断書の治療期間はあくまでも目安であり、損賠賠償には実際の治療期間が反映されるとはいえ、加害者の罪を軽くする、警察の対応を楽にするためだけに期間を短くするのは納得がいきませんよね。
診断書の治療期間に納得がいかないような場合には、弁護士などの専門家に相談してみた方が良いかもしれません。
提出先②自賠責保険
もう一つの重要な提出先としては、自賠責保険となるようです。
自賠責保険に診断書を提出する理由は、もちろん自賠責保険に対して保険金の請求をするためです。
その前に、ここで少し保険金の請求について学んでおきましょう!
一括対応
加害者側の任意保険から、自賠責保険金分と自賠責保険金分を超える任意保険会社負担分を一括で支払ってもらう制度のことでしたね。
被害者請求
それに対し、被害者請求という請求方法もあるようです。
こちらは文字通り、被害者ご本人が自賠責保険の請求をすることです。
まとめ
事前認定と被害者請求のメリット・デメリット
一括対応 | 被害者請求 | |
---|---|---|
メリット | ・資料収集の負担なし ・費用負担なし |
・提出書類や時期を決定できる ・示談前にお金が入る |
デメリット | ・手続きが不透明 ・示談までお金入らない |
・資料収集の負担 ・費用負担 |
一括対応のデメリットの1つである「手続きが不透明」とは、保険会社が提出した書類の内容や時期を被害者が把握できないということです。
また、相手側の任意保険会社は必要最低限の書類しか提出してくれません。
それに対して、被害者請求の場合、必要資料以外に認定に有利な医療関係の資料や意見書の添付も可能になります。
よって、被害者請求の方が望ましいケースもあります。
ただし、被害者請求をする場合は、被害者は担当医師に依頼して診断書を作成してもらう必要があります。
警察に提出するものは病院に備え付けの診断書の様式で問題ありませんが、自賠責保険請求用の診断書は書式が決まっているため、病院には常備されていないことがほとんどのようです。
よって、自賠責保険から用紙を取り寄せ、そこに記入してもらう必要があります。
なお、自賠責保険の被害者請求に際しては、診断書以外に「診療報酬明細書」も作成してもらう必要があります。
明細書の発行にも費用が発生しますが、診断書と同じく、後から相手側の保険会社に支払いを請求することが可能です。
診療報酬明細書には、通院した日付や、行われた検査や治療などが詳しく記入されるそうです。
もしも後遺障害の認定を受けることになった際にも、参照される資料となるそうなので、忘れずに提出しましょう!
提出先③その他
その他、先ほども少し話に出ていましたが、交通事故による怪我の治療により仕事を休む場合などは、会社に提出するための診断書が必要です。
この診断書には、就労が不可能であることを記載してもらう必要があるということでしたね。
また、被害者の方が加入している保険に傷害保険が付いている場合には、その支払いを受けるために、ご自身の保険会社にも診断書を提出する必要があります。
その場合も、ご自身の保険会社から診断書の書式を取り寄せて、それに病院で記入してもらうことになります。
さらに、交通事故が死亡事故であった場合には、医師に死亡診断書を作成してもらう必要があります。
提出先 | 備考 |
---|---|
警察 | ・人身事故の場合 ・病院の書式で問題なし |
自賠責保険 | ・一括対応の場合は加害者側の任意保険会社に提出 ・被害者請求の場合は直接自賠責保険に提出 ・保険会社指定の書式に記入 |
その他 (会社、自身の保険など) |
目的に応じた内容を記載してもらう |
診断書の提出期限は?出す出さないはいつ決める?
診断書の内容や、提出先についてもわかってきました。
ところで、それぞれに対する提出期限はどうなっているのでしょうか?
いつ提出しても問題ないのでしょうか!?
事故 警察に出す診断書の期限はありますか?
今週水曜日追突され、その日は物損事故で処理しました。その日の夜から、ムチウチ症状が強くなり 、昨日人身事故に切り替えていただきました。今日診断書を病院でもらいます。
警察署の方に早めに提出してくださいと言われました。ただ提出先が自宅から高速で一時間ちょっとかかり、これからお盆で渋滞に巻き込まれることは間違いないですし、まだ頭痛が続いて気分がすぐれず運転する自信がありません。
お盆あけの最初の土曜日が主人も休みなので、その日なら乗せてもらって提出できるかと思います。それでは遅いでしょうか?
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1268777337
警察へ提出期限
提出期限について調べてみたところ、基本的には法律や制度で定められた提出期限はないようです。
ただし、人身事故に切り替えるために警察に診断書を提出する場合には、2~3日以内がベストだということです。
というのも、あまりにも提出が遅くなると、交通事故との因果関係を疑われて、受け付けてもらえなくなる恐れもあるそうなのです。
警察に診断書を提出するなら、なるべく早めに!!提出すべきです。
保険会社への提出期限
保険会社への提出期限についても、基本的に期限などはないようです。
ただし、早めに提出すればするほど、示談交渉も早く進むことになります。
よって、準備でき次第、なるべく早めに提出するのが良さそうです。
警察 | 保険会社 |
---|---|
制度上の提出期限はない | |
2~3日以内がベスト | 可能な限り早めがベスト |
後遺障害診断書の内容で後遺障害等級は変わる!?
ここまで、怪我の治療に対する診断書について見てきました。
一方、怪我が完治すれば良いですが、残念ながら後遺障害が残ってしまうことも考えられます。
その場合、後遺障害に対する後遺障害診断書が必要という話が出ていました。
通常の診断書と後遺障害診断書の違い
では、通常の診断書と後遺障害診断書にはどのような違いがあるのでしょうか?
そもそも、後遺障害診断書とは、交通事故の怪我により残った後遺障害の内容を証明するための診断書となります。
よって、後遺障害の等級認定に特化した内容となっています。
後遺障害診断書の書式には決まりがあるので、医師にこの書式の診断書を渡して作成を依頼する必要があります。
診断書の内容が後遺障害の等級認定に影響する!
後遺障害診断書の書き方によって、
- 後遺障害の認定が受けられるかどうか
- その等級が何級になるのか
が決まってくるため、非常に重要な書類となっています。
ただし、診断書には記載事項も多く、担当の医師にお願いして、詳細部分まで記入してもらう必要があるそうです。
医師であっても、後遺障害に詳しくない場合、必ずしも適切な内容で作成してくれるとは限らない点には注意が必要です。
そういった場合には、記載内容を具体的に絞って依頼する必要があります。
そうならないためにも、後遺障害診断書の作成については、交通事故の後遺障害に詳しく、被害者の話を親身に聞いてくれる医師に依頼することが重要です。
後遺障害に詳しいかは別として、被害者の話を親身に聞いてくれない医師は嫌ですよね。
医師に問題があるような場合には、転院も考えた方が良いかもしれません。
ちなみに、転院した場合も、保険会社に病院を変えたことをきちんと伝えれば、賠償は受け取ることができます。
とはいえ、転院した先でも適切な後遺障害診断書を作成してくれるとは限りませんよね…。
後遺障害診断書は、診断書の中でもかなり専門的で特殊なものです。
診断書の内容について不安な場合は、ぜひ弁護士に相談してみてください。
記載してもらうべき内容について、アドバイスをもらえるはずです。
まとめ
後遺障害診断書
概要 | |
---|---|
目的 | 交通事故の怪我により残った後遺障害の内容を証明すること |
内容 | ・後遺障害の等級認定に特化した内容 ・記載事項も多く複雑 |
作成者 | 病院の医師のみ |
注意点 | ・内容によって後遺障害認定等級が変わってくる ・記載内容を具体的に絞って依頼する必要 |
【まとめ】診断書の慰謝料や損害賠償への影響
最後、まとめになりますが、診断書は、交通事故(人身事故)の損害賠償請求の要です。
交通事故の場合、人身事故扱いにならないと、入通院慰謝料や治療費などの損害賠償が支払われないリスクがあるということでした。
また、後遺障害も認定されないリスクもあります。
そこで、人身事故扱いにしてもらうために、必ず診断書を警察と保険会社に提出する必要があります。
診断書の作成を依頼した場合、中には嫌な顔をする医師もいるかもしれません。
しかし、患者から診断書の作成を求められた場合、基本的に、医師に断る権利はありません。
必ず必要となる重要な書類ですので、遠慮なく医師に作成を依頼してください。
また、現在の症状だけではなく、過去の症状についても診断書の作成をしてもらうことが可能ということです。
というのも、病院にはカルテが保管されているため、当時のカルテを参照しながら過去の症状についての診断書を作成してもらえるのです。
もしも、過去の症状の証明が必要となった場合には、日時を指定して当時の症状についての診断書を作成してもらいましょう。
診断書はコピーの提出でも良い?
ところで、診断書は意外と高いものでしたが、提出先は何ヶ所もありましたよね。
交通事故にあったのですが通常、診断書は1枚だけ医師からもらったほうがいいのでしょうか?
というのも事故証明を取る際に警察に提出したり保険会社に提出したりで何枚かいるかなと思ったりしてます。
すぐその場で返却してくれれば1枚のみ発行してもらおうかなと考えているのですが…。
コピーでもいいのでしょうか?
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1429540204
1枚だけ作成して、その他はコピーでの提出でも問題ないのでしょうか?
先ほどもお話しましたが、保険会社に提出する診断書は各保険会社ごとの様式があり、警察に提出するものと使い回すことはできません。
また、基本的にはコピーではなく原本が必要となっています。
ただし、会社を休業する際に提出するものはコピーでもOKなことが多いようです。
診断書作成にはお金もかかりますので、会社にはコピーでも問題ないかどうか、確認してみた方が良さそうですね!
その他にも、意外と必要な場面が出てくるかもしれないので、ご自身の保管用にコピーを取っておいた方が良いかもしれません。
「書き直し」や「再提出」は可能なの?
ところで、診断書の内容に間違いがあったり、最初に診断書を作成した段階から、症状が変わっているということも考えられます。
その場合、診断書の書き直しをした方が良いのでしょうか?
そもそも、書き直すことは可能なのでしょうか?
昨日、交通事故にあいました。私の運転する車と軽自動車との衝突です。
救急車で運ばれ、レントゲンをとったりしたあと、診断書(おそらくむちうち。あと多少の擦り傷)を書いてもらい、今日警察署へ提出しました。
それで質問ですが、診断書を提出後の現在、症状がひどくなり、痛みや吐き気もあったりします。たちくらみとかもです。
診断していただいているときは、熱っぽさと多少の気持ち悪さだけでした。なので、それしか書いていないと思います。
軽くかかれていた場合、再度、診断書を提出すべきですか?
警察に提出した診断書の書き直し
本格的な治療が始まる前に警察に提出する診断書は、あくまでも見込みということでしたね。
また、警察に提出する診断書は、加害者の刑事処分を決めるために利用されるものでした。
よって、損害賠償には影響してこないため、特に書き直しや再提出は必要ないそうです。
ただし、加害者の刑事処分を重くしたいというような場合には、再度提出の必要があるかもしれません。
保険会社に提出した診断書の書き直し
一方、保険会社に提出する診断書については、その内容によって受けられる損害賠償が変わってしまうかもしれません。
特に、後遺障害診断書については、その内容によって等級認定の結果が大きく変わってしまう恐れもあります。
しかし、検査結果や医学的評価に関する記載の書き直しは、基本的には不可能だということです。
病院では書き直しを断られることも多いようですが、その場合には、
事実と異なる内容が記載されており、保険会社と示談するにあたって問題となる
ということを病院側にお願いし、必ず書き直しをしてもらいましょう。
しかし、すでに保険会社に提出した後に間違いに気付いた場合はどうするのでしょうか?
- 任意保険会社に提出済みの段階であれば、被害者ご本人か病院に原本を返却してもらい、原本に訂正してもらう
- 自賠責保険会社に提出済みの段階であれば、まずは自賠責保険会社に原本返却してもらえないか確認する
という対応が考えられます。
もし、返却してもらえないようであれば、保険会社に事情を説明し、後遺障害等級認定の判断を待ってもらう必要があります。
その間に、医師に書き直しの依頼を行います。
ただし、原本は保険会社に提出済みのため、
- 診断書のコピーに訂正を入れてもらう
- 誤記だった旨も記載してもらう
- 訂正した日付と署名、原本照合印を押してもらう
といった対応を行い、再提出することになります。
このようなケースのためにも、コピーは手元にあった方が良いかもしれませんね。
とはいえ、被害者の方ご自身だけで保険会社と再提出の交渉をした場合には難しいこともあるかもしれません。
診断書の再提出でお悩みの場合は、一度弁護士に相談してみた方が良いかと思います。
提出の可否 | 備考 | |
---|---|---|
コピーの提出 | 基本的には不可 | 会社の休業届に必要な診断書はコピーで良いか確認 |
書き直し・再提出 | ・警察へ提出した診断書の書き直しは基本的に不要 ・保険会社へ提出した診断書については保険会社に連絡 |
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ここまでで、交通事故の診断書について一緒に見てきました。
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最後に一言アドバイス
それでは、最後になりますが、交通事故の診断書についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。
交通事故の被害に遭われ、さらに保険会社との交渉で辛い思いをされていることと思います。
しかし、診断書の内容によっては、適切な補償を受けられなくなってしまう恐れもあります。
少しでも不明・不安な点がある場合には、迷わず弁護士に相談することをおすすめします。
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しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。
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まとめ
いかがだったでしょうか。
このページを最後までお読みの方は、
- 診断書に記載してもらうべき内容
- 診断書の提出先
- 診断書の提出期限
- 後遺障害に対する診断書と通常の診断書の違い
- 診断書が損害賠償に与える影響
などについて、理解を深めていただけたのではないかと思います。
今すぐ、弁護士に相談した方が良いと思った方も多いハズです。
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また、このホームページでは、交通事故に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!
皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。
交通事故の診断書についてのQ&A
交通事故の診断書ってなぜ必要なの?
診断書は怪我の名称や全治日数、医師名、病院名などを記載した書類のことで、交通事故後の怪我の状態を明確に残しておくために作成されます。作成には自賠責保険請求用のもので4,800円程度の費用がかかりますが、診断書がなかった場合、治療費や損害賠償金の請求などに支障をきたすおそれがあるので必ず作成してもらってください。 交通事故における「診断書」とは
交通事故の診断書は、どこに提出するの?
必ず提出しなければならないのは、警察と自賠責保険会社の2ヶ所です。警察に診断書を提出しないと物損事故扱いとなり、怪我の治療に対する賠償を受けられなくなる可能性があるので注意してください。また、交通事故による怪我の治療により仕事を休む場合など、会社にも提出が必要なケースがあります。 交通事故における診断書の提出先は?
診断書の提出に期限はある?
警察にも保険会社にも、法律や制度で定められた明確な提出期限はないようです。ただ、警察への提出が遅くなると、交通事故との因果関係を疑われて受け付けてもらえなくなる恐れもあるそうなので、2~3日以内に提出するのがベストだと言われています。保険会社への提出も、早ければ早いほど示談交渉がスムーズに進むので、用意できたらすぐに出すのが良いでしょう。 診断書の提出期限は?
通常の診断書と後遺障害診断書は、何が違うの?
通常の診断書が「医師が患者の病名や症状について診断した結果を記載したもの」であるのに対し、後遺障害診断書は「交通事故の怪我により残った後遺障害の内容を証明するための診断書」となります。後遺障害診断書は、記載内容が後遺障害の等級認定に影響する、非常に重要な書類なので、可能であれば信頼できる医師に作成を依頼するのが良いでしょう。記載内容について不安な場合は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。 通常の診断書と後遺障害診断書の違い
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
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